グリモア~私立グリモワール魔法学園~ つなげる想い 届けたい言葉 作:春夏 冬
ぐりもあ しょ~とすと~り~ ①
今回の登場人物
転:転校生・・・みんな大好き転校生。トラブルに見舞われ過ぎて最近魔物よりも女の子たちの方が危険なのではないかと疑い始めている
智:南 智花・・・転校生大好き勢筆頭メインヒロイン。だけど今回はメインモブ
夏:岸田 夏海・・・日々ネタを求めるトラブルメーカー。その身どころか転校生すらも生贄に捧げ記事を召喚
鳴:遊佐 鳴子・・・神出鬼没の謎に満ちた新聞部部長。この人も結構転校生を振り回す
風:水無月 風子・・・鬼の風紀委員長。今回はメインヒロインよりもヒロイン力が高し
氷:氷川 紗妃・・・仕事熱心な風紀委員。怒られたいと名乗り挙げるものが者が後を絶たないらしい
春:瑠璃川 春乃・・・妹大好き最強お姉ちゃん。原作でもアレだが今作でもアレ
結:宍戸 結希・・・いつもクールな天才博士。今作ではちょっぴりお茶目な一面も
卯:立華 卯衣・・・魔力がある限り無敵な人造人間。原作よりも天然になった結果・・・・・・
イ:冬樹 イヴ・・・孤高のクールビューティお姉ちゃん。今作ではちょっと壊れかかってる
梓:服部 梓・・・元気で明るい後輩系忍者。可哀想なくらいパシられてる姿が目撃される
ぐりもあ しょ~とすと~り~ ①
その1:もしも転校生と瑠璃川春乃の相性がズバ抜けて良かったら
風「おやおや、こんなところで奇遇ですね。アンタさん、いま暇ならちょっと手伝ってほしーんですが」
転「げっ、風紀委員長・・・じゃなかった水無月さん。ごめん、今取り込み中で・・・・・・」
風「・・・おやおや、なにか隠し事があるみてーじゃねーですか。いえね、実はこの辺りの教室に不審な人物がいるって連絡が入りましてね」
転「いや、えっと・・・・・・。春乃さんっ逃げて!!」
春「ん?どうした・・・・・・ちっ、なんで風紀委員長がここにいるのよ!!」
風「・・・瑠璃川春乃。その手に持つカメラで何をしていたのか、じっくりと懲罰房で聞かせてもらいましょうかね。もちろんアンタさんもですよ」
転「くっ、こうなったら・・・・・・春乃さん、ここは僕に任せて早く逃げてください・・・・・・」
春「・・・いや、でもそんなことしたらアンタが捕まっちゃうわよ!」
転「・・・分かってます。それでも、そのカメラに収めたエンジェル秋穂ちゃんの写真さえ無事だったら、僕はきっとどんな取り調べにも耐えられるはずです・・・・・・!!」
春「・・・転校生・・・くっ・・・・・・」
風「はーい。勝手に自白が済んだところで二人ともお縄につきましょうねー」
転「さぁ、春乃さん!早く逃げて!」
春「・・・礼は言わないわよ。・・・・・・あとで、ちゃんと二人で私たちの天使を愛でるんだからね」
転「もちろんですよ。・・・最後に、義姉さんって、呼んでもいいですか?」
春「
風「いや、もう二人とも顔が割れてるんで逃がしませんけどね。さー観念しなせー!」
転春「「うぉぉぉぉ!あきほーっ!!!」」
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・
バッ
風「・・・・・・夢、でいいんですよね・・・・・・?」
その2:僕が何をしたというのか
夏「いたいたっ!ちょっと転校生、あたしに付き合って欲しいんだけど!」
転「えぇ・・・なんか嫌な予感がするんだけど・・・・・・」
夏「ちょっと!せっかく夏海ちゃんがお願いしてるんだから!ね、この通り・・・お願い!」
転「はぁ・・・それでなにさ?」
夏「さんきゅーっ!それでね、あたしいまちょーっと手が離せなくって。この資料を部長に渡して欲しいのよ」
転「遊佐先輩に?分かった。それだけでいいの?」
夏「うん!悪いわね、よろしくっ!」
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・
『衝撃!美人記者は見た!報道部部長と謎の男の影!』
『大スキャンダル!ついに噂のゴシップライター、陰で男と密会か!?』
夏「くっ、さすがは部長!あたしの渾身の記事にこうも見事に切り返してくるなんてっ!」
鳴「いやー、なかなかいい作戦だったけどネタの捏造はいけないな。まぁ僕に一矢報いようとしたという気概は認めなくもないけどね」
夏「・・・次はちゃんといい記事を書いて部長をあっと言わせてみせますからね!」
鳴「ふふふっ・・・楽しみにしてるよ。夏海」
転「ちょっと!この状況の中でよくそんなのんきなことを言ってられますねっ!・・・うわっ、あぶなっ!」
氷「こらっ!三人共逃げずに大人しく捕まりなさーいっ!」
鳴「おー!いまのはよく避けたねっ!さすがは転校生君!」
夏「やるじゃない転校生っ!あっ、ところで次の記事なんだけど・・・・・・」
転「ぜーったいいやだぁぁぁぁぁ!!」
その3:その時、世界が揺れた
結「子供?」
卯「はい。私はマスターたちのように人間ではありません。ですが、人としての機能を備えている以上、私でも生命を生み出すことが出来るのかと、そう疑問に思いました」
結「・・・そう。あなたもずいぶん変わったわね」
卯「そうでしょうか。・・・いえ、そうなのかもしれないですね」
結「ええ。そして、それはとてもいいことだと思うわ。これも天文部や転校生君のおかげかしら」
卯「はい。みんなとても色々なことを教えてくれます」
結「良かったわね、卯衣。それでさっきの話だけど、ごめんなさい。いまの私にはまだ分からないわ」
卯「・・・そうですか」
結「ごめんなさいね。まだ分かっていないことの方が多いから。でも、可能性が低いとは思っていないわ。・・・根拠があるわけではないのだけれど、”私”が作ったのだからきっと・・・・・・」
卯「ありがとうございますマスター。今はその言葉だけで十分です」
結「・・・念のために言っておくけれど、今はまだ子供を作ろうだなんて思っちゃだめよ。魔物のことも、身体に関しても、もっと色々なことが解決してからの話になるわ」
卯「はい、了解しましたマスター。それでは、私は失礼します」
結「ええ、また。・・・さて、一応彼に連絡を入れておかないと。・・・あら、電源が入っていないのかしら。まぁ、今から来るのだしそのときに伝えましょう」
卯「私にも子供が作れるかもしれない。・・・なんだか不思議な感じだわ」
卯「つながらない・・・この気持ちを伝えたかったのだけれど連絡が取れないわ。どうしたらいいのかしら。・・・あら、あそこは・・・・・・」
転「こんにちは宍戸さん。定期検診に来ました」
結「来たわね。実は検診の前にあなたに話しておきたいことがあって・・・・・・」
ピー・・・ガー・・・ガー・・・・・・。
・・・これは、もう電源が入っているのかしら。よく分からないわ。
転校生君。聞こえているかしら?デバイスに繋がらなかったからこの機械を使って伝えるわ。
転校生君、私はいつか子供が欲しい。
ざわ・・・ざわ・・・・・・!!
だから、その時はぜひ手伝って頂戴・・・・・・あら、あなたたちはどうし、
ブチッ!!
ざわ・・・ざわざわ・・・・・・ざわざわざわざわ!!!!!!!!!!
『えっ!いまの何!?』
『子供・・・いま子供とか言ってなかった!?』
『ういーっ!あやつなにをしとるんじゃー!!』
『・・・転校生さんの・・・子供・・・・・・?』
『ちょっと智花!!れいーっ!智花が壊れ・・・いや、あんたもかいっ!』
『ふ、不潔です!各員、至急転校生さんを見つけだし連行しなさいっ!』
結「・・・それで、話というのは」
転「」
その4:攻略済み
梓「いやーすいません、遅れちゃいました!・・・ってあれ?こんだけッスか?」
イ「こんにちは服部さん。えぇ、委員長と氷川さんは用事を済ませてから来るそうよ」
梓「なるほどー。あっ、神凪先輩は自分がさっき会ったときに遅れるって伝言を貰ったんで」
イ「そう。なら全員揃うまで待ちましょう」
梓「そッスね」
カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・・・・。
イ「・・・・・・・・・・・・」
梓「・・・・・・・・・・・・」
カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・カチッ・・・・・・。
イ「・・・・・・・・・・・・」
梓「・・・・・・・・・・・・」
イ「・・・・・・・・・・・・」
梓「・・・・・・・・・え、えっと・・・あっ、冬樹先輩。そこに置いてあるペン、なんかオシャレッスね!自分もそういうの欲しいかなーっなんて」
イ「・・・このペンのことかしら?・・・そう。貰いものだから私が選んだものではないのですが・・・・・・まぁセンスが良かった、ということなのかもしれないわね」
梓「へぇー。こう言っちゃなんですが、冬樹先輩が他人から貰ったものを使ってるなんて、なんか珍しい感じでッスね。・・・あぁ、別に悪い意味とかじゃなくてですね」
イ「そうかしら?・・・まぁ、せっかく彼がくれたものでもあるし・・・・・・」
梓「・・・彼・・・・・・?」
イ「・・・いえ、なんでもありません。・・・・・・それよりも、服部さんのその髪飾り、最近よく見かけますがとても似合ってると思うわ」
梓「本当ッスか!いやー、冬樹先輩に褒めてもらうなんて嬉しいッスね!いえ、この髪飾り自分のお気に入りでして!・・・・・・この前買ってもらったんッスよね、彼に・・・・・・」
イ「・・・そう、彼に・・・・・・」
梓「・・・えぇ、彼に・・・・・・」
イ「・・・・・・・・・・・・」
梓「・・・・・・・・・・・・」
転「すみません遅れました!・・・・・・・・・・・・えっ、なにどうしたの?」
その5:もしも転校生と水無月風子の相性がズバ抜けて良かったら
氷「それでは委員長、失礼します」
風「えぇ、今日も一日ごくろーさまでしたね。また明日もよろしくおねげーします。・・・さて、どうですアンタさんは風紀委員の仕事には慣ましたかね?」
転「なかなか仕事が多くて大変だよね。・・・うん、でも氷川さんや怜が丁寧に教えてくれるからなんとかやっていけそうだよ」
風「それはなによりですね。・・・ところで、氷川や神凪だけってこたーないですよね?」
転「もちろん、冬樹さんや梓も・・・・・・くくっ、冗談だよ。誰よりも委員長に感謝してるってば」
風「・・・名前・・・・・・」
転「えっ?」
風「二人だけの時は名前で呼ぶって、この前言ってくれたじゃね―ですか」
転「いや、なんかちょっと恥ずかしくて・・・・・・」
プルル・・・プルルル・・・・・・。
風「ん、見回りをしている人たちが何か見つけたみてーですね」
転「ははっ、休まる時間がないね」
風「まぁまぁそう言わずに。・・・さ、行きますよ転校生さん。しっかりとついてきてくだせーな」
転「うん行こうか。どこまでもお供しますよ、風子」
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・
バッ
風「・・・・・・夢、?」
風「・・・・・・・・・・・・」
風「・・・・・・もう一度、寝ましょうかね・・・・・・」
《ぐりもあ しょ~とすと~り~ ① 完》
どうも、春夏 冬(あきない)です。
まず初めに、次回更新予定の「服部梓 アフターストーリー」の公開が遅れている事をお詫び申し上げます。
理由につきましては色々とあるのですが、そこら辺は後々のあとがきにて語らせて頂ければと思います。
お待ちしている方々、今しばらくのお時間を下さいませ・・・・・・。
と、さてそれでは今作のお話に移ります。
新たに始めました「ぐりもあ しょ~とすと~り~」ですが、ここまで読んで頂ければお分かりになるように完全にギャグ路線の世界観となります。
「グリモア」がシリアスで「ぐりもあ」がギャグ。そんな感じで区別されるのがいいかもしれません。
ちなみに、”元ネタ”ですが、これらは「グリモア」に使おうと思っていたプロットから来ています。
「もしもシリーズ」は完全に新たに書き起こした作品ですが、例えば卯衣の話なんかは本編でも取り扱うことになるでしょう。・・・えぇ、話は勿論変わっていきますよ?
あとは、地の分なしの会話のみという構成は初めてだったのですが、いかがだったでしょうか?
そうですね、自分では次回はもう少しスピーディーなお話が作っていきたいかな、との自己評価を降しておきます。
さて、次回は先の通り、「服部梓 アフターストーリー」を公開したいと思います。
もう少しだけ時間を頂いて、出来れば今週中に発表出来ればいいかな、と。
それでは、本編、番外編ともに、今後ともよろしくお願いいたします。
春夏 冬