愛:
「ラブライブ決勝は博多で行われることに。空港に降り立った私達8人。そのうち、はるかとこころあは空港の近くになる有名麺料理屋がということで向かうことになる。最初、ラーメン屋として入った3人だったが、本当はうどん屋だった。って、何間違っているの」
はるか:
「それはこころあが…。って、ここは置いといて。ここである少女からイタズラを受けたの。その子の名は阿蘇カオル。その子に対してここあはイタズラで返す。お互いを認め合う」
はやて:
「そして、ラブライブ決勝の開会式、僕達オメガマックスの前に絶対女王、中州天率いる福博女子大学付属のスクールアイドルK9が現れる。その中にはあのカオル君がいた」
愛:
「そして、K9が歌い、絶対的なステージの前に地に伏す私達。しかし、みやこの言葉で立ち直り、『虹』を歌い上げる。そして、K9はそうそうと立ち去る」
3人:
「そして、目標をK9打倒を胸に合宿に進むのです」
(OP 1番のみ)
第12話 なんとかしないとばい!!
「1,2,3,4、2,2,3,4、」
愛の掛け声とともにほかの7人は「虹」の振付の練習をしていた。
オメガマックスは現在、九州の玄界灘を望む愛の別荘で合宿をしていた。打倒K9に向けて考えた作戦、それは一糸乱れないダンス、そして…。
「はい、午前はここまで」
愛の掛け声でダンスの練習は終わる。その愛に雪穂が駆け寄り、こう言った。
「愛さん、ところで、新曲のできはどうですか?」
それに愛は少し詰まりながら答えた。
「え…、それはまだですわ。ちょっと考えたいことがありますので」
「ふ~ん、まっ、焦らず、作っていけばいいんじゃないのかな」
と、雪穂は愛にそう言うと、スポーツドリンクの置いてある棚へと向かった。
K9に勝つ作戦、ダンス以外、それは愛の新曲だった。ラブライブ決勝は地区予選と違い、曲に関しては制限がなかった。そのため、発表済みでもほかのスクールアイドルの曲のカバーでも良い。だが、新曲の方がインパクトがある。もちろん、リスクがある。新曲を作り、そのための練習を決勝までの2週間の中でしないといけない。それでも一つの賭けをオメガマックスは取ることにした。
「愛、あまり無理はするなよ。倒れたらもともないから」
はやてが愛に近寄り、声をかける。愛も戸惑いながら答える。
「そ、そうですね。無理はしていないですわ」
「なら、いいんだけど」
はやてはそう言うと、タオルを取りにいった。
雪穂とはやて、愛を心配するには理由があった。実は愛、朝から元気がなかった。
「愛姉様、朝から元気がないです~」
こころが心配そうに言うと、ここあがそれに答える。
「大丈夫だよ。曲作りに苦心しているだろうから。そっとしておこうよ」
こころあも心配そうに愛を見ていた。みやこ、はるか、亜里沙も心配そうに愛を見ていた。
「私としたことが、まさか、ほかの人に心配されるとは」
愛もこの状況を把握していた。だが、それを賄うほどの余裕はなかった。なぜ、そのようになったのか。それは今朝に遡る。
「さぁ~て、今日は頑張りましょうかね」
オメガマックスの中で一番早く起きる愛。愛はこう言うと、朝刊を取りに郵便ポストに向かう。そして、
「あれっ?」
朝刊と一緒にあるものがでてきた。そして、愛はこう言った。
「これ、私宛の手紙ですわね」
愛宛ての手紙、その宛名を見た瞬間、愛は困惑して言った。
「中州天…」
K9のリーダー、中州天からのものだった。
そして、手紙の中身を見た瞬間、愛はさらに困惑した。
「私に…、何させようと…、しているの…」
愛はそう言うと、困惑したそうな顔で別荘に戻っていった。
「それが合図さ 私達の 明るい未来(あした)へ進む合図さ」
昼食後、『虹』を一通しで練習する雪穂達8人。しかし、少しずれていた。
「愛さん、ちょっとずれていないかな」
亜里沙が愛に対して指摘する。
「あっ、申し訳ございません」
愛が亜里沙にこう言って謝る。
「愛がずれるなんて珍しい。亜里沙はいつもずれているけど」
はるかが亜里沙をおちょくりつつ、愛のずれのことを言う。
「私はいつもずれていません。それに、ずれているのはμ’sのダンスがどうしてもでてくるからです!!」
亜里沙ははるかにツッコミをいれる。亜里沙は音乃木坂入学前にμ’sのダンスを全部覚えるほど練習した。そのため、どうしてもそれが時々でてくるのだ。
「それほど愛はちょっとずれていた。仕方がない。曲も作らないといけないんだ。少し疲れているんだろうな」
はやては愛を見つつこのように言った。
「いや、私は疲れていません」
愛はそのことを否定するが、これを見ていた雪穂は、
「いや、疲れているよ。ここは少し休憩をいれようかな」
と休憩をみんなに提案する。
「私は大丈夫です。それに、休憩するほど時間がないですわ」
と、愛は休憩案を拒否する。しかし、
「ここは休憩、するべき!!だね」
ここあはこう言うと、こころも、
「練習漬けで疲れたです~。休憩、賛成です~」
と、休憩案に賛成する。ほかの5人も休憩案には賛成していた。
そして、みやこはこう言い放った。
「休憩案に賛成な人、手を挙げて!!」
愛以外の7人は手を挙げた。
「決まり!!夏に、海が近い!!なら、海水浴だ~」
みやこがこう言うと、こころあも、
「「海水浴だ~、わーい!!」」
と、水着に着替えようと部屋を出ていった。
「だから時間がないのに…」
愛はただぼうぜんとしていた。そこにはやてが駆け寄り、
「あまり練習を詰め込むと体を壊す。ここは休憩が一番いい。少しは気分転換になるんじゃないか。曲作りにとっても」
と言って、愛の方に手をのせた。そして、
「少しは楽しんでいこう」
と、愛に言った。
「…」
はやての言葉に愛は黙るしかなかった。
パシャッ
「きゃっ、水をかけないです~。仕返しです~」
水をかけられたこころ、水をかけたここあに対して水をかけた。
「わっ、こちらも仕返しだ~」
ここあもこころに水をかける。
ここは別荘の近くにある海水浴場。雪穂達8人は水着を着て、おのおの海水浴を楽しんでいた。
ザブーン
「こら~、こころあ。僕にかけるんじゃない」
突然こころあに水をかけられたはやて、こころあに怒る。
「ごめんです~」「ごめんよ~」
こころあははやてに謝りつつ、次のターゲットを探していた。
「なんで、なんでー!!胸の格差社会だー!!」
と、雪穂は嘆いていた。
「だってー、あの愛だけでなく、はやてにも負けるなんてー」
雪穂は愛とはやての胸を見ていた。愛は赤の三角ビキニで大きな胸を強調していた。対して、はやてはスポーティーなタンキニだが、それでも巨乳ではなくても美乳で体も引き締まっていた。
「雪穂、それは私にも当てはまるよ~」
亜里沙も嘆いていた。雪穂の胸を見比べていた。しかし、
「そういう亜里沙も私より若干胸が大きいじゃない!!」
と、雪穂は亜里沙の胸を見て嘆いていた。雪穂は白のチューブビキニを着ていたが、対する亜里沙はターコイズブルーのビキニで胸をなぜか強調していた。
「だって~、(絵里)お姉ちゃんがこれが良いって言ったんだもん」
亜里沙、雪穂に言い訳を言う。その横からみやこが口を出す。
「2人はいいですよ。私なんか体が引き締まっているんですよ」
みやこはビーチバレー選手のような水着を着ていたが、胸よりもボディビルダーみたいなお腹あたりが目立っていた。(みやこはガテン系な体型である!!)
「なら、私はどうなるんですか~」
そう言ってくるのははるかだった。はるかは自分を見た。萌えるだろうと思って(?)スクール水着を着ていたのだ。メガネ(だて!!)とスクール水着で萌えているのだが、より微乳であることを強調する結果ともなっていた。
「はは、みんなで黄昏ている~」
ここあがそんな4人を見て笑ってこう言った。
「私達はこれから大きくなるんです~」
こころもそのことを自慢する。2人はお揃いのピンクのワンピース(フリル付)なのだが、自分達はこれからということを主張していた。
「って、っこで黄昏ても仕方がないです。でも、愛は楽しまないのかな」
と、はるかは愛の方を見て心配そうに言った。
「…」
愛は1人浜辺にパラソルを建ててその下で寝ていた。
「愛、みんなと遊びましょうよ」
はるかは愛の近くに行き、そう言って誘おうとした。
「はるか、ごめんなさい。そんな気分じゃないの」
愛はこう言うと、横を向いてしまった。
「あまり無理はしないでね」
はるかはそんな愛にそっと声をかけていった。
海水浴を初めて2時間後。
「遊び疲れたです~」
こころはそう言うと、海から上がろうとしていた。
「キャー、何かに触られたです~」
そして、ここあも、
「ギャン、私も触られた~」
と叫んでいた。
「何かいるです~」
と、こころが指を指してこう言った。何かの影がうごめいていた。
そして、個の影はこころあと遊んでいたはやてへと進む。
「ぶくぶく、あともう少し…」
水中で何か聞こえてきたが、誰も気付かなかった。その影、はやてに近づき、触れようとした瞬間、
「悪い子は成敗します!!フン!!」
と、その影めがけて手刀をかます。
「ギャフーーーン!!」
と、声と共に大きな水しぶきをあげた。
プカンプカン
はやてから手刀をくらい、海上に浮かんでいる人、1人。
「あっ、カオルだー」
ここあが叫んだ。そう、浮かんでいる人はK9の阿蘇カオルだった。
「ふりゅ~、そうです。私は阿蘇カオルです~」
意識が朦朧しつつカオルはそう答えた。
「阿蘇さん、どうしてここにいるんですか」
雪穂は阿蘇カオルのそばに行ってこう言った。
「あっ、高坂さん、こんにちは。私のディープダイバーはどうですか。って、それより…」
と、カオルが言うと、カオルの足元に2つの影が忍び寄り、
「実はあなた達に…、ギャー」
と、カオルが突然叫びだした。そして、カオルの近くから、
「仕返し、成功~!!」
と、ここあがこう言って飛び出して、その横から、
「仕返しせいこうです~!!」
と、こころが出てきた。
「あ~あ、イタズラ仕返しかったよ~」
と、カオルもこころあからイタズラ返しを受けたことにまんざらでもない様子だった。
それから30分後、
「実はお願いがあるんです」
海水浴が終わり、服に着替えた雪穂達8人とカオル。別荘の庭でカオルのお願いを聞くことになった。
「で、お願いとは何?」
と、みやこがカオルのお願いを聞こうとしていた。
「実は天を、中州天を解放して欲しいの」
と、カオルが話す。
「天を解放?」
と、口をそろえて疑問形で答える8人。かおるは続けてこう言った。
「天は今、スクールアイドル勝利至上主義の呪縛に囚われています。天の母親、K9の顧問で理事長の中洲博子さんはラバライブ決勝である陰謀をたくらんでいるの。そのためにはラブライブ優勝が必須!!天はそのことを叶えるために必死になっているの」
そして、カオルはあることを語った。
「天は必死になるあまり、スクールアイドルは勝利こそ全てという考えに固執しているの。去年は圧倒的に優勝したことでさらに磨きがかかったの。相手を見下すようにもなったの。そんな天、私はいやなの。もとの天に、やさしかった天に戻ってほしいの」
そんなカオルを見て、雪穂はカオルに声をかける。
「阿蘇さん、いや、カオルさん。涙を拭いて、顔をあげて」
と、雪穂はカオルの涙を拭いてあげた。カオルはそのことに対して、
「あ、ありがとうございます」
と、お礼を言った。
「これは中州さんだけでなく、K9、いや、ラブライブに関わる大事件ですよ!!」
と、はるかがこう言うと、亜里沙も、
「なんとかしたいね」
と言う、そして、はやては、
「これは見ておけぬ。僕達でなんとかしないと」
と言う。これを愛を除く6人はうなずいた。
「どうしたの、愛?」
1人うなずなかった愛を見て、雪穂はこう言って愛は質問した。
「いや…」
と、声をつぐむ愛。
と、そんなとき、2つの影がカオルに迫ってきた。
「カオル、み~つけた~」
と、小柄な少女がカオルを束縛すると、
「この裏切り者~」
と、もう1人のの少女もカオルを束縛した。
「お前らは、羽衣にイネ!!」
とカオルがこう言うと、
「私の地位を下げさせないでください」
と、小柄な少女こと高千穂羽衣が言うと、
「だから、イネって言うな~」
と、もう1人の方こと鹿島イネがカオルにツッコミをいれる。
「あなた達はK9の…」
と、雪穂が言うと、
「そうです。K9の霧島あやです。以後お見知りおきを」
と、大和撫子みたいな少女こと霧島あやが出てきてこう言った。
「はやく、阿蘇さん、いや、カオルさんを離しなさい!!」
と、雪穂が言うと、
「それはこちらの話です。私達はカオルさんを連れ戻しにきたのですから」
と、あやも反論する。そして、あやはこう言ってきた。
「天さん、そして、顧問は、これからのスクールアイドルの発展のために行動しています。それを足で引っ張るなんて、なんて嘆かわしい。K9は1つの家族ですよ。家長である顧問の言うことは絶対です」
そして、イネも、
「顧問の言うことは絶対なんだぞ~。あと、イネって言うなぁ~」
と、カオルに向かって怒って言った。
そして、羽衣は、
「私はカオルと同じ一般生!!私もようやくK9の2軍の地位までのぼれたのに、カオルのおかげでまた落ちたりしたら、これまでの苦労は台無しなんだよ!!どうしてくれるの」
と、声を荒立てて言った。
「一般生?」
と、みやこが言うと、
「ここからは私が説明します」
と、あやの隣からある人物が出てきた。
「天!!」
と、カオルが叫ぶと、
「そう、私は天ですわ。このエリートたる天ですわ」
と、天は叫んでこう言った。そして、天はあることを語りだした。
「福博女子大学付属アイドル科は特待生と一般生がおります。特待生は私みたいに昔、FKO50といった有名アイドルグループのセンターなどといった実績のある生徒を特待生としてスカウトされた生徒。対して、一般生は一般入試で入学した生徒のことです」
「「FKO50」」
これをはるかとこころが飛びついた。FKO50とは博多を拠点に活躍するアイドルグループである。全国をおろか、世界中にファンがいっぱいいることでも有名である。
天の説明は続く。
「一般生のカオルと羽衣は相当な努力でK9に登りつめました。しかし、カオルはどうしてもK9というエリートにいることに誇りをもっていない。K9こそスクールアイドルのトップ。K9こそこれからのアイドル業界を背負って立つ存在になるのです」
そして、愛を指を指しながら天はこう言った。
「なら、K9はラブライブで優勝して当たり前。他のスクールアイドルを見下して当たり前。でも、それを強固にするために、秋葉愛、あなたの力が必要ですわ」
「「えっ」」
はやて、はるかはそう言って驚いた。いや、雪穂、亜里沙、みやこ、こころあも驚いていた。
「あの手紙のことですね」
愛はこう言うと、手紙をポケットからだした。
「愛、どういうこと?」
と、はるかが言うと、愛はそのことを説明した。
「今朝、ポストの中に手紙がありました、中州天さんからの。その中にオメガマックスをやめて、K9に来ないかとの」
すると、天がいきなり言ってきた。
「私は短気ですの。今、ここで、答えを、はっきりと、おっしゃってください。むろん、ハイだと思いますが」
これに対し、愛は、
「…」
と黙ってしまった。すると、
「なら、仕方がありませんね。羽衣、イネ、カオルをちょっと苦しめてください」
と、天はこう言って羽衣とイネに命令を出した。羽衣とイネはカオルの髪を掴む。
「ぐぐー」
と、カオルが苦しむ。
「…や、やめて」
と、愛が小声で言うと、天は、
「愛さん、どうしたいんですか。はやく、『はい』って言ってください」
と言って、愛に催促する。カオルは、
「私はどうなってもいいから、誤った考えはしないで」
と言う。
「…、私は辞めたくない。でも、辞めないとカオルさんが…」
と、愛は小声で言うくらいどうしたいか判断に迷っていた。
「…、でも、辞めてK9に移れば、秋葉一家の落ちこぼれでならなくなる。でも、雪穂達から離れたくない」
こういった愛の小声も聞こえてきた。
そんなとき、愛のそばにはるかとはやてが近づいた。そして、
「愛、少しは考え過ぎじゃないかな」
と、はるかが声をかけて、はやても、
「そうだぞ。愛、お前の考えた通りで進めばいいんじゃないかな」
と、答えた。さらに、
「「私(僕)達はそんな愛の考えを尊重してあげるからさ」」
と、はるかとはやてはこう言って、愛をそっと背を押してあげた。雪穂達5人もうなずいていた。
そんな7人に対し、愛は、
「はるか、はやて、みんな…」
と、言って、何かを決めたような顔になり、天の前に行く。
そして、愛は言った。
「私、決めました。福博女子大学に行きますわ」
天はにっこり喜ぶ。カオルは少しガッカリそうになっていた。
だが、それだけではなかった。愛の話は終わりではなかった。
「でも、行くのは大学からですわ。今は音乃木坂スクールアイドルのオメガマックスとして雪穂達と楽しんでいきますわ」
「なんですってー」
愛の答えに対して悔しそうにハンカチを噛む天。そして、
「羽衣、イネ、やっておしまい」
と、羽衣、イネ、2人に命令すると、2人はカオルの髪を引っ張ろうとする。
すると、
「やめなさい!!」
と、大きな大人の女性の声が聞こえた。いきなり中止する羽衣とイネ。
「お母…、顧問!!」
天がそう言うと、大人の女性が天のそばに立ってこう言った。
「ごめんなさい。天がご迷惑をおかけしました。私は中洲博子、福博女子大学付属の理事長で、K9の顧問をしています。以後、お見知りおきを」
そして、博子は天にこう言って怒った。
「なに、ご迷惑をおかけしているのですか。K9はスクールアイドル界では絶対的な存在。勝って当たり前。相手を見下すことはいいです。しかし、そんな相手にこちらの弱みを見せてどうするのですか」
「だって、秋葉愛が入ればK9はさらに強くなるじゃない」
と、天は博子に反論するが、博子は、
「たしかにそうですが、それによって、相手に弱みを見せることは絶対あってはいけません」
そして、博子は愛にこう言った。
「大学の入学の話すは聞かせて頂きました。私は大歓迎です」
それに対し、愛は博子にこう言った。
「どうもありがとうございます。ところで、大変申し訳ございませんが、大学入学の際にはほかの受験生同様、ちゃんとした公平公然の試験をお願いします」
これに対し、博子も、
「それならそうします。では、撤収しますよ」
と、言って、博子はカオルを抱えて帰っていった。そして、天も、
「この侮辱は決勝で返す!!見ておけ!!
と、言って、博子の後を追った。あや、羽衣、イネもその後に続いた。
「愛…」
と、雪穂が愛に声をかけ、近づく。
「しかし、天というやつ、何を考えているんだ」
と、はるかは怒り出す。
「もう、あんなの見たら怒りたくなる~」
と、ここあも怒っていた。
「もう、おしりぺんぺんです~」
と、こころすら怒っていた。
そんな様子を見て、愛は言った。
「みんな、ありがとう、心配してくれて。でも、怒るのはやめて。これからが楽しめなくなるから。みんな、今は楽しむことが大事だからね」
この愛の言葉に、怒っていた3人は少しずつ頭を冷やしていった。
「そうですね。今は今を楽しみましょう」
と、はるかはこう言って笑った。
「そうですね」「そうです、そうです」
と、こころあも笑った。
そんなとき、こころがふっとあることを言った。
「今、思ったのですが、私みたいな小さな女の子って、どんな恋愛をするんですかね」
この質問に対し、真剣に悩む7人。すると、
「それを歌にしたら何かいいかもしれないです~」
と、こころが言う。そして、こころはこう言った。
「たしか、『Little wing』は6人で歌詞を紡いだと聞いたです。今度は私達2人をいれた8人で歌詞を紡ぐのです~」
「それはいいアイデアだね」
亜里沙が嬉しそうに言う。
こうして、また、みんなで歌詞を紡ぐことした。
「夢」「高い壁」「背伸び」「高く」「楽しくなる」「悲しくなる」「知りたい」
そして、「ひろがる」
こうして、次々と浮かび上がる詞を次々と紡いでいく。
そして、2時間後。
「できた~」
1つの歌詞が出来上がった。
「この歌詞、とても良いかも」
雪穂が喜ぶ。とても良いものが出来た証拠だった。
ところが、これだけでは飽きないのが雪穂だった。
「でも、もう1つ、曲、作ってみよう」
とてつもないことを言う雪穂。はるかは、
「もう時間がないんだよ。2曲作る時間なんてないんだよ」
はるかのいうことももっとも。決勝まであと10日ぐらいしかない。そんなに2曲を作り、練習する時間はなかった。でも、雪穂はこう言った。
「私、今回のことで思ったんだ。ラブライブ関東予選の前、私が無理して倒れたときのことがあったでしょ。このとき、夢で見たの。真っ暗な中、(ほのか)お姉ちゃんが呼んだと思ったら消えた。そして、みんなの声が聞こえてきた。1つの光の筋、それに手を伸ばすと目が覚めた。そのとき、みんなが私の周りで眠っていた。今回も、愛さんは同じようにみんなに手を差し伸べたから、とてもいい結果を残した」
そして、雪穂は言った。
「私、仲間って素晴らしいと思う。絆って素晴らしいと思う。それを歌にすればいいんじゃないかな」
これに対し、愛は言った。
「私も賛成ですわ。1曲も2曲も関係ありません。むしろ、この2曲であのK9を正すのにとってもよいですわ」
そして、愛は続けて言った。
「これからの10日間、練習はタイトになるかもしれません。しかし、それでも楽しくやれば苦にはなりませんわ。そうでしょ、みんな。
「「「「「「「ハイ!!」」」」」」」
愛の言葉にすぐに答える7人。
それからの2日後、愛は急ピッチに作曲を早め、2曲を完成させた。その後、8人は残りの日数で熱心に、そして、楽しく2曲を練習した。
そして、ラブライブ決勝当日の朝。
「これで完璧!!」
雪穂の掛け声と共に、2曲の歌、振付を完全マスターした。8人の顔は疲れている素振りを見せず、むしろ喜んでいた。
「よ~し、博多ドームにレッツゴーです」
こうして、会場の博多ドームに向かう8人。いざ、鎌倉へ、いや、いざ、博多ドームへ。8人はある使命を帯びて向かっていった。
一方、そのころ、羽田空港では、
「なんで、衣装づくり、私達がしないといけないのですか~」
キャンディーズ3姉妹のらんは嘆いて走っていた。
「まさか、2曲分作れって。はるかは鬼か~」
と、スーがはるかに対して怒って走っていた。
「キル、ハル、ヌウ、ネル、グー」
ミキは寝言を言って走って、いや、ランとスーに引っ張られていった。
3人は今から博多に向かおうとしていた、そのかばんには3人(?)が夜なべして編んだ8人分の衣装2曲分をいれて。いけ、ラン、負けるな、スー、飛べ、ミキ、いざ、決勝の地、博多へ。
だが、その後ろから多くの人影が3人目がけて走っていった。
(ED 1番のみ)
次回 「史上最強のライブ!!」
あとがき
こんにちは、La55です。お元気にお過ごしでしょうか。この回は本当のところ、水着回なのですが、あんまり印象に残っていないのであれば申し訳ございません。今回は歌がありませんでした。歌がないとはいえ、今回は少し熱くなった回になったと思います。そして、この熱さは次回、そして最終回となる次々回に続きます。みなさんも熱く読んでみてください。
で、近況ですが、+αの3話目が書き終わりました。+αは全4話を予定しております。あと1話分を残すのみです。とはいえ、まだ打ち込みが終わっておりません。はたして、毎週投稿はできるのでしょうか。出来る限りしますが、出来なかったらごめんなさい。
と、いうわけで、本編はあと2回となりますが、これからも楽しみにお待ちください。それではさようなら。