破壊者は愛する者たちを守るために戦う   作:ダーク・リベリオン

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第9話 今の俺たちにできること

士たちからの特訓を受け、ついに一夏のクラス対抗戦が幕を開けた

 

 

抽選の結果、一夏の対戦相手はなんと鈴であった

 

 

そして試合が始まり、一夏と鈴は互いの全身全霊をもって挑んだ

 

 

一夏と鈴、両者ともに互角の勝負を繰り広げ、決着をつけようとした時

 

 

突如としてアリーナの外壁を突き破り、アリーナに進入してきたのは謎のISだった

 

 

この事態を目の当たりにし、千冬が生徒たちの避難、並びに標的の殲滅を教員たちに通達するも

 

 

謎のISのシステムのハッキングにより、遮断フィールドをLevel4に設定されたことで

 

 

教員たちによるISの排除はもちろんのこと避難しようとした生徒たちも閉じ込められる事態に陥られた

 

 

解除しようにも時間がかかる

 

 

それまでなにもできないのかと言う歯がゆさに皆が怒りを感じていると

 

 

一夏がシステム復旧まで時間を稼ぐと申し出る

 

 

その一夏の思いを受け取った士は一夏にISの足止めを任せて、自分たちは復旧に全力で取り掛かることになり、

 

 

士の期待に応えるべく一夏と、同じく一夏を守るよう頼まれた鈴がISに戦いを挑むのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おりゃあぁぁぁ!!!」

 

 

一夏が雪片でISに切り掛かるも

 

 

そのゴツく重量そうな見た目とは逆に一夏の攻撃をすんででかわすほどの素早さを見せつけた

 

 

そして太い大木のようなその剛腕を一夏に振り下ろそうとした瞬間

 

 

「そうはさせないわよ!」

 

 

一夏を援護すべく飛んできた鈴がISに向かって全力でタックルし、突然の攻撃に対処できずISは吹き飛ばされた

 

 

「ついでにこれもくらっときなさい!」

 

 

自身のタックルで怯んでいるISに連続で龍砲を連発する

 

 

空気弾がISに直撃するとともに凄まじい爆発を引き起こした

 

 

「どんなもんよ!」

 

 

「やったか!」

 

 

先の攻撃で仕留められたかと期待する

 

 

 

 

ドスン!ドスン!ドスン!

 

 

 

 

「「っ!?」」

 

 

しかしやはりあの装甲には効かなかったのかぴんぴんしていた

 

 

「くっ、なんて硬いやつ!?どうしよう一夏?」

 

 

攻撃が効かなかった相手に次なる手があるのかと不安気になりながら鈴は一夏に尋ねる

 

 

「相手がどんなに強くても関係ない!つか兄は俺たちを信じてこの場を任せたんだ。やるってからにはとことんやってやる!」

 

 

その問いに一夏はそう強く答えた

 

 

「…ふっ、言うじゃない一夏のくせに」

 

 

「一夏のくせには余計だ!」

 

 

「その調子、その調子。…でもそうは言ってもどうやってあいつを倒せばいいのかしら?」

 

 

「…っ!」キュピン

 

 

その時、一夏は何かを閃いた

 

 

「…鈴、頼みがある」

 

 

「なによ?」

 

 

「さっきのあの技をフルパワーで放ってくれ」

 

 

「えっ?な、何言ってんのよあんた?さっきのを見てなかったの!?あいつの装甲は並みの硬さじゃないのよ!?フルパワーでやってもダメージが通るかどうか?」

 

 

一夏の提案を聞いた鈴はその内容に驚き無茶だと言うが

 

 

「大丈夫だ。俺に考えがある」

 

 

「考え?」

 

 

「俺を信じろ」

 

 

「…わかったよ。あんたのその作戦に乗ってやるわ!」

 

 

秘策があるかのように訴える一夏の真剣な眼差しに鈴は一夏の作戦にかけることにした

 

 

「いいか、まず俺が注意をそらすからお前は発射の準備を!」

 

 

「OK!」

 

 

「よし、いくぞぉぉぉぉぉ!!」

 

 

作戦を確認し、一夏はISに向かっていく

 

 

ISは一夏を撃ち落とそうとビームを撃つ

 

 

「おりゃぁぁぁ!!」

 

 

攻撃を回避し、雪片で反撃

 

 

さらにそこからISとの攻防へと発展していく

 

 

「……よし!一夏!準備OKよ!!」

 

 

「いいぞ鈴!撃て!」

 

 

「了解!全力行くわよぉぉぉ!!」

 

 

 

ビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

 

 

 

フルパワーの龍砲がISに向かっていく

 

 

しかし、その直線コースに一夏が飛んできた

 

 

「ちょ!?なにやってんのよ!?」ビックリ

 

 

突然の一夏の行動に鈴が驚く

 

 

「…これでいいのさ」フッ

 

 

「えっ?」

 

 

 

バァァン! ビリリリリ!!

 

 

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

鈴の龍砲が一夏に直撃した瞬間、一夏のシールドエネルギーが格段に跳ね上がり、雪片の刀身も伸びた

 

 

「すっ、すごい」ビックリ

 

 

「くらえぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

パワーアップした一夏がISに一直線に向かっていく

 

 

迎撃せんとビームを連発するも全て弾かれた

 

 

「やあぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

ザシュゥゥゥゥン!

 

 

 

そしてついに雪片の斬撃が強固なISの体に傷をつけた

 

 

体に電磁波が走り、怯むも

 

 

ISは最後の抵抗を試みようとする

 

 

「一夏!!」

 

 

「っ!」

 

 

 

ヒュゥゥン!! ガシッ!

 

 

 

「使って!!」

 

 

「サンキュー!おりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!」

 

 

 

ザシュザシュザシュザシュ! ザシュゥゥゥゥン!

 

 

 

鈴が投げた片方の双天牙月を手に、雪片との二刀流を駆使してISをメッタ斬りにする一夏

 

 

その攻撃により、抵抗虚しくISは一夏の前に崩れ去ったのだった

 

 

「…ふぅぅ~」

 

 

ISを倒したことにホッとした一夏はその場に尻餠をつく

 

 

「一夏!」

 

 

「鈴」

 

 

そこに鈴が急いで駆けつける

 

 

「作戦って聞いてどんなものかと思ってたけど、まったく無茶するんだから」プンスカイザ

 

 

鈴が作戦の内容がああいうものだったとしり、無茶をした一夏を叱る

 

 

「悪い悪い、でもあのISの装甲を破るにはああしたほうがいいかなってさ」

 

 

咄嗟に思いついた作戦故に鈴の叱りもごもっともだった

 

 

「本当、そういう自分の身を顧みないとこ士そっくりね」アキレモン

 

 

「えへへ、つか兄は俺の目標だからな」

 

 

「無茶ばっかりするのが目標なわけなの?」

 

 

「違うわい」

 

 

そういった他愛ないやり取りをしながら二人はケラケラと笑い合うのだった

 

 

「じゃあそろそろ戻りましょ。コイツを倒したこと報告しなきゃ」

 

 

「そうだな。今ごろみんなも解放されてるだろうしな」

 

 

そう言いながら士たちの元に戻ろうとした時だった

 

 

 

ガゴガゴ

 

 

 

「「っ!?」」

 

 

後ろから金属音が

 

 

そして振り返ったさきには

 

 

倒したはずのISがまるで何かに上から糸で釣られているかのように浮き上がる

 

 

「ど、どういうことよ!?機能は完全に停止したはずじゃなかったの!?」アセアセイヴァー

 

 

「いや、機能は停止してた間違いない!」

 

 

「じゃああれはどういうことなのよ?」

 

 

機能が停止したはずのISが再び動き出したことに驚きを隠せない2人だったが

 

 

事態はそれだけにとどまらなかった

 

 

『ッ!!!』ゴォォォォォォ!!

 

 

「「っ!?」」

 

 

さらにISは全身から薄気味悪いオーラようなものを噴き上がらせる

 

 

 

「な、なんなのよあれ?」

 

 

「…この感じ、あの時と似てる」

 

 

クラス代表決定戦の時、セシリアが突然狂暴化し、暴れた時の感じに似てると一夏は思った

 

 

そんなことを思っていた一夏だったが

 

 

ことはそんな余裕すら与えないのだということをすぐに思い知ることになった

 

 

ビュゥゥゥゥン!!!

 

 

「「っ!?」」

 

 

ISがものすごいスピードで突進して来たのだ

 

 

「っ!?」

 

 

「一夏!」

 

 

ISの狙いが一夏だと分かり、鈴が一夏を突き飛ばす

 

 

「きやぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

「鈴!?」

 

 

一夏をかばってISの鉄拳をまともに食らった鈴は地面に叩きつけられ、そのダメージによってISが強制解除された

 

 

「くそっ!よくも鈴を!うおぉぉぉ!!」

 

 

怒りのままにISに斬りかかる一夏だったが

 

 

ガキン!

 

 

「なっ、なに!?」

 

 

雪片のパワーが不足してるということを踏まえても先ほどとはまるで違うという感じにISの装甲は強固なものとなっており、雪片の斬撃を通さなかった

 

 

「ぐっ!?ぐぃぁぁぁ!!!」

 

 

隙ありと見たかISが一夏に強烈な一撃を食らわせ、さらに両手をハンマーのように叩きつけられ

 

 

一夏はすごい勢いで先ほどの鈴の二の舞を演じることになってしまった

 

 

「ぐぅ…くっ、くそぉ……っ!?」

 

 

なんとか立ち上がろうとする一夏が見たものは

 

 

今まさに自分たちにビームを撃とうと構えるISの姿だった

 

 

ビームのチャージ音が鳴り響き、一夏はここまでかと式を悟った

 

 

 

その時だった

 

 

 

ビュゥゥゥゥン!!

 

 

 

突然ISに向かってビームが飛んで来て上級反射でISはビームを止めて防御姿勢をとった

 

 

「なっ、なんだ?」

 

 

この事態に一夏たちが驚いていると

 

 

「一夏さん!凰さん!」

 

 

「「っ?」」

 

 

自分たちを呼ぶ声の方に目を向けるとそこにはブルーティアーズを展開してISを狙撃したセシリアとその横には士の姿があった

 

 

「「つか兄(士)!」」

 

 

「待たせたな2人とも、よく耐えてくれたな。…ここからは俺がやる」

 

 

ISを睨み据えながら士はそう呟くのだった

 

 

 


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