お寺の息子   作:龍やん

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九校戦編
12話


 

俺は今生徒指導室とかいう場所にいた

 

何故か?

 

テストの点数が良かったからだって!

 

何故?

 

知らねーよ、なんで点数良いのに指導うけんだよ…

 

そうか、あれか?2科生だからか?いやいや差別でしょ!

 

まったくもって心外だ!

 

手を抜いてるだ?

 

抜いてねーよ!

 

俺が普通にサイオン流したら壊れちゃうでしょ!

 

流せる範囲で全力全快だよ!

 

実技の成績?

 

ビリから3番目だよ…

 

しかも下の二人テストの日に休んだらしい…

 

つまり…ビリだよ!

 

筆記テスト?

 

ハッハッハー聞きたいかい?そうか聞きたいか!

 

1位でーす!

 

勉強しましたから!自分の好きな事ですもん!

 

はい!回想終わり!

 

 

「ってな感じだな!」

 

「回想なげーよ」

 

そんな事いうなよレオさん

 

「でも意外ですね、迅さんが筆記1位なんて」

 

ほのかよ、もっと褒めてくれ!

 

「迅、多分誉められてはない!」

 

雫さん、そうなのか!?

 

んな冗談はさておき

 

「俺入試の筆記テスト1位タイだぞ?」

 

「「「え!?」」」

 

「え?」

 

「意外すぎるでしょ」

 

エリカが言う

 

「お前ら失礼すぎない?」

 

「バカには見えないけど、決して良くも見えない」

 

雫さん…

 

「確かに…」

 

柴田さんまで…

 

「ボロカスだな…」

 

別にいいもん、気になんかしてないもん…はぁ…

 

「気にするな迅」

 

達也~うるうるしちゃう

 

「そういえば誤解は解けたのか?」

 

レオがニヤニヤしながら言う

 

「ああ、手を抜いていないという事は分かって貰えた、その代わり転校を進められた」

 

「!?どういうことですか?」

 

ほのかさん食い付きすぎて怖いっす

 

「四校の方が向いてるだとさ」

 

 

「ふざけてるな、1回目のテストで転校を進める先生とか教師やめた方がいいと思うぞ」

 

流石に俺も呆れた

ってかなんで俺は言われなかったんだ?

 

「なんて答えたんですか?」

 

柴田さんが不安げに聞く

 

「もちろん断った」

 

「そうだよな!」

 

レオが頷く

 

「そういえば、もうそろ九校戦だな」

 

レオが言う

 

「九校戦といえば、深雪がぼやいてたよ、準備することが多すぎると」

 

達也が連想する

 

「深雪さんは自分でも出場なさるんですよね?大変ですね」

 

柴田さんが心配そうに言う

 

「深雪なら新人戦なんて楽勝でしょ?むしろ準備の方が大変そうね」

 

エリカが言う

 

「油断はできない、今年は三校に一条の御曹司が入ったらしいから」

 

雫が表情乏しいけど、険しそうに言う

 

「ああ!一条将輝でしょ?この間見かけたわ」

 

「「は!?」」

 

「え?」

 

「どこで?」

 

雫が興奮げに聞いてくる

 

「この間、十師族の関係者を護衛したときに、その一条将輝と一条家の当主さんがいたんだよ。

かなり自信ありげに三校自慢してたから間違いないな」

 

「なんかサラッと凄いこと言われた気がする…」

 

エリカが呆れぎみに言う

 

「それにしても雫詳しいな」

 

「雫はモノリスコードが好きで毎年見に行ってるんですよ」

 

ほのかが答える

 

「へー、じゃあ今年は観戦だけじゃなくて、自分も九校戦出れて楽しみだろ?」

 

「うん!」

 

本当に楽しみのようだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜…

 

「これから深雪君と達也君が家にくるよ!」

 

「へー何しに来んの?」

 

「深雪君の九校戦出場が内定したらしくてね、その為のトレーニングだよ」

 

「なるほどね」

 

「そこでね…ヒソヒソ」

 

「ほほう、面白そうだなニヤニヤ」

 

俺ら親子揃って大分邪悪な笑みを浮かべていたことだろう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は今妹の九校戦出場内定に伴い、師匠にトレーニングをしてもらうためにバイクで九重寺に来ていた…

 

この時間、師匠は門弟に暗闇稽古をしてるはず、門の外からも若干だが気配を感じる

 

俺は邪魔にならないように、古びた引き戸をゆっくり開けた…

 

ヒュン…

 

音とともに手裏剣が飛来した、それを防弾防刃グラブで打ち払い、ツナギに仕込んでおいた鉛玉を投げ返す。

弾き玉という暗器を使った技だ。

 

手応えは全くなかった

 

「弾き玉はあまり上達してないようだね。魔法があるからと安心せずに、飛び道具も練習しなきゃ。でも、手裏剣を掴み取らず払い落としたのは的確な判断だよ、達也君」

 

気配は無く、声だけが聞こえた

 

俺は声が聞こえた正面奥にではなく、右横の壁に向かって再度鉛玉を投擲した

 

「うひょっ!?」

 

気の抜けた悲鳴とともに気配が波紋のように広がる

 

俺はとっさに、深雪を抱いて後ろへ跳んだ

 

間一髪、妹を庇う背中の紙一重を、上から下へ、天上から急降下した黒い剣風が疾り抜けた。

 

片足で素早くステップし、表面を全て黒く塗り潰した木刀を踏みつける。

 

引き抜いて二の太刀を放とうとしていた師匠は、びくともしない獲物に諦め手を離そうとした…

 

次の瞬間、あり得ない程の殺気が背中を走り、木刀を踏んだまんま後ろを振り向く。

 

そこには何もなく、後ろから知った声がする。

 

「ダメだろ達也~、お姫様はちゃんと守らないと!」

 

俺はハッとし、手に抱えているはずの深雪を見ると、そこには見知らぬ人形(族に言うダッチワイフ)を大事そうに抱えていた

 

恐る恐る声のした方に目を向けるとそこには、左手で深雪の肩を抱え、右手でハゲとハイタッチしているバカ野郎がいた。

深雪の方は何が起きたのか全く理解出来てないようだった

 

「達也君、いったいっフフ何を抱えてっフフフいるんだい?」

 

師匠が笑いを堪えきれていない…

 

「こっこれは…」

 

「達也~勝ちを確信したな?戦場では何が起こるか分からないんだ、その心の持ちようが決定的な隙を生んでしまうんだよキラッ」

 

(こんのクソ坊主どもがぁあ!!)(注意、迅君は禿げてません)

 

「もう、二人ともお止め下さい!それとお兄様は、その大事そうに抱えてるお人形についてあとでゆっくりお話ししましょうね!」

 

深雪…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「楽しかった」

 

「…」

 

「そんなに怒るなよ達也」

 

「いい経験になったんじゃないかい?」

 

「まぁそうですね…」

 

複雑そうな顔をしている

 

そんな中深雪は黙々と親父の鬼火を追いかけている

 

すると…

 

「誰だ」

 

達也がいきり立つ

 

「遥君じゃないか~」

 

親父が言う

 

「師匠はともかく、達也君にまで気づかれるなんて、私の技が衰えているのかしら?」

 

「そんなことねーよ」

 

「きゃっ!?」

 

「ダメだろ迅君、お客様を驚かしちゃ」

 

「もうお客って感じじゃねーだろ…」

 

俺は遥ちゃんの背後から声をかけた

 

「迅君か、びっくりさせないで下さい!それともここでは先生とお呼びしたほうがいいかしら?」

 

ニヤニヤしながら聞いてくる

 

「迅でいいよ」

 

「どういうことですか小野先生?」

 

深雪が怪訝そうに問う

 

「私は戦闘技術に関しては迅君に教えて貰ってたのよ。例えば…」

 

キッ

 

「こんな風にね」

 

遥ちゃんがいきなり達也の背後に現れ短刀を首に宛てる

 

 

「!?」

 

「お兄様!!」

 

「さすが兄弟子、銃口を宛てられるなんて初めてよ」

 

両者ニヤっとする

 

「まったく見えませんでした…」

 

深雪が驚く

 

「そりゃあ俺が教えたからな!」

 

「確かに、さっき迅に背後を取られた感じと似ていたな」

 

この後達也と遥ちゃんの黒い会話が行われたが俺は興味無かったので深雪と遊んでた

 

 

 

「そういえば迅君、九校戦出るんでしょ?」

 

「「え!?」」

 

深雪と達也がハモった

 

「あれガチなやつだったの?」

 

ってか唐突過ぎだよ遥ちゃん…

 

「先生方の中じゃほぼ決定みたいよ?」

 

遥ちゃんが言う

 

「マジかよ…」

 

「どういうことですか?」

 

深雪が聞いてきた

 

「いや、今日の帰りに真由美さんからメール貰ってな、新人戦のモノリスコードに出てくれって言われてさ…」

 

「また、何かやらかしたのか?」

 

達也が呆れぎみに聞いてきた

 

まぁ何もやってない訳じゃないけどさ、護衛とかしたし真由美さんの

 

「いや、S級ライセンス持ってるのバレたらしい」

 

「!?」

 

「ライセンスって普通Aまでじゃないんですか?」

 

「いや、Sはあまり知られてないんだ」

 

深雪の疑問に達也が答える

 

「Aまでは主に魔法の技能が見られるんだけど、Sは純粋な戦闘能力、潜入技術、あとサバイバル検定と実務を見られる」

 

「つまり、普通はAをクリア出来る魔法師の中の更に戦闘能力が高く特別な訓練を積んだ人しか取れないんだ」

 

親父が説明する

 

「縛りが少ない代わりにハードルがやたら高いんだよ」

 

「難し過ぎて合格するどころか受ける人すらいないんだ」

 

俺と親父が言う

 

「ちなみに、ちゃっかり親父も持ってる!しかも殆どがコンピューターで合否の判定をしてるんだけど、最後に親父の審査を抜けないと合格できない」

 

「聞いただけで取れる気がしないな…」

 

「達也なら戦闘能力に関して言えば、魔法が共鳴以外に何か強力なのが他に1つでも使えれば通るな、あとはサバイバルかな」

 

「さすがにサバイバルしたことはないな…」

 

「お兄様頑張って下さい!!」

 

深雪の目がキラキラしている

 

「話を戻すと、先生の誰かが俺がライセンス持ちだって気がついて、それを真由美さんに言ったらしいんだわ…」

 

「いつ取ったんだ?」

 

達也が聞く

 

「一年半前!護衛の任務手伝う為に取った!」

 

「確かに、ライセンスとか目に見えて分かる物が無いと護衛される側も嫌ですもんね」

 

深雪が頷く

 

「詳しい話は後日生徒会長からされると思うわ!迅君頑張ってね!」

 

ありがとう遥ちゃん…はぁ…

 

こうして迅君の九校戦出場が決定

 

 




なんかめっちゃ早く書けたので投稿です

迅君と八雲さんの暗闇攻撃とか…

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