この素晴らしい世界に聖石を!   作:ホムラ

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今回原作主人公と出会います


第二話

「エクスプロージョンッ!!」

 

俺はそう叫びながら手に持っている刀身がオレンジ色の剣を振り下ろした

その瞬間、すさまじい爆発で発生した爆炎に、俺と相手をしていたモンスターが包み込まれる

 

爆煙の中で、俺は確かな感覚を掴むと同時に剣を背中の鞘へと直し

たった今倒した、ジャイアント・トードの死体を確認した

 

「これで十匹、クエスト達成だな」

 

この世界に来て早数週間、俺は冒険者としてクエストをこなす日々を送っていた

 

あの日、俺はウィズに登録料だけ借りて冒険者となった

 

受付のお姉さん――ルナさんは俺のステータスを見て『ソードマン』を進めてきたが

俺はあえて基本職の『冒険者』を選ばせてもらった

 

その理由としては冒険者でいろんなスキルを覚えた方が得だと思ったからだ

ソードマンから成長してソードマスターになるのも魅力的だったが

まぁ正直言えば、RAVEの主人公は剣士というよりも冒険者って感じだったからというのもある

 

「さてと、帰るか」

 

俺はジャイアント・トード討伐完了の報告をする為、アクセルの街へと帰った

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「――ではこちらが、今回の報酬になります」

 

ルナさんは報酬を置いたトレイを目の前に差し出してくれた

 

「ありがとうございます、じゃあまた」

 

俺はルナさんに一言あいさつし、ギルドを後にした

 

まだ昼過ぎたばかりだが食材をいくらか買って帰るかな

 

俺は市場へと足を向けた

 

俺は現在、ウィズ魔道具店に世話になっている状態だ

ウィズのおかげで冒険者になれたものの、時間が時間だったためクエストを受けることもできず

その日の宿に困っていたところ、ウィズがギルドまで来て俺に今日のお礼として泊まらないかと言ってくれたのだ

 

いやー、マジであの時は助かった

あのままだったら野宿確定だったからな

 

初めは一泊の予定だったが、気が付けば数週間もお世話になっている

そろそろ自分の拠点を探さないといけないんだけどなぁ

どうもウィズの好意に甘えてしまっている

 

因みに現在使っている鉄の剣『アイゼンメテオール』はこの世界で作ったものだ

俺がデザインし、ウィズに鍛冶屋を紹介してもらい特別に作ってもらったオーダーメイド品だ

 

もちろんレイヴをはめ込む溝も忘れてはいない

 

今のところ俺が使える形態は爆発の剣『エクスプロージョン』だけである

音速の剣はまだ解放されていない

 

どうも俺のレベルに合わせて解放されるようで、レベル5で解放されたところをみると

五つ刻みで解放されると考えている

現在のレベルは9なので次のクエストを受ければ10になるが、焦らなくてもいいだろう

 

「さて、今日の飯は何にするかな」

 

俺は思考を戻し、今日の献立を考えつつ街を歩いていたのだが―――

 

どこかで見たことのあるような青髪の女とこれまたどこかで見たことのある

むしろ懐かしく感じるジャージを着た男の二人組を見つけてしまった

 

男の方は物珍しく周りを見渡しているが、女の方は頭を抱えていた

 

……どう考えても青髪の方は女神だよな

もう片方の男は転生者か?その割には装備が貧弱すぎるような

まぁ俺も人のことは言えない立場にあったけどな

 

因みに俺の今現在の装備は黒を主体とした服装で鎧ではなくただのジャケットを着ている

一度鎧を着てみたのだが、動きづらかったので今の服装になった

アーマーくらいは付けてはどうだと言われたが、重くなるのでと断った

 

声でもかけてみようと近づこうと思った矢先

 

「うぁぁああああああああっ!!」

 

青髪の女がいきなりジャージ男の胸倉をつかみ、激しく揺さぶり始めた

 

「な、なんだよやめろ!やめろよ!

 悪かった、悪かったってー!」

 

突然言い合いが始まった

周りにいた住人は面倒ごとには関わりたくないという感じで目をそらし

この場から離れていった

 

俺は二人の会話が聞こえる位置から少し様子を見ることにした

 

――どうやら俺の予想通り、ジャージ男の方は転生者らしく

転生特典で貰えるものに女神を指定したらしい

 

しかも女神は特典としてこの世界に召喚されたため、魔王を討伐するまでこの世界から出られないらしい

流石に可哀想だなとは思ったが、この世界に来た時の事を思い出しすぐに考えは変わった

まぁ一発殴るのは勘弁してやろうか

 

俺はそう思いながら声をかけることにした

 

「おい、ギルドに行くなら俺が案内してやろうか?」

 

「ん、あんたは?」

 

「俺もお前と同じ転生者だよ

 つってもここに来たのは数週間前だけどな」

 

「おぉ、そうなのか、俺は佐藤和真」

 

「赤月翼だ、気軽にツバサと呼んでくれ」

 

「俺もカズマでいい」

 

軽く挨拶を交わしたところで、俺はカズマとアクアを連れてギルドへと戻った

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「あれ?ツバサさんどうされたんですか?」

 

ついさっきここを出たばかりなので疑問に思うのも仕方ないだろう

 

「冒険者になりたいって人を連れて来たんですよ」

 

「そうですか、では後ろのお二人がそうですね」

 

「それじゃあ後はお願いします

 じゃあなカズマ、今度パーティ組もうぜ」

 

「おう、ありがとな!」

 

俺はカズマと別れ市場で買い物をして魔道具店へと帰った


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