お寺の息子   作:龍やん

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なにが言いたいかと言うと、こんな下手くそな文書読んでくれてありがとうございます!


14話

 

「おはよう九重、聞いたぞ!がんばれよ!」

 

「司波君がんばって!」

 

「おはようございます、司波君応援してますよ!」

 

「オッス九重、気張れよ!」

 

月曜日、俺は教室に着くなり達也と一緒にめっちゃ激励されてた。

 

最初は何の事か分かんなく、エリカに何コレ?

っと聞いたら

 

「あんた九校戦出るんでしょ?その事以外になんかあるの?」

 

っとジト目で言われた

 

そんときはそうか!となったのだが

 

「なんでもう皆知ってんの」

 

「分からん」

 

達也もびっくりしているようだ

 

達也も先週の放課後に選定会議にてエンジニア入りが決まった

 

あの服部先輩が太鼓判を押したらしい

 

「情報がはえーな」

 

レオが言う

 

「確か今日が正式発表じゃなかったっけ?」

 

「ああ」

 

エリカが首を傾げながら聞いたのに対して達也は冴えない顔で答える

 

「5限目が全校集会に変更されてましたよね?」

 

「そうらしいな」

 

美月の問いに俺が端末を見ながら答える

 

「発足式に達也さんと迅さんも出るんでしょ?」

 

「yes」

 

美月の質問に達也は頷き、俺は答えた。達也は浮かない顔をしている

 

「確かエンジニアって一年からは達也だけなんだよな?」

 

レオが聞く

 

そうなのだ。選手は新人戦があるため一年からも出るのだが、エンジニアはそういうわけではないので、一年からは達也だけなのだ。

 

「迅君も2科の中じゃ一人だけだよね?」

 

エリカに頷く

 

もちろん2科の中からじゃ3学年全部合わせても俺一人なのだ

 

「1科の奴らはスゲー悔しそうだったな」

 

レオの言葉に達也が胃が痛いと言わんばかりにため息をついた

 

「達也、諦めろ。俺も同じようなもんだからさ。重荷は半分持ってやるよ」

 

「ああ、そうだな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4時限目終了後…

 

「「何コレ?」」

 

講堂の舞台裏で達也はブルゾンを、俺はスポーツジャケットのような物を深雪から手渡されていた

 

達也は何だかわかっていたらしいが、俺は正直良く分かんなかった

 

「達也君のは技術スタッフのユニフォーム、迅君のは選手用のユニフォームよ。発足式では制服の代わりにそれを着てね」

 

真由美さんから回答が返ってきた

 

達也は深雪に、俺は真由美さんに着せて貰ったのだが…

 

「おい!ちょっと待て!」

 

達也と深雪が俺のその一言でこっちを見たのだが、達也は直ぐに目を反らし、深雪は驚いていた

 

「どう考えてもサイズ合ってないだろ」

 

目の前で真由美さんが笑ってる。笑っていると言うより腹抱えて爆笑している。

 

笑ってんじゃねーよ…

 

今の俺はピッチピチのジャケットを着たムチムチのヤバイ奴になっていた。ボタンが今にもはち切れそうになっていた。

 

「それにしても迅君意外と体格良いのね」

 

俺の真っ正直で真由美さんがまじまじと俺の胸や二の腕を見ていた

 

そのままボーッとしながら人差し指で俺の胸筋に触れた

 

「何してんの真由美さん?」

 

「え…え!?あれ?」

 

何やらめっちゃ顔を赤くしてわたわたしている。それを見て俺は心の中でニヤっとした。少し仕返ししてやろう。

 

「なんで胸触ったんすか?」

 

ズイッと近づき、真由美さんの顎をくいっと持ち上げ、自分の顔を近づけ、口の端を悪そうに持ち上げニヤっとしながら言うと

 

「あわわわ…」

 

あわわわなんて言う奴初めて見たぞ…テンパりすぎじゃない?

 

「迅君なんかもう知らない!!」

 

そう言い俺を突飛ばし走って行ってしまった

 

「迅、やりすぎだ…」

 

「迅さん性格悪いですよ…」

 

司波兄妹に言われた。

日常生活でもやってそうなやつらに言われたくないわ!

 

この後発足式でボタン飛ばしてめっちゃ笑われた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八月一日…

 

この時期になると嫌でも思い出す事がある。

 

沖縄海戦…

 

最低にして最悪の記憶。

 

同時に忘れられない、忘れてはいけない記憶。

 

大切な人を亡くした悲しい記憶…

 

夢で見る過去の映像

 

 

 

「はぁ…あまりいい目覚めではないよな…」

 

俺は独りつぶやきベットから降りる

 

シャワーを浴び、準備を整え食堂に向かう。

 

親父が新聞を読んでいた。

 

「おはよう親父!」

 

「おはよう迅君」

 

軽く挨拶をして食事当番が作ったおにぎりを頬張る

 

「九校戦楽しみだね」

 

親父が楽しそうに言ってきた

 

「まぁそうだな、どちらかと言うと俺は出るより観戦したいんだけどな」

 

各高校の色んな魔法が見れるのだ!そんな機会はあまりない

 

「そういわずに楽しんで来なよ」

 

「まぁ折角選ばれたしな、それなりにやって来るよ」

 

「うんうん!応援してるよ!」

 

「ありがとさん」

 

そう軽い感じで話していたのだが、親父が思い出したように俺に言ってきた

 

「そう言えば、少し妙な事を聞いたんだ」

 

「なんだ?」

 

「昔から九校戦っていうのは裏で賭博の対象になってるんだよ。マフィアや政治家、裏に関係する者でわりと大々的に進行されているんだ」

 

「へぇー」

 

まぁ考えてみればそうだろう。

 

競い合って、明確な順位が付くのだ、賭博の対象になっていてもおかしくはないだろう。

 

「今年の本命は去年、一昨年優勝している第一高校なんだけどね、毎年その賭博の中心になっているあるマフィアが今回本命を外して大金を賭けているらしいんだ」

 

「ただの大穴狙いじゃないのか?」

 

「そのマフィアなんだけど、上納金のノルマが結構厳しいマフィアなんだ。その上わざわざ大金を大穴に賭けている。おまけに今マフィアどうしで大きめな取引の最中らしくてね。臭いとは思わないかい?」

 

そう言われればそうだけどさ…

 

「確かになんかありそうだけど、あまりにも魂胆が見えすぎてない?仮にそれで九校戦で何かあったら、「私たちがイカサマしました」って言ってるようなもんだぞ?」

 

「相手はマフィアだからね、やるなら勿論何かバレないよう細工してくるだろうね」

 

確かに、ノルマがキツイ上に取引があるのだ。普通なら大穴に大金など賭けない。

 

何かあると見るのが自然だな。

 

「まぁ一応警戒はしとくよ」

 

「うん!こっちでももう少し調べとくから何かあったら連絡するよ」

 

親父が言う

 

「了解」

 

「九校戦は君たち生徒以外に一般の観客も大勢来るからね。何かあったら手段は選ばなくていい。その代わり秘密裏に頼むよ。」

 

親父がここまで言うからには何かあるんだろう。

 

はぁ…忙しくなりそうだ…

 

「はいよ。んじゃ、俺はそろそろ行くわ」

 

「うん!がんばってね!」

 

「おう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはようさん達也!」

 

「おはよう迅早いな、ってお前格好がヤル気無さすぎだろ…甚平って…」

 

「そうか?格好は何でも良いって言ってたからな!家だと基本は甚平だし、楽なんだよ」

 

今の俺の格好は紺の甚平に下駄というなんとも夏っぽい楽な服装。ダル着というやつだな。

 

「そうか」

 

「俺は取り敢えずバス乗って荷物おいて来るわ。そしたら代わるから達也も少しは涼んでこいよ」

 

いくらなんでもこの炎天下に一人だけ外で乗車確認はかわいそすぎる

 

「悪いな、それならよろしく頼む」

 

「おう!10分置きに交代な!」

 

「了解」

 

俺はバスに乗り込む。

 

一番最初に渡辺先輩に話しかけられた

 

「おいおい、いくらなんでも甚平はヤル気無さすぎだろ」

 

何コレデジャヴ?

 

「それ、外の達也にも言われましたよ」

 

「そりゃそうだ、それにしても似合ってるな…まったく違和感がない」

 

「まぁ、家だとこの格好でゴロゴロしてますからね」

 

そう言い俺は後ろの方の席の窓際に座り荷物を置きまた外に出る

 

 

 

 

 

 

しばらくして、来てないのは真由美さんだけとなった。

 

どうやら家の用事らしい。

 

乗車確認の仕事は、残り一人なので達也があとはやるというので任せて俺はバスの座席に座っていた。

 

しかし、なぜか俺の席の隣はずーっと空いている。

 

誰も座りたがらないのだ…解せぬ

 

「皆ごめんなさい遅くなってしまって」

 

どうやら残り一人が来たようだ

 

その人はキョロキョロし、俺と目が合うとニコッとし、俺の横にやって来た。そしてやっぱり俺の格好を見てびっくりしていた。

 

「凶悪なほど似合ってるわね…」

 

「ありがとうございます。真由美さんもお洋服とっても

似合ってますよ」

 

ニコッとしながら言うと真由美さんは嬉しそうにありがとうと言い隣に腰を下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

バスは出発し、真由美さんのちょっかいを軽く流しながら外をボケーっと眺めていた。

 

入道雲がスゲーなーなんて考えながら何となく、向こうから走ってくる車に目が着いた。

 

端からみたら何のへんてつもない車なのだが、背中に冷たい物が走った…その瞬間、その車は横転しそうに火花を散らしながら滑り始めた。

 

バス内の誰かが

「危ない!!」

と叫ぶ。

 

向こうの車線だったので、その時はあまり騒ぎになってなかったのだが、ガードレールにぶつかり、あろうことか飛び越えこちらに突っ込んできた。

 

「はぁ…マジかよ…」

 

思わずそんな気の抜けるような一言が出てしまう

 

バスの中は阿鼻叫喚。

 

「ぶっ飛べ」

 

「消えろ」

 

「止まって」

 

魔法が一斉に発動され、キャストジャミングのようになってしまう。

 

「よいしょ」

 

「な…何してるの迅君!?」

 

俺は止まっているバスの窓を開け屋根に登ろうとしていた。

 

「安心してください、ただの人助けですよ」

 

やさしく柔らかい声音でそう答える。

 

「あ!深雪消火よろしく!」

 

そう言い俺は迫ってくる車に向かって大ジャンプ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「深雪消火よろしく!」

 

見知った声が私に言った。

 

確認することも出来ないような状況でも私は焦ったりなどしなかった。

 

前に自分が油断し、殺されそうになった時とは違い今は思考する余裕があるのだ。

 

それに、今この場にはこの状況に対して即座に対処できる魔法師が二人もいる。一人は別の車だけど…

 

私は私の役割を全うするために、魔法の準備をする。

 

次の瞬間車の上空から小太刀が降ってきて車に刺さる。

 

ほぼ同時に人が降ってきた。

 

刺さった小太刀の上に着地し…

 

ドゴォォンバチチチチ…バチ

 

と言う何かが潰れるような重い音と、雷が落ちたかのような凄まじい音が同時にし、車が半分潰れ止まっていた。

 

小太刀の上でクルっと回りこっちを向きニコッとしながら彼は言った

 

「後よろしく!」

 

私は準備していた魔法を展開し燃えていた車体を消火した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「助かったわ迅君!ありがとう!」

 

「ああ、本当に助かった」

 

バスに戻った俺を真由美さんと渡辺先輩が出迎えてくれた。

 

「まぁあの中じゃ魔法の行使は難しいっすからね。たまたま2科生の俺が役に立ったってだけっすよ。適材適所ってヤツっすね。褒めるならあの中で冷静に対処した深雪と市原先輩を褒めるべきですね。」

 

「リンちゃん?」

 

真由美さんが首を傾げながら聞く

 

「バス止めたの市原先輩っすよね?」

 

俺は市原先輩の方を見て尋ねる。

 

「よく気がつきましたね」

 

市原先輩が無表情に答える

 

「一番最初に動き出してましたからね。多分深雪も気がついてたんじゃない?大分冷静だったし。」

 

いつぞやに比べて遥かに冷静で、尚且つしっかりやり遂げていた。

 

「そうですね、市原先輩や渡辺先輩の迅速な対応のお陰で冷静に対処出来ました。ありがとうございます」

 

深雪が綺麗なお辞儀をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後、何事もなく会場に着いた。バスを降たのだが、雫がなんだか元気がない

 

「どうしたん雫?」

 

複雑な顔をしていた

 

「何もできなかった。それどころか皆の邪魔をしちゃった」

 

「ああ、さっきのね。あんまり気にすることないんじゃないの?森崎も雫もちゃんと対応できてたじゃん!ちょっと適切じゃなかったってだけでしょ。」

 

反応出来ただけ優秀だ

 

「でも…」

 

「良い経験が出来たと思えばいいじゃん!別に誰か怪我したわけでもないしな。前に深雪にも言ったけど、あんなのは滅多にある訳じゃないんだ。死んでたら次はないんだ、ラッキーって思った方が良い」

 

でないと疲れちまう

 

「うんそうする」

 

「よし!九校戦頑張ろうぜ!」

 

「うん!」

 

何も起こらないわけないよなぁ

 

なんて考えながら俺はホテルの中に入って行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なんかくっそ長くなってしまった…

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