ラブライブΩ/ラブライブUC   作:la55

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「ついにきましたね、私たちの最後のステージが」
ここはユニライブの「博多小娘」の楽屋。愛たちはほかのメンバー6人に呼びかけている。
「そうだね。これが私たちにとって最後のステージ」
と、天がそう答えると、あやも、
「そうですね。ここで全力を出し切りましょう」
と答え、夕も、
「ここで全力ださないとうちらが悔やんでしまうぜ」
と全力で答え、羽衣は、
「が、がんばれしゅ」
と、緊張してか噛んでしまい、新加入の(鹿島)イネから、
「羽衣、噛みすぎ、噛みすぎ」
と注意するも、これまた新加入の(安心院)ゆずに、
「仕方がないよう、これが本当の最後のステージになるんだから」
と、ドライにフォローしていた。
 これを見ていた愛、
「さあ、最後のステージ、頑張りましょう」
と、ゲキをいれると、天たち6人は、
「「「「「「オー」」」」」」
と、呼応していた。
 しかし、なぜ最後のステージなのか。それは去年の4月に話が戻る。



ラブライブUC 最終章 博多小娘編

ラブライブUC 最終章 博多小娘編 「最後の抵抗?」

 

「こんなに忙しいのって3年ぶりかしら」

愛はテレビ局の廊下を走っていた。愛たち「博多小娘」は全国ネットで博多のテレビ局から歌を披露する予定があるのだった。

「それもこれもユニライブに優勝したからだもんね。もぐもぐ」

と、天もパンをくわえながら走っていた。

「天、口にパンをくわえながら、そして、しゃべりながら走るのはやめなさい」

と、あやは天に注文をした。

「でも、新加入の私も参加していいのでしょうか」

と、4月に加入したばかりで元福博女子大学付属のスクールアイドル「K9」のメンバーだったイネが言うと、

「気にしない、気にしない。心配しなくても大丈夫:

と、これまた新加入の元福博(略)の、

「こら~、略するなぁ~」

ツッコミが入ったので略せず、元福博女子大学付属のスクールアイドル「K9」のメンバーだったゆずがイネを元気づけていた。

「でも、まさかユニライブに優勝したことで、人気に火がつくなんて、うちらってラッキーガールじゃない」

と、夕は陽気に言うも、

「羽衣たちにとって予想外だもんね」

と、羽衣はちょっとこわばりながら言う。

「いや、これは予想外じゃないよ」

と、天がパンを食べ終えてから話すと、

「そうです。これは優勝したからこそおきたことなのです」

と、愛はそう言った。

 愛たち「博多小娘」は去年度に行われた大学生アイドル、ユニドルの祭典、ユニライブに優勝したことにより、これまでの状況が一転した。一ユニドルでしかなかった「博多小娘」だったのだが、ユニライブ優勝が大々的にメディアが報じたため、一夜のうちに「博多小娘」の名前が全国的に広まってしまったのだ。それにより、ユニライブ終了直後から各メディアに引っ張りだこになっていた。

「でも、なんでこんなに有名になったのかしら」

と、あやが不思議そうに言うと、

「そんなのを心配しても仕方がないよ。今は今を一生懸命楽しもう」

と、天があやに対して言うが、そのことを愛は、

「でも、あやの言葉も一理ある。どうしてこんなに人気になったのだろう」

と、考えていた。

 

 そして、その疑問を愛は考えたまま、夏を迎えようとしていた。

「今年って何ヶ所夏祭りまわらなくてはいかないの?」

と、天が言うと、

「たしか10ヶ所以上だったはずよ」

と、あやはたんたんに答えていた。

 一方、愛はあることを考えていた。

「あまりにもできすぎている」

と、愛が言うと、天は、

「なにができすぎているの?」

と、愛に質問すると、つかさず愛は、

「この状況だよ。たしかにユニライブに優勝したけど、こんな人気になるなんて以上だよ」

と、答えたが、とうの天は、

「でも、それって愛がラブライブに優勝したとこも同じことが起こっているじゃない」

と答えた。たしかに、愛は3年前、音乃木坂学院にいたとき、ラブライブに優勝し、と同時にメディアに大々的に報じられ、全国的地位を獲得していた。しかし、

「たしかに3年前と同じ状況だけど、それでもおかしいの」

と、あいが荒々しく天に言うと、

「どうして?」

と、逆に天に聞かれることに。それに対し、愛、

「おかしいと思う根拠、それは、一昨年度にユニライブに優勝したユニドルはそんなに全国区になっていないことだよ」

と言うと、天、

「たしかにそうかも」

と、納得することに。そういえば、一昨年度、愛、天、あやがまだまだ大学一年のときのユニライブだが、愛たちはユニライブ決勝でくしくも優勝を逃していた。別のユニドルが優勝したのだ。しかし、そのときはただ優勝したことを一部のメディアが報じただけであり、全国区になったわけではなかった。

「そして、私が3年前にラブライブ優勝で、所属していたスクールアイドル「オメガマックス」が全国区になったのは、伝説のスクールアイドル「ミューズ」を倒したのがきっかけよ」

と、愛は力強く言う。そう、愛たちスクールアイドル「オメガマックス」が全国区になったのは、ラブライブで優勝したあとで行われた「ミューズ」との対決に勝利したことによるのが大きかった。

「そういえばそうだったね」

と、あやが言うと、天は、

「たしか、あのとき愛たち「オメガマックス」と(高坂)穂乃果さんたち「ミューズ」が対決させたのって、私の母、(中洲)博子の策略だったじゃなかったかしら」

と言うと、愛も、

「そういえば中洲(博子)理事長が当初(天たちが所属していた福博女子大学付属の)スクールアイドル「K9」の人気を加速させるために仕組んでいたけれど、「K9」が「オメガマックス」に敗れたために仕方なく(愛が所属していた)「オメガマックス」にぶつけてきたのが実情だけどね」

と、本当のことを言うと、天、

「ということは、私たち(「博多小娘」)の人気が全国区になっているのも、(中洲博子)理事長が裏で手をひいている可能性があるね」

と言うと、すぐにある場所に向かおうとしていた。

「天、どこにいくの?」

愛はこう言うと、天はすぐに答えた。

「決まっているでしょ、理事長のところよ」

 

 天はすぐに理事長室の前に立ち、突然ドアを蹴飛ばしてこう言った。

「お母さん(中洲博子理事長)、ちょっとお話があります」

そのとき、理事長は優雅にティータイムを楽しんでいた。

「なんですか。騒々しい」

理事長がこう言うと、すぐに天の元に愛たち6人が追いついてきて、天の後ろに並んだ。

「そろいもそろってなんですか」

と、理事長が言うと、天はたんをきってこう言った。

「もしかして、私たち(「博多小娘」)が全国区になったのってお母さんの仕業じゃないのですか」

これを聞いた理事長、

「天、ここでは理事長と呼びなさい」

と、穏やかに言うも、

「ごまかさないでください」

と、天は怒りながら言う。

 そして、ついに理事長がある言葉を言った。

「たしかに天たち「博多小娘」を全国区にしたのは私の力が大きいのよ」

これを聞いた愛、すぐに理事長に質問する。

「どうして、私たち「博多小娘」の人気を全国区に広げようとしたのですか」

これを聞いた理事長は優雅に答えた。

「この大学の知名度をあげるため、そして、受験者数を増やすためです」

これを聞いた天、鬼の形相で理事長をにらみつけながら言った。

「私、言いましたよね、入学式のあと、ここに愛、あや、そして、私が集められたときに、学校の広告塔にはならないと」

これに対しても、理事長、ひらりとかわすように言った。

「たしかに、天たちは広告塔にならないと言いました。が、それは天たちだけが思っているだけ。ほかの人たちからは天たち「博多小娘」は私たちの大学、福博女子大学のユニドルとしか見ておりません」

 そして、ある事実を天たちに言った。

「私はただそれを利用していただけです。ただ「「博多小娘」は私の大学、福博女子大学のユニドルです」とそれをメディアに伝えただけです。そしたらどうでしょう。「博多小娘」は2年かけてシンデレラストーリーを駆け上がってきたユニドルであると勝手に脚色をかけてしまったおかげで、いまや「博多小娘」は全国区に…」

 これを聞いた夕、

「メディアが勝手に脚色を、と言っているけど、それって、脚色をさせようとしたのって理事長の差し金じゃないの」

と指摘すると、理事長、

「それはそれとして…:

と、口をにごすと、すぐに、

「これから先もこの大学のためにどんどんメディアに露出して、受験者数を増やしてください。知名度をあげてください」

と、大々的に言った。

 しかし、これを見て気に食わないやつらがいた。

「なんで自分のためだけ考えているんだよ」

怒っていた、天が。天は怒りながら自分の母である理事長に言った。

「今も昔もそう。自分のことだけ考えている。この大学のためと言いつつも、本当は自分のことしか考えていないでしょ」

と。天は理事長にさらに怒りながら言う。

「私はこれ以上大学の広告塔として活動したくない。私からは以上」

と言って、天は理事長室から出て行った。

 これを見ていた理事長、

「秋葉(愛)さん、あなたなら同意してもらえますね」

と、愛に向かって言うも、愛、

「私も天と同じ意見です。私もこれ以上大学の広告塔になりたくありません」

と言うと、天のあとを追った。

 そして、あやも、

「私もこれ以上理事長とかかわりたくありません」

と言って理事長室をあとにすると、ほかの4人も天たちのあとを追った。

 そして、理事長室にたった1人になった理事長。

「なんていう人たちなの。そんな気なら、私の実力をみせてあげる」

と言うと、すぐにある場所に電話をかけめぐった。

 

 翌日、愛ははやめに起きた。なにか嫌な予感がしていたからだ。

「むりゃー、食べられないよ」

と、天が寝言を言いつつ寝ている横で、愛は1人起きて一足早く大学へと向かった。

 そして、部室のところに行き、鍵を開ける。しかし、いつも開くはずの鍵が回らない。いくらまわしても鍵は開かなかった。

「あれ、どうして開かないの?」

愛は言ったが、すぐに気づいた。夜のうちに鍵を付け替えられたのだ。愛は思った、これは理事長の仕業だと。

 だが、理事長の嫌がらせは続く。部室が使えないと愛からの報告で、天たちはすぐに練習場に駆けつけていた。福博女子大学では練習場は共有であり、誰でも申請をすれば誰でも使えるのだ。愛たちは事前に練習場を使う申請をしており、今日も使う予定だったのだが…。

「あれ、誰か使っている…」

1番最初に到着したイネが気づいて言った。そう、練習場には誰もいないはずなのに、そこには別のグループが練習していたのだった。

「あれ、「博多小娘」じゃん。どうしたの?」

練習場にいたグループの1人が言うと、すぐに夕が駆け寄って言った。

「今日はうちらが使う予定だけど、どうして?」

これを聞いた練習していたグループの1人が言った。

「あれ、聞いていないの。「博多小娘」の練習が急遽中止になったから、使っていいよって、昨日の夜、電話があったんだよ」

これを聞いたあや、すぐに、

「ありがとう。それじゃまたね」

と、その練習場を離れると、すぐに別の練習場に行く。が、

「あっ、この練習場は私たちが使っているよ」

「ごめんけど、譲れないわ」

と、練習場が譲ってもらえるところはどこにもなかった。

 練習場が使えないことを聞いた天、すぐに練習場を管理している事務室に行き、着くさま、

「どうして部室や練習場が使えないのですか?」

と、事務局長に迫るも、

「ど、どうしてかな~」

と、口をにごす事務局長。そこで、あやの出番。

「んとね、私、こんなものを拾ったんですけど」

と、1枚の写真が提示された。それには事務局長と他の事務員との密会…。

「わ、わかった。正直に言おう」

と、白旗を揚げてしまった事務局長。事務局長いわく、

「これは理事長の指示だ。「博多小娘」の部室及び練習室の使用を禁ずるとな」

 これを聞いた天、

「どうしてそんなことを…」

と怒るも、愛は冷静だった。愛は言った。

「たとえ部室や練習場が使えなくても練習をする場所はたくさんある。」

そうだった、愛の言うとおりだった。アイドルの街博多には数多くの貸しスタジオがある。そこで練習すればいいのである。

「でも、部室に曲の音源とかなおしてあるよね」

夕は指摘した。たしかに、部室には練習の要となる音源など練習に欠かせないようなものがたくさん残っている。

「羽衣も練習着、部室に置いてある…」

と、羽衣が心配そうに言うと、ゆずも、

「たしかに、私も体作りに使う鉄アレイなどがあるのに…」

と心配そうに言うも、愛、

「音源とかは大丈夫。もしものために家に音源の予備もあるし、最低限必要なものはすぐにでも用意できるよ」

と、やさしく言うと、天、

「あれこれ考えていてはいけない。今できることをやろう」

と、みんなを元気づけた。

 そんななか、あやは不気味に笑っていた。

「しかし、こんななんてこともない写真で事務局長がびびるなんてね」

その写真を見ていた。そこに写っていたのは事務局長とほかの事務員との密会…、ではなく、その事務員も参加した忘年会で披露されていた事務局長のドジョウすくいをしている写真だった。事務局長いわく、

「自分はいやなのに、理事長や事務員たちがやれやれと言われて、仕方なくしたもの…。恥ずかしい」

ということだとか…。パワハラにはご注意を…。

 

 この日以降、愛たちは各貸しスタジオを転々としながら練習をしていたが、理事長の魔の手は確実に愛たちに迫っていた。

「みんな、大変、大変」

部室などの締め出しから2週間後、今度はあやが嫌な知らせを伝えにきた。

「夏祭りの参加が急遽取りやめになったって」

あやが言うと、天、

「それはそうだろう。だって、理事長が勝手に申請したものだし…」

と、冷静に言うも、次は夕が騒いで戻ってきた。

「天、テレビ局の収録どころか、雑誌の取材、などなど全てキャンセルだって」

と夕が言うが、天、まだ冷静に…、

「それもそうだろう。だって理事長の…」

と言っているまもなく、横から、愛、口だす。

「ちょっとおかしいよ。全部が全部理事長の差し金とはいえないよ。そのなかには実際にオファーされたものもあるんじゃないかな。それに、もしかすると、これ以上、最悪なことがおこるのではないだろうか」

これを聞いた天、

「…」

と、今度は口をつむぐが、愛の言葉が真実となることが起こった。

「大変、大変」

と、今度は羽衣が飛び込んできた。

「ネットばかりか、博多市内中に羽衣たちの誹謗中傷が書かれているよ」

と、羽衣が言うと、これを聞いた愛、すぐに指示。

「イネ、ゆず、市内をまわってきて。私はネットを見るから」

そして、イネ、ゆずは市内をまわり、愛は自らネットの様子を探った。

 

 そして、2時間後、

「まさか理事長、こんなことをするなんて…」

愛は愕然とした。ネットには「博多小娘」を誹謗中傷する書き込みが書かれていた。ユニライブ優勝は捏造だった、各メディアの露出は××、そして、後輩ユニドルに対してのパワハラなどなど。

 そして、帰ってきたイネ、ゆずは顔を真っ白白になっていた。

「街のいたるところに言われようもない誹謗中傷の紙が貼られていた」

イネの言葉だけではなかった。今度は夕から報告があった。

「貸しスタジオ全てから貸出不可だと電話きたよ」

今度は貸しスタジオから貸出できないとの報告に対し、愛、

「八方塞がりか~。そうなったら大学に抗議を…」

と、言っているもつかの間、今度は天から報告が。

「愛、さっきから大学側に抗議しているけど、取り扱ってもらえない」

この報告を受けた愛、ついには…。

「こうなったら仕方がない。あれしかないな」

と愛が言うと、天は、

「ついにあれをやるんだね」

と、これまた愛に呼応した。これに対し夕たち、

「?」

と、ハテナ顔をすると、愛は言った。

「「博多小娘」の原点に戻るんだ」

これを聞いた夕、あることに気づいて言った。

「まさか、ゲリラライブ!!」

愛はそのことを聞くと言った。

「そう、ゲリラライブ!!」

 

 新天町、夜9時。普通なら街の中を通る人たちの話し声しか聞こえないのに、この日は違っていた。新天町の中央ドームには人だかりができていた。その人だかりの前には、愛たち「博多小娘」7人が踊る態勢をとっていた。愛たちはゲリラライブを決行することを決めると、すぐにネットでゲリラライブを告知した。場所についてはただある場所としか示していなかったが、「博多小娘」をよく知る地元の人たちはすぐにその場所が新天町であることに気づいた。なぜなら、「博多小娘」は愛、天、あやが1年のとき、ゲリラライブを行った唯一の場所だから。

「さあ、時間よ」

と、愛が言うと、天は元気よく、

「よっしゃー、はじけまくるぞ」

と言うと、CDラジカセの再生スイッチを押し、曲をかける。

「さあ、最初の曲は…」

と、愛が言った瞬間、ある人物が止めにはいった。

「やめなさい!!大学としてゲリラライブは許しません」

止めにはいったのは大学の警備員たちだった。

「やめて。ここでゲリラライブさせて~」

と、愛は叫ぶが、警備員たちは、

「ゲリラライブを禁止している以上、やめてもらいます」

と、「博多小娘」7人を力ずくで抑えていく。

 取り押さえられた愛たち7人。そこにある女性が7人の前に立ちはだかった。

「どうですか。私に逆らったらこうなることを身をもって感じましたか」

そこに立っていたのは中洲博子理事長だった。

「お母さん、なんてことをしてくれたの」

天は実の母である理事長にたてつくも、理事長は、

「そんなの関係ありません。私にあなた(天)のことを実の娘とは思っていません。私に逆らうおまえに対し、勘当を申し伝えます」

と言うと、これを聞いた天、

「…」

と、黙るしかなかった。

「さっ、あなた方も散った、散った。こんなゲリラライブ、許されるわけがないでしょ。これで「博多小娘」もおしまい。これからは私の大学のほかのユニドルがこの日本で、私の大学の広告塔として宣伝してくれるでしょう」

と、理事長が観客たちを散らせようとしたとき、

「ちょっと待つだニャー」

と、どこか聞いた声が新天町中に響きわたった。

「誰!!」

と、理事長が言うと、まわりを見回した。そこにいたのは…。

「あなたはだれ?」

だれと言われた女性はがくっと倒れこみ、名前を言った。

「凛の名前は星空凛だニャー」

愛は凛の姿を見て驚いて言った。

「凛先輩!!」

そう、まるで正義の味方のごとくあらわれたのは伝説のスクールアイドル「ミューズ」のメンバー、星空凛と、

「私もいます!!」

と、凛の横からあらわれたのは同じく「ミューズ」メンバーの1人、小泉花陽だった。

「花陽先輩!!」

愛は驚いていた、あの「ミューズ」のメンバー2人がここに光臨したことを。

「愛ちゃん。実情はわかりました。ちょっと待ってください」

と、花陽が言うと、理事長の前に立った。

「小泉さん、伝説のスクールアイドル「ミューズ」のメンバーとしても、そこをどいてくださいますね」

と、理事長の前に立った花陽をどかそうとするも、

「いえ、そこから立ちのきするつもりはありません」

と、花陽は理事長の前をどかなかった。

 そして、花陽は愛に語り始めた。

「愛ちゃん、なんでゲリラライブを突然しようとしたの?」

これに愛、

「だって、これだと私たち自身、ユニドル活動続けられなくて、それならダメでもともとだけど、一面発起して観客のみんなに私たちは無実であることを知らしめたくて…」

と、答えると、花陽、

「ゲリラライブは悪いことじゃないわ。だって、ゲリラライブってまわりのみんなとどんなときでも楽しく過ごせるもん」

と言うと、愛、

「花陽先輩…」

と、あこがれの目で言うも、突然、

「でも、いくらゲリラライブがよくても、なんの目的もないゲリラライブって悲しいものはないよ」

と、花陽から言われると、愛、

「…」

と、黙ってしまった。

 そして、花陽は理事長の目を鋭く見つめると、愛に向かって言う。

「愛ちゃん、ユニドルやスクールアイドルって何でいると思う?」

これを聞いた愛、

「わかりません。教えてください」

と、花陽に聞くと、花陽は笑顔で答えた。

「ユニドルもスクールアイドルもいる理由はひとつだけ。それは、みんなを楽しませることができるから。そして、ユニドルやスクールアイドルにならだれだってなれるから」

 さらに、花陽は愛に向かってこう言った。

「愛ちゃん、あなたたちはユニライブで優勝した。なぜできたと思う。それはほかの人たちと比べてそのときを楽しむことができたから。みんなと楽しいことができたからだよ」

 そして、花陽はあることを愛に伝えた。

「愛ちゃん、ユニドルに限らず、アイドルとは楽しんでいけばいいと思うよ。楽しみを忘れたアイドル、いや、ユニドルはただの人たちだよ」

これを聞いた愛、

「楽しむこと…。そうか、私、楽しむことを忘れてしまっていたんだ。なんの意味もなくゲリラライブをしてしまった。楽しむことを忘れてしまうなんて…」

と、悔しそうに言うと、花陽は、

「それに、みんなと楽しむ方法はユニドルだけじゃないんだよ」

と、笑いながら言う。そんな花陽を見て、愛、

「どんな方法?」

と言うと、花陽、

「ユニドルとして活動しなくても、ユニライブに参加しなくても、アイドルとしていろんな方法でみんなと一緒に楽しめることができるんだよ」

と、笑いながら言う。これを聞いた愛、

「いろんな方法で?」

と、花陽に聞くと、花陽、

「そう、いろんな方法で、いろんな形でアイドル活動はできるってことだよ」

と、愛に向かってウインクしながら言った。

 だが、この会話をあまり芳しくみていない人がいた。理事長だった。

「いくら言っても、ユニドルに限らず、アイドルっていうのは商品なんだ。その商品をどう扱うかによってアイドルの価値が決まるんだ」

理事長がこう言うと、花陽に向かって襲ってきた。

 だが、それを遮る女性がいた。

カッチーン

「大丈夫、かよちん!!」

理事長を止めたのは凛だった。凛は理事長を止めると、理事長に対して言った。

「いくらアイドルを支える裏方としても、そのアイドル、いや、ユニドルの活動を妨害することはよくないころニャ、絶対間違っているニャ」

これを聞いた理事長、警備員にあることを指示、

「警備員たち、この凛という少女を取り押さえなさい」

と。警備員、愛たち7人を取り押さえることをやめ、なぜか理事長の後ろの方に集結していき、そして…、

「かかれー」

と、凛に向かって警備員、ダッシュ。と、同時に凛は、

「エイヤー」

と、理事長を警備員に向けて力いっぱい放出。すると、理事長、

「アラアラアラー」

と、後ろに向かってフラフラしながら倒れるかのように移動すると、前に向かってダッシュしていた警備員にぶつかり、

ジャラーン

と、まるで将棋倒しのように理事長、警備員もろとも倒れてしまった。

 これを見ていた凛、

「ちょっとやりすぎたニャー」

と言うと、愛たちに向かって元気にこう言った。

「どんな方法であれ、楽しむことこそ幸せになれるいい方法だニャー」

 これを聞いた愛、あることを思いつき、天たちに向かって元気にこう言った。

「よ~し、決めた。私、大学から独立する!!これからはユニドルではなく、アイドルとしてみんなと活動していく。ユニドルという枠にとらわれない、私たちだけのアイドルとしてみんなと楽しんでいけるように頑張っていく」

これを聞いた天、

「う~ん、たしかにそれが面白いかも。私、賛成」

と、元気よく手をあげると、あやも、

「それこそ私たち「博多小娘」よ。どんなときでも私たちは一緒。私、賛成します」

と、はっきりと言うと、ほかの4人も、

「賛成」「賛成です~」「賛成しかない」「賛・成」

と、元気よく答えた。

 そして、愛はたからかに宣言した。

「私たちは今日をもってユニドルを…」

これに花陽は言葉を制した。

「突然独立宣言してはまた同じことの繰り返しです。いろんな準備をしてから独立してくださいね」

この言葉を聞いてか、愛は内容を修正して、たからかに宣言した。

「私たち「博多小娘」は今年度のユニライブをもってユニドルを卒業して、一アイドルとして本格的に活動します!!」

これを聞いたまわりの観客は大きな拍手をもって迎えた。

 だが、1人納得していない人がいた。

「私は認めませんからね。私の大学のユニドルである以上認められません」

そんな理事長にある人が近づいていた。

「あの~、理事長~」

理事長の前に立ったのは大学の事務局長だった。

「事務局長、いいところにきました。すぐ、あの9人(「博多小娘」7人+凛と花陽)を捕らえなさい!!」

だが、事務局長からでてきた言葉は意外なものだった。

「理事長、それはできません」

「なぜ?」

理事長が言うと、事務局長は言った。

「理事長、あなたは先ほど、臨時理事会において解任が決まりました。今回の件で大学のお金を無断で私的利用したことが発覚しました。それだけでなく、いろんなところから「博多小娘」に対する大学側の対応に多くの苦情が大学に寄せられました。今回はやりすぎました。少しは反省してください」

理事長はこういわれてしまい、ただしゅんとするしかなかった。

「さあ、これでこれから先も「博多小娘」として活動できるぞ~」

と、天が元気よく言うと、愛、

「なんか忘れていませんか」

と、天に言う。天、

「?」

とハテナ顔をすると、愛、元気よく、

「さあ、ゲリラライブの再開です」

と答えた。これを聞いたあや、

「でも、ゲリラライブ再開してもいいのかしら?」

と、リンに問いかけると、

「いいんじゃないかニャ~」

と答え、これを聞いた愛、

「よ~し、ゲリラライブの再開です。凛先輩、花陽先輩、一緒に楽しみましょう」

と、凛と花陽の手をひき、ゲリラライブに参加させようとしていた。

 凛は元気よく、

「やってみるニャー」

と、答えて参加しようとしていたが、花陽はというと、

「え、ど、どうして、参加。ああ、誰か助けて~」

と叫んでいたそうな。

 こうして、新天町は「博多小娘」のゲリラライブによって楽しい夜を過ごしていったのだった。ちなみに、理事長は長期間にわたる大学資金の私的利用が明るみになってしまい、警察のお世話を受けているらしい。

 

 今回で最後のユニライブとすることにした7人は、大会スタッフから呼ばれると、ステージ袖に立ち、でる準備をしていた。

「あのあと、新しい理事長が選ばれて、大学は平穏になったんだよね」

と、あやが言うと、天は、

「それは私があの大学を引き継ぐまでの代わりの理事長ですもん」

と答えると、愛は、

「さあ、ユニドルとしての最後のステージ、頑張っていきましょう」

と言うと、7人は円陣を組み、

「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」と、声を大として言い、

「博多小娘、オン、ステージ」

と、元気よく言った。

 

「さあ、次は前回の王者にして連覇の期待がかかる、福博女子大学のユニドル、「博多小娘」で、曲は「HAKATA LIVE」!!」

レポーターの声と共に愛たちは歌い始める。

 

ラブライブUC 最終章 博多小娘 「HAKATA LIVE」

 

LIVE LIVE LIVE LIVE

 

私たちは生きている

HAKATAに生きている

カモン レッツダンス(ダンス!!)

街が全てステージ みんなが出演者

カモン レッツダンス(ダンス!!)

 

だからこそ楽しい 暮らすことが

街がひとつのテーマパーク

何があってもなくても

いろんなことが次々におこるさ

 

HAKATA LIVE!!

全てが私たちの仲間たちさ

HAKAAT LIVE!!

全てが私たちのステージ

だからこそ私たちは楽しむ

この街が好きだから

 

私たちは喜ぶよ

HAKATAにいることを

カモン レッツダンス(ダンス!!)

ほかにあってなくてもここなら全てある

カモン レッツダンス(ダンス!!)

 

だからこそうれしい くらすことが

街がひとつのデパートなの

何があってもなくても

ここなら全ていろいろとそろうさ

 

HAKATA LIVE!!

みんなと私たちは仲間同士

HAKATA LIVE!!

全ての仲間たちのステージ

だからこそ 一緒にきて参加し

この街を楽しもう

 

さあ この街にきてよね

ここにくればもう出演者

悲しいことがあってもなくても

ここなら全て流してくれるさ

だからおいでよ きてみてよ

HAKATAはみんなをまっているよ

 

HAKATA LIVE!!

全てが私たちの仲間たちさ

HAKAAT LIVE!!

全てが私たちのステージ

だからこそ私たちは楽しむ

この街が好きだから

 

この街を楽しもう

 

「「博多小娘」でした。みんな拍手!!」

レポーターの声と共にステージを降りる7人。

「ついにユニライブのステージが終わりました」

愛が言うと、天はすぐに答えた。

「でも、これからはユニドルとしてではなく、アイドルとして頑張っていくんだ。ラストではない。これがスタートになるんだよ」

これにあや、すぐに反応。

「そうです。あのゲリラライブのように、みんなを楽しませていきましょう」

これを聞いた愛、

「そうだね。これからが私たちのアイドルとしてのステージが始まるんだね」

と、嬉しそうに答えていた。

 




あとがき

 みなさん、こんにちは。LA55です。今回は「博多小娘」編をお送りしております。前回のユニライブに優勝した「博多小娘」、その優勝のせいで大学の宣伝に使われてしまいます。それに気づきそれに反発するのが今回の話の流れでしたが、実は「博多小娘」、結成も大学からの指示を断り、自分たちの手で結成した、というのが前にありました(詳しくは「博多小娘」1年生編第1話をお読みください)。どんなときでも反発してきましたが、今回ばかりは大学側の力が強かったかもしれません。でも、あの2人の登場で流れは「博多小娘」の方に。そんなストーリーでしたが、みなさんは楽しめましたでしょうか。中州博子ファンの皆さん、大変申し訳ございません。前作「ラブライブΩ」のときからどちらかというと、敵役みたいな役割をしております。それが今回の騒動が原因で理事長職を解任されるというオチになってしまいました。大変申し訳ない。

 で、あの2人ですが、「ミューズ」のメンバーである小泉花陽と星空凛が今回の特別ゲストでした。やっぱりこの2人はコンビで出たほうがとてもよいと感じ、2人揃っての登場となりました。ユニドルについて熱く語る花陽にその花陽を守る凛、みなさんにはどう感じ取れたでしょうか。2人の人物像とはぜんぜん似ていないと思われている方、本当にごめんなさい。自分が思っている人物像にあわせて作っております。異質と感じている方、本当にごめんなさい。

 で、今回の曲は「HAKATA LIVE」です。この曲は博多を舞台にミュージカルをしたらどうなるかをコンセプトに作詞しました。本当なら作曲できたらとても楽しい曲になれるのですが、ボーカロイドを含めて作曲したことがない自分、本当になさけない、うう。なので、みなさんは心のなかで楽しんでみてください。実際、博多という街はとても面白い街です。おいしいものもたくさんございますし、楽しめるところも多いと思います。今期放送中のアニメの舞台にもなっております。実際のところ、殺し屋自体人口の3%もいるわけないのですがね。

 というわけで今回の物語はどうでしたでしょうか。物語については特別編もすでに書き終わっており、それをパソコンに打ち込むだけとなっております。この物語はあともう少しでクライマックスを迎えます。それに向けて頑張っていきますので、応援よろしくお願いいたします。それでは、みなさん、さようなら、さようなら、さようなら。

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