HeaT編
ユニライブに向けて合宿をする雪穂たち6人。その中で作曲に苦しむ。そんなとき、お祭りに誘われた6人はカラオケ大会でスノハレ、ラブマシーンなどの青春の曲、そして、歌とはなにかを知る。そして、曲を完成させる。
博多小娘編
メンバーの一人、あやはユニドルをやめさせ、帝王学を学ばせるため、父親によって監禁させられる。助けに行く愛たち4人。監禁場所に着いた愛たちはあやを助けに行こうとする。それに呼応するあや。途中で合流したあやと愛たちは連れ戻しにきた父親に歌を聞かせる。そして、父親はあやにユニライブ優勝という条件のもと、ユニドルを続けることを認める。しかし、ユニライブ九州大会決勝当日、ユニライブ優勝という重圧のため、審査員から「ただ踊っているだけ」と言われてしまう。
iD+編
「外国人はアイドルのまねをするな」そんな手紙を受け取ったナンシーたち。その後もいろんな嫌がらせが続き、ナンシーたちはラストライブをすることを決める。そして、ラストライブ当日、新曲を歌う3人に対し、会場中から「やめないで」コールなどが鳴り響き、ナンシーたちは続けることを決める。が、ユニライブの壁は厚く、地方予選で敗退する。
H&H編
ファーストライブは失敗に終わる。大学側があんまり宣伝していなかったこと、大学全面支援という甘い考えのもと、地道にビラ配りなどをしなかったはるかとはやてが原因だった。そこで、大学側は2人の宣伝に力を入れ、はるか、はやてもビラ配りやゲリラライブなどで地道に知名度を上げていく。そして、大学祭でのライブは大成功をおさめた。
Beast編
自分1人のソロプロジェクトとして出発したみやこ。先輩たちとの試行錯誤をするが、うまくいかない。そんなとき、ジャ〇ーズのDVDをみたみやこはアクロバティックな動きを取り入れることを決める。練習のかてら、仲間を集めるみやこ。そして、秋のライブ時には手伝ってくれる仲間を集めたみやこはライブを成功へと導き、みんなが助けてくれるソロプロジェクトと進化させていった。
ユニライブ編 前編
「雪穂、ついにユニライブ決勝だね」
と、カオルは雪穂に声を掛けている。
「そうだね、ついに夢までみたステージに立てるんだね」
と、雪穂も考え深くいった。
ここは武道館。ここではユニドル最大の祭典、ユニライブ決勝が始まろうとしていた。雪穂たち「HeaT」はユニライブ決勝に進出したグループごとにあてがられた楽屋で最後の準備をしていた。
「うう、緊張します」
と、陸が言えば、
「私…、も…」
と、空も体を固くしながら言う。
「それなら人という字を3回書いて飲み込めばいいんじゃない」
と、ヒカリは緊張感ないみたいにあっけらかんに言う。
「ヒカリさんってすごいですね、緊張しないなんて」
と、イリヤが言うも、ヒカリ、
「今のうちに緊張するなんてナンセンスだよ」
と、これまた大物という感じで言う。
そんな6人以外にも来客はいた。
「私たちは出場できないけど、本当に頑張ってね」
と、雪穂に声を掛けると、
「うん、亜里沙の分も頑張ってくるからね」
と、雪穂は綾瀬亜里沙に向かって答えた。そう、地方予選に敗退してしまっていた「iD+」の亜里沙が「HeaT」の応援に来ていたのだ。
だが、来客はそれだけではなかった。
「私たちが応援にきたのですから、「HeaT」の優勝は当然で~す」
というのは「iD+」のナンシー。
「大・丈・夫」
と言うのは「iD+」のナターシャ。因みに亜里沙は高校時代、雪穂と一緒に音乃木坂学院スクールアイドル、オメガマックスのメンバーとして活躍していた。ナンシー、ナターシャはそのオメガマックスのライバル、UTX学院スクールアイドルiDを結成していたのだ。
「もうそろそろだよ」
と、カオルが言うと、
「そうだね」
と、雪穂が強くうなずきながら言う。
そんなとき、
「決勝進出者はステージにお集まりください」
というアナウンスが聞こえてきた。
「よし、カオル、陸、空、イリヤ、これまでの努力をここで発揮しよう」
と、雪穂は1人ずつ見ながら言うと、5人は、
「「「「「オー」」」」」
と、元気よく答える。そして、6人はステージへと向かった。
一方、「博多小娘」の楽屋は暗い雰囲気になっていた。
「私たちが生き残るには優勝しかない」
と、愛は表情を硬く言うと、
「あんまり表情が硬いと優勝できないよ」
と、天が愛をなだめるも、
「ここで失敗したらあやと一笑にいられなくなるんだよ。そんなの嫌でしょ」
と、愛は天に向かって反論する。
そんな愛だが、そのあやは、
「愛、大丈夫ですよ。この5人ならなんとかなりますよ」
と、逆に愛をなだめる。
「うちらがいるやさかい、そんなにきばんないほうがよい、よい」
と夕が言えば、
「私もそう思います。でも、私も失敗したら…」
と、羽衣は逆に心配してしまう。
しかし、天は愛とは別のことを心配していた。
「しかし、地方予選で言われたこと、「楽しんでいない。ただ踊っているだけ」私たちは一生懸命頑張っているのに、どうして言われたのだろう」
と、天は地方予選の審査員に言われたことを考えていた。
だが、時間はそんなに待ってくれなかった。
「ステージにお集まりください」
と、アナウンスが聞こえてくると、
「愛、天、今は前のことだけを全力で頑張りましょう」
と、あやは愛、天に対し、行動を促す。
「そうだね。今は前のことだけ考えましょう」
と、天が言えば、
「そうですね」
と、愛は逆にちょっと暗くなりながらも答える。重い雰囲気のまま、5人はステージへと向かった。
「H&H」の楽屋では、はるか、はやてのほか、学長も姿を見せていた。
「大学のためにも頑張ってきてもらいたい」
と、学長からのありがたい(?)お言葉をもらったはるか、はやて。
「私たちなら頑張れます。期待してください」
と、はるかが言えば、
「そうですね。僕らは今日のために頑張ってきたのですから」
と、はやても元気よく答える。
「ステージにお集まりください」
と、アナウンスが聞こえてくると、
「私たちのダンスがんばっていこう」
と、はるかははやてに言えば、
「そうだね。僕たちが一番だって証明してみせる!!」
と、はやても元気よく言う。こうして2人はステージへと向かった。
「Beast」楽屋ではみやこが1人静かに精神を統一していた。まわりには誰もいない。マネージャー役のぼたんとちくしもいない。だが、みやこは感じていた、自分1人ではないことを。まわりにはみやこを支えてくれる大事な仲間がいることを。それを糧にここまで頑張ってきたのだった。
そんなとき、
「ステージにお集まりください」
と、アナウンスが聞こえてきた。みやこは、
「よし、頑張ってきますか」
と、一言言って、それからステージと向かった。
そして、ユニライブは始まった。
ユニライブ!!
「レディース&ジェントルメン、おとっさんにおっかさん、小さな子どもまで待っていました。ついにユニライブ決勝がはじまるよ~」
と、司会役のいつものレポーターが元気よく開会宣言を行った。
「ついにはじまったユニライブ。今回はあのラブライブで優勝したチームのメンバーもいるんだって。なんて楽しみなんでしょう。それでは今から出場チームを紹介するよ~」
と、レポーターは北から順に出場チームを紹介していく。
そして、雪穂たちの紹介する番となる。
「関東からの出場チームだよ。熱血教師でてこいやー。日本橋女子大学「HeaT」!!」
この言葉を聞いた雪穂たちは、
「ハイ!!」
と、元気よく答えた。
「日本最高の地位は勉学、スポーツだけではない。東都大学「H&H」!!」
と、レポーターが言えば、はるか、はやても、
「ハイ!!」
と、元気よく答えた。
そして、関西へと紹介は続く。
「お笑いだけではありませんで。大総大学「Beast」!!」
これにはみやこはただたんにうなずくだけだった。
そして、最後に九州からのチーム紹介をする。
「ユニドルナンバーワンは私たちしかいない。福博女子大学「博多小娘」!!」
だが、愛は緊張のあまり声がでず、天が代わりに、
「ハイ!!」
と、答えてしまっていた。
レポーターは出場チームの照会が終わると、すぐに出場チームの演目の順番を発表した。
「今日は厳正なる抽選の結果、順番はこうなったよ~」
と、ステージ中央のスクリーンに向かってレポーターは言い張った。因みに、演目の順番は雪穂たちにも知らせておらず、この場での発表となっていた。
演目の順番は…、
「私たちが1番…」
愛は驚嘆していた。愛たち「博多小娘」は1番…、この暗い気持ちのまま1番最初に歌うこと、愛にとってつらい現実だった。
「で、私たちは2番目か…」
はるかはちょっと驚いていた。2番目で歌うことに。1番は昨年ユニライブに出場している愛たち「博多小娘」がいるため、うまく歌えるかちょっと心配していたからだった。
そして、雪穂たち「HeaT」は…、
「私たちは最後…、トリなんて」
と、雪穂はちょっと心配するも、ヒカリは、
「トリなんて、これこそ私たちにピッタリですよ」
と、逆に励ましていた。因みに、みやこの「Beast」はトリから2番目であり、みやこはただただ黙っていただけだった。
そして、ユニライブの演目が始まった。
ステージ袖には最初に登場する「博多小娘」がスタンバイしていた。
「大丈夫かな。失敗しないかな」
と、愛はまだ硬い表情をしていた。そんな愛に対し、天は、
「大丈夫だよ、元気だして」
と、慰めるも、愛は暗い表情をしたままだった。
ステージでは、始まる準備が終わり、レポーターが前に出てきた。
「それでは始めましょう。トップバッターは九州代表「博多小娘」!!」
と、レポーターが言うと、あやは、
「さっ、頑張りましょう」
と、言うと、5人は円陣を組み、名乗りをあげた。
「1」「2」「3」「4」「5」「博多~、小娘~、イッツ、ショータイム」
そして、5人はステージへと駆け上った。
博多小娘 挿入歌 「七芒星」
「…」
一番最初に歌うはずの愛はただ黙っていた。そのときの愛の頭の中にはこれまでのことが走馬灯のように流れていた。頭の中がぐちゃぐちゃとなっていた。
曲だけが流れていた。天はすぐに愛のもとに近づき、
「まさか緊張しすぎて…」
と、心配そうに言った。天にはわかっていた。失敗してはいけないという気持ちだけが先行し、緊張して歌えなかった愛のことが。
ほかの3人も愛に近づくが、これを見た愛、
「みんな、ごめん…」
と、言い残してステージから逃げ出してしまった。
「愛、ちょっと待って~」
と天が言うと、ほかの3人とともに愛の後を追う。
そして、ステージにはレポーターしかいなくなった。突然の出来事にきょとんとするレポーター。しかし、ここでユニライブをとめることはできない。そう考えたレポーター、
「なにがあったのかなぁ。でも、始まったばかりだよ。さぁて、次は関東代表「H&H」!!さぁ、でてこいや!!」
と言って、先に進めようとしていた。
ステージ袖には今や今やと準備していた「H&H」のはるかとはやてがスタンバイしていた。
「「H&H」!!さぁ、でてこいや!!」
と、突然の呼び出しにびっくりするも、
「さぁて、頑張りましょうかね」
と、はるかが言えば、
「そうだな、僕たちの実力をみせつけようぜ!!」
と、はやても元気よく答えた。
そう言っているうち、
ヒューン
と、誰かが駆け足で通り過ぎるのを2人は気付いた。
「あれって愛だよね」
と、はるかが言うと、はやても、
「ああ、あれは愛だな。どうしたんだろう」
と、はやてが言うと、すぐに、
「愛、ちょっと待って~」
と、叫ぶ天の声と、愛のあとを追う天たち4人の姿を見た。
「愛になんかあったんだろう」
と、はるかが心配そうに言うも、はやては、
「無常だけど、今は心配する暇はない。今は自分達のことだけ考えよう」
と言うと、走り抜けた愛を見つつもステージへと進もうとしていた。