ちょこちょこ書いてはいたけどなんか上手く書けなかった…
全然進んでない…
ヒソヒソ
ヒソヒソ
「めっちゃヒソヒソされてんな」
「そりゃそうよ、開始2秒で相手を病院送りとか聞いたことないわよ。それに誰もラケット振ったのさえ見えなかったんだから。一部じゃ新種の魔法だとか言われてるわよ!」
真由美さんは頭を押さえてる。
「魔法つかってないんですけど…」
どちらかと言うと新種の人類なんだよな。
「知ってるわよ…」
いや、まぁやり過ぎたとは思ってるよ?悪いとは思ってないけど。
だってめっちゃ顔ウザかったんだもん!この世のものとは思えないほどウザかった。
なんなら不快感で吐きそうだった。
「まぁ次の試合からは、ちゃんと試合っぽくやると思うんで大丈夫ですよ。」
何だかんだ準決勝。
「準決勝第二試合、勝者第一高校九重君。」
今のところ特に問題無く勝ち進んでいる。
俺は試合が終わったあと、雫、エリカ、レオ、深雪、ほのかと合流した。
「いやいや、この試合も余裕だったわね!」
エリカが俺の背中をバン!と叩きながら言う。
「おう! まぁ今んとこ問題ないな」
「問題ないどころか失点もないよな」
とレオが言う。
「コートにボールが2個以上にすらなってないですもんね」
ほのかが続く
「同じ人間か疑わしいレベル」
「際どいけど同じ人間ですね」
雫の言葉に割とマジに返した。
「正直物足りないと思ってるんじゃないですか?」
深雪が言う。たまにこの子凄い好戦的な事を言う時あるよね。
「まぁ、そんな事無いと言えば嘘になるな。でも、次は少しばかり骨のあるヤツが出てきそうだけどな」
俺がニヤッとすると、タイミングを見計らったかのように三校の制服を着たヤツが3人出てきた。一色さんと、沓子、あと爽やかな男だ。
「お話のところ失礼、君が九重迅君だね?」
めっちゃ爽やかな男が話しかけてきた。
「じ~ん!」
ねぇ今ってシリアスな雰囲気じゃなかったっけ?沓子さん?
飛び付いてきて俺の首を持ってグルグル回っている。
「迅!やっぱりお主は強いなぁ~」
「沓子、話しかけてきた爽やかなヤツが困ってるからやめなさい」
「おーそうじゃったな、すまん興奮しすぎた。」
そう言い俺から降りると沓子は二人の方へ戻った。
「第一高校の皆様には自己紹介がまだでしたね、私は一色愛理と申します、そして今そこの九重君に抱きついてグルグル回ってたのが…」
「四十九院沓子じゃ!」
沓子が一色さんの自己紹介を遮って言う。
「そして僕が君の決勝での相手、高宮直。よろしくね!」
ニコッと爽やかに言い放った。
「そりゃご丁寧にどうも、んで?なにようですか?まさかここに談笑しにきたわけじゃないだろ?」
俺は軽い感じで聞く。
「初心者で2科生の九重君が運良く勝ち上がっていると聞きまして、調子のほどをうかがいに来ましたの」
随分と嫌われたもんだねぇ。
一色さんの言葉に隣にいる高宮君は苦笑いしている。
「調子をうかがいに来た割には随分と失礼な物言いですね。恥ずかしくないのですか?」
俺の後ろから深雪が冷気纏いながら前に出てくる。
物凄い怒ってらっしゃる。
「私は事実を言っているだけなのですけど、あなたの方こそ名前も名乗らずに不躾なのでは?」
こっちも引かずに一色さんが切り返す。
「貴方のように真実を直視出来ないような方に名乗る名前は持ち合わせておりません!」
これぞ一触即発ってヤツですね。
まぁ間違いなくこれ以上は場が持たないな…
「ハイハイその辺にしとけよ。」
俺はそう言い、深雪の肩に手をポンッと置き
「落ち着け、らしくないぞ」
と、一言声をかけた。
「すいません…」
我に返ったのか少しシュンとしながら謝ってきた。
「一色さんも、ヤル気満々なのは良いんだけどさ、戦うのはあんたじゃなくて高宮だろ?それよりも、人の心配する前に自分の心配したら?」
お前この後女子の決勝だろ。こんなとこで油売ってる暇あんのかよ。
「ふん!貴方に言われるまでもありません!」
「そうかい、じゃあ俺の調子はサイコー。調子を聞きに来たんならコレで任務完了だろ?一色さんも女子の決勝あるんだからそろそろ戻った方がいいんじゃないか?」
「大きなお世話ですわ!!」
そう言い一色さんはプリプリ怒りながら去っていった。
「ゴメンね迷惑をかけちゃって。」
高宮が言う。
「別に気にしてねーよ」
「僕は試合前に、魔法を使わずに勝ち上がってきた君の顔が見たかっただけだったんだよね…」
「そうかい、まぁ試合楽しみにしてるよ。」
「うん!お互い頑張ろう」
そう言い高宮も一色を追いかけていった。
「沓子!お前には俺の友達を紹介する」
この後改めて自己紹介をした。
「な~んじゃ第一高校は2科生であっても粒揃いじゃな」
沓子がレオ、エリカを見てびっくりしている。
「ああ、他にも二人ほどスゲーやつがいるな。」
「ほほう!それに美月、お前さんは水晶眼持ちか。随分とまぁ面白い」
美月が焦った顔をする。
「大丈夫じゃ!誰にも喋らんから安心せい!」
沓子が任せろと言わんばかりに胸を張る。
「雫はスピードシューティング優勝しておったな。近くで見るとやはり流石と言うべきか、ほのかはわしと同じバトルボード、いやはや強敵じゃな。」
そして沓子が深雪の方を見る。
「お主は……」
沓子が険しい顔をし俺をチラッと見た、俺が目でサラッと余計なことは言うなよと伝える。
まぁ、沓子も言っていいものか悩んだんだろう。
「お主は、男の兄弟がおるんじゃないか?」
「ええ、お兄様が。」
「そうかなるほど……おっともうこんな時間かわしはそろそろ行く。みな、迅の事をよろしくたのむ。こやつは何かあればとんでもなく頼りになるが、なにもないとただの怠け者じゃからな」
「ハイハイんじゃまたな!」
沓子はニコニコしながら三校のテントに帰っていった。
「随分と鋭い方でしたね。」
美月が言う。
「特殊な観察眼をお持ちなのですか?」
深雪が心配そうに聞いてきた。
「ああ、アイツは達也や、美月みたいにしっかり見えている訳じゃないんだ。ただ、あいつは天性の直感があってな。見えているよりも正確かもしんねーな。
まぁ、余計なことは絶対言わない。さっきもなにかしら感じてたんだろうけど何も言わなかっただろ?
だから心配しなくても大丈夫だ。」
「そうですか。分かりました。」
最後の方を小声で深雪に言うと、安心したように笑った。
クラウドボール男子決勝
今年の新人戦男子は少しばかり面白味にかけるかな。
なんて考えていると僕の前の席に第一高校の制服を着た一団がやって来た。
「お!深雪君と達也君、それに七草のご令嬢、千葉の娘さん、吉田家のご子息。あれ?沓子君まで?迅君は人気者だね~」
小声で呟く。
その他にも何人か男も女の子もいた。僕は気配を消して、皆の座る席にブーブークッションを置く。(どっから出したかは聞かないでね!)
皆が席に着く。
ブビーブリブリブリ~!!
「「「!?!?」」」
「クククッハッハッハ!」
あまりの激しい音に思わず笑ってしまった。
「「「!?!?」」」
「誰だ!?」
流石達也くん、反応が早い。千葉の子も良い動きだね。
僕は振り向いた彼等の背後から……
「危ないから没収ね!」
と声をかけると同時に皆のCADを没収。
厳密に言うとブーブークッション置く時には、特化型以外はほとんど取り上げてたんだけどね。
アハハ驚いてるね。
「先生!?」
深雪君がいち早く気がつく。
昔より冷静になったね。若い子は成長がはやいなぁ。
「アハハ、バレちゃったね!」
と言いながら麦わら帽子をとる。
「師匠、冗談にしてはやりすぎじゃないですか?」
達也君が恨めしそうに言ってくる。
「ええっと……達也くん、深雪さんどなた?」
七草のご令嬢が戸惑っている。可愛い。
「この御方は九重八雲師匠。迅の父親ですよ」
「「「えええぇぇー!?」」」
良い反応をありがとう。
「どうも、九重寺住職、忍の九重八雲と申します。」
軽くお辞儀をする。
「八雲殿!お元気だったか!」
沓子君が飛び付いてきた。
「沓子君お久しぶりだね!元気だったよ~!」
「確かに、さっきの動き、迅そっくり。ほとんど見えなかったけど。」
「この方が迅さんのお父さん…」
北山家のご令嬢に光井家の娘さんか。
どの子も可愛いなぁ。
「お初に御目にかかります。七草家の長女、七草真由美と申します。以前は大変お世話になりました。」
流石十師族の長女だね。
「いやいや、僕は何もしてないよ!迅君はちゃんと仕事してたかな?」
「はい!とても助かりました!」
「そうかい、それは良かった!」
「突っ込みどころがおおすぎるよ!!」
吉田家の子がテンパってる。
そんな感じで各自自己紹介された。
「それで、師匠どうしてこんなところに?」
達也くん、いくらなんでもそれは愚問だよ!
「そんなの決まってるじゃないか!迅君の晴れ姿をこの目に焼き付けるためだよ!!」
(((まさかの親バカ!?)))
「それにしてもイタズラが過ぎるのではないですか?」
深雪君の良い笑顔が恐い。
「いや~若い子を見るとついついちょっかい出したくなるんだよ!」
(((変態!?)))
「それにしても、皆さん僕の奇襲に対して良い反応だったね!僕は俗世にあまり興味はないけど、魔法師の未来は安泰そうだね。」
「そうですね。迅君を含め第一高校には優秀な生徒が多いです」
真由美君がニコニコしながら言う。
「おっと!そろそろ迅君の試合が始まるね。」
僕がそう言うと、皆が今から試合が開始されるコートに目を向ける。
「これより新人戦男子クラウドボール決勝、第一高校九重君と第三高校高宮君の試合を始めます!」
放送が流れ試合が始まる。
とりあえず苦し紛れのオリキャラ投入。
八雲さんには試合の解説をやっていただきます。