お寺の息子   作:龍やん

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9話

「おおぉースゲーな」

 

俺は今完全にこの部活勧誘期間をエンジョイしていた。

 

何故なら、第一高校に入った目的が普通の魔法や他人の魔法を見て見識を深めたいと思ったからなのである。

 

つまりこの部活勧誘期間というのは沢山の人がいろんな魔法を使って魅せているので、自然とその目的が達成されているのだ。

 

もちろん風紀委員の仕事も忘れてはいない。

 

見て回っている時になにか問題があれば介入して捕まえたり、話を聞いて和解させたりしていった。

 

なんだか達也は凄い走り回って大変そうだったが、俺はそんなに忙しいとは感じていなかった。

 

問題解決の数は達也程ではないがそれなりだった、しかもあまり手荒な事はしていなかったので特に目の敵にされることもなく、わりと楽しんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

部活勧誘期間も終わり見回りをちゃちゃっと終わらせ俺は帰宅途中だった。

 

「ん?あれは雫とほのかあと誰だ?」

 

道路を挟んだ向こう側に雫とほのかと赤髪の女子生徒がなにかを追っていた。

 

「なーんかキナ臭いな」

 

取り敢えずついていくか。

 

どうやら眼鏡をかけた男子生徒を尾行しているらしい

 

「ありゃ誘い込まれてるな」

 

3人であんなヘタクソな尾行してりゃ猿でも気がつくぞ…

 

なんて考えながら俺も尾行してるんだけどな。

 

すると眼鏡の男子生徒が急に走り出した。

 

ほのか、雫、赤髪の女子も走り出すが2つ目の角を曲がったところで撒かれていた。

 

「ん?」

 

バイクが5台ほど急に現れて雫たちを囲んだ

 

「やっぱり誘い込まれてたな」

 

相手は5人で全員魔法師では無さそうだがナイフやバッドを持っている、拳銃を持ったヤツも1人いたが他に気になる事もあったので…

 

「少し様子を見るか」

 

雫の合図で3人とも走り出した

 

各々魔法を使って撹乱したり倒そうとしたりしていたのだが…

 

 

キーーーーン

 

「なんだ!?」

 

5人が右手を出した途端雫、ほのか、赤髪の女子は頭を抱えて苦しみ出した

 

「あの右手に着いてる指輪…アンティナイトか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「頭が…」

 

相手が指輪を出した途端に魔法が使えなくなり頭が痛くなった。

とても立っていられなくなり倒れてしまう。

 

他の二人も苦しそうにしている。

 

「このアンティナイトを使えばお前ら魔法師もただの高校生だ」

 

「組織の計画を邪魔するやつらは始末する」

 

雫もエイミィも動けない。

 

男がナイフを出し近づいてくる。

 

何も出来ない、動けないし魔法も使えない。

 

「嫌…」

 

男がナイフを振りかぶった

 

思わず目をぎゅっとつむり祈る。

 

「誰か助けて!!」

 

まだ死にたくない…

 

永遠のように感じたが一向に痛みと衝撃はやってこない。

 

代りに聞き覚えのある声が聞こえる。

 

 

 

 

 

「私の学友に手を出さないでもらえますか?」

 

 

 

 

 

 

恐る恐る目を開けるとそこには振りかぶったまま硬直している男とCADを構えた深雪が立っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「1人は妹ちゃんだったのか中々の隠形だったな気配までしかわからなかった」

 

俺は依然として隠れて眺めていたが。

ほのかがナイフで刺されそうになったときは流石に出かかった。

けど妹ちゃんが登場したので俺は隠れているもう1人の敵を処理しに行くことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫ほのか、雫、エイミィ?」

 

「ありがとう深雪」

 

「でも凄いねアンティナイトのジャミングより事象干渉力が高いなんて」

 

「しかも一発で倒しちゃうし」

 

私がたまたま胸騒ぎがして付いて来てみれば…

本当何もなくてよかった。

 

「そろそろ帰りなさい。事後処理のため私は少し残るわ」

 

「わかった!本当にありがとう」

 

そう言い3人は歩いて行きちょっと行ったところで振り返りこちらに手を振っていたが、いきなり…

 

「深雪危ない!!!」

 

と叫ばれた瞬間後ろを振り向いた。そこには歪な笑みを浮かべ倒したはずの男が銃を向け、そして引き金を引いた。

 

一瞬で脳内をいろんな考えが巡った。

 

倒したのではないのか?

 

何故銃を向けられているのか?

 

私は死ぬのか?

 

なぜ?

 

そして答えに行き着いた。

 

ツメが甘かった。倒したと思い油断した。少し天狗になっていたのだ。

 

きっとお兄様だったらこんな風にはなっていない。

 

そのお兄様も今は助けに来てはくれない。

 

これは私の油断が招いた結果なのだと頭で理解しているが、どうしても考えてしまう。

 

お兄様の事を…

 

そして恥ずかしくも願ってしまう。

 

「助けてお兄様!!」

 

願った瞬間目の前に雷鳴が走る。

 

 

 

 

 

 

 

バチッバチチチチ!!

 

「お兄様じゃなくてごめんな」

 

助けてもらったのに謝られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやいや尋問してたら悲鳴が聞こえたから飛んできたわ!妹ちゃんごめんな達也じゃなくて」

 

「い、いえこちらこそ命を救ってもらったんですありがとうございます!」

 

妹ちゃんが恥ずかしそうにお礼を言ってきた

 

「み゛ゆ゛ぎ〰よかったよ〰」

 

ほのかが妹ちゃんに抱き付く。

 

まぁ、無事でなによりだな。

 

「そう言えば迅さっき尋問してたって言ってたけど?」

 

雫が聞いてくる。

 

「あぁ今倒した奴の仲間!お前らが戦った以外に1人隠れてたんだよ」

 

「え!?」

 

赤髪がビックリする。

 

「そういやどちらさん?」

 

「私?私はエイミィ、英美=アメリア=ゴールディ=明智。エイミィでいいわ。あなたは?」

 

「俺は九重迅だ好きに呼んでくれ」

 

「OK迅、ところで迅はどっからか見てたような口ぶりだけど?」

 

「ああ、お前らがヘタクソな尾行で眼鏡に誘い込まれるところからしっかり見てたぞ!」

 

素人丸出しだったな。

 

「「え!?」」

 

「なんで助けてくれなかったんですか?」

 

ほのかが少し怒っている。

 

「まあまあ落ち着け。理由はお前らが戦った以外に2人、人の気配を感じてたからすぐに出て行けなかったんだよ。

流石にほのかが殺られそうになった時は出ようと思ったけど、妹ちゃんが出て来たから俺は残る1人を倒しに行ったんだよ」

 

「そうだったんだありがとう迅」

 

「ありがとうございます迅さん」

 

雫とほのかが礼を言ってきた。

 

「まあ気にすんな!それにしても驚いたのは妹ちゃんの隠形だ。なかなかの物で気配以外は敵か味方かもわかんなかった」

 

「一応九重八雲先生に教えを受けたので」

 

「そうか妹ちゃんも親父に…セクハラうけなかった?」

 

「…少し…」

 

深雪が複雑そうな顔をしている。

 

「そうか…ごめんな…」

 

本当に、すまないと思う。

 

「え!?迅の家ってあの護衛で有名な九重寺の?」

 

エイミィが驚いている。

 

「まぁそうだな」

 

「そうだったんだ私の家も何度か助けてもらったんだよ」

 

雫も驚いている。

 

「マジか!これからもご贔屓に頼むわ!」

 

さて親父には事後処理してもらうか。

 

「さて事後処理はウチの方で頼むわ!お前らは俺が責任を持って送ってくよ」

 

「あ!私は迎えが来るから大丈夫だよ」

 

エイミィが言う。

 

「そうかじゃあ迎えが来るまで待ってから帰るか」

 

「ありがとう!」

 

「俺は電話するからちょっと待っててくれ」

 

 

 

プルルル

 

「なんだい迅君」

 

「親父ちょっと事後処理してほしいんだわ」

 

「ブランシュかい?」

 

「そうだ!ちょっと友達が巻き込まれてな俺はそいつら送ってくから」

 

「了解!メールで詳細を送ってくれ」

 

「はいよ!」

 

プープー

 

ちょうどエイミィの迎えが来た。

どうやらエイミィの家の通り道に雫とほのかの家もあるらしく3人は車で帰った。

 

「んじゃあ妹ちゃんも帰ろうか」

 

「はい!わざわざすいません」

 

何だかんだ妹ちゃんと二人って初だな。

 

「気にすんな!1人で帰ると余計なこと考えちゃうだろ?2人のほうが気が紛れるからな、一応お前らは危険な目に合ったんだから」

 

「はい…」

 

「そんな辛気臭い顔すんな!幸せが逃げるぞ」

 

 

 

 

 

帰り道…

 

「九重君1つ聞いてもいいですか?」

 

難しい顔をして妹ちゃんが話しかけてきた。

 

「迅で良いぞ!んでなんだ?」

 

「どうしたらそんなに強くなれるんですか?」

 

あなた充分強いでしょ!

 

「妹ちゃんのが強いだろ…嫌みか?」

 

「違います!!魔法の話ではありません!人間の部分。判断だったり気持ちだったりです」

 

ああ、そういうことね。

 

「それは妹ちゃんの兄に聞けばいいんじゃないか?ちょっと人間味が薄いけど」

 

「兄は素晴らしい人です!!」

 

おお!流石ブラコン反応が過剰だね。

 

「落ち着けって…」

 

「…すみません取り乱して」

 

「いいよ、んでさっきの話だけどなんでそんな事聞いたんだ?」

 

「私は今日銃を向けられた時何も出来ませんでした。倒したと思っていたんです…私が油断していたのは分かっています。でも…兄や、迅さんならこうはなっていなかったと思います。」

 

結構凹んでんのな

そんなに気にすることないと思うけど。

 

「まぁ、普通だったら当たり前の事なんだけどな。

そもそもあんなシチュエーション事態が稀なんだよ。どんなに卓越した魔法力があっても、経験がなければ何も出来ない。つまり慣れてないだけ。

まぁあれに慣れてたらもう殆ど人間辞めちゃってるけどな。

つまり、あまり気にしてもしょうがないんだよ。

誰だってやったことがない事は出来ない。だったら貴重な体験をしたと前向きに考えて、次同じような事が合った時に同じ結果にならないようにすればいい!今は生きてる事を素直に喜ぶ!死んでたら次は無かったんだラッキーだろ?」

 

妹ちゃんは目を丸くしていたがクスッと笑いそうですねと言った。

 

「なんだか元気が出ました!ありがとうございます

あと妹ちゃんじゃなくて深雪と呼んで下さい」

 

「はいよ!この辺か?」

 

そろそろ司波家付近だろう。

 

「はいもうすぐそこが家です」

 

「そっかじゃあもう大丈夫だな達也によろしく言っといてくれ」

 

「分かりました今日はホントにありがとうございます」

 

「じゃあな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

司馬家…

 

「お兄様!」

 

「どうした深雪?」

 

「実は今日…」

 

 

 

「…ってことがありまして」

 

「そうか、俺はガーディアン失格だな」

 

「そんな事ありません!!私が余計な事をしなければ…」

 

「迅には俺の方からも礼を言っておく」

 

「分かりました」

 

「ではおやすみなさい」

 

「ああおやすみ」

 

 

 

最強魔法師創造計画

 

そう書かれた資料を俺は読んでいた、生き残ったのはたった1人の少年らしい…

 

「まさかな…」

 

 

 

 

 

 

 




全然内容が進まなかった

めっちゃ眠い中で書いたのでいつも以上にワケわかんないかもしれないです

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