響乱交狂曲   作:上新粉

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上がったぁ!……あれ?二話ともこっちだ……まあいっか!

白雪「…………は?」

す、すいません転これも頑張ります……


第六十一番

響と約束を交わしたあの日から一週間、俺は工廠で響達が集まるのを椅子に座って待っていた。

 

「うむ、遂にこの日が来たか……胸が熱いな」

 

「そうだな」

 

「色々あったが無事にここまで来れたな……」

 

「俺の方は解決してないがな」

 

「……そうだな、済まない」

 

「冗談だ、気にすんな」

 

「うむ……だが、本当に行くのか?」

 

「まあな、これも響の為だ」

 

「そうか…………」

 

それ以降そいつは口を開くことは無く時間だけが流れていき、やがて外がにわかにざわめき始めた。

 

「お待たせしました!本日は遠路遥々来て頂きました皆様の為に素晴らしいものをご用意致しましたっ!」

 

「用意って……私は商品か」

 

そいつは不満げに呟きつつも緊張した面持ちで待機している。

だがまあ響達の話し声を聞く限り気付いては無さそうだな。

…………電は気付いてるかもしれんが。

 

「さあさあ皆さん!こちらの扉にご注目ぅ〜!!準備は良いですか〜?それではどうぞおいでくださいませ!」

 

明石から合図が掛かる。

 

「出てこいってよ」

 

「う、うむ……少し緊張するな」

 

そう言いながらもそいつは立ち上がり扉を勢い良く押し開けると腕を組み、悠然たる立ち姿で響達の前に出ていった。

 

「長門型一番艦長門だ、久し振りだな。敵戦艦との殴り合いなら任せておけ」

 

「な……がと……さん?」

 

「無論、私が長門だ。忘れてしまったか?」

 

直後、響は長門に全力で抱きつき嬉しさのあまり泣き出して長門の腹部を涙で濡らしていた。

 

「長門さんっ!長門さん!うぅ……良かった……また、会えた……」

 

「響、今まで辛い思いをさせてしまって済まなかったな」

 

長門は優しい目で響を見つめながらその頭を優しく撫でた。

 

「ううん……逢いたかった……ずっと逢いたかったから…………うぅ……うわぁぁぁぁぁん!!」

 

そうして堰を切ったように大声で泣き出す響を長門は何時までも優しく撫で続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから暫くして、響が落ち着きを取り戻した所で話を切り出そうとする長門を遮るように金剛が手を上げた。

 

「ヘイ長門、一つ聞いても良いですカ?」

 

「ん?どうした金剛」

 

「あ、あの……このタイミングで非常に言い辛いですケドネ?本当に舞鶴第八鎮守府の長門で間違いありませんカー?」

 

ったく、このルー豆柴は余計な水を差しやがる。

空気を読まない質問に長門は眉を顰めつつもルー語使いに対して答えた。

 

「その通りだ、貴様に裏切られた舞鶴の長門だが?」

 

「そ、それは…………長門……ごめんなサイ」

 

頭を下げる金剛にそれを睨み付ける長門。

そのまま時が止まったかのように誰一人として動かずにいた。

 

「……………………ぷっ、あっははははは!!」

 

だが、沈黙に包まれた空間に耐えきれなかったのか突如長門が吹き出して笑い始めた。

 

「長門……?」

 

「はっはっはすまんすまん、前もって準備しておいたのだ。金剛ならきっと疑うと思っていたからな」

 

突然の事で頭が追い付いていないらしく頭に疑問符を浮かべる金剛に長門は続けた。

 

「安心しろ金剛。お前の気持ちは十分伝わったし私が戻れるように協力してくれた事については本当に感謝している、ありがとう」

 

「オォ……ナガトーッ!!」

 

「はっはっは、お前も私の腹で泣くか?」

 

「うっ、ぐすっ……このままでいいネー」

 

そう言って長門をしっかり抱き締め嗚咽を洩らす金剛を眺めていた響は少し膨れてる様にも見えた。

 

「響、長門が空くまでで良いからこっちに来るか?」

 

そこで俺が冗談混じりに響に尋ねると響はいつもの様に頷いて……()()()()

 

「……長門さんが空くまで……だから」

 

お……お……ウオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーッッッッッッッッッッッッッッ!!

響が!響が自分からおおお俺の左手を!にぎにぎにぎ握ってるぅうううっ!!!

遂に……ついにこの日が来たっ!

長門の代わりだとかそんな事はどうでもいい!!

感謝っ!愛しき天使に感謝!

 

「と、門長っ!?」

 

「うぐぅ……ズズっ……何でもない……うっぐ……大丈夫だ……」

 

「えっ、と……そう……かな?」

 

おぢづげ俺っ!響が引いでるぞ!

顔面から今にも溢れ出しそうな体液を堪えながら右腕で顔を覆った。

 

「う、うわぁ……」

 

「引きすぎて基地に戻れるレベルでドン引きなのです……」

 

明石と電にこれでもかと言うぐらい引かれているがそれも仕方ない事だろう…………明石は赦さんからな。

結局金剛と俺の所為で収拾が着かなくなってしまったので長門の話とこれからの事についてはまた明日話す事となりその日は解散した。

響?勿論長門と電と一緒の部屋にいるぜ?

しかし!今日はそんな事気にならないくらいに気分が良いんだ。

同時に俺の中の決意が揺らいだ気がしたが気にせず部屋に戻り安らかな眠りにつく。

 

……例え決意が揺らごうが俺の進む道は変わらねぇんだ。

 




門長のマジ泣きとかドン引きですわ〜

門長「なぁ、五十一センチ徹甲弾と十五・五センチ徹甲弾、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

いやぁ……どっち付けても私は元気100倍にはなりませんよ?

門長「なるほどどっちもか……良いだろう欲張りめ」

え、ちょ言ってな────

門長「問答無用だぁっ!」


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