ラブライブΩ/ラブライブUC   作:la55

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ピロロロ~ ピロロロ~
「新大阪~、新大阪~」
ここは新幹線の新大阪のプラットホーム。ここに1人の少女が降り立った。
「ここが大阪か~。はじめてきたよ」
ここに降り立った少女の名は京城みやこ。2年前のラブライブで優勝した音乃木坂学院スクールアイドルオメガマックスのメンバーだった少女である。
「はじめまして、大阪。これからよろしくお願いします」
みやこは降り立つと、誰もいないにもかかわらずお辞儀をした。この様子を見ていたまわりの人たちは、
「ちょっとおかしいんじゃない」
と、噂話をしていたが、そんなのみやこには関係なく、
「?」
と、不思議がるぐらいしか思っていなかった。
 だが、みやこの近くをある子どもが通りかかると、その子どもから、なにか言われた。
「あっ、男女だ!!」
これを聞いたみやこ、
「…(男女か~)」
と、ただ黙りつつちょっと心の中で傷つきかけていた。そう、みやこはほかの少女とは違っていた。なぜなら彼女の体型はいわゆるガテン系といわれるものだった。



ラブライブUC ビースト編 第1話

ラブライブUC Beast編 第1話 「アイドル×笑い=?」

 

 みやこが大阪に来た理由、それは大阪で大学生活をすること。みやこもついに大学生になった。というより、奇跡的に大学に入学できたといってもよかった。学力もそんなに高くないみやこにとって当初は就職を考えていた。しかし、大学生になりたいと思う気持ち、強い思いで大学を受験、そして、大阪のとある大学に入学できたということだった。

 引越荷物も片付いたころ、ついにみやこが大学に入学する日を迎えた。

「ここが私が今日から通う大学なんだ」

みやこは大学の校門前で喜んでいた。大総大学、ここがみやこが今日から通う大学の名前である。大阪でも一番、いや、日本でも有数の広大なキャンパスが広がる雄大な大学である。そして、ここには日本でも唯一のある学部がある。

「どないやっているのかな」

「もう付き合ってられん」

「どうもありがとうございました」

校門を通り過ぎると聞こえてくる声、その声のもとをたどるみやこ。そこには2人の学生がいた。

「おはようございます。ここでなにをしているのですか」

と、みやこが2人に聞くと、

「お笑いの練習しております」

と、ボケ担当の少女が言うと、

「毎朝毎朝練習しないとみにつかないんですよ」

と、ツッコミ担当の少女が言う。

「へぇ~、お笑いの練習をしているなんてすごいですよ」

と、みやこが褒めると、ボケ担当の少女は、

「大阪人ならばお笑いの一つもできなくてどないするの」

と言えば、ツッコミ担当の少女も、

「それはお笑いできない人にはつらい一言だろ」

と、ボケ担当の少女がツッコむ。

 すると、ボケ担当の少女、

「と、言うのは冗談で、私たちみたいにお笑いを目指す人たちにとって毎朝の練習は大事なものなんや」

と解説する。

「すごい、すごい」

と、みやこが言うと、ボケ担当の少女、

「そういうあんたは誰なのね」

と、聞くと、みやこ、

「京城みやこ、今日、この大学に入学する新入生です」

と答える。すると、ツッコミ担当の少女、

「京城、京城、どこかで聞いたことがある…」

と、なにかを思い出そうとすると、ボケ担当の少女、あることを思い出した。

「あ~、たしか2年前のワイドショーに出ていた、2年前のラブライブに優勝した子でしょ」

これを聞いたツッコミ担当の少女、

「それはすごい人物や、サインください!!」

と言うと、これを聞いたみやこ、

「いやいや、2年前の話だし、私、有名人じゃないし」

と、後ろに引いてみる。

 だが、ツッコミ担当の少女、負けていない。

「それでも時の人でしょ。それだけでも凄いよ」

と、みやこに迫ってくる。みやこ、

「サインだけね」

と、サインをする。すると、ツッコミ担当の少女、

「わ~い、ありがとう」

と、サインを高く上げて喜ぶ。

 サインを終え、みやこ、2人に聞いてみる。

「ところで、あなたたちのお名前は?」

 すると、2人は答えた。

「私はボケ担当の北野ぼたん」

と、ボケ担当ことぼたんが答えると、

「私はツッコミ担当の南野つくし」

と、ツッコミ担当ことつくしが答える。そして、2人は名乗った。

「「私達、大阪シスターズ」」

これを聞いたみやこ、

「すごい、すごい、はもっていた」

これを聞いたぼたん、

「これでもお笑い学部の2年生や」

と言う。すると、みやこ、

「お笑い学部!!」

と、疑問を呈す。これにつくしが答える。

「ここ大総大学は日本で唯一、お笑い学部があるんや。そこから日本有数のコメディアンが多く生まれているんや」

これを聞いたみやこ、

「こんな日本唯一のお笑い学部があるんだったら、すごい大学なんだね」

と、喜んでいた。これを聞いたぼたん、

「ここにはお笑いを目指す学生たちが多い。すごいだろう~」

と、胸を張って言う。

 すると、みやこ、あることを聞いた。

「と、言うことは、お笑いを目指すアイドルたちもいるんでしょ」

ところが、これにはつくしが心苦しく答える。

「たしかにそういう学生たちもいたわ。お笑いとアイドルを両立しようとしていた学生もいた。しかし、今はこの大学にアイドルを目指す学生たちはいないんわ」

 これを聞いたみやこ、

「アイドルを目指す学生がいない…」

と、がっかりした声で言うと、追い打ちをかけるようにぼたんがあることを言った。

「昔、ユニドル部というサークルがあったんだけど、今は休止状態なのね」

これにはみやこ、

「私、この大学でアイドル、ユニドルになろうと思っていたのに~」

と、さらに暗くなってしまった。

 これを聞いたつくし、

「それなら私たちと一緒にお笑い目指しませんか」

と言うと、みやこ、

「なら、お笑いやってみようかな」

と、お笑いを目指そうと決めた。

 

 みやこはまず相方を探すことを決めた。みやこは目指す姿はあの大阪シスターズのような漫才スタイルだった。

「どなたか私とお笑いを目指す人いませんか」

まるでマッチ売りの少女みたいに探しまくるみやこ。しかし、

「もう間に合っています」

「あんたとはやってられないわ」

と、断る学生がほとんどだった。

 これを遠くで見ていた人たちがいた。

「あんなみやこ見とれませんね」

と言うと、すぐにみやこに近づき、

「ちょっと来なさい!!」

と、みやこを林の中に連れ込む。

「ちょっとなんですかって、ぼたんさんにちくしさん」

みやこを連れ込んだのはぼたんとつくしだった。

「みやこさん、そんなことをしても誰も組んでくれないよ」

と、ぼたんがみやこに注意する。

「どうして、どうしてですか」

と、みやこが駄々っ子みたいに言うと、つくしが言う。

「まず、みやこさんの体格。どちらかというとガテン系だから、ほかの人と比べて目立ってしまう。これだと相方が目立たなくなる。お笑いの世界は目立ってなんぼの世界。だから、とにかく目立つみやこさんには相方にしたくない」

そして、ぼたんが言う。

「さらに、ほとんどの学生はみやこさんが東京からやってきたことを知っている。東京のお笑いと大阪のお笑いは違うところがある。特に、大阪の場合、日常的にお笑いに浸かっているため、お笑いに関する考えが東京よりもシビアです」

さらに、決定的なことをつくしは言う。

「そして、一番大事なことだけど、お笑いを目指す学生のほとんどはもうすでに相方を見つけている。だから、今から相方を目指しても難しいんだよ」

 これを聞いたみやこ、

「じゃ、どうすればいいの」

と言えば、ぼたんがあることを言った。

「それなら自分1人でお笑いを目指すのもありなのでは」

これを聞いたみやこ、

「だったら何か面白いことないの!!」

と、ぼたんとつくしに迫る。

「そ、それなら…」

と、つくしが言葉をつまらせながら言う。

「そ、それは…」

と、みやこがつくしに顔を近づけると、

「それなら、「大阪名物パチパチパンチや」をやってみては…」

と言う。

「それってなんなの」

と、みやこがつくしに言うと、横からぼたんがフォローする。

「これはね、銀製の灰皿を頭にぶつけて言うものだよ。昔、みやこさんみたいに体格のいいおじさんコメディアンがやっていたお笑いの1つだよ」

これを聞いたみやこ、

「ならやってみる!!」

と、どこかに行ってしまった。

 

 5分後、

「用意してきたよ」

と、みやこ、どこからか借りてきた灰皿を持ってきて言った。

「それ、どこにあったの…」

と、ぼたんが言うと、

「そこのお笑いサークルから借りてきた」

と、指をさして言った。

「こ、これは凄い…」

と、つくしが驚きつつ言う。

「では、やってみる!!」

と、みやこが言うと、

「大阪名物パチパチパンチ…」

と、頭に灰皿をぶつけながら言う。しかし、とてもシュールな光景に見えたため、つくしは、

「す、すご~い」

と、ただ茫然しながら言うしかなかった。

「ど、どうだった」

と、みやこが2人に感想を求めるも、

「す、すごかったよ」

と、なにもなかったように言うぼたん。

「やっぱダメだったかなぁ」

と、みやこ、喜んでいないぼたんとつくしを見てちょっとがっかりした風に答える。

 これを聞いたぼたん、

「だ、大丈夫だよ」

と、みやこを元気づける。つくしも、

「きっと新しい道が見つかるよ」

と、みやこを励まそうとする。

 しかし、みやこはわかっていた。

「やっぱり私にはお笑いのみちはだめなんだね」

と言うと、ぼたんとつくしに対し、

「今日は本当にありがとうね」

と、お礼を言って2人を残して立ち去っていった。

 

 その日の夜、みやこは自分の部屋で泣いていた。

「ユニドルをしようにもまわりにお笑いを目指す人だらけ。だれもユニドルを目指そうとしない」

そう、みやこは気付いていた。いや、気付かされたのだった。お笑いの道をあきらめた後、自分にはユニドルしかないと思い、一念発起、ユニドル部復活をしようと大学内をまわり呼びかけていたのだった。

「私と一緒にユニドルになりませんか」

しかし、学生たちの関心は意外なものだった。

「私はお笑いに進みたいんだ」

「ユニドル?それって楽しいの?」

「ユニドル目指すならお笑いに進んだ方が面白い」

まわりはお笑いを目指す人だらけだった。ユニドルになろう、興味を持とうとしている学生は皆無だった。

「どうすればいいのですか、こころあ…」

みやこはこころあこと矢澤こころ、矢澤ここあ姉妹の名を呼んだ。こころ、ここあはみやこと同じく2年前にラブライブで優勝した音乃木坂学院スクールアイドルオメガマックスのメンバーだった。いわば戦友といえる仲間だった。そして、オメガマックスが解散したあと、この1年間、3人でスクールアイドルを続けていた。それほど強いキズナで結ばれていた。ちなみに、こころ、ここあの姉は矢澤にこである。

「こころあ、こころあ、こころあ~」

と、泣き叫ぶみやこ。

 すると、誰かを呼ぶ声がだんだん聞こえてきた。

「…こ、…やこ、…みやこ~」

ドアから聞こえてくる懐かしい声。そして…、

バタン!!

みやこの部屋のドアが突然開いた。さらに、

「突撃!!」

と、聞いたことがある声である人物が飛んできた。

「わ~い!!」

飛び込んできた人物はそのままみやこに抱きついてきた。

「誰!!私に抱きついてきたの…って、こころさん!!」

そう、抱きついてきたのはこころだった。

「みやこ姉様、さびしかったです~」

こころも泣きだしてしまった。

「お姉ちゃん、泣かないで」

と、ドアからくるもう一人の人物…。

「ここあさん!!」

みやこはここあを見つけると、手を広げた。

「ハグしよう」

すると、ここあも、

「みやこ姉さん!!」

と、みやこに向かって抱きついてきた。

「こころさん、ここあさん、会いたかった」

みやこがこう言うと、こころあを抱きしめた。

「私もです、みやこ姉様」

と、こころが言うと、

「私もですよ、みやこ姉さん」

と、ここあも言って2人ともみやこを強く抱きしめた。

 

 抱きしめあったあと、みやこはこころあに聞いてみた。

「でも、どうしてここに来たの?」

これに対し、こころが言った。

「私たち、スクールアイドルのイベントのために大阪に来たんです」

これにみやこ、あることを聞いてみる。

「誰から寂しそうにしているって聞いたの?」

これに、ここあがあることを言った。

「たしか、大阪シスター…」

「ここあ、そのことはいったらだめって」

こころがここおを制すると、

「そうだった。だれにもいっちゃダメだった」

と、口を滑らしたことに気付いたここあ。みやこは、

(ぼたんさんとつくしさんの差し金だな)

と、思うようになった。

 すると、ここあが次のことを言った。

「みやこ姉さんがユニドルをしたいと思っているんですよね。でも、誰も組んでくれない。そう間違ってないですよね」

これを聞いたみやこ、

「うん」

と、うなずくと、こころがあることを言った。

「私、思うんですよ、みやこ姉様も1人だと思っている、けれど、実はまだ気付いていないのではないかと」

そして、重要なことを言った。

「私たちを含めて、仲間はどんなときでも見えない糸で結ばれていますよ。私たちこころあはまだスクールアイドルだけど、(ラブライブを優勝したオメガマックスのメンバー、高坂)雪穂姉様も、ほかのみんなも、ユニドルとして頑張っています。ここでくじけてはいけません。みんなと会うために、ユニライブ目指して頑張っています」

さらに、ここあが言いかぶせる。

「たとえ、仲間が遠くしかいないと思っても、たった一人しかいないと思っていても、私たちは必ず結ばれています」

 そして、こころあは2人合わせて言った。

「「私たちころあも遠くからみやこ姉さん(姉様)のことを見守っています」

 これを聞いたみやこ、立ち上がる。

「そうだよ。私は京城みやこ、ラブライブで優勝した音乃木坂学院スクールアイドルのメンバーだったこの私がここでくじけるわけにはいかない。こころあを含めて、私には遠くにいるけど私のことを大事にしてくれる仲間たちがいる。そう、私は1人ではない!!」

これを聞いたこころ、

「よっ、これこそ私たちの知るみやこ姉様ですよ~」

と、おおきくうなずく。

 すると、みやこがあることを言い出した。

「それなら、いいこと思いついた!!私、1人だけのユニドルになる!!大総大学、ユニドル部!!たった1人だけど、私、ユニドルになります!!自分だけだけど、ソロとしてユニドルデビューします!!」

 

(ED 1番のみ)

 

続く

 

第2話 「ソロ×みんな=プロジェクト」

 

 




あとがき

 みなさん、こんにちは。ついに「ラブライブUC」最後の物語、「ビースト」編が始まりました。みんさん、どうでしたでしょうか。最後の登場となったのは、ガテン系美少女京城みやこです。たった自分1人でのスタート、果たしてどうなるのでしょうか。

 さて、それぞれの物語にはテーマがありますが、今回の物語のテーマはずばり、「ソロ」です。アイドルはグループを結成して活動することが多いですが、ソロで活動する方もいらっしゃいます。ラブライブにしても、いろんな作品でも、グループを結成して活動することが多いのですが、ソロとして活動するキャラクターもいます。では、ソロとして活動する際、どのような方針で活動すればいいのでしょうか。ゴスロリ、天然、薄情、などなど。みやこにとって最初は1人で活動するしかありません。まず最初にお笑いを目指しますが、あまりぱっとしませんでした。そのなかで、どんな方向に進めばいいのでしょうか。自分1人でやることにも限界があります。それをどう克服するのでしょうか。そして、みやこのこれからとる行動が次の物語にも影響を与えるものになるのでしょうか。それは次回のお楽しみです。

 と、いうわけで、次回のラブライブUCもお楽しみください。それでは、さよなら、さよなら、さよなら。

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