初めましての人は初めましてです!
てなわけで、またよろしくお願いします!
ちなみにこのお話は本編とは全く関係ない、大学で出会わなかった2人のお話です。
いつもコメントくださる方ちゃんと覚えていますのでまたよろしくお願いしますね!初めましての方もお願いします!
今日は待ちに待った入社式、大学を出た私は某大手出版社になんとか入ることができたのです。
なぜ出版社かと聞かれると、別にあの先輩が卒業していった後、先輩の影響を受けて本を読むようになってどんどんハマってっちゃって国語の成績が上がったとか、もしかしたらお仕事関係でまた再会出来たりなー、とか思ってのことなんてことは全然無いんだから!無いんだから!!!
誰に説明している訳でもないのに頭をブンブンとふって、この考えを紛らわせようとしていると、周りの視線が自分に集中していることに気がついた。
それはそうだろう、なぜなら真新しいスーツに身を包んだいかにも新社会人という出で立ちの可愛い(自分でいっちゃう)女の子が会社の前で頭をブンブンとふっている姿はとても珍妙なことなのだから。
私は顔を少し赤くし、すすすっと会社の中に入りこれから行われる入社式の説明を受けていた。
社長や会長による期待の旨の話を聞きおわり、さっそく配属される部署にて改めて自己紹介をしているところだった。
「一色いろはです!まだまだ社会について分からないことだらけですが、これからよろしくお願いします!」
すると集まっている会社の上司達の奥に見慣れたアホ毛がゆらゆらゆれていた。
「……せんぱい?」
思わずまだみんなに注目されているときに声に出してしまった。
上司の方たちが誰だ誰だと周りを見渡す。
それでせんぱいは観念したかのように、
「あー、俺です。一色は高校の時の後輩なんですよ。」
と、簡潔にそう答えた。
その言葉に対してこの部署の部長が
「それなら比企谷、お前に一色さんの教育係頼みたいんだがいいか?」
これはまたもないチャンスだと思い、
「せんぱい!よろしくお願いしますね!」
あの頃のように私のあざとく、可愛い笑顔でお願いしたのだが
「いやー、俺は自分の仕事で手一杯で今のとこ人に教える余裕は無いです。他の人にお願いしてもらえませんかね?」
せんぱいがなんと断りを入れたのだ、これはまずいとむぅーっと唸りながらどうしようかとせんぱいを睨みつけていたのだがそれは要らぬ心配だったようで。
「何言ってるんだ比企谷、お前いつも定時上がりじゃないか、もともと新人を誰か付けようと思ってたから一色さんがちょうどだろ?
それとも他の新人の方がいいなら比企谷の意見を優先するがどうなんだ??」
部長が今考えた言い訳ではないようにせんぱいに告げる。
せんぱいはもう諦めて頷くしかなかったのだった。
そしてこれから解散し、それぞれ担当の元で仕事を教えてもらうために各自移動しようとした時不意に部屋の扉がガチャっと開かれたのだ。そこにみんな注目していると
「おはようございまーす。外回り行ってきました〜」
聞き覚えのある声でそう告げた人物を誰か確認するとそこに立っていたのは、
「おろ?一色ちゃん?やっほー、久しぶりだね?」
いつものような完璧な笑顔の雪ノ下陽乃さんだったのだ。
「は、はるのさん!?どうしてはるのさんがここに!?」
私はここにいるはずでは決して無いはずの人の姿を見てとても驚いてしまっていた。なぜならはるのさんは家を継いでいるものとばかり思っていたからだ。
「なんでって、私もここで働いてるからだよー
そんなに意外なことかな??」
いつもの調子で聞かれるので私は
「いえ、そんなことは……」
そう答えるしか無かったのだ。
最初の休憩まではせんぱいに簡単に出社してから退社までの流れ、会社の中の大まかなルールや部屋の案内などを受け、いざ休憩と休んでいると、
「一色ちゃんちょっといいー?」
はるのさんからの呼び出しを食らってしまったのだった。
「はい、なんでしょうか??」
非常階段の階と階の間の踊り場に呼ばれ、もしかしてしめられちゃうの?と内心ハラハラさせながら呼び出された理由を聞くと、
「私がね、どうしてこの会社にいるかわかる?」
「いえ、分からないです……」
「なんかね、もう疲れちゃったの、両親の期待に答え続けて私のしたいことが何かもわからず、ただ親の敷いたレールの上を歩いていくのが。
だからね、もう全部捨てて逃げてきちゃった。
家のことぜーんぶ雪乃ちゃんに押し付けて、ね
でも雪乃ちゃんは私と違うから、いざとなったら助けてくれる彼や彼女がいるもん。だからもういいかなって。」
はるのさんが憑き物が取れたような顔でそう答えた。
「私もせんぱいには沢山助けて貰ったので、」
言葉を遮るようにはるのさんが冷たい顔でこう言い放った。
「比企谷君は別に一色ちゃんじゃなくても助けたよ?
比企谷君が本当に守りたかったものを守る為に、
比企谷が本当に守りたい雪乃ちゃんとガハマちゃんの為に、
だからね、その相手が一色ちゃんでも、全然違うめぐりや、静ちゃんでも誰でも、ね?」
私はその顔に背筋がゾクッと凍るのを感じた。
確かに私は聞いていたから。せんぱいがあの部室で本物が欲しいと言ったことを。そして知っているのだから、誰に言ったのかを、私がその中にいなかったのことを、そして知らなかった。私が嫌な考えをどんどんと頭の中で巡らせている姿をはるのさんがほくそ笑んで見ていたことを。
新刊読んで自分の中でのはるのさんがだいぶ甘かったなと実感いたし、書き直したのですが性格悪いみたいになってしまって……
自分ははるのさん好きなのにな……
前書いたあまあまはるのさんとは別人に……
あざといろはすや本当は可愛いはるのさんはこれからの続きをお楽しみに!
コメントお待ちしております!