お寺の息子   作:龍やん

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皆様ありがとうございます!!

今回の話はあまり山場が無いうえにあまり進まないです…


15話

「懇親会?」

 

「九校戦に出場する選手たちの立食パーティーだよ」

 

俺は今たまたま出くわしたエリカに説明を受けていた。

 

なんでもエリカ、幹比古、美月、レオはホテルでのバイトで来ているらしい。

 

「それって甚平で出てもいいのかな?」

 

「ダメです」

 

深雪にバッサリ切り捨てられた。

 

「各校制服が義務づけられている」

 

達也が呆れた顔で説明する。

 

「本当に何もしらないのね…」

 

エリカも呆れる

 

「興味無かったからな~」

 

本当は興味が無かったわけではない。

 

九校戦という物があるとは知ってたし、何をするのかも知っていた。

 

ただ自分が出ることなんて未来永劫ないと思っていたから自然と興味がなくなったということだ。

 

「興味が無かったんじゃなくて、お前の場合説明を受けてる時寝てただろ…」

 

達也が呆れきっていた

 

「んで?その懇親会ってのは出なくてもいいのか?」

 

「原則は参加ですよ」

 

深雪が答える。

 

「なんか俺とか変に目立ちそうだからでないほうが無難かと。まぁ達也はシスコンだから深雪に変な虫がつかないように出るんだろうけどさ」

 

他の学校は2科生から九校戦に出てるヤツなんていないだろうからな。

 

技術スタッフの達也は紋章着きの制服を借りていたが、選手の俺はわざわざ借りるのは面倒臭かったので普通にいつも通り自分の制服なのだ。

 

絶対悪目立ちする。

 

それでなくても、何かあったら秘密裏に処理しないといけないのだ。

目立って何も出来ませんでしたなんて笑えない。

 

「でも、迅も選ばれて2科生でも九校戦に出るんだからそんなの気にしなくていいじゃないの?」

 

エリカが言う

 

「そうですよ。お兄さまもそうですけど、気にしちゃダメです!二人ともとっても強いんですから!」

 

深雪がそう言う

 

なんだかコイツのブラコン俺にも飛び火してない?

俺あなたのお兄さまじゃないお?

 

「わかったよサボらず出るよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい懇親会。

 

「九校戦に出る奴ってこんなにいんの!?」

 

俺はその人の多さにびっくりした。

 

「全部で300~400人ほどだよ」

 

隣にいた雫が答えてくれた。

 

「へぇーこんだけいたら俺もそんなに目立たないか」

 

ひそひそ、ひそひそ

 

俺の周りのやつらがこっち見てめっちゃひそひそしている

 

「俺めっちゃ目立ってるね」

 

やはり2科生は嫌でも目立つらしい

 

「そうだね」

 

雫も頷く

 

キョロキョロしていたら、達也を発見…

 

深雪と一緒にいるせいでめっちゃ目立ってた。

 

なんなら俺より数倍は目立っていた。

 

周りの奴等は深雪に話しかけたいが、隣に達也が立ってるために誰も踏み出せないでいる。

 

「あいつは番犬かよ…」

 

「でも、深雪も満更じゃなさそう」

 

雫が深雪を見てそう言う。

 

「雫はほのかとか深雪の所に行かなくていいのか?」

 

「うん、変に話しかけられるのは嫌だ」

 

「さいですか」

 

確かに俺の近くに入れば不用意に話しかけられる事はないだろうな。

 

俺は雫と二人で料理を食べながら各校の選手をボーッと眺めていた。

 

会場がいきなり暗くなり、マイクを持った司会のような人が壇上横に現れた。

 

どうやら九島烈が出てくるらしい。

 

壇上が明るくなり、九島烈の代わりにパーティードレスを着た美女が現れた。

 

正確に言うと九島烈はいるのだが、美女が目立ち過ぎて九島烈が隠れてしまっている。

 

「まぁトリックスター言われているだけはあるって事なのかな?」

 

「どういうこと?」

 

雫がぽかーんとしている。なんだか可愛いマスコットキャラみたいだ。

 

「まぁ、目を凝らして良く見てみな」

 

そう俺が言うと、雫は真剣な顔をして壇上を見る

 

「あ!」

 

「わかったか?」

 

「うん!いた!」

 

「まぁ簡単な意識を誘導する魔法だよ。魔法の中でもかなり弱い部類に入るけど。」

 

九島烈は、そんな弱い魔法で会場皆の目を欺いたのだ。

 

並みの事ではない。

 

「きっと九島さんは、大きくて目立つ華やかな魔法もいいけど、目立たない魔法でも思考を凝らし、使い方しだいでこの会場の皆を出し抜くこともできる。だからもっと腕を磨けよって言いたいんだと思うよ!」

 

「なるほど」

 

雫は良いものが見れたと言わんばかりに機嫌が良さそうだった。

 

この後、九島烈が俺が雫に言ったような内容をもっと丁寧に、会場の皆に説いていた。

 

話が終わり、九島烈がお辞儀をした。

 

顔を上げたとき不意に目が合った。

 

九島烈はニッと一瞬笑い壇上を降りていった。

 

バレた…後であいさつしに行かなきゃな

 

そう心の中で誓った

 

そのあと宛もなくぷらぷらしていたら雫が

 

「ちょっとトイレ言ってくる」

 

と言った。ちょうどいい。

 

「了解」

 

雫はトテテテと小走りで去っていった。

 

俺は気配を消し、自分の今できる最大の穏形をした。

 

ターゲットに背後から近づき声をかけようとした時…

 

「久しぶりだね迅」

 

「マジかよ爺さん。俺の全力だったんだけどな。まだまだ上を目指せるってことか…」

 

ゲームとかだったら穏形レベルカンストしてると思ってたんだけどな。

 

そうではないらしい。

 

「それ以上になりたいと?」

 

「そういうわけじゃないけどさ、目指す事が出来るってことだよ。」

 

「そうかい。八雲殿は元気かい?」

 

「ああ、こっちが引くほど元気だ。」

 

あれでジジイとかどんな悪夢だよ…

 

「カッカッカッそうかいそうかい。何よりだな。」

 

「まぁな。」

 

俺とこの九島烈は知り合いだ。

 

俺の親父、九重八雲が俺の事を引き取ると言った時、唯一賛成をした人だった。

 

「どうやら、お前さんもこの九校戦に出るそうじゃないか」

 

「ああ、成り行きでな。」

 

「今年の九校戦はたのしみだな」

 

「お眼鏡にかなったヤツでもいるのか?」

 

「おお!お前さんと一緒の第一高校の一年生じゃ。」

 

「男?女?」

 

「そう言えば兄妹みたいだったな」

 

ああ、一瞬で誰だか分かってしまった…

 

やっぱ達也もスゲーな爺さんに目を付けられるとは。

 

「ああ、一瞬で誰だかわかったわ」

 

「そうかい、おや?あの子お前さんの隣にいたこじゃないか?」

 

そう言われそっちを見ると雫が他の学校の奴等に集られていた。

 

「そうだな、困ってそうだから俺は行くよ」

 

「そうかい、競技頑張れよ応援してるぞ」

 

「ありがとさん。あと、もしかしたらこの九校戦中に爺さんの力を借りることがあるかもわからん。」

 

「ああ、小耳に挟んでおる、お前さんも大変だな。」

 

さすが、情報が早いな

 

「まぁな、しょうがないさ」

 

「そうか、好きに頼ってくれてかまわん」

 

「サンキュー、じゃ!」

 

そういい俺は雫の元へ向かう。

 

 

 

 

「迅君!」

 

目指している方とは別の方向からそう声をかけられそちらに目を向けると、焦った顔をしながら真由美さんが小走りでこっちに来た。

 

「どうしました?」

 

何となく切羽詰まった顔をしているのであまり良い事ではないのだろう。

 

「ちょっとお願いがあるの!」

 

「ちょっと待って下さい。雫が困ってそうなのでそのあとでもいいですか?」

 

「わかったわ」

 

そういい俺はまた雫の元へ向かう。

 

 

 

 

「迅どこ行ってたの?」

 

少し機嫌が良くないみたいだ…

 

「悪いな少し挨拶にな」

 

「そっか」

 

どうやら怒ってはないらしい

 

「この後会長にも呼ばれてるんだよな…」

 

「なにかやらかしたの?」

 

「ちげーよ多分」

 

何で皆すぐ俺が何かやらかしたと思うの?

 

そんな問題児じゃないよ?

 

「そっか私も行って良いかな?」

 

「いいんじゃないか?」

 

そういい二人で向かうことになった。

 

 

 

 

 

 

 

「真由美さん来ましたよ」

 

「失礼します」

 

俺と雫が指定された部屋に入るとそこには十文字先輩と渡辺先輩、市原先輩がいた。皆一様に険しい顔だ。

 

ってか勢揃いかよ…なんか嫌な予感しかしない。

 

「さて、九重ここに呼んだのはわけがある。」

 

渡辺先輩が切り出した

 

「なんでしょう?」

 

そう俺が聞くと

 

「率直に言う!」

 

今度は十文字先輩だ。

 

「迅君新人戦のクラウドボールに出てほしいの」

 

最後は真由美さん。なんかやたらと息があってたな…

 

「なんでですか?」

 

「男子の新人戦クラウドボールに出るはずだった子が、会場入りしたあと少し練習していたみたいなんだけど、そこで怪我をしてしまって代わりに迅君に出てほしいの。」

 

「練習場は他の学校の貸しきりでは?」

 

「自主連だったそうだ。アップやストレッチのために少しだけスペースがある。そこは他校も共同のスペースなんだが、少し接触があったみたいでな。事故だよ。」

 

渡辺先輩がそう続けた。

 

「そうですか…他の人は出れないんすか?」

 

「みんなクラウドボールの準備をしてないんです」

 

市原先輩が言う。

 

「俺なら普通のCADを使わないからその準備が必用ないからですかね?」

 

「そう言うことだな。それにお前なら技術スタッフも必用ないからな。」

 

渡辺先輩が頷く。

 

正直言うと出たくないです…

 

ふと隣を見ると雫が目を輝かせていた。

 

なんで輝いてるんですか…?

 

「迅なら行ける!」

 

ものすごい勢いで加勢されてしまった。

 

取りつく島はなさそうだな…

 

「まぁ、断れる雰囲気ではなさそうですね…他の選手からの苦言はそちらで対応してくださいね。あと、1つ御願いがあります。」

 

「苦言が出るとは思えないけど、任せて。それよりお願いってなに?」

 

真由美さんが言う

 

「クラウドボールに出る一校の全選手と試合させてください。あと、使う魔法やプレースタイルも内緒で、ようは、俺に前情報なしの状態で試合させてください。」

 

このお願いには流石に俺以外の5人は驚いていた。

 

「一応何故だか教えてもらえますか?」

 

「まず、今から戦術やプレーに関して口答で説明されても間違いなく間に合わないでしょう。だったら最初っからやってみて自分で考えたいので。あとは、一校自体がレベルが高いのでそれを基準にできるからですね。」

 

「そういう事なら他の選手にもお願いしておくわ。」

 

真由美さんが納得したように頷く。

 

「お願いします。」

 

 




なんかスゲー強引だったかな?

よく考えたら新人戦のモノリスまで迅君あんまり出番無いので急遽クラウドボールに出します

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