お寺の息子   作:龍やん

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2話

「ちょっと早く着きすぎたかな」

 

俺は今第一高校の門をくぐった。

 

入学式までちょっと時間があるなと思いながら何をして待ってようか考えていた。

 

「まぁまだ全然早いけど会場にははいれるよな」

 

先に入って寝てようかなと考えながら俺は会場に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえねえあの子ウィードだよね?」

 

「こんなに早くから会場に入ってるとか恥ずかしくないのかしら」

 

「スペアのくせに恥ずかしいよね」

 

「Zzz…Zzz」

 

周りの声が聞こえない位爆睡していた。

 

 

 

「あっちの方席結構空いてるね」

 

「そうだね」

 

空いてる席を探してた私と雫は、纏まって空いてる場所に向かって歩いていたのだが、近づくにつれてその空きかたがが奇妙であることに気が付く。

 

それは一人の生徒の周りだけがキレイに2席づつほど空いていて、周りにいる他の生徒がその一人の生徒に訝しげな視線を向けていた。

 

なんとも座りにくい雰囲気だったのだが、わらわらと席が埋まり始めていたので仕方なく二人で隣の席についた。そこでやっと隣の寝ている生徒が視線を集めていたのかがわかった。彼は2科生だったのだ。

 

「この人凄いね…」

 

「うん…」

 

席順は決められているわけではないが、暗黙の了解なのか席は前半分は1科生、後ろが2科生とキレイに別れていた。

 

その中、その生徒は1科生の真ん中に1人だけ2科生で座っており、おまけに爆睡しているという状況。

 

差別意識の無い私達でも「この人大丈夫かな?」と思ったほどである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?あれ?入学式おわった?」

 

ガヤガヤしはじめたあたりでようやく目を覚ました俺は状況を理解できていなかったのでとりあえず隣の人に声をかけた。

 

「なぁ入学式って終わったのか?」

 

「ひゃい!?」

 

なんかめっちゃ驚かれた。

 

「おわったよ、ほのかは変な声出さないで」

 

「いきなりでびっくりしたんだよ~」

 

「なんかわりぃな」

 

「大丈夫ですよ!」

 

「ところでさ、このあとどうするか分かる?」

 

「あぁそうですよね、ずっと寝てましたもんね」

 

「いやぁ早く着いたからちょっと寝ようと思ったら大分やらかしたらしい、だから教えてもらえると助かるんだが」

 

「いいですよ!このあとはIDカード交付があるので窓口に行くんですよ!」

 

「そうなのか!ところでその窓口ってどこにあるんだ?」

 

「それなら一緒に行く?」

 

「そうですねその方がいいですね」

 

「わりぃな助かるわ!」

 

「いいえ!まずは自己紹介しますね、光井ほのかです!」

 

「北山雫」

 

「俺は九重迅よろしく」

 

「じゃあいきましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

「二人とも1科生なのか?」

 

「そうですよ!」

 

「うん」

 

光井さんと北山さんが順番に答える。

 

「なんかわりぃな。2科生なんかのために説明までしてもらっちゃってよ」

 

「困った時はお互い様ですよ!」

 

その言葉はとってもありがたいっす!

 

「でも迅はすごい」

 

「何がだ?」

 

「あの視線のなか爆睡できて」

 

「視線?」

 

なに?俺めっちゃみられてたの?

 

「すごかったんですよ?2科生なのに前の真ん中のほうに座って寝てるんですもん、軽く引いちゃいましたよ」

 

そういうことですか。でも自由席だったような。

 

「でも席順は決まってなかったよな?」

 

「そうなんですけど何故か1科と2科で別れてたんですよね」

 

あぁコレがハゲの言ってた差別意識というやつか。

 

「なんかちょっとやな感じだった…」

 

「まぁ2科生は劣等感、1科生は差別意識が出てんだろ、現時点ではあまり変わり無いのにな、まぁ俺も魔法が苦手だから2科生だしな」

 

でもくだらねーな、ってか学校側もなにもしてないのかよ…

 

「私たちも1科生ですけどあまりそういう空気が蔓延するのはちょっといやですね…」

 

「同じ1科生として恥ずかしい…」

 

「まぁ良かったよ初めに話しかけたのがあんたらで!」

 

一番最初から人柄の良い子たちと知り合えた俺は結構引きが強いらしい。

 

「そう思ってもらえたらよかったです、迅さんは最初はちょっと怖かったですけど面白い人で良かったです!」

 

「うん迅面白い!入学式で爆睡はなかなかできないよ」

 

「そうだな貴重な体験だったわ」

 

覚えてないけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IDカードを受け取った、おれはE組らしい。

 

「俺はE組らしい」

 

「私はA組」

 

「良かったー雫と一緒だ~」

 

「今日はこの後自由なんだよな?」

 

「うん」

 

「まぁあまり一緒にいても視線を集めて二人に良いことはないから俺はそろそろ帰るわ」

 

俺は目立ちたがりなわけじゃないしな。

 

「そんな事ないです!でもそうですね私たちもそろそろ帰ろうかな」

 

「うん帰ろう、あと迅はもう友達、だから気にしないで」

 

「そっかありがとな、助かったよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして俺は帰路についた、ってか俺まだ同じ2科生の友達いねーじゃん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たでーまー」

 

「お帰り迅君、どうだった入学式」

 

「寝てて全く聴いてなかった!」

 

わろえない。

 

「迅君らしいね、友達は出来た?」

 

「おう!1科生の女の子二人が寝てた俺に色々おしえてくれたよ」

 

「そりゃよかったね、でも珍しい子たちもいたもんだ」

 

「他のやつらは1科生だと優越感に浸りきったプライドの塊みたいなやつらばっか、逆に2科生はまだ始まってもないのに負けてるヤツばっかだったな」

 

「どこも2科生制度がある学校はそういう差別意識がやっぱり根強くあるみたいだね」

 

くだんねーな、まぁ腐ろうが伸びようがそいつ次第だからな。

 

「そういうもんか、まぁ俺は好きにやるよ」

 

「君は産まれた時から過酷な人生を歩んできたからね、しっかり学生生活を謳歌しなよ」

 

「あんたに拾われてからは人並みだよ、まぁ頑張る気はないが少し楽しみではあるからな、なるようになるさ」

 

「あと、僕の弟子が二人ほど第一高校に居るから声をかけてみるといいかもね」

 

「まぁ見つけたらな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




全然進まんかったでも頑張ります!

あと、達也と迅君はまだ顔を合わせてないです!
迅君は基本的には一人で鍛練してるってことにしといてください

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