ラブライブΩ/ラブライブUC   作:la55

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「前回のラブライブΩ」
「私、矢澤こころ、音乃木坂の1年生です」
「無理なトレーニングで倒れた雪穂姉様。すぐにタクシーで自宅に移動。雪穂姉様が目を覚ますとまわりに私達7人がいたです」
「なんで無理したのか迫る愛姉様とはるか姉様に対し、「iDに負けたくない」「ラブライブ優勝できない」と本音を言う雪穂姉様。そんななか、みやこ姉様が
「ラブライブ出場こそ意味があるんじゃないかな」
という言葉を口にし、亜里沙姉様が4年前の穂乃果姉様の失敗を口にしたのです。」
「そして、
「ラブライブに向けて楽しんでいきましょう」
というみやこ姉様の言葉で私達8人は大声で泣き出したのです。そして、一緒に成長していこうと決意するのです」
「翌日、カラオケボックスで私達はラブライブ関東予選用の新曲を聞いて、改めて頑張ることを誓う8人。だったのですが、はるかさんの親父的採寸を経験…。もういやです~」
「そんなこんなでラブライブ関東予選本番はついに始まるのです」

(OP 1番のみ)



第10話 ミライヘのトビラ

第10話 ミライヘのトビラ

 

「よ~し、朝のトレーニングはこれまで」

はやての掛け声で朝のトレーニングは終わった。

「ちょっときつかったね」

雪穂の言葉に愛は答えた。

「まだまだいけますよ。こんなの序の口ですわ」

「あんまり無理しないでね」

亜里沙が愛にツッコミをいれる。雪穂達8人はラブライブ関東予選が迫っていることもあり、ちょっとピッチを上げてトレーニングをしていた。朝は基礎トレ、放課後は歌や振付の練習をしていた。だが、それでも無理などしていなかった。この前の雪穂の失敗により、より強い団結力を持った8人。悩んでいるときも誰かに相談する雰囲気はあった。

 そして、放課後、屋上では愛の掛け声が聞こえる。

「1、2、3、4、1、2、3、4。はい、そこをターン」

1人1人がフォーメーションを確認する。

「きゃっ、ぶつかっちゃ」

「ごめんなさい」

そんな気軽に謝れる環境であった。

そんな中、雪穂はある言葉を口にした。

「なんかいつもより楽しい、嬉しい。これがスクールアイドルを楽しむことなんだね」

これは雪穂以外の7人もいえた。これこそ楽しむことだと思えるようになっていた。

 

 そんな中、はるかは練習終了後、いつもあるところにいっていた。

「キャンディーズ3姉妹の方々、お願いします。ハイッ」

とはるかが言うと、

「ホイッ」「アガリッ」「イマソガリッ」

とラン、スー、ミキが答える。そして、

カタカタカタター

と、ミシンの音が聞こえてきた。

 実は、はるかはキャンディーズ3姉妹と共に8人分のライライブ関東予選用の衣装を作っていた。時間があまりないため、急ピッチで作っていた。

「どう考えてみても当日の朝の完成になるか」

はるかはカレンダーを見て、完成できる日数を計算してつぶやいていた。

「それまでには完成させてあげるから」

と、ランが答え、

「安心してくだされ」

とスーがつなげ、

「あとあとの始末はお任せあれ、落としておくから」

とミキが落としてしまう。

「それじゃダメでしょ」

とはるかがツッコむ。でも、それでも安心して任せていけると思うはるかだった。

 

 そして、ラブライブ関東予選当日…。

「できたーーー」

はるかは8人分の衣装を完成させた。

「あり…おり…」「はべり…」「いまそがりッ」

その横には川の字で寝ているキャンディーズ3姉妹が寝言を言いつつ寝ていた。

「おきて、ラン、スー、ミキ」

はるかは3人を起こす。

「う…、もう朝ですか…」

ランが起きてきた。

「う…、よく寝ました…」

スーも起きてきた。

「外刈り、内刈り、もも刈り」

ミキは…、まだ寝言を言っていた。

「私はもう行くけど、あとで衣装、持ってきてね」

はるかはこう言うと出ていった。

「あとから持っていきますから頑張ってください」

ランはそうはるかに声をかけて送った。

 

 ラブライブ関東予選会場…。関係者入口付近にはるかを除く7人は集まっていた。

「ついに始まるのですね」

こころが緊張気味で言う。

「ここから私のシンデレラストーリーが始まるんだね」

ここあは銀来そうに答えている。

「僕も緊張するんだな」

はやては普段感じていない緊張を経験していた。

「はやてなら大丈夫ですわ。だって陸上部でも同じような経験してきたではありませんか」

愛はそんなはやてを見て声をかけていた。

「スクールアイドルはやっぱりラブライブが似合いますね」

亜里沙は少しにやけて言った。

「これがスクールアイドルの舞台。これがラブライブなんだ」

みやこはいちしおに感動を覚えていた。

「さあ…って誰か1人いない」

雪穂はようやく1人足りないことに気付いた。

「え~と、あと1人、あと1人」

雪穂はこう言うとあと1人を探している。

「…私のことは忘れないでください」

そこにようやくあと1人ことはるかが到着した。

「ごめんごめん。忘れていたわけではなく…」

雪穂、はるかに謝る。

「なら、いいんですがね」

はるか、少しふてくされながらも許した。

「さあって、ラブライブも本番、楽しんでいきましょう!!」

「「「「「「「オー!!」」」」」」」

雪穂の掛け声に答える7人であった。

 

「ついに始まりました~。ラブライブ関東予選。県予選を勝ち抜いた7チームプラスシード校4チームの計11チームで争ってもらいま~す」

司会役はいつもおなじみレポーター、元気よく開会の言葉を宣言した。レポーター、各スクールアイドルを紹介していく。まずは県予選を勝ち抜いた7チームを紹介、さらに、シード校を紹介していく。

 そして、ついにオメガマックスとiDの紹介に移る。

「昨年は決勝大会で涙を飲んだ。だが、伝説のスクールアイドルの血はまだまだ受け継がれているぞ。音乃木坂学院スクールアイドル、オメガマックス!!」

オーーーーー!!

大歓声の中、手を振る雪穂達8人。

「これだよ、これ。私が求めていたのは」

みやこはこう言ってはしゃぎまくる。

「お姉ちゃん、見ていますか。私、ついにこのステージに立てたです」

こころもなにかを秘めているかのごとくつぶやいていた。

 そして、雪穂、亜里沙は2人で手を取り合っていた。

「私達、最後のラブライブ。悔いのないようにいこう」

雪穂が言うと、亜里沙もそれに答える。

「そうだよ。この8人なら絶対にラブライブ楽しんでいけるよ」

愛、はるか、はやてはそんな雪穂と亜里沙を見て喜んでいた。

「こんなかたちで参加とはなりましたが、私の力、存分に見せてあげますね」

愛はこれまでの行動を思い出し、はるか、はやてに微笑む。

「ああ、そうだな」

はやて、愛にそう言うと、はるかも無言でうなづいていた。

 ここあは…、iDの方を見ていた。

「いつみてもあのナイスバディ。私も…」

こうここあはつぶやいていた。

 そして、iDの紹介に移る。

「ついにスクールアイドルも国際化!!アイドル排出率、関東ではナンバーワン。UTXが誇る国際派スクールアイドル、iD!!」

オーーーーー!!

オメガマックスにも負けない大歓声。

「どーも、どーも」

ナンシーが大きく手を振りながらこう言った。

「ちょっと、恥ずかしい、です」

対するナターシャも少し恥ずかしそうにこう言った。

「スクールアイドルの紹介も終わったところで、今から審査が始まりますよ~。みんな~、元気はいいかーーー!!」

とレポーターは観客をあおる。

 ところが、レポーターはあることに気付いた。

「ところで、なんでオメガマックスとiDは制服のままなんですか」

そう、ほかのスクールアイドルはすでにステージ衣装で登場しているのに、オメガマックスとiDは制服のままだった。

「もうちょっと待てね」

はるかは少しうろたえながら言う。

「私達はあとのお楽しみのためにしているのですー」

と、ナンシーはかっこよく理由を言う。

「それならいいのですよ~。楽しみはあとに取っているのがいいですからね!!」

レポーター、これはあとで面白くなるだろうと予想しているのかという顔をしながらそう言うと、次の言葉をあげた。

「それはともあれ、今からスクールアイドルの競演、はじまりま~す」

こうして、ラブライブ関東予選の火ぶたがきっておこされた。

 

 次々に演目が続く。順番はくじでオメガマックスは最後から2番目、iDは最後となった。そして、5校目が終わった直後、オメガマックスの手にあるものが届いた。

「お待たせー!!衣装が仕上がったよ」

ランが息を切らせながら言った。そう、ステージ衣装がキャンディーズ3姉妹の手で届いたのだ。

「おそ~い」

はるかはそんな3人に怒る。

「仕方ないじゃない。ちょっと最後の仕上げしてきたんだから」

スーが言う。今朝できていたのだが、少し綻びなどがあったので、それを3人で直していたのだ。

「私ははるかの服でごろごろしていた」

ミキがへんなことを言う。

「こらー、変なこと、しないの」

はるかが怒る。

「うそだぴょ~ん」

とミキはすぐに逃げ出した。

「すごーい、これが衣装。こんなもの見たことない」

雪穂は衣装を見て驚いていた。

「近未来的な衣装だね。まるでPuf○meの衣装みたい」

と、亜里沙は驚いて言った。実は自分達が歌う曲に合わせたのか近未来的な衣装となっていたのだ。

「さあて、着てみましょうね」

はるかがいうと、それを雪穂達に渡す。

「私、オレンジなんだね。(穂乃果)お姉ちゃんと同じだ」

雪穂がこう言って驚いていた。

「で、私は水色、これ、私も(絵里)お姉さんと一緒だ~」

亜里沙も喜んでこう言った。

「で、私は黄色か、これで元気100倍だ」

みやこはこう言うと元気モリモリポーズをとっていた。

「で、私が赤。確かに、あの真姫先輩に通じるものもありますわ」

愛もまんざらではなかった。

「僕が青か。海未先輩、あなたの意思、受け継ぎます」

はやてはまるで天を見るがごとくなにかを誓っていた。

「私達は紫ですかー」

ここあはちょっとがっかり顔で言っていた。

「(にこ)お姉ちゃんみたいにピンクがよかったです~」

こころも駄々をこねていた。

「で、私は緑って。誰か助けて~、ではなく、私はアイドルおたくではありませんから~」

はるかが少しふざけて言っている。

「でも、これって虹の7色だよね。何の意味があるの」

雪穂はふと思った質問をはるかにぶつけてみた。すると、

「それはね、私達8人、虹みたいに観客や学校のみんなと一緒に活動していきたいと思ったからだよ」

とはるかが答える。

「それ、考えたの、私達なんです」

と、キャンディーズ3姉妹のランが答える。

「虹はみんなの上に架かるもの。そして、人と人とをつなぐ架け橋になる」

と、スーがそれに続く。

「そのため、ピンクは落ちた。ピンク、あったら虹じゃない」

と当たり前のことをミキが言う。

「ピンクも入れてくれ」

と、ここあが叫ぶ。

 そんなとき、

「オメガマックスのみなさん、ステージ準備をお願いします」

と、大会関係者から指示が飛ぶ。

「私達のステージの時間だよ。それではいきますか」

と、雪穂がほかの7人に声をかける。

「おっと忘れ物だよ」

とランがあるものを投げる。

「おっと、そうでした。ラブライブレスレットライトをしていませんでしたね」

と愛がそれを受け取りつつ言う。

「みんな、セットしたかな。それではいこう」

雪穂はブレスレットをセットしているのを確認し、声をかける。

 ステージに移動すると、すでにオメガマックスの前のスクールアイドルの演目が終わっていた。

「それでは、音乃木坂学院スクールアイドル、オメガマックスさん、ど~ぞ」

レポーターの掛け声が響く。

「よし、私達のステージ、私達の全て、皆で見せましょう」

雪穂は叫ぶ。

「「「「「「「オー!!」」」」」」」

ほかの7人も叫ぶ。

 そして、雪穂達8人はステージへと進む。

 

 ステージ中心に立つ雪穂達、オメガマックス。

円陣を組み、手をグーにして前に突き出す。

「1」雪穂の声にほかの7人も続く。「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」

「「「「「「「「オメガ~、マックス、アップ!!」」」」」」」」

オメガマックスみんなの掛け声が会場中に響いた。

 そして、雪穂が観客に言う。

「聞いてください。『NEVER FUTURE』」

 

ラブライブΩ 挿入歌 オメガマックス 「NEVER FUTURE」

 

「(NEVER FUTURE ネバネバ FUTURE

NEVER FUTURE ネバネバ FUTURE)

 

光の速さで踊り出す 

目にも見えないはやわざで

何にもかもがはやくなる

それでも私達は踊るんだ

 

たとえ誰かが失敗しても

それがとてもマイナスであっても

みんな笑顔なら何でもOK!!

 

(NEVER FUTURE)

私達は負けない

(NEVER FUTURE)

それが真っ暗な未来(あした)であっても

(NEVER FUTURE)

私達はただ前にススムだけさ

 

笑顔でいれば全くうまくいく

そう私たちには明るい未来(あした)が待っているんだ

 

(NEVER FUTURE)

あきらめない

(NEVER FUTURE)

たとえ苦しくても

(NEVER FUTURE)

私達には

(NEVER FUTURE)

やり遂げたいことがあるんだ」

 

このとき、オメガマックスのブレスレットが7色に光り出した。

オーーーーー!!

この演出に観客がどよめきたった。

 

「(NEVER FUTURE)

私達は負けない

(NEVER FUTURE)

それが真っ暗な未来(あした)であっても

(NEVER FUTURE)

私達はただ前にススムだけさ

 

笑顔でいれば全くうまくいく

そう私たちには明るい未来(あした)が待っているんだ

 

(NEVER FUTURE ネバネバ FUTURE

NEVER FUTURE ネバネバ FUTURE)」

 

そして、曲が終わった。

オーーーーー!!

会場中が大歓声に沸いた。

「なんだ、なんだ、あの演出はーーー!!」

レポーターも興奮していて、大声で張り上げていた。

「サビに入った瞬間、腕のブレスレットが虹色に光はじめました。そして、曲にそって変わる色。まるで近未来のアイドルを見ているみたいでした」

そう、ラブライブレスレットライトは最終のサビにはいった瞬間、ブレスレットのスイッチをいれ、振るごとに色を変化するようにしていた。

「このことを考えたのは誰ですか!!」

レポーターが興奮気味にオメガマックスに質問した。すると、はるかが前にでて、

「えっと、私がプログラミングしました」

といった。すると、レポーターは、

「すごい、すごい技術です!!ついにアイドルも新時代に突入しました」

と雄たけびをあげていた。

 実ははるかは衣装を作ると並行して、ブレスレットのプログラムも変えていた。振るごとにある色に変わるようにしていたのだ。そして、これが衣装づくりが今朝まで遅れていたためだった。

「そして、一糸乱れないダンスと迫力のある歌。これはすごく練習したのでしょう」

と、レポーターはオメガマックスのことを褒めちぎっていた。

「これならどこにも負けないね」

雪穂が全てをだしきったような姿でほかの7人に言った。

「当然ですわ。これで負けても悔いはありませんね」

愛もある意味納得したような顔で言った。

「興奮さめあがりませんが、時間が迫っています。オメガマックスのみなさんでした。盛大な拍手をどうぞ」

パチパチパチパチ

会場中が拍手喝采となっていた。それほどすごいステージだった。

 

 舞台袖に引っ込んだオメガマックスの8人。

「もう楽しみました。もう悔いがないです~」

こころ、楽しんだ楽しんだと思うがごとく話す。

「やっぱりステージはとても楽しい!!」

みやこも喜んでこう言った。

 ただ、ステージは次の演目に移ろうとしていた。

「次はUTX学院のスクールアイドル、iDです」

レポーターがiDを呼ぶ。しかし、でてきたのはナンシーだけだった。

「ほら、ナターシャ、出てきてください」

ナンシーに引っ張られるナターシャ。

「この、服、とても、恥ずかしい」

ナターシャは恥ずかしそうに言う。

 雪穂は2人の服を見てびっくりした。なんとへそだしのチア服だったのだ。

「こんな、服、私、いや、です」

ナターシャはとても嫌がる。

「まさかナターシャが恥ずかしがっているからステージ衣装、オープニングに着られなかったなんて少しおかしいです」

ナンシー、ナターシャを見て飽きれてしまっていた。

「それよりも曲を始めてください」

レポーターはiDに曲の催促を始めた。

「仕方ありません。それでは、ミュージックスタート」

強引に始めるナンシー。ナターシャも曲が始まればと、仕方なしにステージ中央に移動した。

 

ラブライブΩ 挿入歌 iD 「インターナショナルアイドル」

 

「ハロー ダーリン

 

インターナショナルな私達

生まれた国は違うけど

この美貌で日本人はいちころよ

 

ブラックシップのキャノンを一発

セレブティすらこぼしてしまう

 

アイドルに国境はない

だれでもアイドルになれる

美しさだけでなれてしまう

国籍すら関係ない」

 

iDを見てはるかがあることに気付いた

「なにか少しダンスがずれてきている…」

 

「インターナショナルアイドル

世界中で一番美しい私達

この美貌は誰にも負けない

たとえそれが日本人でもね」

 

はるかの読みはほかの観客にも伝わり始めた。

実際に2人のダンスは微妙なズレが起き始めていた。

それでも曲は2番へと移る

 

「インターナショナルな私達

日本の文化とてもいい

この知識で日本人は目ではないよ

 

アニメにマンガにファッションゆるキャラ

なんでもよく知っていはいます

 

文化(カルチャー)に国境はない

だれでも大好きになれる

日本だけしかありません

国籍すらも関係ない

 

インターナショナルカルチャー

世界中で一番楽しい国です

この文化はどこにも負けない

たとえそれが世界中でもね」

 

そして、そのズレは誰にでもわかるようになった。ナンシーのダンスが少し早いかもしれない。いや、ナターシャのダンスが遅れてしまっているの。それほどはっきりしてきた。

 だが、曲は最終メロへと突入していった。

 

「日本だからおもしろい

アイドルだらけのこの文化

私達外国人でも

アイドルになれるんだ

 

インターナショナルアイドル

世界中で一番美しい文化です

この美貌はどこにも負けない

たとえそれが世界中でもね

 

グッナイ、ダーリン」

 

 曲は終わった。歌は完ぺきだった。いや、完璧すぎた。それほどダンスのズレは目立っていた。

 iDのダンスはアクロバティックなダンスだった。よりダイナミックに踊るナンシーに対し、遠慮深く踊るナターシャ。これにダンスのズレが合わさった。これにより、ダンスがぎこちなくなってしまった。

パチパチパチ

拍手が起こるが、オメガマックスよりは少なかった。

「なんで私についてこなかったの」

ナンシーはナターシャに怒る。

「私、一生懸命、した。しかし、ナンシー、ダイナミック、すぎた」

ナターシャはナンシーに弁明していた。

 

「それでは発表します。関東予選優勝は…、音乃木坂学院スクールアイドル、オメガマックスです!!」

レポーターの叫び声が会場中にこまだした。

「やったー、やったーよー」

雪穂が喜んだ。

「やりましたわね」

愛も喜ぶ。

「これで決勝行けるんだ!!」

みやこも感無量だった。

はるかをのぞいた他の5人も一様に喜んでいた。

「なんで、オメガマックスに負けるのですか」

ナンシーは悔しそうに泣いていた。

「どうして、やはり、ダンス、ズレて、いた、から」

ナターシャも泣いていた。

 そこにはるかがやってきてこう言った。

「iDが負けた理由、それは、アイドルとして大事なものがなかったから」

「「?」」

不思議がるナンシーとナターシャ。はるかは続けて言った。

「キックオフイベントで見せた個人技。だから、みんなiDに期待していた。しかし、アイドルが集団で踊る時、集団技が必要。ほかの人に合わせることが重要だった。それが出来ていなかった」

「ほかの人と合わせることが重要だったんですね」

こう言ったナンシーはアイドルとして重要なものに気付いた瞬間だった。

「私、それ、知らなかった」

こう言ったナターシャも気付いた瞬間だった。

「これからは一緒に頑張っていきましょう」

こう言って、ナンシーはナターシャに詰め寄り、手を固く握った。

「私も、これから、一緒、頑張って、いく」

ナターシャもこう言ってナンシーの手を固く握った。

 この二人を見て、はるかは一つのことを考えていた。

「A-RISEを出したUTX、iDみたいな集団技に弱点を持ったダンスにまとまりもないアイドルを出してきた。もしかすると、ある学校がUTXを中心に優秀な生徒を強引にスカウト、いや、引き抜いているという噂は本当かもしれない」

その言葉にナンシーも反応した。

「その言葉、嘘じゃないかもね。UTXも1ヶ月前に新垣夕という優秀な生徒を強引に引き抜かれた。そのために、私達より優秀なスクールアイドルグループが活動休止に追い込まれてしまったからね」

「そうだったんだ」

はるかはこう言うと少し考え込んでいた。

「はるか~、考え込まないで、一緒に喜びましょう」

雪穂ははるかを呼んだ。

「そうですね。今は一緒に喜びましょう」

はるかは考えるのをやめ、オメガマックスの喜びの輪に飛び込んでいった。

 

「これが関東のスクールアイドルですのか?なんて低レベルなものでしょう。このラブライブ、私達が連覇いたします」

喜びに沸くオメガマックスを観客席後方で見ていたある少女。そう言い残すと忽然と姿を消していった。

 

次回 史上 №1 スクールアイドル

 

 




あとがき

 こんにちは。La55です。お暑い中いかがお過ごしでしょうか。ついに雪穂達オメガマックスはUTX学園iDを破り、決勝大会へとコマを進めました。そして、次回、ライバルというべき相手と対峙します。その相手はこの作品の特色となる「スクールアイドル勝利至上主義」を体現しているようなスクールアイドルとなります。果たしてそんな相手に雪穂達は勝つことができるのでしょうか。また、舞台も東京を離れる予定です。その意外な舞台とは…。こちらもお楽しみください。

 ところで、今回オメガマックスが歌った楽曲「NEVER FUTURE」は私が初めて作詞した詞です。未来を駆け抜けようとする若者達を歌った詞であります。初めての作詞なので、右往左往しながら作詞していたのをおぼえております。今の若者達に贈るエールになればと思っております。
 そして、iDのテーマソングと言うべき「インターナショナルアイドル」は、1番と2番とはテーマががらりと変わります。1番は外国人アイドルが日本に上陸した様子を書いております。そして、2番目はそんな日本のサブカルチャーが世界に羽ばたいている様子を書いております。そう、iDのような外国人スクールアイドルが出現してもおかしくないくらい世界中に広がる日本のサブカルチャー、これを歌ったのがこの曲です。これからも日本のサブカルチャーがどんどん世界中に広がるのを願うばかりです。

 と、いうことで、今回の物語はどうでしたか。楽しめたら幸いだと思っております。あと本編終了まで4話。これからも駆け抜けていきます。どうぞお楽しみに。では、さようなら。


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