破壊者は愛する者たちを守るために戦う   作:ダーク・リベリオン

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第3話 狂いし物語り、 セシリアの異変!?

箒との再会を終えた士は

 

 

真耶が渡した学園側が用意した『1024』室の鍵を手に部屋についた

 

 

その際に驚いたのは、なんと隣の『1025』室が一夏と箒のいる部屋だったのだ

 

 

そして何があってか、箒がクラス代表を決めるべくセシリアと戦うことになった一夏の特訓に付き合うことになり

 

 

剣道の修行を始めたわけだが、どうにも再会するまでの間にすっかり怠けていたようで

 

 

昔のようには行かず、てんでダメだった

 

 

それを目の当たりにした箒は怒りに燃え、「性根を叩き直す!」などと言いながらすごい剣幕で一夏をビシバシとしごく修行期間を過ごしていった

 

 

そしてとうとう、その日は来た

 

 

一夏とセシリアによるクラス代表選が

 

 

試合が行われる会場は二人の戦い、何より男でISを使う一夏の戦いを見ようと

 

 

集まった生徒達でいっぱいになっていた

 

 

そして一夏がスタンバっている待機部屋には士や箒が応援しに来ていたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ~…」

 

 

「どうした一夏、ため息なんかついて?」

 

 

開始前からいきなりため息を吐く一夏に士が突っ込みを入れる

 

 

「いや、だってさ…ISのこと教えてくれるって話しのはずが、結局ISについてなんもわからないまま、剣道の練習するだけで当日になっちまったんだぜ?」ジー

 

 

「…ふん」プイプイブキ

 

 

「目をそらすな!」プンスカ

 

 

一夏が箒をジロっと見つめ、そっぽをむいた箒にムッとしながらそうぼやいた

 

 

「おいおい、箒を責めるなんてお門違いもいいとこだぞ?そもそもこうなったのはちゃんとISにつて勉強しなかったお前のせいなんだから、自業自得だ」ロンパ

 

 

「うっ…相変らず手厳しいことで」グサグサイガ

 

 

士の手痛い発言が一夏の心にささったのだった

 

 

「ありがとうな箒、こいつの修行をつけてくれて」

 

 

「た、大した事はない。久しぶりにあったというに弛んでいたあいつにお灸を据えてやっただけのことだ///

 

 

「たとえそうでも、面倒を見てくれたんだ。お礼くらい言わなきゃ失礼だよ」

 

 

「士…そ、そうか。ならば一応受け取ってやるとしよう///」エッヘン

 

 

箒は士からお礼を言われ、少々誇らしげそうな顔をした

 

 

 

 

 

 

「おい、神童弟」

 

 

「なんだ千冬姉?」

 

 

 

バァンッ!

 

 

 

「痛って!?」

 

 

「神童先生と呼べと言っているだろうが馬鹿者が。それより、到着したぞお前専用のISが」

 

 

「へっ、俺専用の?」

 

 

いわれるがままに千冬に先導され、ピット搬入口につくと

 

 

プシューという音と共に防壁扉がゆっくりと開いていき、その中には『白』がいた

 

 

「ほ~、これが一夏のISか」

 

 

「…こいつが俺の」ピタ

 

 

一夏は自分専用のISに目を奪われ、そっと手を触れてみるとなにかを感じ取ったようであった

 

 

「なんだかやれそうな気がしてきたぜ」

 

 

「そうか、それとそいつの名称だがそいつの名は『白式』だ」

 

 

「白式…こいつが俺のISの名前か」ジーン

 

 

千冬から名を聞いた一夏はさらに心を躍らせるのだった

 

 

「さて時間もない。早速装着してもらう」

 

 

「おう!」

 

 

そして千冬の支持のもと一夏は白式を装着する

 

 

『access…』

 

 

するとそれとともに白式の全ての回路が活動を開始する

 

 

「一夏、気分とか平気か?」

 

 

「あぁ、ばっちりだぜ!」

 

 

「そっか」

 

 

士が心配そうに声を掛けるも一夏は大丈夫と言わんばかりの笑みを見せ

 

 

それを見た士も安堵したようにつぶやいた

 

 

「神童、オルコットが既にピットインしたようだ。急げ」

 

 

「OK!」

 

 

千冬に支持され、一夏はピットゲートに進み、ガシャンという音とともにゲートが開いていった

 

 

「つか兄、千冬姉。それから箒」

 

 

「「「?」」」

 

 

「行ってくるぜ!」

 

 

3人のほうを振り返り、ただ一言、そう告げる

 

 

「…ふん」ニコ

 

 

「あぁ…いってこい」

 

 

「負けるなよ一夏」

 

 

千冬はニッコリと笑い、箒と士がエールを送り

 

 

そして一夏はアリーナに向かって飛び出していった

 

 

アリーナに出てきた一夏を待っていたのは

 

 

「…きましたか」

 

 

ISを装着したセシリアが一夏を見下ろしていた

 

 

「おう、勝負だ!」

 

 

そして一夏はそんなセシリアとの戦いに身を投じるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、士たちは二人の戦いをピットルームのモニターで観戦していた

 

 

『さあ、踊りなさい。わたくし、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でる円舞曲(ワルツ)で!』

 

 

『ぐっ!』

 

 

モニターごしからもわかるほど戦いの流れはセシリアが握っていた

 

 

そして一夏はそんなセシリアの攻撃を為すすべもなく喰らい続けていた

 

 

「何をしているんだ一夏のやつ、あれじゃ格好の的になるだけではないか!」グヌヌ

 

 

一夏がセシリアにいいようにやられているのを見た箒は苦虫を噛む思いだった

 

 

「落ち着け箒、勝負は始まったばかりだ」

 

 

「そ、それはそうだが」アセアセンゴクドライバー

 

 

「それに一夏とてこのままやられるなんてことさせるわけがないさ」

 

 

弟の強さを信じている

 

 

士の目にそう思わせるものを感じ、箒もそれ以上は言わなかった

 

 

すると先ほどまで防戦一方だった一夏が武器を手にセシリアに挑んでいく

 

 

少しずつだが、戦いの流れが変わり始めていった

 

 

そして一夏がセシリアの隙をついて突進しようとする

 

 

しかし、それをよんでいたセシリアが取っておいた隠し玉のミサイルで一夏を迎撃し

 

 

一夏は爆発とともに爆煙の中に消えていった

 

 

そして数秒たった時、爆煙の中から光り輝くものが

 

 

「千冬姉」

 

 

「あぁ、どうやら間に合ったようだな」

 

 

「っ?」

 

 

士と千冬は何かに気づいたようで、キョトンとする箒も再び画面に目をむける

 

 

すると爆煙が晴れていき、そこに現れたのは形状が変化したIS(白式)とそれを操る一夏だった

 

 

一次移行(ファースト・シフト)完了だな」

 

 

「あぁ」

 

 

二人は嬉しそうな顔で一夏を見守っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一次移行(ファースト・シフト)?…あなた今まで初期設定の状態で戦っていたというの!?」アセアセンゴクドライバー

 

 

「そうみたいだな。でもこれでようやく守ることができる。俺の大切な人たちを…っ!」ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン

 

 

「っ!?」

 

 

今までセシリアが優勢で戦いを勧めてこれたのはまだ白式が初期設定の機体だったから

 

 

しかし今、この戦闘を経て一次移行(ファースト・シフト)した白式の性能はそれをはるかに超えていた

 

 

「ぐっ、落ちなさい!」

 

 

 

ビュン!ビュン!

 

 

 

高速で移動する一夏を狙うも速すぎて攻撃が当たらなかった

 

 

「おりゃあぁぁ!!」

 

 

 

ドスッツ!

 

 

 

「きゃあぁぁぁぁ!!!」

 

 

翻弄され、身動きが取れない隙に一夏がセシリアに蹴りをかます

 

 

一夏は止めを刺すべく、装備している剣状の武器『雪片二型』を手にセシリアに突っ込んでいく

 

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

「っ!?」

 

 

「これで終わりだァァァァァァ!!!!」

 

 

この一撃で一夏の勝ち、誰もがそう思った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!」ピキィィィィィィィン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ、なに!?」

 

 

やられていたはずのセシリアが突然、一夏の渾身の一撃を片手で受け止めた

 

 

「…」ゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

しかもなにやらうつむいているセシリアから先ほどとは何か違う雰囲気が漂う

 

 

「…(ニヤ)」ゴォォォォォォ!

 

 

「っ!?」

 

 

そして顔を上げるとともに不敵な笑みを浮かべるセシリアの全身から薄気味悪いオーラようなものが噴き出し、青く澄んでいた瞳が赤く不気味な光を放っていた

 

 

「」ブン!

 

 

「うっ、うあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ヒュウゥゥゥゥゥン

 

 

 

ドスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

 

 

 

「ガハッ!?」

 

 

攻撃を受け止めたセシリアは急降下するとともにその勢いで一夏を壁に激突させる

 

 

さらにそのままでは収まらずセシリアは何度も何度も壁に一夏を叩きつけ

 

 

挙句の果てには観客席に張り巡らされたシールドにすら叩きつけた

 

 

当然、何度も叩きつけられた影響でシールドに亀裂が出来ていき、危険と感じた生徒達はその場から避難した

 

 

そしてあらかた叩きつけた一夏を最期は地面目掛けて投げつけた

 

 

「グッ…ぐぅぅ…」

 

 

「……」

 

 

 

ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!

 

 

 

「がっ…ガハッ!?」ドバッ

 

 

一夏が悶えてる隙にセシリアが向けて放ったビームが一夏の左胸を打ち抜いた

 

 

血を吹き、仰け反る一夏だったが

 

 

 

ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!

 

 

 

それに追い討ちをかけるようにセシリアがビームを連発

 

 

そしてそれらは一夏の手や足、脇などを貫いた

 

 

一夏はたくさんのビームを受けたダメージによって地面に落下した

 

 

【「……ふ、ふふふふ…キャハハハハハハハ!!」】

 

 

すると先ほどまで無言だったセシリアが急に発狂したように笑いだした

 

 

【「すごい、すごいですわ。なんだか急に体のそこから力が溢れてくる!なんて素晴らしいのかしら、キャハハハハハハハ!」】

 

 

セシリアは自分が突然パワーアップしたことに狂ったように喜びの声を上げる

 

 

【「まだ立ち上がる力を残していましたか。いかがかしら?所詮あなたごときがわたくしに勝つことなど不可能だったのですわ」】

 

 

「グッ…グゥウゥ…」

 

 

痛みに悶える一夏を見下すセシリアはそう告げる

 

 

【「さぁ、そろそろ終わりにして差し上げましょう。そして二度とわたくしに逆らえないようその体にたっぷりと恐怖を植え付けやりますわ」】バッ!

 

 

そう言うとセシリアは重傷を負った一夏に接近し止めを刺そうとする

 

 

 

 

 

だが、その時だった

 

 

 

 

 

『ATTACK RIDE・BLAST』

 

 

【「「っ!?」」】

 

 

突然、セシリアに向かって数発の光の弾丸が飛んできた

 

 

セシリアはそれを回避する

 

 

それとともに何者かが一夏をかばうようにセシリアの前に立ちはだかる

 

 

【「っ?」】

 

 

セシリアは自分の前に立ちはだかる者の姿をその目に移した

 

 

全身の殆どの箇所をマゼンタと黒で彩り、腰にはベルトを巻きつけたパワードスーツらしきものを装備した者が立っていたのだった


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