ラブライブΩ/ラブライブUC   作:la55

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「前回のラブライブUC」
「私、絢瀬亜里沙、北海外国語大学の2年生」
「私、北外に日本のことをもっと勉強したいと思い、編入したの。そして、歓迎レセプションの中で、アイドル文化をもっと知りたいナンシーと、日本とロシアの架け橋になりたいナターシャと再会したの」
「歓迎レセプションはゲームやクイズで盛り上がったわけで、最後、歌を歌うことになったんだけど、そのとき、まわりにいる学生たちに気付かれたの、ナンシーとナターシャが元スクールアイドルだったことを。というわけで、ナンシーとナターシャ、そして、なぜか私も歌うことになったの。って、私、iDのメンバーじゃないし。それに元音乃木坂学院のスクールアイドルだったわけだし。でも、私は…、といっているうちにあれよあれよという間に歌うことが決まる。どうして、誰か助けて~」
「でも、歌い終わったあと、1年のブランクを感じさせない歌とダンスで会場中大盛り上がり。これを受けて、ナンシー、iD+として再結成することを宣言してしまった。ナンシーの暴走、私とナターシャも巻き込まれちゃったじゃない」
「ただ、ナンシーの本気度は高いものだった。練習に気を抜かないもの。そんな練習のお蔭でほかの学生ではファンクラブを結成するほどiD+は人気になってきており、最初の学内路上ライブでは、まわりをお客さまで囲むほどの大人気になっていたわけ。路上ライブも大成功。しかし、ある手紙が私たち3人に届いたの」
「外国人がアイドルのまねをするな」

(OP 1番のみ)



ラブライブUC iD+編 第2話

第2話 「Last Live!!」

 

「外国人がアイドルのまねをするな」

「なんなの、この手紙。私たちに対しての挑戦状というわけ」

この手紙に怒っていたのはナンシーだった。

「アイドル、まね、して、いない」

ナターシャもこの手紙を読んで反論していた。

「この手紙ってどこにあったわけ」

亜里沙はまずは事実確認をすることにした。

「亜里沙、私たち、侮辱されたのだよ。冷静にいられないでしょ」

と、ナンシーは亜里沙に怒りながら言うも、亜里沙は、

「私だって悔しいよ。でも、これはまず冷静になって対応しないとまずいことになるよ」

と、ナンシーをなだめる。ナンシーも、

「それもそ~ですね」

と、怒りをまずおさめた。

 亜里沙はまず状況を確認する。

「ナンシーさん、まずはこの手紙をどこで見つけたのですか?」

亜里沙はこの手紙を最初に見つけたナンシーに問う。ナンシー曰く、

「この手紙は私たちの部室の前に落ちていたので~す。手紙の封筒には「iD+様♡」とまるでファンレターみたいであったので~す」

その封筒をナンシーは亜里沙に見せた。

「たしかにファンレターみたいだもんね」

と、亜里沙も感じる。

「でも、中身は、私たちを、傷つける、内容」

と、ナターシャは悔しい顔で言ってくる。

「たしかに中身はとてもいやな内容です」

と、亜里沙も認める。

 その中身とは簡単にいうと次の通りだった。

「外国人がアイドルのまねをするな。アイドルは日本の文化であり、日本だけのものだ。外国人が日本人みたいにアイドルのまねをするのは言語道断である。だからこそ、外国人がアイドルのまねをするな」

 だが、ナンシーはこの手紙に反論する。

「アイドル文化はたしかに日本を象徴する文化の一つで~す。でも、それは日本だけのものではなく、外国でも花が開こうとしておりま~す」

そして、どこかにあった世界地図をひっぱりだして、亜里沙とナターシャに説明を始める。

「私、アイドル文化を勉強して分かったことがあります。今やアイドル文化は世界中に広がっていることを。お隣の韓国では、日本とは違ったアイドル分が広がっております。そして、A〇Bは、上海とジャカルタに姉妹グループがあって、今度はバンコクにもグループを作ろうとしておりま~す」

さらに、ナンシーは自分の夢についても語った。

「私の夢は世界中にアイドル文化を広めることで~す。日本のアイドル文化は世界中でも通用できると思うので~す。国によっては難しいかもしれませんが、その地にあったアイドル文化に進化させれば、十分対応可能で~す」

 これを聞いたナターシャ、

「確かに、私も、そう思う」

と、ナンシーに同意し、亜里沙も、

「たしかに、私もそう思うよ。この手紙はアイドルに対する屈辱そのものだよ」

と同意していた。

 そして、亜里沙は一つの決断を下す。

「ナンシー、ナターシャ、この手紙の件は学校にお願いしてみよう。この手紙は完全に外国人に対する、いや、私たちに対する屈辱だもの。もしかすると、注意をしてくれるかもしれないし」

これを聞いたナンシー、

「それでいいと思うので~す」

と言って、ナターシャも、

「それ、決まり」

と同意した。

 亜里沙はこの後、大学の事務局お願いに行った。大学側としてもこの件に関しては調べてみることになった。

 

 だが、これは3人に対する嫌がらせの始まりでしかなかった。

「亜里沙、ナターシャ、これを見て」

ナンシーが持ってきたものは一つのパソコンだった。

「なんだって。牛乳1つ100円。とても安い!!」

と、亜里沙が言うと、

「これは違うよ。これは近くのスーパーのネットちらし。ではなく、こ~れ」

と、出したのはSNSの書き込みだった。

「外国人アイドルは出ていけ!!なんの、これは」

と、亜里沙が怒って言った。ナンシーは、

「このスレッドなんだけど、いろんなこと書いているの」

そこに書いていたこととは、この場では言えないくらい屈辱的なものだった。

「こんなの、ひどい、ひどすぎる」

ナターシャも絶句していた。

「賛同する人たちはいないけど、1人だけでいろんなこと、書いているね」

と、亜里沙が言うと、

「このスレッド、とても嫌です。即刻削除してもらいたいです」

と、ナンシーは怒りながら意見を言った。

 だが、亜里沙は現実を言った。

「今からでもスレッドを消してもらいたいけど、それが時間などがかかって難しいんだよね」

これに対して、ナンシー、

「もう、このスレッド消すのに時間がかかるなんて嫌です」

と、嘆いていた。

 

 3人に対する嫌がらせはさらに続く。3人に対して嫌がらせの手紙がどんどん届いたり、SNSには3人を中傷するスレッドが次々と立ち上がったり、それは3人のユニドル活動を邪魔するように感じとられそうにもなった。だが、実害みたいなものはなかった。3人の路上ライブを邪魔する、3人に対して目に見えるような嫌がらせをする、そんなことはなかった。が、3人にとってSNSや手紙による嫌がらせは精神的にも日々にきつくなるものだった。そして、ついに音を上げることがきてしまった。

 

 その日は2学期が始まる日であった。

「亜里沙、ナターシャ。ちょっとお話があるの」

ナンシーはなんか元気がない状況で2人を呼んだ。そして、そこから衝撃的な言葉がでてきた。

「私、この次のライブでiD+の活動を辞めようと思うの」

「えっ、どうしてなの。あんなに頑張ってきていたのに」

亜里沙が言うと、ナンシーは次のように答える。

「私、もういっぱいいっぱいだったの。あの手紙、SNSでの嫌がらせ、私にとって苦痛だったわけ。最初のうちはよかったけど、時間が経つにつれて苦痛を感じ始めようとしていたわけ。そして、もうアイドル辞めようかなと思っているの」

これを聞いたナターシャも、

「もう、アイドル、するの、悔いは、ない?」

と言うと、ナンシーはこう答えた。

「悔いは…、ある…。でも、苦痛を和らげるにはこれしかないの」

 そして、亜里沙は一つの決断を下した。

「仕方がないね。だったら、今度のライブをもって私たちの活動を終了することにしましょうか」

 これを聞いたナンシー、

「亜里沙、本当にいいの。勝手に引き込んだ形だったけど」

と言うと、亜里沙は、

「ナンシーがもうやめたいと思うのであれば、仕方がないと思うよ。私だって最初は乗り気じゃなかったけど、やってみて楽しかったんだもの。最後のライブにしても、この3人なら楽しめるよ」

と、ナンシーを元気づけるように言った。ナターシャはその横でナンシーの肩を叩き、

「私も、最後の、ライブ、頑張る」

と、声をかけて言った。これを聞いたナンシーは、

「2人とも…、ありがとう…」

と、泣きながら言った。

 

 ラストライブが決まったため、亜里沙は学校側にライブの申請を行った。そして、ライブの場所がなぜか体育館となってしまったのだ。

「なんで体育館なんですか」

と、亜里沙が聞くと、担当者の方曰く、

「最後のライブなんでしょ。だったら、この学校でキャパが一番大きいところでするのが一番でしょ」

とのこと。亜里沙は誰にも最後のライブの話をしたことがないのに、なぜ知っているのか不思議だった。実はどこかに漏れていたのか、ファンクラブの人たちが今度のライブが最後であるとの情報を掴んでおり、それが学内SNSで拡散されていたので、ほとんどの学生が知っていたのだった。

 3人は最後のライブに向けて一生懸命練習するとともに、チラシ配りでも精を出して行っていた。また、3人の知らないところでもファンクラブが一生懸命宣伝していた。

 

 こうして迎えたラストライブ当日、

「これが最後のライブだね」

と、亜里沙が言うと、ナンシーも、

「悔いの残らないように頑張っていくで~す」

と答え、ナターシャも、

「これが、最後。悔い、残したく、ない」

と答えた。

 そして、ナンシーは亜里沙、ナターシャに向かってこう言った。

「私のワガママのせいで2人に迷惑かけたで~す。これにはお詫びしたいで~す。でも、ついてきてくれて本当にありがとうで~す」

こう言われると、亜里沙も黙っていられなくなり、

「私はこうしていられるのも、ナンシーとナターシャのおかげだよ。今までありがとう」

と言うと、ナターシャも、

「私も、同じ、考え。今まで、ありがとう」

と答えた。

そして、亜里沙、ナンシー、ナターシャは円陣を組み、そして、名乗りを上げた。

「1」「2」「3」「「「iD+、インター、ナショナル~」

 そして、ステージへと駆け上った。

 

 3人はライブ会場を見てびっくりした。体育館の中はお客さまによってギューギューづめだった。

「これが私たちのファンなのかしら」

ナンシーが言うと、亜里沙は、

「まさか、こんなに集まってくれるなんて嬉しい」

と言うと、ナターシャも、

「私も、嬉しい」

と、涙を少し流しながら言った。

 

 多くのお客さまがおられるなか、亜里沙、ナンシー、ナターシャの3人はステージを縦横無尽に動きまわった。

「まだまだ、これからいくからね」

亜里沙が言うと、会場中から、

ウォー

と、大きなうねりとして声が上がる。

「次の歌は…」

と、ナンシーが言うと、ナターシャは、

「次の、歌、むすんで、ひらいて」

と言う。亜里沙はこれを受けて、

「むすんで…、って、これ、童謡だよ。違うよ」

と、ツッコむ。これを受けて、観客からは、

ワハハ

と、笑いがおきる。それほど3人と会場にいる観客たちには一体感があった。

 

 だが、そんな楽しい時間も過ぎるのが早かった。

 亜里沙は少し泣きながら言った。

「これが最後の曲となります」

これを聞いた観客たちから

エ~

と言うと、ナンシーは、

「本当にごめんなさい。でも、本当に楽しい時間で~した」

と言い、ナターシャも、

「本当に、今まで、楽しい、いい時間、ありがとう」

とお礼を言った。。

 そして、亜里沙、ナンシー、ナターシャが一列に並び、最後の歌を言った。

「それでは、最後の歌を聞いてください」

「「「ボーイズビーアンビシャス」」」

 

ラブライブUC iD+編 挿入歌 「ボーイズビーアンビシャス」

 

私たち iD+ 外国人だよ

(私違うよ クォーターだよ)

 

この地に降りた 3人のフェアリー

スノーグランドに まいのりたよ

(まいのりたじゃなく まいおりたの)

おりて・・・ つけた・・・

(黙らないでよ 何をつけたの)

 

この地に降りた理由は1つ

この地の文化を知るためです

すべてを吸収することで

私たちの大志を叶えていくよ

 

ボーイズビーアンビシャス

私たちは未だに白い心のまま

たとえ長い長いみちのりでも

大志を抱けば満たされていくよ

 

大きな大地 3人の足跡

スモールフット つけてきざむよ

(きざみこむじゃなくて のこしてだよ)

きざみ・・・ のこる・・・

(黙らないでよ 何がのこるの)

 

3人みても異なる見方

この地の文化は未知なのです

すべてを学習することで

私たちの大志を叶えていくよ

 

ボーイズビーアンビシャス

私たちの知らない知識文化のもの

たとえ多く多くのしかかるも

大志を抱けば克服できるよ

 

この日本は未知の文化ばかり

まんが アニメ 禅に大仏

だけど私たちから見れば

それがお宝 すべてがお宝

だから素晴らしい 誇れるよ

 

ボーイズビーアンビシャス

私たちは未だに白い心のまま

たとえ長い長いみちのりでも

大志を抱けば満たされていくよ

 

 3人にとって最後の曲なのだろうか、亜里沙達3人は涙を流しながら歌っていた。

 そして、曲が終わると、3人は何も言わず、

ポトッ

と、ステージの前にマイクを置き、そして、ステージ袖に引っ込んでしまった。これが3人の会場にいるファンたちへの別れ方であった。3人はみんなと別れの涙顔を見せたくなかったのだ。円満に終わりたい。その気持ちで一杯だった。

 3人は袖裏に着くなり、大きく涙を流した。

「エーンエーン」

亜里沙が大きく泣けば、ナンシーも、

「エ~ンエ~ン」

と泣く始末。ナターシャにいたっては、

「エ、ン、エ、ン」

と泣いているのか喋っているのかわからないものだった。

 だが、会場にいるファンにとって別れたくないものだった。

「やめないで」「続けて」「まだ続けてください」

そんな声が大きかった。いや、それだけではなかった。

「外国人だからってアイドル続けていいんだよ」

「そうだよ、そうだよ」

この言葉を聞いたとき、ナンシーは、

「えっ」

と、言葉に詰まった。そして、会場からこんな言葉がでてきた。

「ナンシーさんが誹謗中傷に悩まされていたことはみんな知っていました」

「一人だけ悩まされなくても大丈夫。みんないます」

「たとえ外国人であってもアイドルになれます。アイドルに国境はないんだよ」

これを聞いたナンシー、

「みんな、ありがとう」

と言うと、いきなりステージに駆け上がってしまう。

「ちょっと待って、ナンシーさん」

と、亜里沙が言うも、止めることができなかった。亜里沙、ナターシャ共に仕方なくステージに駆け上る。

 すると、会場中から聞き慣れた歌の大合唱が始まった。

 

「インターナショナルアイドル」

 

ハロー ダーリン

 

インターナショナルな私達

生まれた国は違うけど

この美貌で日本人はいちころよ

 

ブラックシップのキャノンを一発

セレブティすらこぼしてしまう

 

アイドルに国境はない

だれでもアイドルになれる

美しさだけでなれてしまう

国籍すら関係ない

 

インターナショナルアイドル

世界中で一番美しい私達

この美貌は誰にも負けない

たとえそれが日本人でもね

 

 みんなが歌い終わると、ナンシーは驚いていた。

「なんて素晴らしいこと。なんてとてもいい音だよ」

と、ナンシーが言うと、観客から、

「まだ続けてください」「応援しています」「負けないでください」

と、応援の言葉が次々とでていった。

 これに対し、ナンシー、

「本当にありがとう。まだ続けて欲しい声がこんなにいっぱいなんて」

と言うと、亜里沙は、

「これでiD+は終わり、だなんて言えるのかな」

と、ナンシーに声を掛ける。ナターシャも、

「終わり、なんて、寂しい。続けていれば、きっといいこと、ある」

と、ナンシーに言う。

「続けて」「やめないで」「大丈夫だよ」「応援しているよ」

と、会場中の応援が聞こえる中、ナンシーはある言葉を言った。

「私、辞めない。アイドル、辞めない。今からも、これからも、iD+として活動していく」

この言葉をナンシーが言うと、ステージに置いたマイクを持ち上げ、

「私、これからもiD+としてやっていきま~す。これからもよろしく~ね」

と、声を高くあげて言った。

 すると、亜里沙、ナターシャもステージ上に置いたマイクを取り上げ、

「ナンシーさんが言った通り、iD+はまだまだ活動していきます」

と、亜里沙が言うと、

「今後、好、ご期待」

と、ナターシャが声をあげて言った。

 

ワーワー

と、iD+の復活劇に盛り上がっている最中、会場の片隅ではパソコンを扱う男がいた。

「なんでアイドルなんて続けるんだよ。なら、もっと大きな花火を打ち上げてやる」

と言うと、パソコンで何かを操作している。画面にはナンシーの顔ののったアイコラ写真があった。それも全裸姿のアイコラ写真だった。

「送信!!」

と言うと、エンターキーを押す、が、

「あれあれ?」

と言い出す。送信しても送ることができないのだった。

 困っている男に対し、ある人物がその男の前に現れた。

「君が犯人だったなんてね」

と、ある人物が言うと、その男は見上げて言った。

「誰だ、お前は」

その人物は名乗った。

「私はこの北海外国語大学の学生会会長、そして、iD+のファンクラブ会長だ!!」

そう、この人物こと、北外の学生会会長でかつiD+ファンクラブ会長だった。

その会長がその男に言った。

「なかなかしっぽを掴めなかったが、ようやく見つけることができた。これ以上人に迷惑をかけるな」

だが、この男も黙っていなかった。

「それは嫌だね。あのナンシーって子、俺が告白をしても「私、あなたとは付き合えません」と断る始末。そんな彼女をもっとめちゃくちゃにさせたい。いや、アイドルというものに外国人がなることなんてやってはいけないことなんだよ。アイドルこそ日本の文化なんだぞ」

これを聞いた会長、その男に近づき、目の前でこう言った。

「アイドルというのはたしかに日本の文化だ。しかし、今やアイドルは国際化しているんだ。外国人だってアイドルになれる時代なんだよ。いや、昔からアイドルに国境はないんだよ。昔から外国人アイドルはたくさんいたんだよ」

そして、こう言い続けた。

「アイドルは今や身近な存在になった。そして、国際化も進んだ。世界中のみんながアイドルになれる時代を迎えているんだぞ」

男は会長のあまりにも迫力のあまり、ただ茫然としていただけだった。ただ茫然としているその男に対し、会長はある言葉を言った。

「あなたには学校からきつい処罰が下されます。それまではおとなしく自宅で謹慎しなさい」

そして、その男はこそっと言った。

「実はね、私もナンシーに振られたことがあるんだ。高校生のとき、ナンシーに告白したんだけど、振られちゃったの。でも、悔いはない。だって、あのナンシーの笑顔は誰のものでもないからね」

これを聞いたその男はがくっとした。その男はその後、後から来た大学の関係者によって大学のある場所へと運ばれていった。

 

 こうして活動を続けることになったiD+だが、このラストライブでの出来事があったおかげでiD+の知名度は北海道中の大学に広がっていった。

 そして、迎えたユニライブ北海道予選、iD+の姿があった。

「ついにユニライブですね」

と、亜里沙が言うと、ナンシーは、

「ついに私たちの時代がきたので~す」

とはしゃいでおり、ナターシャも、

「そう、です、そう、です」

と、はしゃいでいるのか、ふざけているのか、わからないくらいであった。そして、元気よく「ボーイズビーアンビシャス」を歌い切り、ついに北海道予選を突破した。

 だが、この勢いはそこまでだった。続く北海道・東北予選、

「なんてレベルの高いのでしょうか」

と、ナンシーがいうくらいレベルの高い強豪校が多かった。結果は…、予選敗退。3人のユニライブはここで終わった。

 

「なんてすごい大会なんでしょう、ユニライブは」

と、ナンシーが言うと、ナターシャも、

「今の、レベルじゃ、だめ」

と言う。こんな2人に対して、亜里沙は、

「まだ大丈夫だよ。だって来年があるじゃない」

そう、3人にはチャンスがあった。来年、今度こそユニライブ決勝に進出できるチャンスがあるのだ。

「そうですよ。来年に向けて頑張ればいいのですよ」

ナンシーが言うと、ナターシャも、

「来年、必ず、ユニライブ、決勝、に、進出、する」

と、決意を露わにしていた。

 これを見た亜里沙は2人を見て言った。

「来年こそユニライブ決勝に出て優勝目指すぞ」

「「「オー」」」

と、3人は来年に向けて明日から頑張ることを誓うのであった。

 

iD+編 2年生編 終わり 3年生編へ

 




あとがき

 みなさん、こんにちは。La55です。今回はついにiD+編後編を投稿しました。みなさん、どうでしたでしょうか。「iD+」にとって今回のユニライブの結果は大変残念なものになりました。こんな結果になるなんて、とお思いの皆さま、大変申し訳ございません。

 で、今回のお話で出てきた曲、「ボーイズビーアンビシャス」はラブライブUCにとって久しぶりの曲です。これは「iD+」の3人を歌った曲であります。日本に来た外国人(亜里沙はクオーターだよ!!)にとって日本の文化に触れることはとても素晴らしいことかもしれません。外国人が日本に来る理由、その多くが日本の文化などに触れたいからかもしれません。そんな気持ちを歌にしてみました。みんさん、どうでしたでしょうか。

 ここでお知らせ。手書きの4コマ漫画、「ねこねこらいおん」をピクシブだけですが投稿しております。週一で投稿していきたいと思っております。ただし、いつまで投稿するかはまだ決めておりません。ぜひとも見て行ってください。

 では、今回はここまでです。次回もお楽しみください。それでは、さよなら、さよなら、さよなら。



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