破壊者は愛する者たちを守るために戦う   作:ダーク・リベリオン

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第11話 フランスとドイツの転校生

倒したはずのISが黒いオーラを纏いながら活動を再開させ

 

 

体力、エネルギー等が消耗した一夏たちを追い詰めていった

 

 

その猛威にもはやここまでと死を悟ろうとした2人の元に

 

 

遅れて駆けつけた士たちが助けに来た

 

 

そして士はISと対峙に圧倒的な力の差を見せつけ、木っ端微塵にし

 

 

こうして士はISから一夏たちと生徒たちの命を守ることができたのであった

 

 

 

 

 

 

 

クラス対抗戦の謎のIS襲撃事件から数日がだった日のこと

 

 

「「ふぁぁ〜」」

 

 

「どうした?2人して大口あけてあくびなんぞして?」

 

 

「何かあったのですか?」

 

 

兄弟揃って大あくびをしている2人に箒とセシリアが問いただす

 

 

「いや〜、実はさ昨日レンタルDVD借りてて、つか兄と一緒に見てたんだけどどれもすんげぇ面白かったもんで」

 

 

「つい時間を忘れてたから寝不足でな…ふぁぁ〜」

 

 

「まぁ、お二人とも」くすくす

 

 

「まったく、夜ふかしは体に良くないぞ」

 

 

セシリアは可笑しそうに、箒は呆れた顔でそう呟いた

 

 

そんなやりとりをしている士たちをよそになにやら教室がなにやら騒がしかった

 

 

「なぁ一夏、今日って何かあったか?」

 

 

「俺に聞くのかよ?…俺にもさっぱりだよ」

 

 

士に話しをふられた一夏だったがもちろん知るよしもないのでお手上げだと言う仕草をとる

 

 

「2人は何か知ってるか?」

 

 

「いや、私もさっぱりだ」

 

 

「わたくしもですわ」

 

 

箒とセシリアもまた知らずにいるようであった

 

 

「あれれ〜?つっち〜たち知らないの〜?」

 

 

「「「うわっ!?」」」

 

 

と、その時、突然背後から話しかけられ振り向いた先にはクラスメイトの本音がいた

 

 

「のほほんさん!?」

 

 

「な、なんだのほほんさんかびっくりしたよ」

 

 

「えへへ〜、ごめんね♪」

 

 

一夏たちのツッコミにもおどけた感じで謝る本音だった

 

 

「で、本音ちゃんは何か知ってんの?」

 

 

「もちろん♪なんでもね今日は転校生が来るらしいよ〜」

 

 

「「「「転校生?」」」」

 

 

本音が言うにはこのクラスに転校生が来ると言う

 

 

「しかも、なんとなんと2人も来るんだよ〜」

 

 

「転校生が2人も?」

 

 

「うん♪」

 

 

転校生が来ると言うのも驚きなのに、さらに2人も来ると聞き、ますます驚きの顔を浮かべた

 

 

「のほほんさん。転校生ってどんな子だとかわかる?」

 

 

一夏が興味本意で本音に尋ねる

 

 

「うんとね〜、確か1人はドイツの代表候補生さんで〜、もう1人はフランスの代表候補生の人なんだって〜」

 

 

「へー、代表候補生が2人も」

 

 

ドイツとフランスの二国から代表候補生が揃って転校すると聞いてさらに興味を示す一夏

 

 

「なぁなぁ、つか兄も気になるよな?……あれ?」

 

 

そして一夏が士に声をかけると、なぜか士は難しい顔をしていた

 

 

「つか兄?…おーいつか兄!」

 

 

「っ!?…なっ、なんだよ一夏、急に声出すなよ!?」

 

 

「いや、つか兄がぼーっとしてたからだろ?」

 

 

「あっ、あぁそうか…それは悪かなったな」

 

 

一夏に詫びを入れる士だったが、やはり何か様子がおかしかった

 

 

「(フランスからの転校生…いや、考えすぎだな。あいつだって確証もないのにな)」

 

 

何やら1人、考え事をする士であった

 

 

「授業の時間だ。さっさと席に付け」

 

 

するとそこに千冬たちが入ってきて授業を始めると言い出し

 

 

それにより皆、席に座る

 

 

「はい、みなさん。これから授業を始めるわけですが、その前にみなさんにお知らせです」

 

 

そして次は真耶が口を開き、お知らせがあると言い出した

 

 

「もう何人かは知ってる方もいるでしょうが、今日はみなさんに転校生を2人、紹介します」

 

 

先ほど本音が言った通り、このクラスに転校生が来るようであった

 

 

「ではまずは1人ずつ入ってもらいましょう。ではどうぞ入ってください」

 

 

真耶がそう言うとドアが開き、中から1人の少女が入ってきた

 

 

「では、自己紹介をお願いします」

 

 

「……」

 

 

「あ、あら?」

 

 

入ってきたのは銀色の長髪で片目に眼帯をつけた少女だった

 

 

しかし、少女は無言のままだった

 

 

しかもその際に彼女はちらっと一夏の方を向いていた

 

 

この事態に真耶はどうすべきかおどおどしていた

 

 

「ボーデヴィッヒ、挨拶をしろ」

 

 

「はい教官…ドイツから来た。ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

 

千冬の言葉は素直に聞き、自己紹介をするも、すぐさままた無言になってしまう

 

 

「あ、あの〜?以上ですか?」

 

 

「以上だ」

 

 

キッパリと言い切ったラウラは自己紹介を終えるとなぜか目の前にいる一夏の方に歩みよった

 

 

一夏は彼女がなぜ自分の元に来たのかわからずにいた

 

 

「…貴様がっ!」

 

 

「っ!?」

 

 

するとラウラは一夏に何やら憎しみを抱いてるかような表情を向け、一夏に張り手をしようとした

 

 

 

その時

 

 

 

ガシッ

 

 

 

「……っ?」

 

 

「おいおい、あってそうそうに何しようとしてるんだい?」

 

 

「っ!?」

 

 

「つか兄」

 

 

しかし、張り手を繰り出す前にいつの間にか横にいた士に腕を掴まれていた

 

 

「握手にしてはちょっとオーバーだな。ドイツの握手ってのはこんな風に荒っぽいのか?」

 

 

「っ!?は、離せ!」

 

 

掴まれていた腕を強引に振り解きラウラは士を睨みすえる

 

 

「(この男、何者だ?私が気づかぬうちに間合いに入ってくるとは)」

 

 

いともたやすく間合いに入ってきた士をラウラが危険視する

 

 

「つ、つか兄」

 

 

「心配いらねぇよ一夏。この子、少し気が立ってるだけだからさ」

 

 

一夏が心配そうな顔をしていたため、士はそう言い聞かせる

 

 

「(つか兄?…確かさっきもあいつは奴のことを兄と言っていたな。どう言うことだ?教官の弟は神童一夏だけではないのか?……っ)」

 

 

士を見ていたラウラは自分が知りうる千冬の姉弟図に士の存在はなかったため、疑問を浮かべていたが

 

 

ふとラウラは昔のことを思い出した

 

 

以前千冬が士の存在をほのめかすようなことを言っていたことを

 

 

「教官、この男は何者なんですか?」

 

 

「ここでは教官ではなく神童先生と呼べ。…そいつは私の弟だ」

 

 

「っ!?」

 

 

千冬の口からそう聞いて、ラウラが抱いていた疑問は確信へと変わった

 

 

「……そうか、貴様が教官の言っていた」

 

 

確信を得た瞬間、ラウラは先ほど一夏に向けた時と同じように士を睨みすえる

 

 

「貴様、名は?」

 

 

「俺か?俺は神童士だ」

 

 

「ならば今ここで言わせてもらうぞ神童士!私は貴様と神童一夏を認めない!貴様らが教官の弟など、絶対に!」

 

 

ラウラは士を指差し、あからさまに敵意むき出しの表情を浮かべていた

 

 

「お前が認めようが認めなかろうが、俺と一夏が千冬姉が姉弟であることに変わりはない、そうやって育ったんだからな」

 

 

「だっ、黙れ!!」

 

 

士はあくまで穏便に済まそうとそう語りかけるも、ラウラはなおも噛み付いてくるように怒鳴りちらす

 

 

「そこまでだ」

 

 

そんな2人の間に千冬が割って入り、2人を止めた

 

 

「まったく、自己紹介早々に面倒ごとを起こすな。もう1人も控えてるんだ。そこまでにしておけボーデヴィッヒ」

 

 

「はっ、はい…」

 

 

ラウラは千冬の指示に渋々了承し、真耶の隣の方まで戻っていった

 

 

「神童兄、お前も席に戻れ」

 

 

「へーい」

 

 

千冬に言われた通り士もまた自分の席に戻っていった

 

 

「えっ、えーっと、なんかいろいろありましたが、気を取直してもう1人の転校生さんに来てもらいましょう。」

 

 

「(あのラウラって子がドイツの代表候補生ってことは次はフランスか……いや、考えすぎたって俺)」

 

 

自分の勘違いだと言い聞かせ、気を落ち着ける

 

 

「では入ってきてください」

 

 

真耶が呼びかけると

 

 

ドアが開き、もう1人の転校生が入ってきた

 

 

そして転校生は自己紹介を始める

 

 

「みなさんこんにちは。フランスから来たシャルル・デュノアです。これからよろしくお願いします」

 

 

もう1人の転校生であるシャルルは先ほどのラウラとは真逆に明るく自己紹介をする

 

 

しかし、そんなシャルルを他所に皆はぽかんとしていた

 

 

なぜかと言うと、その答えはシャルルにあった

 

 

「えっ?男?」

 

 

「はい、この学園に僕と同じ境遇の子がいると聞いて」

 

 

おもむろに尋ねる女子生徒にシャルルはそう答えると

 

 

「……きっ」

 

 

「きっ?」

 

 

「「「「「「「「「「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」」」」」」

 

 

「っ!?」

 

 

シャルルが男だと知るや否や、いつものごとく歓喜の声がクラス内に響き渡る

 

 

「まっ、マジかよ…俺たち以外にも男のIS乗りが居たんだな…すげぇなつか兄!」

 

 

騒ぐ女子達につぎ、一夏も男仲間が増えたと喜びにあふれていた

 

 

しかし士はと言うと

 

 

 

「………!?(◎◇◎;)」エネル顔風

 

 

 

途轍もなくびっくりしたと言う顔を浮かべながらその場に固まっていたのであった

 

 

 


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