「さってと…目の前の化け物が更に化け物じみてきたけど、一体どうやって倒そうかしら?」
異形と化したアーカードを前に、凛が軽口を叩くように言った。
顔には笑みが浮かんでいるが、それは必死に絞り出したものであり、心中では笑えるような気力など、微塵も存在していなかった。
相手はまるで、絶望を具現化したような存在だ。
正直逃げ出したいとすら思える。
しかしこちらにだって、その絶望を埋め尽くせる程の希望が存在している。
ただ問題が幾つかある。
一つは“魔力”だ、セイバーの宝具の使用には莫大な魔力を必要とする。半人前の魔術師である士郎ではカバーできない程の魔力だ。
これについては、士郎やセイバーには何か策があるらしいが、事情を知らない凛にはそれが分からない。
結局は士郎を信じるしか術はないのだ。
別に士郎を信じていない訳ではない。
ただ士郎の事だ、自分の安全を勘定に入れない、危険極まる無茶なことをやりかねない、むしろ凛の心配はそちらにある。
二つ目は“真名の開示”だ。
極めて強力な剣、エクスカリバーは、有名過ぎるが故にその刀身を晒すだけで、自らの真名を相手に知らせてしまうのだ。
アーカードが先ほど、セイバーの剣を見ただけでその真名を見破れたのも、これが原因である。
真名の判明は、相手に自分の弱点を明かすヒントになり得るものだ、その上こちらの手の内を全て明かしてしまう。
…と、このように、強力ではあるがエクスカリバーは諸刃の剣とも呼べる代物なのである。
しかし使わない訳にはいかない。 でなければ勝てない。
逃げようにも逃げさせてくれそうにはない、戦うしかないのだ。
「さぁ、楽しい闘争の始まりだ!」
アーカードが動いた。その顔には狂気の表情が浮かんでいる。
同時にアーカードを包む闇が、アーカードが従える使い魔達が、セイバーと士郎と凛の三人に襲いかかった。
「ハァッ!」
対してセイバーが迎え討つように先頭に立ち、アーカードを切り裂いた。
地を這うムカデをなぎ払い、魔犬を串刺しにする。闇夜の中で金色の剣か美しく輝いている。
まさに無双…醜悪な化け物達を相手にしても尚、セイバーは美しく…そして強い。
しかし…
(数が…多過ぎる…!)
仕留められない。
いくら切ろうとも…いくら討ち倒そうとも…敵は再生し、増殖し続ける。
例えるならば、プールいっぱいにたまった水を、コップ一つですくい上げていくようなものだ。
「これじゃあキリが無い!」
凛が魔術で…士郎がアーチャーと同じ二本の剣で応戦するも、戦況は変わらない。
三人で戦っても尚…だ。
そう、アーカードを相手に数の利というものは存在しない。どれだけ人数を引き連れようと、いとも容易くそれを塗り替えてくるのだ。
「危ないっ!凛‼︎」
セイバーが凛へと飛んでいった弾丸を叩き落とした。
異形になれどアーカードは健在だ。
そしてこの使い魔達は…赤黒い何かは…全てアーカードの体の一部…つまり手足とも呼べる代物である。
故に自在に操れる…故に拳銃を握る、腕の形にも一瞬にして変形できる。
魔犬の口の中…またはムカデの群れの中…はたまた赤黒い触手の中からか…どこだろうとアーカードは敵を狙撃できる。
また、アーカードの放つ13㎜炸裂徹甲弾を防げるのは、セイバーだけである。
アーカードが周囲を取り囲む。このままでは士郎達は、嬲り殺されるのを待つだけだ。
(
この状態じゃあ、その隙に二人が殺されかねない…!)
魔犬を一刀両断しながら、セイバーが場を見回した。
士郎が地面から這い出してくる無数のムカデを蹴散らし、凛がガンドによって、アーカードの黒い触手を払う。
だがやはり効果は薄い。
多勢に無勢だ、二人は徐々に、敵に侵食されつつあった。
アーカードが再び笑みを浮かべた。詰めにかかったのだ。
何処からともなく現れた銃身が、士郎に向けられた。
発砲音が響く、二方向…それもそれぞれ逆方向から、弾丸が襲いかかる。
セイバーは直ちに士郎の元へと走った。
そして剣を握り、士郎を襲う弾丸を全て弾き落とした。
しかし身一つ剣一本では、二箇所から襲いかかる弾丸の群れを防ぎきれない。
一発一発が一撃必殺。
セイバーは自分の身を盾にした。
瞬間、セイバーの鎧は粉々に砕かれ、赤い鮮血が宙を舞った。
被弾したのだ。士郎を守る為に、そうせざるをえなかった。
「ぐっ…!」
セイバーが横腹を抑えながら、痛みで顔を歪ませる。
「セイバー‼︎」
「前を向いてくださいシロウ!敵はまだ攻撃を止めていません。私なら大丈夫ですから」
負傷したセイバーを気遣い、士郎がセイバーへと近づいたが、セイバーはそれを拒絶した。
今敵に背を向ければ、士郎は今度こそ間違いなく死ぬ。
炸裂徹甲弾を身体中に浴び、蜂の巣になるどころか、体がバラバラに吹き飛んでしまうだろう。
「ッ…!」
苦痛を気力で抑えながら、セイバーがゆっくりと立ち上がった。
鎧は砕かれ、血は流れているが、セイバーは咄嗟の判断で鎧に魔力を流し、強化していた。
その上比較的威力の弱い、白銀の拳銃の放った弾丸を見極めていた為、軽症とは言わないまでも、それ程大きな怪我には至らなかった。
しかし安心はできない。
セイバーの言う通り、アーカードの攻撃はまだ終わっていない。
アーカードの銃口が再びセイバー達に向いた。
(まずい…!このままではやられる…!)
そう思った次の瞬間、セイバーと士郎を光が包み込んだ。
「できれば温存しておきたかったけど…そんなこと言っていられる状況じゃあないわね」
正体は凛の宝石魔術…凛が結界によって二人を守ったのだ。
アーカードがヒュウッと、口笛を吹いた。
自分よりも格上の存在であるサーヴァントを救うという、人間の少女の強気な行動に対して、素直に賞賛の意を送ったのだ。
「私達を気遣って、宝具を解放できないんでしょセイバー?
敵の攻撃は私が防ぐから、セイバーは攻撃に専念して!」
結界を保つことに意識を向けながら、凛がセイバーにそう言った。
セイバーが宝具を解放する際には、剣を一度上に振り上げないとならない。
たったそれだけではあるが、先の状況では、その“たったそれだけの隙”が命取りだったのだ。
だが今、敵の攻撃はギリギリ…辛うじてではあるが凛によって阻まれている。これならばセイバーが隙を見せようと、マスターが殺される心配はない。
セイバーは聖剣を天へと掲げた。
聖剣が眩いばかりの輝きに満ち、蛍火のような美しい…儚げな光が集まっていく。
「セイバー!早く!そんなに長い時間は持ちこたえれない!」
凛が顔を歪めながらセイバーに催促した。
エメラルドの輝きを放つ結界が、魔犬に牙を突き立てられ、炸裂徹甲弾を浴び、アーカードの赤黒い霧に包まれ、霞となって色褪せてゆく。
アーカードの攻撃は、軍勢のそれに値する。
その上一匹一匹が正真正銘の化け物共だ。いくら優秀な宝石魔術の使い手である凛とは言えど、攻撃を受けられるのはほんの僅かな時間だけだ。
そして宝石魔術はその性質上、自らの持つ宝石を使い捨てにしなくてはならない。
魔術を使えるとは言えど、宝石を生成することなどはできない、希少であることには変わりないのだ。
つまり、凛の宝石魔術には使用制限があるということだ。
しかし問題は無い。
既にセイバーは、いつでも宝具を解放する準備はできている。
後は放つだけだ。
「シロウ!リン!伏せてください‼︎」
セイバーが叫んだ。
瞬間、一瞬にしてその意味を理解した士郎が、結界の維持の為に僅かに反応が遅れた凛の服を掴み、二人同時に地面に倒れこんだ。
集中が途切れた為、凛の形成した結界が完全に崩壊し、アーカードの猛威が三人に迫るが、もはやそんな事は関係ない。
セイバーは天を貫く黄金の剣と化したエクスカリバーを傾け…全身全霊を込めて横へと振った。
「
辺りが黄金の光に包まれた。
眩しすぎる程に輝く聖剣は、アーカードの体を使い魔ごと吞み込み、浄化し消滅させる。
何もかもを消し飛ばす完全なる破壊…
その光景は恐ろしいものだが…それよりも遥かに、美しい。
…という感情の方が勝っていた。
薙ぎ払われたエクスカリバーの光は、消滅と共に地面に巨大な円を残した。
その地面が削られてできた円を見ただけで、エクスカリバーの真名解放の破壊力がうかがえる。
アーカードの姿は無い。
「勝った…のか…?」
「私の全力の一撃は、確かにアーカードに直撃しました。
その身の一片も残さずに消し飛ばせる威力と規模、その両方を兼ね備えた攻撃だと自負しています」
辺りを見回す士郎に対し、セイバーがそう言った。
「流石に死徒とはいえ、これだけの攻撃をまともに浴びたらもう立ち上がれないでしょうね」
エクスカリバーによって抉られた溝を眺めながら、三人は勝利の余韻に浸った。
そろそろアーチャーの援護に向かった方がいいかもしれない。いかにブラッドレイが強かろうと、サーヴァントを失った今、アーチャーとセイバーの二人がかりで挑めば敵ではない。
そう思い凛がセイバーと士郎に声をかけようとした瞬間であった。
三人はある一点を見て、絶句する。
最高にご機嫌で不気味な笑みを浮かべながら、敵の目の前で悠々と再生を続けていた。
“生も死も何もかもがペテン”、“水面に映る影”、“不死身で無敵の吸血鬼”…彼の異常過ぎる不死性を見て、とある軍の少佐が例えに出した言葉だ。
戦争に生き、戦争の手段の為ならば目的すら選ばない男でも、この吸血鬼を真っ向から殺すことは叶わなかったのだ。
如何に騎士王と言えど、たった一度の攻撃で滅ぼせるような化け物ではない。
「完全に打つ手なしじゃない…!どうやったら死ぬのよ!こいつッ!」
凛が絶望しきった顔でそう叫んだ。
敵は再び闇へと姿を変える。無数の目がこちらを睨みつけてくる。
コウモリの羽音が…ムカデの這う音が…魔犬の唸り声が聞こえてきた。
再び来るのだ。さっきの攻撃が。
「
士郎が再び白と黒の剣を投影し、アーカードに挑んだ。
理由は分からないが、
もうしばらくは
マスターである士郎はそれをよく理解している。だからこそ、士郎はこれ以上セイバーに負担をかけない為に、代わりに自分が突っ込んだのだ。
しかしもちろん、それは悪手である。
「士郎‼︎」
凛とセイバーが叫んだ。
アーカードの元へはたどり着くことすらできず、士郎の足はアーカードの赤黒い闇によって貫かれたのだ。
士郎はバランスを崩し、前のめりに倒れるが、それでも諦めず、必死にアーカードに食らいつこうと地を這った。
アーカードはそれを愛おしそうな顔で見つめた。
しかし容赦は無い。アーカードは地を這ってこちらを睨みつける士郎に対し、ゆっくりと銃口をその頭へと定めた。
セイバーがそれを黙って見過ごすわけがない。無論加勢に加わろうとする。
…が、アーカードの使い魔である魔犬に襲われ、その行く手を阻まれた。
当然、足を負傷した士郎がアーカードの攻撃を自力で防ぐ事など不可能だ。救出に向かおうにも、アーカードの弾丸よりも速く移動し、士郎を攻撃から守ることなど凛にはできない。
できるのはセイバーだけだ。しかしセイバーは魔犬に足止めされ、士郎の元へ向かうことができない。
絶対絶命…将棋やチェスで言う、正に詰みの状態だ。
「さようならだ人間」
アーカードが呟いた。
もはや士郎の命は風前の灯火だ。
セイバーと凛が士郎の名を叫んだ。必死に…士郎の元へ向かおうと足を動かしながら、喉が枯れそうになる程叫んだ。
しかしそれでどうなる訳でもなく…無情にも、アーカードの指はその引き金を引きーー
いや、引かなかった。
「ブラッドレイめ…いいところで」
突然、アーカードの動きが止まったのだ。
アーカードは銃を構えたまま硬直し、己のマスターであるブラッドレイの名を呟いた。
辺りを渦巻いていたアーカードの赤黒い闇や、魔犬を始めとする使い魔達が、セイバーと凛の元から退いていく。
あれだけ荒々しく、闘志と殺気をばら撒いていたにもかかわらずだ。
まるでお預けを食らった犬のように、アーカードは大人しくなった。
やがてアーカードの体がみるみると透けてゆき…完全にこの場から姿を消した。
嵐が通り過ぎた後のように、辺りが静寂に包まれる。
士郎とセイバーと凛の三人が、口を開けたまま呆然としている。
どうやらアーカードは、突如として何処か別の場所へと去って行ったようだ。
それも敵マスターを殺せる、これ以上とない好機にだ。
目的もその考えも分からない。
いや、アーカードの様子から見るに、もしかしたら自分の意思ではないのかもしれない。
そういえばアーカードは消える前に、自分のマスターの名を呟いていた。
ということは、アーカードのマスターであるブラッドレイに何か関係があるのかもしれない…
「まさか…!」
凛が何かを察したようだ。
凛はそのまま、慌てた様子で右手を前方に掲げた。
「令呪を持って命じる!アーチャー!私の元へ戻ってきて!」
瞬間、凛の右腕に刻まれた刻印が激しく光を放った。
そして光と共に、凛の右腕に刻まれた刻印の一部が消失する。
令呪の一画を使って、アーチャーをこの場へ帰還させようとしているのだ。
凛の令呪は正常に働き、アーチャーの身を己の眼前に移動させる事に成功した。
「感謝する凛。危ないところだった」
「いいえ、あなたがブラッドレイを追い詰めてくれなかったら、私達が危なかったわ」
再び合流した凛とアーチャーが、互いに礼を述べあった。
どうやら突然アーカードが消えたのは、たった今凛が令呪を使ってアーチャーを帰還させたように、ブラッドレイがアーカードを呼び寄せたからだったらしい。
アーチャーとブラッドレイの戦いは、アーチャーが一歩リードしていたようだ。
それでピンチに陥ったブラッドレイが、自らのサーヴァントであるアーカードを呼び戻し、その窮地を脱出しようとしたのだ。
最優のサーヴァントであるセイバーと士郎と凛…三人がかりで挑んでも圧倒的であったアーカードが、サーヴァント並みの戦闘力を持つブラッドレイと合流したのだ。当然アーチャー一人では太刀打ちできない。凛が令呪を使用しなければ、最悪そのままアーチャーは敗退させられていた可能性すらあっただろう。
凛の英断によって、アーカードの驚異には晒されることのなかったアーチャーであったが、無論、彼も無傷で生還したわけではない。
「!…アーチャー!その傷…!」
「ブラッドレイとの戦いはこちらが優勢だったが、流石に無傷で…というわけにはいかなかったようだ。手痛い一撃を貰ったよ」
アーチャーが肩に刻まれた大きな切り傷を手で押さえながら、苦い笑みを浮かべてそう言った。
「直ぐに治癒の魔術をかけるわ」
凛が治癒の魔術によって、アーチャーの傷を癒した。
アーチャーの切り傷がみるみると塞がっている。
しかし傷が深すぎる為、完全に塞ぐことは叶わない。
なので少し休養が必要になるだろう。そんなに長い時間は休まなくても平気だろうが…少なくとも今晩一杯は必要だ。
士郎も凛もセイバーも、アーカードとの戦いで身体中ボロボロになっている。
そしてアーチャーもこの状態だ。暫くの間は敵との戦闘は避けたほうがいいだろう。
「そういえば士郎。今回は
凛はここで、ずっと心に抱いていた疑問を士郎にぶつけた。
確かに前回の聖杯戦争以来、士郎は魔術の指導を受け、魔力も多少なり増加しているだろう。
しかしそれでも、今回ほどのものには成長していなかった筈だ。それは士郎に教えを説いていた凛ならばよく理解している。
では一体いつどこで、これ程の魔力を手に入れたというのか…
答えは単純であった。
「遠坂もここへ来る途中、聖杯から説明されただろ?
少しでも戦いを公平にする為、魔術回路を持たないものにそれが与えられるって、どうやら俺にもそれが適用されたみたいだ」
説明するとこうだ。
士郎は普通の魔術師とは違い、半人前である為に魔術回路も未発達なのである。その未発達な魔術回路を、聖杯が一般の魔術師レベルまで引き上げたのだ。
もっとも、引き上げたと言うよりは…本来士郎が持つべきものにへと成長させた。と言った方が正しいのかもしれないが…
とにかく、聖杯からの恵みにより士郎の魔力は上昇したのだ。
「それじゃあ、私と魔術回路を繋がなくても、固有結界を自力で展開する事も可能かもしれないってわけね」
凛の言う士郎の持つ固有結界というのは…アーチャーの宝具でもある“
アーチャーからその戦闘経験を投影させたことにより完成させた高等魔術だが、魔力の消費の莫大さから、士郎の魔術回路では実現不可能なものであった。
その為凛の魔術回路を移植し、士郎の魔術回路を強制的に成長させるという荒技を使う他なかったが、一人前の魔術回路を手に入れた今の士郎ならば、一人でも使用は可能かもしれない。
…と思い、何気なく聞いてみた凛であったが、士郎からは予想外の言葉が返ってきた。
「固有結界って、最上級の魔術だろ?俺はそんなの使えないって、遠坂だってよく知ってる筈じゃないか」
士郎の言葉を聞き、凛は目を丸めた。
様子を見る限り、惚けているわけではなさそうだ。
「でも、あなた…実際に使っていたじゃない、アーチャーの宝具とまったく同じの固有結界をーー」
「待ってくれ、何でそこでアーチャーが出てくるんだ?」
士郎が凛の言葉を遮った。
まったく訳がわからないと、混乱したような表情になっている。
対する凛は、僅かながらに違和感を抱きながらも、さも当然といったような様子で話を続けた。
「何でも何も…アーチャーはあんたの未来の姿の一つじゃない」
「へ…!!?アーチャーが俺の…⁉︎」
完全に寝耳に水だと言った風に驚いている。
凛にとっては当たり前の内容であったが、どうやら士郎にとっては衝撃的なものであったようだ。
「…いったい…どういうことでしょうか…」
セイバーが驚愕した顔で、士郎とアーチャーを見比べながら呟いた。
それもその筈だ。別の世界から来た者同士ならまだしも、同じ世界に…それもよく知り合った者同士でこれ程までに持っている情報にズレがあるとは、思いもしなかったことだ。
「俺が…アーチャー…?」
未だ驚いた顔のままの士郎が、ゆっくりとアーチャーの顔を覗き見た。
「・・・・・」
対するアーチャーは何か考え事をしているようで、ずっと沈黙を続けている。
士郎は再び正面を向き、自分の掌をジッと見つめ、そのままその手で自分の顔に触れた。
そしてこう呟いた。
「…なんでさ」
現在判明している参加マスター
衛宮士郎
遠坂凛
キング・ブラッドレイ
ーーーーーーーー
現在判明しているサーヴァント。
セイバー:アルトリア・ペンドラゴン
アーチャー:エミヤ
アーチャー:アーカード
ーーーーーーーー
各陣営
マスター:衛宮士郎
サーヴァント:アルトリア・ペンドラゴン
マスター:遠坂凛
サーヴァント:エミヤ
マスター:キング・ブラッドレイ
サーヴァント:アーカード