東方魔神伝   作:紅蒼の魔神

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今回、蒼魔自身の欠点が一つ出ます。
フレイヤ「蒼魔さん自身の欠点?」
蒼魔「……まあ、本編にチラッとそれらしき言葉が出るだけだ」
フレイヤ「……気になります!」


ただの語らい

月詠と再会してから大体半月程経った。永琳は家にいる時間が少なく、疲れも溜まってるように見える。恐らくいや、ロケット云々が関係してるのが確定的に明らかである。

 

疲労回復の料理やマッサージを行い、ある程度は誤魔化しているが、もう少しすると倒れるだろうな。俺は永琳が出ている間は姉妹姫のところへ行って訓練を付けているため、別にゴロゴロはしていないからな?あとたまに月詠のとこ行くし。

 

蒼魔「というわけで、最近の永琳の近況はよろしく無い。休んでる時間があまり無いぞ?」

月詠「ということはやはり、上層部が絡んでいるのが確定的に明らかですね。こちらの書類を」

 

月詠が見せてきたのは、ロケット開発などの所謂『月移住計画』の資料。これに書かれているのは、作業している時間だが……。

 

蒼魔「……月詠。俺は働いた経験が無いから10時間労働やら18時間労働やらがおかしいのか分からんぞ?」

月詠「ぐっは!」

 

これだけ働いてりゃ、そりゃ給料とかは凄いだろうよ。

月詠「違いますよ!オカシイですよこれは!私は『勤務時間は最大8時間』と設けているんですよ!それを大幅にオーバーしているんですよ上層部は!部下は最低10時間以上の肉体労働、なのに自分たちは最大4時間しかも座ってたり寝てるだけ!どれだけ腐ってるか分かりますか!?」

 

…………。

…………あ?

 

蒼魔「月詠、そいつら……。月で消すか?」

月詠「あっ……。……そうですね。正直、この人達も『月移住計画』では重鎮ですが、それ以外や、計画が完遂すればもう用無しなので、構いませんよ」

蒼魔「……言っといて何だが、薄情じゃないか?」

月詠「私は他人を思いやる人間(や貴方)が好きなんです。自己中かつこんなことを平然としでかす人間は、民とすら思いません。とりあえず、永琳を始めとした何人かは休みを与えさせます。永琳のおかげで、計画が早く進行したので、その分しっかりと休みを与えます。上層部程度に邪魔はさせません!」

蒼魔「永琳以外にも同じ目にあってる奴いるのか。なら、上層部は消すしかないのは確定的に明らかだな」

月詠「……。私達、結構『確定的に明らか』って言ってますね」

蒼魔「そうだな。だが、そう言わざるを得ない中身だったんだ。仕方ないさ」

 

この後に2人の訓練に行くと告げ、塔を出て屋敷へ向かう。月詠の部屋から飛んで行ってもいいが、それだと色々面倒だからエレベーターで一階に降りて歩く。

 

〜綿月邸〜

門番「紅神殿、本日も姫様の訓練ですか?」

蒼魔「ああ。そっちも、門番お疲れ様だ。休憩とかとってるか?」

 

この門番とは、同じ男同士結構話す。最初来た時の反応から全く違うが、それはこの街の一員として認識されているからだ。まるで忠義の騎士みたいな奴だ。

 

門番「ご心配には及びません。我々門番も交代で見張っているので、しっかりと休憩はしています。が、その心遣い、ありがたく頂きます」

蒼魔「そう言ってくれると、こちらもありがたい」

門番「ところで紅神殿、『月移住計画』はご存知ですか?なんでも、あと半月程で実行されるという噂を聞きまして……」

 

あと半月?随分早いな……。こいつぁきな臭いかもしれん。

 

蒼魔「計画は知っていたが、あと半月っていうのは知らなかったな。何か問題でも?」

門番「実は……。近日、妖怪が攻め込んでくるかもという噂もあるのです。最近、1日に何度かの頻度で妖怪が近づいているため、もしかしたら……という話も、計画と同じくらいに噂になっています」

 

それは初耳だ。しかし、近づいてるだけ?危害も加えずにか?

 

蒼魔「何かキナ臭いな……。妖怪が攻撃してこないというのが怪しい」

門番「そうですか……。となると、やはり?」

蒼魔「まだ確定した訳ではない。が、妖怪側に相当なブレインがいても可笑しくはない。街の防衛部隊はどうなってる?」

 

もし妖怪が計画実行の時に攻めてきたら、そしてその時に防衛部隊が無ければ月へ飛ぶことはできない。最悪、俺がガンダムとして街ごと妖怪を消し飛ばすことも考慮しておかなければ、永琳や豊姫、依姫、月詠が死んでしまう。目の前の門番だってそうだ。

 

門番「防衛部隊は非常時に備え、常に訓練を行っているため問題は無いでしょう。人数も、数万人の規模の為、妖怪が億単位でも無い限りは持ち堪えられる質もあります」

蒼魔「ならば大丈夫そうだな。それじゃ、そろそろ二人の訓練を開始する」

門番「はい。よろしくお願い致します」

 

門番との会話を終え、邸宅の庭へ入る。すると、既に二人はその場で準備運動をしていた。

 

豊姫「あら、お兄様。もう少し遅くなると思いましたわ」

依姫「お兄様!今日はどんな訓練をするのですか!?」

 

俺の姿を視認した途端準備運動を止め、こちらに寄ってくる二人。お前らはワンコか。

 

蒼魔「予定より早く終わったからな。それでも少し門番と雑談してた。それと、今日は不意打ちの訓練だ」

依姫「不意打ち、ですか……?」

 

不思議そうに言うが、実際不意打ちはかなり重要な攻撃だぞ?

 

蒼魔「不意打ちが卑怯だとか、汚いとか言う奴もいるだろうが、そう言う奴はただのバカだ。戦場において、どれだけ不意を突くのが重要か分からないからな」

豊姫「戦場で有利になるから、ですか?」

 

豊姫の答えは中々に的を得ている。が、正確には違うんだよな。

 

蒼魔「そう言う面もあるが、不意打ちとは相手の意識していないところから急に攻撃が来る。故に当たらなくても相手は止まったり、離れたりする。戦闘の仕切り直しや敵の引き離しにも使える技だ。相手が構えていない間に攻撃することで、一方的に有利な戦闘を行えるのも不意打ちの利点だな」

依姫「欠点はあるのですか?なんと言うか、お兄様の話を聞くと、利点しか無いように感じるのですが……」

 

ふむ、欠点か……。流石に気付くと思ったが、まだ分からなかったか。

 

蒼魔「勿論欠点はある。それは、相手に気付かれたら意味があまり無いのと、失敗すればこちらが不利になる事もある、だな。例えば足技で不意打ちしたとして、失敗するとこちらが大きな隙を晒してしまう。酷いときは倒れてそのままボコボコにされる。武器を持っている場合は、その武器を落としてしまったり、ダメージが弱くなってしまうとかだな。まあ、訓練したとこで、咄嗟にでる不意打ちと、狙って行う不意打ちとで、かなり違いが現れるから、覚えておいて損はないぞ」

 

このあと無茶苦茶訓練した。

 

結局、俺の不意打ちは二人の体制を崩しまくって、二人の不意打ちは失敗だったが、俺抜きでやらせたらどちらも狙って行う不意打ちが成功したので、不意打ちの訓練は完了した。

 

永琳「ただいまー」

蒼魔「おう、お帰り。速かったな」

永琳「ええ、仕事中に月夜見様がいらしてね。私含む何人かの従業員に休みを与えてくださったのよ。はーっ、久しぶりに休めるわ」

 

んーっと伸びをする永琳を見て、早速やったんだなと思いながら料理をテーブルに並べる。今日はハンバーグとポテトサラダ、コーンスープだ。普通に店に商品が売ってて驚いたがな。買ってないが。

 

永琳「相変わらず、バランスが取れた食事ね。懐は大丈夫なの?」

蒼魔「貰い物ばっかりだからな」

 

基本俺が作る料理は、豊姫達の訓練の礼として貰っている食材を使っているから、特に困ることはない。転生前に比べればマシだと断言できる。

 

永琳「……なんだか、悪いわね。いつも料理を作って貰ったり、掃除をして貰ったりで」

蒼魔「何を言ってんだ。俺だって寝床を貰ってんだ。これぐらいしなきゃな」

永琳「でも、私は貴方に命を救って貰ったわ。あの時、街の外で。貴方がいなければ、私は死んでいた」

蒼魔「……。知ってるか?ここ最近の妖怪の動き」

永琳「え?ええ。何でも、攻撃する事なく街の近くまで接近してるって。恐らく、相当に頭のキレる妖怪がいるわ。それも単純な力も強い。私の予想だと、ロケットを狙って来るわ」

 

やはり永琳も同じ考えに至るか。流石街の頭脳。

 

永琳「けど、計画が先か、攻撃が先か、までは分からないわ。もしかしたら計画の最中に攻撃が来るかも知れないし。取り敢えず休みを満喫したら、またロケットの製作ね。蒼魔も、月夜見様に迷惑はかけないでよ?」

蒼魔「分かってるって」

 

月詠達には迷惑は掛けないさ。月詠達には、な。




というわけで、今回発覚した蒼魔の欠点は、「買い物が出来ない」でした。
蒼魔「転生時の特訓で計算とか習ったが、金の使い方が分からん!」
フレイヤ「何故威張るのですか!?」
バルマ「しかし、少ししか物語が進んでおらんの。これでは前回出したガンダムがいつ出るのやら」
蒼魔「一応、キャラ設定に詳しいデータを載せてはいるらしい」
フレイヤ「と、今回はここまで!読書の皆様、次回の更新をお楽しみにお待ちください!」

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