μ's→Ω→サンシャイン
ラブライブが終わり、冬が訪れていた。雪穂は亜里沙と共に秋葉原の町中を歩いていた。
「ラブライブ、どうなるかと思ったけど、優勝できてよかったね」
と、雪穂が言うが、とうの亜里沙は、
「また、その話…、これで何十回目だよ」
と、少し呆れ顔で話していた。
雪穂はそんな亜里沙とは裏腹にいろいろ話始める。亜里沙は何十回も聞いたことだけに飽き飽きしそうになったが、そういう風には見せず、聞いている。それは彼女自身も桂冠し誇れる物語だったからだ。
そうしているうちに、駅前の大型ビジョンの前に着いた。そこには来年、5周年を迎えるラブライブの特別映像が流れていた。
「あっ、ラブライブの映像が流れているよ!!」
雪穂は亜里沙にも大型ビジョンに流れる特別映像のことを教える。
「あっ、本当だ~」
亜里沙はそれを見て感動していた。なぜなら、過去のラブライブ優勝者の映像が流れていたからだった。
第1回 A-RISE 第2回 μ‘s 第3回―
μ‘sの時に流れるお姉ちゃん達、穂乃果、絵里の踊っている姿を見る雪穂と亜里沙。昔の映像だけど、自分達と同じ年齢での映像は何度見たものだけど、それでも新鮮な感じがした。
「お姉ちゃん達もいろいろとあったんだね」
雪穂は昔聞いたμ‘sの歴史をいろいろと思い返していた。
映像はまだ続いていた。
第5回 K9 第6回 オメガマックス
「わっ、私達の映像だよ」
亜里沙は雪穂にそのことを伝える。
「あっ、私達の映像、こうして見ていると、いろいろあったなぁ~」
雪穂はこう言うと、まるで昔のように感じるあの日々のことを思い返していた。
「でも、私達は新しい伝説をつくったんでしょ」
雪穂は見ていた亜里沙、そう言って雪穂の肩に手を差し伸べる。
「そうだったね。私達自身が伝説になるって、まだ、伝説をつくっていないでしょ」
雪穂は亜里沙にツッコむが、亜里沙は、
「もうすでに伝説、つくっていると思うけど…」
と、少しとぼける。
そのとき、空に飛んでいたメイドカフェのチラシを拾うある少女の姿があった。
「あっ、ラブライブ…、すご~い」
その少女はチラシを拾うと同時に大型ビジョンに流れるラブライブの特別映像を見続けていた。
そして、
「私、スクールアイドル…、やりたい!!いや、絶対になってみせる!!」
と、大きな声でそう宣言した。
これを見た雪穂、
「あの子、スクールアイドルになりたいんだね。たとえ、いろんなことがあるかもしれない。けど、諦めなければ絶対になれるよ」
と、あの子に語りかけるように言った。だが、それはあの少女には聞こえていない。でも、それでも、聞こえていると信じて言っていた。
その少女はチラシを拾い終わると同時にその少女の友達らしき別の少女がその子に駆け寄ってきた。
「ちかちゃ~ん、探したんだよ。さっ、このチラシ、メイドさんにお渡ししちゃお~」
そう言うと、その友達は映像を見ていた少女の手を引いてその場を離れていった。
雪穂はその様子を見て、少し微笑んでいた。そんなとき、
ヒラリ
雪穂は一瞬驚いていた。いまさっきでチラシを拾いつつ映像を見ていた少女に白い翼が落ちてきたのだ。
「また、伝説はつくられるんだね」
雪穂はそのことを見て一言言った。
「雪穂~、亜里沙~、はやくいくわよ~」
遠くから呼ぶ愛の声、これを聞いた雪穂は、
「あっ、ちょっと待って~」
と、呼びかけに応じて愛達のところに駆け寄っていった。
伝説から伝説へ。無印からオメガマックス、そしてサンシャインへ。μ‘sからオメガマックス、そしてAquourへ。伝説は引き継がれる。物語は続く。そう、私達という存在がいる限りは…。