ラブライブΩ/ラブライブUC   作:la55

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チュンチュンチュン
 4月の、それも空気が冷たい早朝、スズメの鳴き声で起きる少女。
「ん~、よく寝た」
早起きする少女、渋谷ヒカリはそう言って起きると、すぐに練習着に着替え、日課の早朝マラソンを始めた。
「ん~、気持ちいい。やっぱ走るのは早朝が一番だね」
ヒカリは走りながらそう言うと、30分くらい走り込み、そして、ある場所へと向かった。
「ヒカリ、おはよう」
こう言ったのはヒカリが所属しているユニドルグループ「HeaT」のメンバー阿蘇カオルだった。
「カオルさん、おはようございます。そして、雪穂さんもおはようございます」
ヒカリがこう言うと、「HeaT」メンバーでリーダーの高坂雪穂も、
「おはよう、ヒカリ。今日も頑張らないとね」
と挨拶する。3人は今年こそユニドルの祭典、ユニライブ決勝を目指していこうということで、毎朝、早朝トレーニングをしていた。
「よし、腕立て伏せからしよう」
と、雪穂が言うと、3人は腕立て伏せを始めた。
「雪穂さん、雪穂さん。ところで、今年はメンバーを募集するのですか」
と、腕立て伏せの最中に雪穂に問いかける。
「ん~、そうだね。もう少しメンバーを増やしてみたいしね」
と、雪穂が言うと、カオルは、
「それなら今すぐにでも始めるべきだよ。だって、もうすぐ入学シーズンだもんね」
と言う。
「そうだね。もうすぐ新入生が入ってくるもんね。今から楽しみ~」
ワイワイガヤガヤと練習を楽しむ3人。だが、このとき、意外な落とし穴がまっていたのだった。

(OP 1番のみ)


ラブライブUC HeaT編 第5話

第5話 双子の気持ち

 

そして、迎えた入学式。

「よ~し、勧誘するぞ~」

雪穂、カオル、ヒカリは入学式会場の体育館の前で勧誘するためにメガホンを持って、スタンバイしていた。その周りには野球サークルなどのたくさんのサークルに所属している人たちが今や新入生を勧誘しようとしていた。

 そして、新入生が集まろうとしたとき、ある出来事が起こった。

「あ~、確認しました。ありがとうございます」

なにかの団体が各サークルを回り、何かを調べていた。

 そして、その団体は雪穂たちの前にも来た。

「え~、私たちは学生会のものです。うちの大学にサークル登録をしていますか」

学生会と名乗る女子学生に雪穂たちは、

「?」

と、首をかしげてしまった。すると、女子学生はあることを言った。

「大学にサークル登録をしていますか。うちの大学はサークルを作る際、必ず大学に登録申請することが必要となります。サークル登録しないと、大学の公式なサークルとして認定されませんし、大学内外で活動することもできません」

そう、雪穂たちが通う日本橋女子大学はここ最近起きているいろんな大学のサークル内での各種問題(未成年へのアルハラなど)を防ぐため、サークルを許可制にしていた。そして、サークルを作る際には必ず大学に登録申請した上で問題がないか調査して認可するのだった。むろん、雪穂たちも例外ではなかった。

「非認可のサークルはここでは新入生を勧誘できません。お帰りください」

女子学生は大声で雪穂たちに言うと、雪穂は、

「私たちはサークルではなく、ユニドルグループです!!」

と反抗する。しかし、女子学生は聞く耳持たず反論する。

「ユニドルグループとしても、大学の名を語るのならサークルと同じです!!」

「ううっ」

これには雪穂も反論できない。

「おかえりください!!」

女子学生が大声で言うと、雪穂は、

「うう、わかりました」

と言い、すぐに片づけてその場をあとにした。

 だが、この様子を遠くから見ていた双子の新入生が見ていた。

「あの人たち、ちょっと残念そうだったね」

ちょっと明るそうな新入生が言うと、

「…、うん、そうかも」

と、軽くうなずくもう一人の新入生。

「…、あの人たちの法被、こう書いていた。「HeaT」、…」

と、ちょっとつぶやくと、明るそうな新入生は、

「なんて言ったの!!」

と、大声で言うと、もう一人の新入生は、

「…、なんでもない…」

と、言って、その後は黙っていた。

 

「よ~し、これで新入生を勧誘できるぞ~」

と、雪穂が元気よく言った。入学式のこともあり、雪穂はすぐに大学にサークル申請を行った。そして、一週間もの審査期間ののち、大学からサークルとして認められたのだった。日本橋女子大学としては初めてのユニドルサークルとなった。でも、それだけではなかった。

「しかし、よくこんな部室、いや、音楽室、貸してくれたね」

と、カオルは少し驚いていた。実は、大学初のユニドルサークルということもあり、大学側も雪穂たちに少し期待しているのか、あまり使われていない音楽室を部室として貸してくれたのだった。

「ここで練習できますし、作曲もできますね」

ヒカリはこういうと、音楽室を見回した。音楽室ということもあり、ある程度広さがあり、なおかつピアノもある。練習場としては文句のないものだった。

「それよりも勧誘、勧誘」

雪穂はこう言うと、カオル、ヒカリを連れて校門前に向かった。

 

「私たち、ユニドルグループ「HeaT」です。ただ今メンバーを練習しています」

雪穂は大きな声で勧誘するが、誰も振り向いてくれない。

「どうして振り向いてくれないのかな」

と、ヒカリが少し困り顔で言うと、カオルは、

「大丈夫だよ。そう心配するな」

と、言って、さらに」、

「え~、楽しい楽しいユニドル活動だよ。今なら楽しい活動がセットだよ」

と、何回か意味不明な言葉で勧誘をしていた。

 だが、1時間たっても声すらかけてもらえなかった。

「ん~、なんで振り向いてくれないんだよ~」

と、雪穂は困り顔で言うと、ヒカリはあることに気付いた。

「もしかして、もう勧誘の時期を逃してしまったのでは…」

そう、雪穂たちは勧誘の時期を逃していたのだった。雪穂たちが申請登録してから1週間たつ間にサークルに入りたい新入生はすでに自分が入りたいサークルを決めていたのだった。そして、残っているのはアルバイトなどが理由でサークルに入りたくない新入生だけであった。

 だが、一部の望みがある、そう考えた雪穂たちは1週間勧誘を行った。しかし、結果は同じだった。

「これで今年、新入りは見込めませんね」

と、ヒカリが言うと、

「そうだね。今年もこの3人で頑張るしかないね」

と、雪穂も少しがっかりした顔で答えてしまう。

 そんなとき、

「大変、大変だよ~」

と、叫ぶ声1つあり。突然2人のもとに飛び込んできたのは、

「カオル~!!」

そう、カオルだった。

「カオル、なにがあったのですか」

と、雪穂が言うと、カオル、

「ちょっと水~」

と、水を要求。ヒカリが持っていた水一杯を飲み干すと、すぐにあることを言った。

「ぜ~ぜ~、実は、「なぞの音楽屋さん」の運営者が私たちの大学に入学してきたんだって~」

これを聞いたヒカリ、すぐに、

「え~と、なんのことですか」

と、なんのことだかわからなかったらしく、カオルに問うと、

「忘れちゃったの。私たちの曲「HeaT」を作ってくれたサイトだよ。その運営者がこの大学にいるんだって」

これを聞いたヒカリ、

「それはすごいことだよ。これで私たちの弱点、作曲できないを十分カバーできますし、私たちの仲間になってくれたら百人力ですよ」

 そして、雪穂はあることを決めた。

「それはいいアイデアですね。こんなチャンス、逃したくない。よ~し、この新入生を早く見つけてしまいましょう」

雪穂がこう言うと、カオル、ヒカリも、

「「オー」」

と、叫んで3人とも飛び出し、部室をあとにした、鍵を締めずに。

 

 雪穂、カオル、ヒカリはそれぞれ違うアプローチでサイトを運営している新入生を探していた。

「ああ、私、高坂雪穂だけど、「なぞの音楽屋さん」の運営者、知らない」

雪穂は自分の知っている昔のスクールアイドル仲間に電話で確認していた。

「う~ん、ここではないか~」

カオルはSNSなどいろんなサイトをネットサーフィンしていろんな情報をあつめようとしていた。

 そして、ヒカリは…、

「ねぇ、このサイトの運営者らしき学生って知らない?」

と、学校中にいるいろんな友達に聞いてまわっていた。実は、ヒカリはユニドル活動として、学校内で練習していくかたわら、知名度を上げるために学校中の学生全てにいろいろとおしゃべりをしていたのだった。このため、ヒカリの友達といえる学生たちはとても多く、そのため、いろんな情報がヒカリに集まってくるのだった。だが、今回に限っては情報があまり入ってこなかった。

 

 そして、3日が過ぎた。学内カフェのパリ広場に集まる雪穂、カオル、ヒカリ。

「昔のスクールアイドル仲間に聞いているけど、全然見つからない」

と、雪穂が少し疲れた顔で答えると、カオルも、

「ネットからもわからない。サイト運営者はSNSもなにもしないから、情報が入ってこないよ」

と、目を真っ赤にして答えた。

 そんな2人に対し、ヒカリは、

「私もまだまだですけど、絶対に大丈夫ですよ。私もほかの学生に聞いてみますから」

と、頑張ります、というポーズをしつつ答えた。

「それじゃまだまだ頑張って探しましょう」

と、雪穂が言うと、3人とも別れていった。

 

「さぁて探しましょうと思いましたが、ちょっと部室に忘れ物しちゃった。部室に戻ろう、戻ろう」

2人と別れたヒカリ、どうやらなにか忘れ物をしたらしく、部室に戻ろうとしていた。

 そして、部室となっている音楽室に近づくヒカリ。すると、

「♪~」

と、誰かの歌声とピアノを弾く音が音楽室から聞こえてきた。

「あれ?雪穂さんかカオルさんが帰ってきているのかな」

と、不思議に思うヒカリ。音楽室に近づくと、

「いや、雪穂さん、カオルさんの声じゃない」

と、気付くヒカリ。ばれないように忍び足で近づく。

 すると、ヒカリがよく知っているフレーズが聞こえてきた。

「心をもやせ HeaT 心にきざめ HeaT」

そう、ヒカリたち「HeaT」の持ち歌「HeaT」のフレーズだった。ヒカリはばれずに音楽室の入り口に近づく。そして、

ガサッ

と、ドアを開くとすぐに、

「あなたは誰なの?」

と、ピアノを弾いている女子学生に向かって大声で言った。

 この声にピアノを弾いている女子学生は、

「え、あ、う」

と、驚き、ピアノの鍵盤に向かって、

「えいっ」

と、手を振り下ろす。

ジャーン

と、ピアノから大きな音が鳴ると、ヒカリはつかさず、

「うわっ」

と、体を縮ませてしまった。これを見ていた女子学生は、

「ごめんなさい」

と、ヒカリに謝りつつ、すぐに音楽室から逃げ出した。

「ごめんなさいって、ちょっと待ちなさい」

と、ヒカリはその女子学生向かって追いかける。そして、つかさずカオルに電話する。

「カオルさん、じつは…」

と、走りながら電話でちょっと話すと、電話を切る。

「まちなさ~い」

と、ヒカリはその女子学生に追いつこうするが、その学生の足が速く、なかなか追いつくことができない。むしろ、2人の距離は少しずつではあるが離れようとしていた。

「ま、待ちなさい」

結局、ヒカリはその学生に追いつけるどころか、離されてしまい、見失ってしまった。

「なんて足が速いんだ、あの子は…」

と、ヒカリ、息を切らせながら言う。そして、

「見失ったけど、これも作戦のうち。今ごろは…」

と、ヒカリ、大胆不敵な表情で言うと、すぐに、

「ギャー」

と、あの女子学生のわめき声が聞こえてきた。

「カオルさん、ついに捕まえてくれたんだね」

そう、ヒカリはカオルに電話する際、先回りしてもらうようにしていたのだった。そして、かおるはカオルで校舎の入り口に大きな落とし穴を掘っていたのでした。

「むぎゅ~」

落とし穴に落ちた女子学生は落とし穴の中で伸びてしまった。

 

「うう~」

落とし穴で伸びてしまった女子学生は目を覚ますと、

「ここはどこですか!!」

と、突然叫びだした。そして、まわりを見渡すと、

「ここは私が先ほどまでいた音楽室…」

と、大きな声で叫んでしまう。

「う~、うるさいよ。少しは静かにしてなさい」

と、ヒカリはその学生に言う。そう、女子学生が目を覚ましたのはその学生が先ほどまでピアノを弾いていた音楽室ことヒカリたちの部室だった。

「どうして私はここにいるの…」

と、その学生はちょっと首をかしげると、

「カオルがあなたを捕まえたからここに連れてきたんだよ」

と、雪穂がこう言うと、カオルは、

「ぺろぺろ」

と、舌をだしてごまかしていた。そう、落とし穴にその学生が落ちた後、学生は伸びてしまった。カオルはその学生を部室に運んできたのだった。そして、雪穂もそこで合流、学生が目を覚ますと、雪穂、カオル、ヒカリがその学生を囲んでいたのだった。

「で、私になにかご用ですか」

と、その女子学生が言うと、3人はいっせいにしゃべってしまう。

「~~~~~」

何を言っているのかわからない。その学生はすぐに、

「一緒にしゃべらないでください。1人ずつお願いします」

と、言うと、まずは雪穂が質問した。

「あなたのお名前はなんですか?」

と、聞くと、すぐにその女子学生は答えた。

「私の名前は川崎陸、…です」

その女子学生こと陸に対し、今度はカオルが言う。

「あなたが「なぞの音楽屋さん」の運営者じゃないのかな」

これに関しては陸、

「どうしてそういいきれるのですか」

と、答えをはぐらかそうとする。すると、今度はヒカリが、

「じゃ、どうしてこの部室へ「HeaT」を弾いて歌えるのですか」

と、言うと、

「そ、それは…」

と、言葉を濁してしまう陸。これに対し、ヒカリ、

「「HeaT」は私たちの曲、そして、それを作曲してくれた「なぞの音楽屋さん」の曲です。この曲をピアノで弾けるのは私たち、いや、私たちじゃ無理か、それを作曲した人しかいません」

と、誇らしげに言う。

「た、たしかにそうかも」

と、雪穂が納得すると、カオルも、

「黙っているなら認めたことになるよ」

と、陸に迫る。

 だが、そこに隙があった。陸、カオルが近づいたことで開いた隙間から3人のもとを逃げ出す。

「こら、待ちなさ~い」

と、ヒカリが言うと、そんなことを聞かずに全力で走る陸。

「本当に待ちなさい!!」

と、雪穂も叫ぶが、陸はそんなの関係なく全力で走るため、その距離は少しずつであるが、離れていった。そして、ついには、

「う~ん、どこに行ったのだろう」

と、カオルが言うくらい見失ってしまった。

 だが、それでだけで諦める雪穂ではなかった。

「でも、見失っても大丈夫だよ。行く場所は知っているからね」

雪穂がこう言うと、カオル、ヒカリを連れて、ある場所に先回りをした。

 

 陸はある場所に逃げ込んだ。その場所は…、2人が住んでいる木造アパートだった。

「お姉ちゃん、帰ってきたよ」

陸はそう言うと、お姉ちゃんと呼ばれる女性が奥から出てきた。

「陸…、帰って来たね…」

こう言うと、お姉ちゃんはすぐに奥に引っ込んでしまう。

「お姉ちゃんってば本当に憶病なんだから」

陸がそう言うと、お姉ちゃんの後をついていこうとする。

 だが、そんな一コマに突然侵入するものがいた。

「たのもう」

突然ドアが開くと、こう言った声が聞こえてきた。

「ヒカリ、たのもうじゃないでしょ。こんにちはでしょ」

と、「たのもう」と言ったヒカリに対して雪穂がツッコむ。

「ど、どうしてあなたたちがいるの!!」

突然の出来事で驚く陸。すると、カオルがその答えを言った。

「いろいろとネットで調べていくと、この場所が怪しいと思ったんだよ」

そして、雪穂はこう言った。

「そして、私も昔のスクールアイドルのいろんな人たちから作詞作曲がうまい双子がいるって聞いたんだ。その双子がここに住んでいるのではという噂を聞いてね。そして、カオルの話を聞いて確信に変わったんだよ」

「道理でここだとわかったんだね」

と、陸が言うと、

「陸…、誰と話しているの…」

と、奥にいたお姉ちゃんが出てきた。

「あっ、あなたがもう一人の子だね」

と、ヒカリが言うと、

「いや…、こないで…、こないで…」

と、お姉ちゃんはすぐに奥に引っ込んでしまう。

 これを見ていたヒカリは靴を脱いで、奥へと進んでいった。

「勝手にはいらないでください」

と、陸がヒカリに怒ろうとするも、ヒカリはそんなのお構いなく奥の部屋の中に入ろうとしていた。そして、部屋の中に入っていた。

「なんだ、これはいったい」

ヒカリが驚くのも無理もなかった。そこには音楽を作るのに必要なミキサーなどが置かれていた。一種の録音スタジオと言っても過言ではなかった。

「ここで「HeaT」ができたんだ…」

と、驚くヒカリ。

 だが、奥の部屋に逃げたお姉ちゃんもそこにいたわけで、ヒカリを見ておびえて丸くなっていた。

「こ、こないで…」

おびえるお姉ちゃんを見て、今度は陸が奥の部屋にはいってきた。

「あなた、お姉ちゃんがおびえているでしょ。早く出ていきなさい!!」

こんなことを言われたヒカリだったが、2人に対して意外な一言を言った。

「こんな暗いところにずっといたらずっと暗いままだよ」

そして、ヒカリは2人に対してこう言った。

「陸さんと言ったね。そして、そこのお姉ちゃん、2人ともなんだか暗いよ。それよりも、もっと明るいところで暮らそうよ。そうだね。私たちと一緒に踊りませんか。いや、踊ろうよ」

この言葉にお姉ちゃんと呼ばれた女の子は、

「そ、それは…、いや…、もっと…、いや…」

と、さらにおびえてしまった。一方、陸は、

「えっ」

と、少し気持ちがぐらついてしまう。

 ヒカリはそんな陸を見つつも、お姉ちゃんの方が気になるらしく、そのお姉ちゃんに近づこうとしていた。

「もっと明るく、もっと楽しみましょう」

そんなヒカリに対し、お姉ちゃんはある言葉を言った。

「…、わ、私…、いや…、本当にいや…」

これを聞いたのか、後から入ってきたカオルはそのお姉ちゃんに問う。

「どうしていやなの」

これに対し、お姉ちゃんはこう白状した。

「私…、は人と併せるのが苦手なの…、ネットの方が…、とても暮らしやすいの…」

「お姉ちゃん…」

陸は驚いていた。こんなに自分の気持ちを白状したことがなかったことだった、お姉ちゃんは…。

「う~ん」

と、唸るヒカリ。すると、雪穂がそのお姉ちゃんに近づいてこう言った。

「ネットでも仲間がいるかもしれないよ。でも、外の方がもっと楽しいと思うよ」

この言葉にそのお姉ちゃんは、

「でも…」

と、言葉を言うも、雪穂はこう付け加えた。

「もし、私たちと一緒に踊るなら、私たちが合わせてあげるよ。無理をしなくていいから。私たちと一緒に踊ろうよ」

これに対し、お姉ちゃんはこう言った。

「あなたの…、お名前は…」

すると、雪穂はこう言った。

「私の名前は高坂雪穂。日本橋女子大学の2年生だよ」

すると、そのお姉ちゃんは雪穂に向かって目を輝かせながらこう言った。

「あなたが…、あの…、高坂雪穂さんですね。私…、川崎空と…、申します…。私…、あなたと一緒に…、踊りたいです!!」

そのお姉ちゃんこと空の突然の言葉に陸は、

「お、お姉ちゃん…」

と、ただ驚いたままだった。

 ヒカリはそんな空に、

「どうしてそう思えたの、突然…」

と聞くと、空は、

「だって…、あのラブライブに優勝した…、ことがあるんだもの…、この高坂さんだよ…。そんな人が…、ここにいるなんて…、奇跡だよ…」

そして、空はあることを言いだした。

「私…、高坂さんと一緒に踊りたいという夢…、あったの…。私…、こんな有名人…、その人から誘われるなんて…、夢が叶うなんて…」

さらに言葉は続く。

「高坂さんはネットでも有名な人…。私にとって憧れの人…。私…、ぜひ…、高坂さんのグループに…、入って…、頑張る…。私…、「HeaT」に…、入る!!」

これには陸も口をあんぐりしたままだった。

「川崎空さん、あなたの加入、喜んでお受けいたします」

と、雪穂、空に駆け寄り、ハグをする。

「はい!!」

と、空を喜んだ表情で答えた。

 一方、陸は口をあんぐりしたままだった。

「…、お姉ちゃん、…」

これを見たヒカリ、陸に近づきこう言った。

「ところで、陸さん、あなたはどうしますか。いとしのお姉ちゃんが入るならあなたはどうしますか?」

これを聞いた陸、こう答えた。

「お姉ちゃんだけだとなにかと心配だもん。私も加入します!!」

これを聞いたカオル、すぐに、

「これで新入生2人目ゲット!!」

これに対し、陸は、

「いや、これは言葉のあやであって…」

だが、ヒカリは陸に対し、こう言った。

「なら、加入しなくてもいいんだよ。空さんと一緒に頑張っていくから」

陸、これを聞くと、

「いや、それは違う。お姉ちゃんが心配であって…」

これにカオル、すぐに反応。

「なら、加入するんでしょ」

陸はこれにすぐに反応し、

「それなら仕方ないでしょ。私も加入します!!」

これを聞いたヒカリは、

「ツンデレなんだから」

と、陸をからかっていた。

 一方、空はというと、

「高坂さん…、頑張りましょう…」

と、言って、雪穂に甘えていた。雪穂は、

「空さん、一緒に頑張りましょう」

と、空を撫でていた。

 こうして、2人増やして5人となった「HeaT」。だが、ここに不気味な影が5人を襲うとしていた。その不気味な影とは。次回をお楽しみに。

 

つづく

 

(ED 1番のみ)

 

次回 X、堕天!!

 




あとがき

 みなさん、こんにちは。La55です。ついにラブライブUC第2章が始まりました。まず最初は雪穂たち「HeaT」編からです。ラブライブUCは5つの物語で構成されており、前回伝えた通り、それぞれにテーマが設定されております。「HeaT」編でのテーマは「メンバー増員と歌とは」です。「HeaT」編は今回を含めて3人増員しますが、これに対して雪穂たち3人はどんな表情をするのでしょうか。そして、みんなにとって歌い継がれている歌はどのようなものなんでしょうか。

 で、今回「HeaT」に加入した川崎陸、空ですが、妹である陸はどちらかというとアウトドア派、姉の空はインドア派、というより引きこもりの双子姉妹であります。苗字の川崎ですが、これは音楽のまちを目指している川崎市から名前を取っております。そして、陸と空と対比するように名前を配置しました。陸に対して海というのが一般的だと思いますけど、それはご愛嬌を。

 というわけで、「HeaT」編の第5話をお送りしました。どうだったでしょうか。あまりにも駄作なら申し訳ございません。次回は増員メンバーのもう1人が登場します。といってももうすでに「ラブライブΩ」で登場しており、「ラブライブΩ」の人物設定にも名前が載っております。はたして誰なのでしょうか。次回までお楽しみください。それでは、さよなら、さよなら、さよなら。


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