ラブライブΩ/ラブライブUC   作:la55

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「前回のラブライブΩ」
「私、高坂雪穂、音乃木坂の3年生。新学期、まきりんぱな先輩が卒業し、音乃木坂のアイドル研究部は私と(絢瀬)亜里沙の2人だけ。そこで、私たちは新歓レセプション、新歓ライブでメンバーを集めることに。ライブは大成功。しかし、翌日、練習に集まったのは20人。それも過酷なトレーニングでどんどん減っていき、ついに0人に。」
「一方、スクールアイドル業界も(将来有望な生徒を入学させる)アイドル特待生によって、全国にあるいろんな学校のスクールアイドルが力をつけているし、さらに(各大会で優勝したスクールアイドルが負けたスクールアイドルを見下す)アイドル勝利至上主義がはびこっているし、もう大変。もう、誰か助けて~」

「そんなことよりも新入部員が誰もいないことで愕然とする私達2人。そんなとき…」
「みやこ、京城みやこです!!」
「みやこと名乗る生徒が私達の目の前に現れた」

(OP曲 一番のみ)



第2話 あいはやるか

第2話 あいはやるか

 

「みやこ、京城みやこです!!」

 突然の元気の良い声。雪穂と亜里沙は驚いた。声だけではない。体つきにも驚いた。ガテン系、いや、男みたいな体つきだからだった。

「でも、ここ、アイドル研究部だよ。スポーツ系の部活なら学校で…」

何かの部活間違いだろう、雪穂はそう思いながらみやこに諭した。しかし、当のみやこはがんと断る。

「私、スポーツ系はおろか、文科系の部活もいやです!!私はアイドル系の部活をしたい!!」

それをみて、亜里沙は気付いた。

「そうだ、あなた、ジャイアンでしょ。2年の間でジャイアンみたいな生徒がいると話題になっているし」

これにはみやこ、少し恥ずかしがる。

「ジャイアン!!いや~、まさか先輩達から言われるなんて、照れるな~」

いや、ジャイアンって言われる方が傷つくだろうとツッコミを入れたくなる2人。そんなことはお構いなしに喜ぶみやこ。そして、みやこはこう言った。

「さっ、はやくトレーニングを始めましょうよ!!」

突然のトレーニングへの催促。2人は仕方なく石段50往復を開始した。

 

 そして、1時間後、早くも音を上げたのは………雪穂だった。

「ぜぇぜぇ。もうやめようよ。もう立てないよう~」

神田明神の宮の前で大の字で寝そべる雪穂。もう立てないほど疲れていた。それもそのはず、いつも以上に過酷なトレーニングをしていた。石段50往復、ラン10キロ、腕立て100回、スクワット100回などなど。あまりにも楽しくトレーニングするみやこを見て、2人はいつも以上に力をいれていた。その結果がこれである。

「は~、ハラショー、みやこちゃん、凄いね」

亜里沙は口癖の「ハラショー」と共にみやこを褒めている。

「そんな亜里沙もすごい、ぜぇ~、病弱という、ぜぇ~、設定では、ぜぇ~」

雪穂、言葉を詰まりながら、亜里沙にツッコむ。たしかに病弱設定、あったようだが。

「たしかに病弱だけど、それに負けないような体力はあるもん。フー」

実は亜里沙、病弱であるため、それに負けないように体力は姉以上につけているようだった。

 これを見ていたみやこ、少しはにかみながらこう言った。

「やっぱり、2人はお似合いですね」

2人はお似合い、この言葉に2人はいきなり暗い顔になる」

「やっぱり2人だけのほうがいいのかな」

「そうかもね」

暗い表情の2人に対し、みやこはこう切り返した。

「でも、私が入ればもっとよくなるのでは」

「でも、みやこちゃんってダンスは得意なの?」

みやこの答えに逆に質問で切り返す雪穂。たしかにみやこのダンスは見ておらず、現時点では未知数だった。

「なら、私のダンス、見せてあげましょう」

みやこ、雪穂の偈文にすぐに返した。ついに自分のダンスの実力を2人に見せる時が来たとはりきり、ダンスを始めた。

 最初は実力はないだろうと思っていた雪穂と亜里沙だったが、ダンスを見るなり、どんどん引き込まれるようになっていた。手を綺麗に伸ばし、足は大きく上げる。まさにダイナミックなダンスだった。一言ですごいとしか言えないものだった。

「ハァー、どうですか。私のダンスは…」

ちょっと息切れしそうになっていたみやこ。これには2人も感動を覚えるものだった。

 そして、いきなり雪穂はみやこに…。

「すごい、すごい、すごーーーい。すごいダンスだよ」

褒めちぎっていた。体型に似合わらず、すごいキレの良いダンスをするのだからと納得の亜里沙。

 そして、亜里沙はみやこにお願いする。

「それなら、股割りとT字バランスをやってみて」

あの凛と花陽も最小はできず、練習してようやくできるようになったあれである。

「いいですよ。ハイッ!!」

みやこ、いとも簡単に股割り、T字バランスをなんとなくこなす。

「ハラショー、なんてすごいの」

亜里沙も驚く。それもそのはず、雪穂も亜里沙もこれができるまできついトレーニングを繰り返していたからだ。

「でも、あだ名がジャイアンって悲しくない?」

この雪穂の問いに元気にみやこは答えた。

「ジャイアンはジャイアンでも、ドラ〇もんの方じゃなく、スーパー〇ュニアのジャイアンのことだもん」

雪穂と亜里沙、2度目の驚き!!韓国を代表する大人気アイドル、スーパー〇ュニア。その中で体がごついメンバーがいる。その名もカ〇エン。通称、ジャイアン。でも、ごつい殻だというアイドルとしては見えない体型だが、実はダンスにとても優れている。グループのダンスの要となっている。

「そうだったんだ」

「そういうこと!!」

2人の納得に鼻が高くなるみやこだった。

「でも、なんで、ダンスがうまいの?どこかで習っていたの?」

そうである。なんでうまいのかを知りたい雪穂はみやこに質問するとみやこはすぐに答えた。

「生まれた時からこの体型だもん。少しは普通の女の子の体型に憧れるんだ。だから、少しでもダイエットをしたくていろんなダンスを自主的に取り組んでいるんだ」

これには2人も納得せざるをえなかった。たしかに、みやこの体型はガテン系といってもおかしくなかった。男性に見られてもおかしくないものだった。女性体型に憧れるのも無理はなかった。

 そんなとき、みやこはさらに次の言葉を発すると2人は最大級の驚愕をした。

「アイドルになればダンスし放題でしょ!!これならダイエットし放題。ついに女性体型になれるね!!」

2人はこう思った。それは無理と…。

 

 数日間、過酷なトレーニングは続いた。それでもみやこは音を上げなかった。それどころか、トレーニング内容を考えた雪穂が音を上げ始めていた。

 そんな中、みやこはラン10キロの最中、運動場にいるある人を見かけたので声をかけてみた。

「お~い、はるか~。元気だった?」

「あっ、みやこ。私も元気だよ」

メガネをかけた生徒、代々木はるかだった。はるかも元気よく答えている。

 しかし、みやこははるかの掛け声よりもある光景に気がいっていた。そこにはツインテールの生徒がアスリート風、いや、陸上部らしきユニフォームを着た生徒を口説いていた。

「はやて~、お願いだから一緒にユニット結成しよう~よ」

「愛、僕は何度も言っているけど、今度の陸上大会のことで頭が一杯なんだ。他の人に当たってくれ」

「あなたじゃなきゃダメなの」

「僕にはあんなヒラヒラした服は似合わない!!それに、他の人が優れているだろ!!」

「それでもあなたがいいの!!」

「何度言っても僕はイヤだからね!!」

まるで夫婦漫才をみているような光景だった。愛と呼ばれているツインテールの生徒の誘いをはやてと呼ばれるアスリート風の生徒が何度も断っているのだ。それはまるで何度も求婚している雄に対し、何度もあしらっている雌のように。

 この光景に興味を持ったみやこ、はるかに訪ねる。

「彼女達って何しているのを?求婚?」

はるか、少しこける。求婚ではないのはたしかだ。と、思いつつも答えた。

「求婚じゃないよ。今、愛ははやてに対して一緒にアイドルユニットを組んで欲しがっているんだよ」

この答えにみやこは不思議がる。

「アイドルユニット?」

これにはるかはさらに答えた。

「そう、アイドルユニット。あの愛、念願のアイドルユニットさ」

みやこは驚く。

「アイドルユニットって、私達以外にもスクールアイドルいたんだ」

これにははるかに苦笑せざるをえなかった。

「まだスクールアイドルは結成していないけどね」

はるかのツッコミをみやこは………、スルーして、別の質問をはるかにぶつけた。

「ところで…、愛とはやてって何者なの?」

つい作者すら忘れていた登場人物の紹介に築いたみやこだった。

「あっ、そうだったね。あの2人をまだ紹介していなかったね」

「お願い!!」

目をキラキラさせてみやこが話すと、さすがのはるかも説明しなければと張り切り始めて人物紹介を始めた。

「ツインテールの生徒、彼女は愛、秋葉愛。音乃木坂の3年生。秋葉の名前ってどこかで聞いたことあるでしょ」

「秋葉…」

はるかの問いに少し考えるみやこ。そして、ある答えを言う。

「秋葉原!!」

「残念!!」

みやこの答えにすぐに間違いと答えるはるか。少し悔しがるみやこだった。

「まっ、少し近いかもしれない。みやこは秋葉フィルハーモニーって聞いたことがある?」

「秋葉フィル…、あっ!!」

はるかの質問に驚くみやこ。はるかはさらに答えた。

「秋葉フィルハーモニー。秋葉原を拠点に今をときめく交響楽団。特にゲーム音楽によく使われる楽団。愛の父はその団長。母はその楽団に所属する有名なフルート奏者だよ」

さらにはるかの説明は続く。

「そして、今やアイドルとしては頂点に立つグループ、TKO47の不動のセンター、秋葉ゆうは彼女のお姉さんだよ」

「TKO47って出すCDは必ずミリオンセラー、そして、秋葉ゆうは10回連続総選挙での1位を獲得している。秋葉さんの家族って音楽一家としてすごいんだね!!」

みやこは愛の一家がすごいことに驚きを隠さなかった。それなら愛も…。と思うとある言葉を発した。

「なら、秋葉さんも音楽は得意なんだね」

「それはちょっと…」

いきなり言葉に窮するはるか。そして…。

「それはそれでおいといて…、隣にいるはやてを紹介するね」

話題をわざと切り替えることではるかは難を逃れた。

 そして、もう1人のことも紹介する。

「アスリート風の生徒、彼女ははやて、神宮はやて。音乃木坂の2年生。スポーツで鍛えられたボディ。にもかかわらず(巨乳ではないが)美乳の持ち主。そして、風になびくポニーテール。音乃木坂に通う生徒の中でも彼氏にしたい女性ナンバーワン!!」

力を入れて紹介するはるか。みやこもその勢いに飲まれる。

彼氏にしたい女性ナンバーワン!!私と大違い」

ちょっとしょんぼりするみやこ。はるかはこれに対しツッコミをいれる。

「いや。そのナンバーツーがみやこなんだけどね…」

「いやいや、私がナンバーツーなんてありえない」

やんわりと拒否するみやこ。ただこれだと堂々巡りとなると思ったはるかは話をもとにもどす。

「それはそれとして、はやては陸上部のエース。多くの陸上大会でメダルを獲得している。まさに音乃木坂が誇るスピードスター!!」

はるかははやての紹介を終えるとすぐに自分の紹介を始めた。

「そして、もうご存知だが、私がはるか、代々木はるか。音乃木坂の2年生!!なにを隠そう音乃木坂が誇る…」

「アイドル博士!!」

「そうそうアイドル博士、って、ちが~う!!」

自分の紹介の途中でみやこがチャチャを入れられたはるか。すぐに拒否する。実際は本当のことだが、隠したいものは誰もある。はるかはみやこのチャチャが入らないように力強く話し続けた。

「私こそ音乃木坂が誇る秀才。全国模試でも上位に入る。西木野真姫以来の国公立大学医学部現役合格も夢じゃない!!」

自分を褒め称えよと言わんばかりに自慢するはるか。しかし、みやこは全くの関心がないのか、話題を変えてしまおうとする。

「でも、なんで…」

「って、無視するな~!!」

ツッコミをいれるはるか。愛とはやてみたいに驚いて欲しかったみたいだったが、当のみやこは興味なしだった。

 そして、例の質問に戻る。

「でも、どうして秋葉先輩は神宮さんにアイドルユニット結成を持ちかけているの?」

ようやく元の質問に戻ったみやこ。これにははるかも張り切って答える。

「自分達も音乃木坂のスクールアイドルとして活動したいんだ!!」

「そうなの。でも、なんで?」

驚いたみやこはすぐに疑問をはるかにぶつけた。

「それはね、私達3人が幼なじみだからであることと…」

はるかが答え始めたその時、事態は急転した。

バシ、ガシ、バシ

愛はあるポーズをとった。それは自分のプライドを捨てるものだった。

「愛、…。なんのまね?」

はやても戸惑っていた。

「これが私のとれる最大級のお願いです」

それはまるで謝罪の教本に乗っている、そう、綺麗な土下座だった。愛にとってプライドは一番大事なものだった。それを投げ捨てるほどのお願い。はやてにとってはこれ以上見られないものだった。

「もうやめて。ぼくはそんな愛、見たくない」

そんなはやての願いも愛には聞き入れられなかった。

「はやての望むなら何度でも土下座する。だからお願い。私とアイドルユニットを組んで!!」

愛の一番大事なプライドすら捨てた渾身の土下座。これにははやても折れざるをえない。

「わかった、わかった。参加します。これ以上土下座されたら僕が困るから」

この光景を見ていたみやこ、一つの疑問がでてきた。

「でも、神宮さんって音楽やダンスの才能ってあるの?ただ同性にもてるからだけなのかな?」

この疑問にいち早く答えたのがはるかだった。

「はやては運動全般は得意だけど、音楽センスはちょっとね…」

これにはみやこは噛みついた。

「だったらダンス要員なのかな?」

しかし、これにははるかは否定する。

「ただのダンス要員じゃないよ。彼女の得意なもの、ラップがあるんだ」

「ラップ!!」

これにはみやこも驚いた。はるかはこれを見て話し続けた。

「はやてのラップははやラップと言われている。そして、もう一つ、別のラップも持っている」

「もう一つのラップ!!」

みやこは二度驚く。そして、こう言った。

「もう一つのラップって何ですか?」

「それは後のお楽しみ!!」

みやこの問いにやんわりと断るはるかであった。

 

 ちょうどそのころ、音乃木坂のある会議室には理事長以下理事会の人達、それに先生達も揃ってある会議が行われていた。

「来年度の生徒募集の件ですが…」

南理事長は来年度の件で会議を進めたいと考えていたが、すぐに横やりが入る。

「それよりも、今年のラブライブは大丈夫なんでしょうね」

言ってきたのは理事会のまるでとある和風割烹の姿をした男性理事だった。

「今はラブライブは関係ないのでは」

南理事長、関係ないと突っぱねる。しかし、男性理事は反撃にでる。

「関係ないというわけではないでしょ。今やラブライブは入学希望者を増やす絶好の機会。なのに、南理事長は何もしなかった。実力のあるアイドル特待生が入学してくれたら、それだけでスクールアイドルの実力は急上昇。ラブライブ優勝も夢じゃない」

南理事長も反撃する。

「しかし、それだけではラブライブは優勝できないでしょ」

「いや、学校生活全てを練習に費やせばできるでしょ」

「それでは将来困るのはその生徒です」

「今が大切なんです。文武両道であることが必要かもしれません。しかし、それだけでは今の学校は成り立たないのです。少しは現実を見てください」

「生徒に文武両道を進めることが将来役に立つ。学校はそれを教える場なんです」

文武両道、生徒の将来性についていう南理事長。対して男性理事はスクールアイドル特待生、それによるラブライブ優勝こそ学校経営には必要なことだと言う。

 そして、20分後、2人の論争は平行線のままだった。そこにある先生が口を出した。

「お話し中すいません。私からも一言宜しいでしょうか」

熱い論争に水を差すことになったが、これが現状を知る上で重要なことにある。

「これは私達先生の意見なのですが、高坂さん達は他の人から見ても異常と言えるくらい過酷なトレーニングをしています。これではいくら伸び盛りであっても、体を壊してしまいます」

これには南理事長、男性理事共に黙らざるをえなくなった。

 これを契機に先生達が次々と意見していく。

「音乃木坂は第2回ラブライブ優勝から遠かざっている」

「今、現状、多くの学校がラブライブを生徒獲得の場とみている。スクールアイドル特待生の有無に限らず、今の実力でラブライブにて活躍できるのでしょうか。今のままで入学希望者は増えるのでしょうか」

「部員が次々と辞めていくのをみると本当に大丈夫かわからなくなる」

 そして、次の言葉がこの会議の流れを決定づけた。

「生徒の間ではこう言われています。このままで音乃木坂のスクールアイドル文化はいいのであろうかと。ラブライブに勝つことが一番大事なのではと」

ここでもスクールアイドル勝利至上主義がはびこっていた。勝利することが一番大事である。この考え方が音乃木坂の生徒にも浸透していた。

 しかし、今のまま入学希望者数が少なくなるという危機意識を持った理事達、先生達にとって、この言葉は一つの決断を下すことになる。

「私から提案があります。高坂達アイドル研究部に対して、次のラブライブに出場すべきか公開審査したいのですが」

ある先生の発言に南理事長は反対する。

「それはダメでしょ。生徒の自主性を尊重しないと」

南理事長1人反対したが、それ以外の理事、先生達は反対しなかった。多数決による結果、反対1、賛成多数で公開審査が決定した。みんながそれで良いと思った。

 そのとき、いきなり会議室のドアが開く。

「その審査、私達も参加させてください」

驚く理事と先生達、そこに立っていたのは…、秋葉愛だった。

 

 翌日、一つの放送が学校を駆け巡った。

「お知らせ致します。音乃木坂学院のアイドル研究部の部員は大至急、理事長室にお集まりください」

突然の呼び出し。これが雪穂達の命運を握った呼び出しであることはその時の雪穂達には知らなかった。

「どうしたんだろう。突然のお知らせなんて」

雪穂はなんの呼び出しか少し疑問に感じていた。

「私もわからないよ。なんか嫌な予感がする…」

隣を歩いていた亜里沙も心配していた。その亜里沙だったが、手にはあの楽譜帳を大事そうに抱きしめていた。この楽譜帳、真姫が雪穂達のためにと残しておいたものだった。これまで発表した曲と共に未発表曲も書いていた。これから先、ラブライブに出場する際に作曲のできない雪穂と亜里沙のために作曲したものだった。あの新歓レセプションでも大事に亜里沙が抱きしめているほど雪穂と亜里沙にとって大事なものだった。

「雪穂先輩、亜里沙先輩、こんにちは。これって何の呼び出しですかね」

途中でみやこも合流してきた。みやこも何の呼び出しかわからなかった。

その後、3人はすぐに理事長室に直行した。

「アイドル研究部です」

「は~い。はいってきて」

ドアを叩き、名乗る3人。すぐに南理事長が応答したので、理事長室のドアを開いた。運命のドアを開いた。

 ドアを開けた3人だったが、理事長室は異様な雰囲気だった。そこには南理事長以下理事会の理事と先生達、そして、生徒が3人いた。

「あ…」

みやこは気付いた。生徒3人のうち、1人はよく知っている生徒だった。

「突然呼び出して申し訳ございません。しかし、これはあなた達アイドル研究部にとって大事なお話となります」

突然の南理事長の言葉にみやこはその生徒に呼びかけをやめた。そして、南理事長はアイドル研究部の命運を握る話を始めた。

「このところ、アイドル研究部の成績があまり芳しくありません。そして、あれだけ多くの新入部員を獲得しながらすぐにやめてしまう現状。このままだと今年もラブライブでの成績が芳しくないだろうという結論に至りました。そこで、そこにいる生徒3人、秋葉愛さん、代々木はるかさん、神宮はやてさんとユニット対決をしてもらいます。そして、負けた方は解散してもらいます」

「えっ」

南理事長の突然の「対決せよ」の言葉に言葉を窮する雪穂、亜里沙、みやこの3人。

 そして、南理事長は続けて話す。

「このユニット対決は理事、先生、生徒での公開審査となります。この審査により、全員から意見を集め、一番良かった方にラブライブ参加権を与えます。ただし、どちらか一方ではなく、出場しないなどの選択もあります」

この言葉に雪穂達は愕然とした。この時まで今年のラブライブに出場できると思っていた。それが公開審査での出場権を賭けた対決が必要になるということに。

 愕然とする雪穂達の前にあの3人が立ち並ぶ。

「私がリーダーの秋葉愛です」

「僕、神宮はやてです」

「そして、音乃木坂一の秀才、代々木はるかです」

「3人あわせて『マキシマム』です」

この3人、雪穂達の前に堂々とユニット名を名乗った。「New age(ニューエイジ)」と別の音乃木坂のスクールアイドル「マキシマム」だった。

 愛は続けて言った。

「あなた達が去年のラブライブ決勝で無残に負ける姿を直接見て決めましたの。あなた達に代わり、私達が出場してしまった方が良いのではと。だから、決めましたの。あなた達と勝負して私たちが優れていることを証明します!!」

と言っているそばでみやこはあることに気付いた。

「あっ、はるかちゃん」

「みやこじゃない」

2人は再開を喜ぼうとしているが…。

「人の話を聞きなさい!!」

愛がツッコむ。

「3人とも静かに…」

先生の一喝で黙る3人。

 そして、南理事長はその対決方法を発表する。

「対決方法は歌とダンスのみでの審査です。必ず制服、もしくは体操服で行うこと。メイクなどはしないでください。そして、曲ですが、必ず自分達で作詞作曲してください。完全新作でしてください。他の人の曲は作詞作曲ともに不可です。審査は2週間後、講堂で行います」

「えっ」

雪穂達は愕然とした。そして…。

バタン…

亜里沙が楽譜帳を落としてしまった。

 

(ラブライブΩ ED曲:さよならなんていわない)

別れる時まであともう少し

本当は別れたくないけど

でもね 別れないといけないんだ

進む道が全く違うから

 

私達仲間同士

ハートでつながっている

離れあってもいつかは

必ず一つにつながるよ

 

さよならなんていわない

それが私達らしいでしょ

また会うその日それまで

少しの別れだけでしょう

私達ならまた必ず会える

だから言えるね「またねぇ~」と

 

次回 「新しい名前」

 




こんにちは、la55でです。
ラブライブΩも第2話目です。第1話とは間隔が長くなりましたが、楽しんでいただけたでしょうか。
このラブライブΩですが、出来るだけノート10~15ページに収まるように書いております。これは出来る限り短時間でも読みやすいようにしているのもあるのですが、もし、アニメ化したら15分以内にでも収まるようにしけたらしけたらなあと思って書いております。
ここ最近のアニメはあんまり円盤を購入しなくなったこともあり、短い時間でのアニメが多くなっております。中にはたった30秒ものアニメもあります(って、これだとCMと変わらなくない?)。それを意識しているわけではありませんが、それでも意識してしまうというのあります。(でも、本当の理由は長い文章を書く時間や技量がないのが大きいんですがね)
ところで、ラブライブΩですが、今日(5/27現在)において、すでに終盤に当たる13話まで完成しております。そして、14話をもって本編が完結するところまできております。といっても、その後に+αを執筆する予定ですのでまだしばらく続きます。ただ、打ち込みは7話ぐらいまでしかできておりませんので、はたして毎週連続投稿ができるかはまだまだ未知数です。
それでも最後まで見てくれたら嬉しいと思っております。それでは、次回まで、さようなら。

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