ラブライブΩ/ラブライブUC   作:la55

50 / 61
ラブライブUC ユニライブ編 後編

 愛が向かった場所、それはステージ裏の一番端っこのところだった。

エ~ン エ~ン

と泣く愛。そこに天、あや、夕、羽衣が駆け寄ってきた。

「どうしたの、愛。普通、ここでビシッと決めるんじゃないの?」

と、あやが愛に駆け寄り声をかけるも、

「…」

と、愛は黙っているままだった。

「いつもの愛さんらしくないですよ」

と、夕が言うと、羽衣も、

「私もそう思います」

と、愛に言う。

 だが、天だけは違っていた。天は愛に近づき、こう言った。

「愛、もしかして、最初の出だしで失敗したから逃げ出したんじゃないかな。失敗してはいけないという気持ちが先走り過ぎちゃってしまったんだよ。ねっ、愛」

 すると、愛は4人の方を向き、真実を語った。

「天の言う通り、私は逃げてしまったのよ。私は失敗してはいけない、失敗したらなにもかもが終わる、このことしか考えていなかった。そして、案の定、出だしを失敗するということがおこった。頭が真っ白になった。本当ならまだ続けることができるかもしれない。けど、私はこう思ったの、私の失敗ですべてが終わった、あやがこれで転校してユニドルをやめることになる、そのことが怖かった。それから逃げるためにステージから、そして、あやから逃げてしまったの。私ってとても弱い、そして、ずるい人間なんだよ」

 だが、そんな愛の姿を見て、すぐにハグする人がいた。

「大丈夫だよ、愛。心配しないで」

こう言ってハグしたのは…、あやだった。あやは続けてこう言った。

「本当に大丈夫だよ。たとえ、私がいなくなってもやっていけるよ。だから、泣かないで。元気をだしてね」

これを聞いた愛、

「本当にごめんなさい」

と、あやと天、夕、羽衣に向かってお詫びをした。

 すると、天、夕、羽衣も愛のところに行き、あやと一緒にハグをした。

「あんまり心配しないでね」

天が言うと、夕も、

「そうですよ。なんとかなりますよ」

と、口添えをし、羽衣も、

「これからのこと、一緒に考えましょう」

と、愛に提案をしようとも持ちかけていた。

 だが、この様子を見ていた人物がいた。そして、愛たち5人に声を掛けた。

「私もだいたいのことは聞きました。そんなに泣かないでください」

こう言ってきたのは…雪穂だった。

 

 雪穂はカオルたち4人とともにステージ裏で最後の打ち合わせをしていた。すると、突然泣きながら一番端っこに走っていく愛の姿を目撃した。

「どうしたんだろう、愛さん。なにかあったのかな」

と、雪穂の隣にいた亜里沙が言うと、すぐに愛の所に駆け寄る天たち4人の姿も見えたため、

「何かあったのかもしれない。ちょっといってみよう」

と、雪穂が言うと、雪穂たち「HeaT」の5人と亜里沙、ナンシー、ナターシャは愛の近くまで近づこうとした。

 そして、愛たちの会話を聞いた上で、

「やっぱり愛のことが心配だ。声を掛けてみよう」

と、雪穂は愛たちに声を掛けたのだった。

 

「ユニドルをやめさせるなんて、なんてひどい話で~す」

と、ナンシーが言うと、ナターシャも、

「ひどい、仕打ち、とても、いや」

と、怒って言った。ヒカリも、

「本当ですよ。ユニドルが青春そのものなんですから」

と言うも、愛は、

「本当に心配かけてごめんなさい。でも、これは私たちの問題。そんなに怒らないで」

と、やさしそうに答える。

 そんな愛に対し、

「ちょっと待った~」

と、いきなり飛び込んでくる人物がいた。そして、その人物はすぐに愛に対しハグをした。

「痛い、痛い。やめて」

と、愛が言うと、その人物は、

「ごめん、ごめん」

と謝って、ハグをやめた。愛はその人物を見上げてこう言った。

「はるか…」

そう、飛び込んできたのは、はるかだった。歌が終わり、ステージ裏がさわがしいと思い、飛び込んできたのだった。

「はるか、後先考えずに飛び込むのはやめなさい」

と、追いついてきたはやてに注意を受ける。

「本当にごめんなさい。でお、いつもの愛らしくないから心配してきちゃった」

と、はるかが弁明すると、すぐに、

「どうして愛がこうなっちゃったの?」

と、天に聞く。天はユニライブ優勝しないとあやがいなくなること、そのことがもとで愛が失敗したことを言うと、

「そんなの関係ないじゃない」

と、はるかは愛に向かってこう言った。

「愛、ハグしよう」

 すると、愛、はるかのところに行き、ハグしてもらう。それだけではなかった。これを見ていたはやて、雪穂、そして、亜里沙も愛のところに行き、一緒にハグした。

「そんなに力まないで。いつもの愛でいてよ」

と、はるかが言うと、はやても、

「高校のときを思い出してみよう、あの楽しい日々を」

と言う。雪穂は、

「愛はいつもみんなのこと考えていたでしょ。私たちがオメガマックスとして活躍してくれたときもそうだったでしょ」

と、高校時代、音乃木坂学院スクールアイドルとして活躍していたときのことを思い出して言った。愛、雪穂、亜里沙、はるか、はやて、そして、ここにいないがみやこは高校のとき、スクールアイドルオメガマックスとして活動し、ラブライブで優勝したことがあった。亜里沙もそのことを思い出し、

「ラブライブで優勝したときも愛さんはみんなのことを考えてくれていたんだから。だからこそ、今はあんまり思いつめないでね」

と、愛を慰めた。

 これを受けてか、愛、

「本当にごめんなさい」

と、大きく叫びながら涙を流した。

 そして、天とあやのところに近づく人物がいた。

「天、あや、そんなに愛を攻めないでね。コチョコチョコチョ」

と、泣き出す天。コチョコチョ攻撃をしていたのはカオルだった。

「カオル、やめなさい。天がかわいそうでしょ」

と、カオルにチョップするあや。それを見ていて、

「先輩たちってやっぱり仲がいいんですね」

と言うのはイリヤだった。

「そんなイリヤもなんか変わっちゃったんじゃない」

と、夕が言うと、

「そうかな」

と、イリヤが聞き返す。それに対して、羽衣も、

「そうですよ。変わりましたよ」

と答えた。因みに、天、あや、カオル、夕、羽衣、イリヤは高校時代、雪穂たちオメガマックスとラブライブ優勝をかけて戦った福博女子大学付属のスクールアイドルK9のメンバーだった。

 

「本当にごめんなさい」

と泣く愛に対し、雪穂、

「そんなに泣かないでね」

となだめる。が、いっこうに泣きやまない愛。

 そんなとき、ヒカリがあることを思いついた。

「雪穂さん、こういうときこそ他の出演者の演技を見るのがいいのでは」

と、雪穂に提案した。

「そうだね。そうしよう」

と、雪穂は愛を連れてステージ袖へと引っ張って行く。

「ちょっと、雪穂、どこに連れていくの?」

と、愛は言うが、

「少しはほかの出場者の演技を見たら、笑顔が取り戻せるよ」

と、雪穂が言うと、

「そうでしょうか」

と、愛は疑問に持つ。が、雪穂はそんな愛のことは無視して、強制的にステージ袖に連れて行った。着いたとき、ステージに立っていたのは…みやこだった。

 

 みやこは開会の挨拶のあと、楽屋にこもり、最後の練習をしていた。たった1人で入念に構成を確認する。みやこ、たった1人しかいないのには理由があった。普段であればぼたん、ちくしみたいにみんなとがやがやしているが、今回はステージに立つのは自分1人だけ、そのことを実感するためにあえて1人しかいなかった。しかし、寂しくはない。ぼたん、ちくしを含めて客席から応援してくれる仲間がいることをみやこは知っていた。その声援を胸に、みやこはもくもくと確認していた。

 そして、みやこを呼ぶ声が聞こえた。

「「Beast」さん、ステージに立つ準備をしてください」

これを聞いたみやこ、

「みんな、頑張ってくるからね」

と言うと、楽屋を後にした。

 

 雪穂と愛がステージ袖に着いたこと、みやこは今から踊ろうとしていた。観客席からは、

「みやこ~、頑張れ~」

「大阪の底力を見せてくれ~」

と、みやこを応援する大応援団がみやこに向かって声援を送っていた。その言葉はみやこの思いを強くする。

「私はソロ。でも、それでも、応援してくれる仲間がいる。私はソロプロジェクト「Beast」。私は1人じゃない。みんなの支えがあるからこそ、これまでやってこられたんだ。だからこそ、私は全力で頑張れる!!」

みやこがこう言うと、レポーターもこのみやこの頑張りに講じて、こう紹介を始めた。

「私はたった1人じゃない。まわりに支えてくれる仲間たちがいる。大総大学ユニドル、ソロプロジェクト「Beast」!!ここに登場だ~!!そんな仲間に送る歌。それでは歌ってください。「WARAI MIRAI」!!」

これを受けてみやこは、

「私は「Beast」!!仲間のために歌い尽くす!!」

と叫び、歌い始めた。

 

Beast 挿入歌 「WA・RA・I MI・RA・I」

 

「①

どうして悲しい顔しているの

それでは幸せ逃げていくよ

まるで何かを失ったような

とても悲しい顔をしているよ

 

もっともっと笑おうよ

そしたら幸せがくるよ

声をあげて笑おうよ

どんどん幸せを呼び込もうよ

 

笑いは全ての幸せのみなもと

笑いは人の力のみなもと

だから ひとりで 笑っちゃおう

それが未来へとつながるんだから」

 

 1番が歌い終わると、「Beast」自慢のアクロバティックが始まる。バク転、バク宙をこなしていくみよこ。

 だが、3回目のバク転をしたあと、

「あっ」

と、みやこが言うと、勢いあまって後ろにこけてしまう。痛恨のミス、誰もがそう思っていた。

 だが、みやこはちがっていた。なにもなかったように立ちあがり、みんなに笑顔を振りむいていた。それだけじゃない。また、バク転を行い、そして、勢いのあまり後ろにこけそうになると、

「そうよっと」

と、後転を行い、さらに、バク宙へとつなげていったのだ。これには会場中から、

パチパチパチ

と、大きな拍手がおきあがった。みやこはそれを見て、2番へと歌い続けた。

 

「②

どうしてみんなで黙っているの

それでは仲良くなれないでしょ

まるで何かを失ったような

とても静かな顔をしているよ

 

もっともっと笑おうよ

そしたら仲良しになるよ

声をあげて笑おうよ

どんどん仲良しになれるんだよ

 

笑いは全てのつながりのみなもと

笑いは人の全てのみなもと

だから みんなで 笑っちゃおう

それが未来へとつながるんだから

 

大阪は笑いの都 お笑いが全て

全ての笑いが みんなの活力

笑ってなんぼの 元気のいい街

だからこそみんなで 元気に笑っちゃおう

笑いは全ての幸せのみなもと

笑いは人の全てのみなもと

だから みんなで 笑っちゃおう

それが未来へとつながるんだから

 

だから みんなで 笑っちゃおう」

 

ウォー パチパチパチ

と、スタンディングオベーションで拍手をする観客たち。これを見たみやこは、

「本当にありがとうございます」

と、一礼をしてステージ袖へと引っ込んでいった。

 

「す、すごい」

愛は絶句していた。

「まさか、みやこがこんなにすごいことができるなんて…」

と、雪穂も絶句していた。

 そんな中、楽屋に戻ろうとするみやこが愛と雪穂の前を通ろうとする。

「みやこ、ちょっと待って」

と、雪穂がみやこを呼び止めると、

「あれ、雪穂さんに愛さん、こんにちは」

と、みやこが愛と雪穂に挨拶をした。

 すると、すぐにみやこにあることを聞いた。

「みやこ、今さっき、バク天を失敗した際、あのあと、なにもなかったようにしていたけど、どうしてそうしたの?」

 それに対し、みやこはこう言った。

「だって、ミスといってもそんなもの関係ないと思います。だって、ミスはミス、それを取り戻すほどの自信とパワフルな動きがありますから」

これを聞いた愛、

「私、ミスしたからこれで終わりとしか考えていなかった。ミスしたからとしてもそれを取り戻すほどの自信と頑張りがあればよかったんだ」

と言う。

だが、みやこの話はまだ続いていた。

「愛さん、ミスしたとしてもいいと思いますよ。だって、私はミスというのも一つの楽しみと思えるんですもの。ユニドルというのはスクールアイドルと同じ、楽しんでなんぼの世界だと思いますよ」

 この言葉を聞いた愛、下にへばりつき、

「そうだったんだ。九州大会のときに審査員に言われていたことってこれだったんだ」

と言って、突然笑いだした。

「どうしたの、愛。そんなに笑いだして」

と、天が言うと、愛は笑いながらも見上げた。そこには天、あや、夕、羽衣がいた。愛は4人を見て答えた。

「私はなにか間違っていたのかもしれない。だって、たった1回のミスのためだけに途中で投げ出すなんて本当に情けないよ。とても悔しいことだよ」

これを聞いたあや、

「そうだよ。だって、たった1回のミスで全てが終わるだけじゃない。そんなのおかしいよ。私はまだこの5人で歌い続けてたい」

これを受けて、愛はこう希望を伝えた。

「私は、たとえこれが最後になっても、この5人でまた歌いたい。歌い続けたい。もう1度やっていこうよ」

そして、愛はこう言い締めた。

「そして、楽しんでいこう。いつもの私たちみたいに歌い踊ることで自分たちは楽しんでいることをみんなの前で伝えていこう」

これを聞いた天は、

「そうだね。あや、夕、そして、羽衣。私たちは楽しんでいこう」

これを聞いたあや、夕、羽衣は、

「「「うん」」」

と、強くうなずいた。

 そして、天は最後にこう言った。

「もしかすると、私たちも緊張していたのかもしれない。でも、緊張していては何も始まらない。だからこそ、気楽にやっていこう」

「「「「うん」」」」

天の言葉を聞いた愛、あや、夕、羽衣は強くうなずいた。

 

「これで愛たちの件は一件落着だね」

雪穂は愛たち5人を見て安堵していた。しかし、1つ忘れていたことが…。

「雪穂さん、もう始まりますよ!!」

ヒカリの声に気付いた雪穂。そう、「Beast」の次は「HeaT」の番だった。

「そうだった。私たちの番だったね」

雪穂がこう言うと、カオルは、

「一つのことに一生懸命なのは雪穂のいいところであり、悪いところだもんね」

と言うと、陸も、

「そうですよ。私たちのことを忘れないでください」

と言えば、空も、

「そう…、そう…、そうです…」

と、少し怒り顔で言った。

「雪穂さん、私たちのこれからのステージ、輝かせてください」

と、イリヤが言うと、雪穂はカオルたち5人に向かってこう言った。

「私たちは私たちで頑張っていく。さあ、これから最高のステージにしていくよ!!」

 そして、名乗りを始めた。

「1」「2」「3」「4」「5」「6」「HeaT、HeaT ON!!」

6人の掛け声が会場中に鳴り響き、そして、ステージへと駆け上った。

 

「ついに出て来ました。最後の超新星!!待っていましたとばかり満のじしての登場です!!燃え上がれ!!HeaT!!立ち上がれ!!HeaT!!日本橋女子大学「HeaT」!!」

レポーターが力強く言うと、雪穂がマイクを通じてこう言った。

「私たちはこの6人でやってきました。だからこそ力強く歌います。私たちは「HeaT」!!だから、聞いてください。「HeaT」で「過去、現在、未来(old now future)」」

 

HeaT 挿入歌 「過去、現在、未来(old naw future)」

 

今ここにいる  私たち

何でできてる  なのだろうか

だれも知らない 本当に

私たちだけが  知っている

 

昔よく歌った  あの曲を

みんなと歌った たのしい記憶

いろんな曲を  歌い続けて

そして今が   できてきたんだよ

 

過去 現在 そして 未来

私たちは ずっと 歌い続けている

1つの夢に向かって 歌い続けること

それが私たちが叶えたい夢だから

 

明日見えている 私たち

何をしている  なのだろうか

だれも知らない 本当に

私たちだけが  感じてる

 

強く思い続け   あの夢を

みんなとつながり 嬉しい予感

いろんな夢を   叶え続けて

そして明日は   できていくんだよ

 

過去 現在 そして 未来

私たちは ずっと叶え続けていく

みんなの夢を叶えて思い続けること

それが私たちが叶える夢だから

 

誰もが持っている それが夢

誰もがそれを叶えようと動く

過去やってきたことが今と明日をつくる

失敗することもあるけど

心配しないでほしい

過去のことはけして無駄ではない

それが明るい明日を創るから

 

過去 現在 そして 未来

私たちはずっと歌い続けている

みんなの夢を叶えて歌い続けること

それが私たちが叶えたい夢だから

 

そして明るい未来が待っているんだ

 

ウォー パチパチパチ

「Beast」のとき以上にスタンディングオベーションと拍手が鳴り響く。

「やった~、やったよ」

と、ヒカリが喜ぶ。雪穂は、

「これだけやればきっと大丈夫だ」

と、安心すると、力が抜けてしまった。周りを見ると、安心しきっているカオル、陸、空、イリヤの姿が見えた。

 そして、レポーターはこの様子を見て、こう言った。

「「HeaT」の全力での歌、よかったですね。これで全ての演目が終わり…」

「ちょっと待った~」

と、レポーターの言葉を遮ったのは…、

「雪穂さん!!」

そう、雪穂だった。ヒカリは雪穂にこう言うと、雪穂のもとに駆け寄った。

「なにがちょっと待ったなんですか」

ヒカリがこう言うと、雪穂はこう言った。

「まだ残っていますよ。愛たち「博多小娘」が!!」

そして、雪穂はこう言った。

「もう一度愛たちにチャンスを与えてください。もう一度歌うチャンスをあげてください」

「でも、もうすべての演目は終了…」

と、レポーターもたじたじしえちるところ、1人の男がステージ上にあがってきた。

「私はこのユニライブの審査員長です。全ての演目は終わったのです。「博多小娘」さんには大変申し訳ないのですが、あの時点で棄権とみなさないといけません」

これを聞いた観客たちからは、

ブーブー

と、ブーイングが鳴り響く。そして、ステージ上では、

「私たちからもお願いします。もう一度「博多小娘」にチャンスをください」

そこにいたのは「H&H」のはるかとはやて、「Beast」のみやこだった。そして、カオル、イリヤも「博多小娘にもう一度チャンスを」と進言した。

 しかし、審査員長は、

「それでもだめです!!」

との一点張りだった。

 だが、そんなとき、状況は一変した。

「私たちからもお願いします」

と、ステージ上にユニライブ決勝に出場した「博多小娘」を除くユニドルたちが集まり、審査員たちに直訴した。そして、観客席からも、

博多小娘、小娘、小娘

と、「博多小娘」コールが鳴り響いた。

 これを見ていたレポーター、ついに決断した。

「私もこんな声援は初めてだ!!なら、私の権限で決めましょう!!「博多小娘」さん、カムバック!!」

これを聞いたユニドルと観客たちは

オー

と、喜んでいた。

 

 これを見ていた愛、天、あや、夕、羽衣たち「博多小娘」、

「ありがとう、雪穂。本当にありがとう」

と、泣く愛。対する天はこう言った。

「これも天からのめぐみだよ。これこそラストチャンスだよ」

そして、あやは愛たち4人に対しこう言った。

「これがラストチャンス。悔いが残らないように頑張っていこう」

夕、羽衣は強くうなずく。

「それでは、これが本当の最後の演目だ~!!博多に生まれた可愛い乙女、ついにその大輪の花が咲こうとしています。福博女子大学「博多小娘」!!」

レポーターの紹介と共に愛たち5人はステージへと駆け上った。

 

「本当にありがとうございます。私たちのワガママのせいで迷惑をおかけして申し訳ございません。このチャンス、絶対に生かしていきます」

愛がこう言うと、天が曲名を言った。

「それでは聞いてください。「博多小娘」で「ヘクタグラム」」

 

博多小娘 挿入歌 「ヘクタグラム(七芒星)」

 

七つの想いよ 輝き満たせよ

 

自由と思い   悦びあふれる

それが私たちの 元気の源です

知恵と愛を   受け継ぎ輝く

それが私たちの 本当の姿です

 

全てのものが 顕現する

明るいもの  暗いもの

それを全て  一つになれば

私たちは   本当になる

 

かがやけ   私たちのヘプタグラム

全てのものに 平和と自由を

全ての人に  夢をのせて

輝く未来へ  進めよ Let Go!!

 

服をと思い   探し始める

それが私たちの 本当の気持ちです

大きくても   長くていてもね

それは私たちは 関係はありません

 

全てのものが 悦びだす

私たちの   気持ちとは

全て加護し  1つとなれば

咲き乱れて  綺麗になるさ

 

輝け    私たちのヘプタグラム

明るい明日 響き聞かせよ

全ての人の 夢をのせて

明るい未来を 始めよ Let Go!!

 

7つの心を1つにし

形作られるヘプタグラム

たとえどんな苦難があっても

たとえどんな困難があっても

私たちのヘプタグラムの前では

跳ねのけてくれるよ

 

かがやけ   私たちのヘプタグラム

全てのものに 平和と自由を

全ての人に  夢をのせて

輝く未来へ  進めよ Let Go!!

 

 そして、「博多小娘」の曲が終わった。愛は周りを見た。天、あや、夕、羽衣共に全力を出し切った様子だった。少しの静けさのあと、観客席からは、

ウォー パチパチパチ

とのスタンディングオベーションと拍手、そして、

博多小娘 小娘 小娘

と、これまた博多小娘のコールが響いていた。

 

「これで全ての演目は本当に終了です。これから審査に入ります。もうしばらくお待ちください」

レポーターが言うと、ユニドルたちはそれぞれの楽屋に戻っていた。

 雪穂達「HeaT」は、

「これまでの頑張りは無駄はなかった。絶対にいける」

と、雪穂はカオルたちに声をかけていた。

 はるかたち「H&H」は、

「私たちだって頑張ってきたんだ。大丈夫だよ」

と、はるかははやてにこう言って心を落ち着かせていた。

 みやこの「Beast」は、

「…」

と、黙ったままだった。

 そして、博多小娘は、

「全力でやったんだ。だからこそ、これからもやっていける」

と、天はあや、夕、羽衣を元気づける。が、愛は、

「大丈夫かな…?」

と、心配そうにしていた。

 

「さぁ、ついに結果が出ました!!これから発表するよ~。気持ちの準備ができたかな?」

と、レポーターの掛け声とともに結果発表が始まった。

「それでは発表します。第3位は…」

レポーターのためと共についに発表される。

「「HeaT」!!」

これを聞いた瞬間、雪穂からは、

「3位だなんて~!!」

と、ため息をつく言葉が出てきた。一方、ヒカリは、

「まさか、決勝進出初めてで、第3位なんて、すごい、すごい!!」

と、逆に大喜びしていた。「HeaT」メンバーのカオル、陸、空、イリヤも喜んでいた。

「そして、2位は…」

と、レポーター、ためにためて言う。

「「Beast」!!」

これを聞いた瞬間、みやこは、

「やったーぞ~!!」

と、これまで静かにしていたみやこは喜びをを爆発させて観客席に向かってガッツポーズをしていた。観客席からも、

「みやこ~、やったね~」

と、大歓声が響いていた。

 そして、優勝の発表へと移る。

「そして、優勝は…」

と、レポーター、ためにためて、ためて、

「「博多小娘」!!」

と、ついに優勝者である「博多小娘」の名前が呼ばれた。

「…」

愛は黙っていたが、

「やった、やった~。これであやとまだ続けられる!!」

と、天は喜び、愛と手を取り合って喜んでいた。

「…、私たち、ついに優勝したんだね。ヤッター」

黙っていた愛も天と一緒に手を取り合って喜んでいた。

「これこそ、本当のラストチャンスだったんだね。それをものにしたうちらってなんてすごいんだ」

と、夕は泣いて喜べば、羽衣も、

「よかった、よかったよ~」

と、涙を流しながら答えていた。

 一方、あやは大きな涙を流していた。

「これでユニドルをやめなくてすむ。これからもずっと天たちと活動していける。本当にありがとう、本当に」

と、あやが言うと、それを見ていた愛と天に、

「「さあ、いっしょに喜ぼう」」

と、言われ、それに対して、あやも、

「うん」

と、大きく笑いながら2人に答えていた。

 

「HeaT」編

 雪穂たちは楽屋に戻ると、雪穂を除く5人は喜んでいた。

「私たち、3位になれたんだね」

 だが、雪穂は考えが別にあった。

「私たちはまだ3位でしかない。本当にいいのだろうか」

これに対し、ヒカリはこう答えた。

「今は3位でしょ。でも、来年には必ず優勝できる、私はそう思いますよ」

そして、ヒカリはカオル、陸、空、そして、イリヤとカタを組みながら雪穂に迫りつつこう言った。

「だからこそ、来年は優勝を目指しましょう」

そこには大粒な涙が落ちていた。実は5人とも悔しかったのだ、3位であったことに。だからこそ、来年は優勝を目指そうと5人は決めていたのだ。それを見ていた雪穂は、

「そうだね。来年こそは頑張ろう」

と、カオル、ヒカリ、陸、空、イリヤと誓い合うのであった。

 

「博多小娘」編

 愛たちは優勝カップを手に楽屋に戻っていた。

「本当にありがとう。本当にありがとう」

と、愛は天に対してお礼を言い続けていた。天も、

「これは私たちが掴んだ勝利だよ。あんまり泣かないで」

と言うと、愛も、

「それもそうだね」

と、元気よく答えていた。

 そして、あやは天たち4人に対し、

「本当に私のために頑張ってくれて本当にありがとうございます。私もこれから「博多小娘」の一員として頑張っていきます」

これに対し、天も、

「あやが続ける以上、来年も優勝するしかない!!だからこそ、今以上に頑張っていこう」

と言うと、愛、あや、夕、羽衣も

「「「「オー!!」」」」

と、元気よく答えるのだった。

 

「iD+」編

 この様子をステージ袖から見ていた亜里沙、ナンシー、ナターシャの3人。

「これがユニライブ決勝なんだね。私たちも来年、この場所に立てるかな」

と、亜里沙が言うと、

「絶対に来年こそ、この決勝の地に立てるので~す。だからこそ、頑張るので~す」

と、ナンシーが元気よく答え、

「それ、一番、大事。だから、頑張る、しか、ない」

と、ナターシャも答えていた。

 3人は心の中に誓っていた、来年こそは決勝に進んで優勝することを。そのためにも頑張ることだということを。

 

「H&H」編

 はるかとはやては少しがっかりして戻ってきていた。かつて仲間だった雪穂や愛たちに破れてしまったことを。これが原因で大学からのバックアップが受けられなくなることを。

「はやて、たとえ大学のバックアップがなくなってもユニドル、続けていこう」

と、はるかが言うと、

「そうだね。僕たちは来年に向けて頑張っていけるよ」

と、はやても答えた。

 そんな中、楽屋に着いた2人も待っていたのは大喜びの学長とあかりたち学生一同だった。

「本当にお疲れ様。今回はとてもよかったぞ」

と、学長が言うと、さらに一言言った。

「今回は残念であった。しかし、私は満足している。初出場で決勝に進出、そして、いいところまで成績を残してくれた。来年こそは頑張ってほしい。これからも私たち大学は2人をバックアップしていこう」

 これを聞いたはるか、

「本当ですか?」

と、聞くと、学長も、

「本当だ。来年こそは頑張ってもらいたい」

と、答える。はやて、はるかと共に、

「「はい、来年に向けて頑張ります!!」

と、答えて言った。

 

「Beast」編

 みやこは黙って楽屋へと戻った。また1人で静かに過ごしていこうと考えていた。

 しかし、楽屋に戻ると、

「準優勝おめでとう」

と、ぼたん、ちくしを初めとした「Beast」を支えた学生たちが待っていた。

「どうしたの、みんな。まだ観客席にいると思っていたんだけど」

と、みやこが言うと、ぼたんはみやこに対し、答える。

「初出場で準優勝ってすごいことじゃない。だからこそ、一緒に祝おうと思ってね」

そして、ちくしは、

「たった1人だけじゃつまらないじゃない。だから、みんなで一緒に祝いたいんだよ」

 これを聞いたみやこ、

「それもそうだね。私1人のプロジェクトじゃない。みんなのプロジェクトだもんね。私は1人じゃない。今回は準優勝だったけど、来年は優勝を目指すぞ」

と答える。これを聞いたみんな、

「オー」

と、元気よく答えてくれた。

 

 こうして、ユニライブ決勝は幕を閉じた。だが、来年に向けての戦いは始まったばかりである。来年、どんな風になるのだろうか。そして、来年の戦いはどんなチームが優勝するのだろうか。次回ユニライブをお楽しみに!!

 

「HeaT編 2年生編 終了」「博多小娘編 2年生編 終了」

「H&H編 1年生編 終了」「Beast編 1年生編 終了」

 

「ラブライブUC 第2章 おわり」

 

次回へとすすむ

 




ちょっと長い?あとがき

 みなさん、こんにちは。La55です。ついにラブライブUC第2章が終わりました。みなさん、どうでしたでしょうか。ピクシブだけですが、今回は少し工夫を凝らして「マルチエンディング」を採用してみました。どうだったでしょうか。そして、今回の「ユニライブ」編はちょっと長い物語になってしまいました。ノートで20ページ以上になっております。どうしてそうなったのでしょうか

当初の予定では各グループが歌って結果を出して終わりだったので、通常と同じノート10ページ前後で終わるはずでした。ところが、それでは面白くないと思い、なにかエッセンスがないか探しておりました。それが今年の2月下旬の話でした。ところで、ラブライブファンにとって2月下旬にイベントがありました。そうです、Aqoursのファーストライブがあったのです。その2日目、私はライブビューイングでライブを見ていたのですが、「想いよひとつになれ」のとき、桜内梨子役の逢田梨香子さんがピアノを弾く際、最初、間違ってしまったところがありました。そのとき、他のメンバーが駆け寄り、励まし、再度挑戦、そして、成功させたところがありました。それを見て、私は帰ってからすぐにプロットを書き直し、今回の物語へと書き上げました。秋葉愛がミスをしてしまい、逃げ出してしまう。逢田さんはたとえ失敗しても逃げ出さず、再度挑戦して成功しましたが、愛は失敗したことで逃げ出してしまいましたが、他のメンバーや昔の仲間から励ましを受けて再度挑戦しました。あなたがもし失敗したらどうしますか。自分としては失敗を恐れずに、逢田さんや愛みたいに再度挑戦して頑張ってほしいと思っております。

 で、今回、新曲として3曲載せましたが、その曲の説明を少しします。

「HeaT」の「過去現在未来」ですが、「HeaT」編第7話でも語っている通り、歌は過去、現在、そして未来にわたって歌い続けていくものです。世代によっては未来に残したい歌はバラバラですが、それでも、私たちは多くの歌に思いをのせて、そして、未来へと残していこうとしております。そう考えると、歌と言うのは私たちにとって青春であり、夢であり、財産ではないでしょうか。そういう思いで「過去現在未来」を作詞しました。

 2曲目、「ビースト」の「WARAI MIRAI」ですが、曲に書いている通り、大阪は「笑いの都」であると仮定して作詞しました。大阪にはヨシモトなどお笑いに関わる事務所、そして、芸人さんや関係者がたくさんおります。大阪はそういう意味で「笑いの都」といえるかもしれません。だからこそ、大阪はこれまで活気にあふれている、そして、これからも元気でやっていけると思っております。そして、笑いはみんなと自分をつなげる大事なスパイスでもあります。それだけではありません。自分の活力にもなるものです。笑いというのを舐めてはいけません。笑いこそ世の中を動かす原動力にもなっております。この曲はそういうことを伝えたくて作詞しました。

 そして、3曲目、「ヘプタグラム」ですが、あまり聞かれない言葉だと思います。別名「七芒星」とも言われます。この形は「不可能を可能にする」の意味があるといわれております。また、角にはそれぞれ「自由」「悦び」「知恵」「愛」「顕現(神などがはっきりとした姿で現れる)」「平和」「合一(1つになる)」の意味合いがあるとされております。この曲は愛たち「博多小娘」がどんな苦難や困難があっても、たとえ不可能なことがあっても可能にしてくれる、そして、それは私たちにも当てはめることができると思い、作詞しました。なお、この曲のなかには7つの角の意味合い(「自由」「悦び」「知恵」「愛」「顕現」「平和」「合一」)を入れ込んでおり、「ヘプタグラム」という曲そのものに意味合いを深めております。あと、これは余談ですが、実はこの曲にもある曲を参考しております。それも2曲。1曲目はAqoursの「HAPPY PARTY TRAIN」なのですが、この曲を参考しようと思って作詞している間に、そのことを忘れてしまい、あまり参考にしなかった節があります。それに気付いてとってつけてしましました。それが「輝く未来へ  進めよ Let Go!!」のところです。そして、もう1曲はPCゲーム「まいてつ」の最後の曲、「ナインスターズ」です。この曲は未来へと進もうとする姿を歌った曲であります。この曲に触発されたのか、明るい曲調を意識して作詞しました。

 少し長くなりましたが、これからについて語りたいと思います。まず、この作品ですが、来週はいつものサプライズをしたいと思っております。そして、次の章で最後となります。「ラブライブUC 最終章」として展開していく予定です。といっても、今のところ、プロットすらできない状況です。それでも近いうちに投稿したいと思います。それがいつになるかはわかりませんが。そして、投稿している4コマ「ねこねこらいおん」ですが、もう少し続きます。どうぞお楽しみください。

 ということで、少し長いですが、あとがきとさせていただきます。読んで頂きありがとうございます。それでは次回をお楽しみに。さよなら、さよなら、さよなら。



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。