響乱交狂曲   作:上新粉

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ガングートキタ━━━\(≧Д≦)/━━━!?
これで勝つる!!
しかし作中には登場予定はありませんw

Гангут「面白い。貴様には特別に銃殺刑かНКВД(エヌカーヴェーデー)仕込みの拷問、好きな方を選ばせてやろう」

粉「((((;゚;Д;゚;))))カタカタカタカタカタカタカタ」


第五十一番

翌日、響に謝る為に隣の部屋向かうも電に入口で追い返されてしまった俺は電の威圧感に負け部屋の前に居座ることも出来ずに先程からぶらぶらと鎮守府内を理由も無く徘徊している。

 

「ヘーイミスター?悩んでいても仕方ないネー。ほとぼりが冷めるまで大人しくしてるが吉デース」

 

「んなこた解ってんだよ、だからこうして鎮守府を散歩してんだろうが」

 

全くこのルー豆柴は何当たり前なことを言ってんだか……。

馬鹿にするのも大概にしろってんだ。

 

「それならノープロブレムですが……そっちは駆逐艦寮ですヨ?」

 

「ばっ!?ちげーから!俺は駆逐艦寮がこっちにあるなんて知らなかったしっ!?長門がこっちだっつうから歩いてただけだしっ!」

 

「オゥ……長門がですカ……」

 

「そうそぅ──」

 

次の瞬間、俺の右手が自身の顔面にクリーンヒットした。

 

「ぐがっ……てめぇ……」

 

ーー貴様が他人に罪をなすりつけるからだ馬鹿者っ!ーー

 

てめぇだってここの少女達とお近づきになりたいとか思ってんだろ!

 

ーーき、貴様と一緒にするなっ!それに今はタイミングが悪いだろう……ーー

 

つまりタイミングが良ければお近づきになりたいんだな?

 

ーー……兎に角引き返すぞーー

 

まあいい、確かにこれ以上響との溝を広げたくはないからな。

しかしあのオーラで今や隣部屋にすら戻れねぇし他に行く宛もねぇからな……どうしたもんか──

 

「オイ、トナガ。チョットイイカ?」

 

海沿いで途方に暮れていると不意に海の中から呼び止められた。

 

「てめぇはどこのどいつだ?」

 

俺は不機嫌そうに尋ねると声の主は静かにその姿を現した。

 

「オット、ハヤマラナイデクレ?ワタシハコウワンノヒメサマニツカエテイルソキュウダ」

 

港湾……ああ、あいつの所の潜水艦か。

 

「んで、その潜水艦が態々鎮守府の敷地にまで何しに来たんだ?」

 

「コレクライノケイビナラハイルノハワケナイ──ットソウソウ、ココニキタノハシンパイショウノヒメサマカラオマエニコトヅテヲタノマレテナ」

 

「言伝?そんなに急ぎで伝えなきゃいけない事か?」

 

「ソウダナ。ヒトツメハワカッテイルトハオモウガワレワレノソンザイヲココノカンムスニハナスヨウナコトハシナイデクレ」

 

「んなもんそもそも話す気なんかねぇよ」

 

「オマエナラソウイウトオモッテタ。ダカラコッチガホンダイダ。リトウノヒメノチュウシントオモワレル()()()()()()()()()()()()ガオマエヲネラッテイルトノジョウホウガハイッタ」

 

「離島の……リ級?」

 

何か聞き覚えがあるな……なんだったか。

 

ーーお前が輸送護衛中に大破させたのもリ級改flagshipだったなーー

 

ああ、なるほどな──ってそいつは確か。

 

ーーそうだ、夕月達が撃沈させている。だから別個体だと思うが……ーー

 

だが確証はねぇか……

 

「──ット、ドウヤラカンムスガキタヨウダ。ホウコクモスンダシワタシハシツレイシヨウ」

 

「おう、わざわざすまねぇな。気を付けとくぜ」

 

「アアソウダ、サイゴニヒトツ。カノウナラソウホウヒガイハサイショウゲンニタノムトノコトダ」

 

「ったく……向こうは殺す気で来るっつうのに無茶言うぜ」

 

「ソレデモヒメサマハオマエナラデキルトシンジテイルノダロウ……ムロンワタシモナ」

 

それだけ言い残すとソ級は物音一つ立てずに海底へと消えていった。

 

「無茶振りもいい所だが……ま、そういう契約だしな」

 

「おおっ!門長よ、この辺りに深海棲艦の反応があったのだが見ておらぬか?」

 

直後息を切らせて走ってきたのは腰に褌の様な布をぶら下げたツインテールの女であった。

 

つうか見つかってんじゃねぇか……。

 

「ああ、そいつなら俺が沈めといたから問題無い」

 

「なんとっ!?流石は大和と殴り合った男なだけはあるのう!」

 

なんか感心されたが深海棲艦を素手で殴り倒す位なら普通の戦艦でも出来ると思うんだが。

 

ーーそもそも海戦で殴り合うこと自体が普通では無いがな。それより今の話、上手くこの鎮守府の者にも伝えた方が良いんじゃないか?ーー

 

あ〜そうか。今来られると此処が戦場になんのか。

けどヴェールヌイ達に迷惑をかける訳にもいかねぇしなぁ……取り敢えず響達の事だけ頼むか。

 

「おいツインテジジィ、ヴェールヌイは今何処に居るか知ってっか?」

 

「ジジィじゃとっ!?うら若き淑女に向かってジジィとはどういうつもりじゃ!」

 

「うるせぇ、喋り方がジジィだからジジィっつったんだよ。いいからさっさと答えろ」

 

「おのれぇ〜……知るか莫迦者っ!執務室でもなんでも勝手に探せば良かろうっ!!」

 

ツインテジジィは不貞腐れながらそう言い残して港を去っていった。

 

「ちっ……仕方ねぇ、聞いて回るか」

 

「そ、その前に執務室にいきませんカー?」

 

「お、金剛にしてはいいアイデアじゃねぇか」

 

「オーゥ……トネには同情しますネー」

 

?何言ってんだこいつは…………ま、それよりも執務室だな。

金剛が何やら呟いていたが大した事じゃ無さそうなので気にせず執務室へと足を運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「────以上が今日の予定だけど、何か気になる事はあるかい?」

 

『いや、問題無いよ。あ、そういやこの前来た彼の経過の方はどうだい?』

 

「う"っ……一応は問題無い、けど……」

 

『けど?』

 

「大和さんに指導が行き届いていなかったせいでちょっと……門長少佐を演習の判定じゃなく中破させてしまったんだ」

 

『なるほど……それで今は彼は入渠中なのかい?』

 

「いや、それが……資材が足りなくて補給だけして貰っている状態なんだ」

 

『足りない?いや確かに余り多くはないけどそれでも各資材二万は残ってたはずだけど』

 

「鋼材が……四万四千必要らしい」

 

『…………そ、そっか……ごめん』

 

「べ、別に司令官が悪いわけじゃ────」

 

「失礼するぜ」

 

話し中だったので常識人らしく聞き耳を立てて待っていたが話が一向に終わらず待ち切れなくなった俺は勢い良く扉を開け放った。

 

「ヘーイ、普通はノックをするのが礼儀ですネー」

 

「と、門長少佐と金剛さん!?な、なにか用かな?」

 

「ん?ヴェールヌイ一人か?話し声がしてたと思ったんだが」

 

「気のせいじゃ、ないかな?此処には私一人しか居ないけど」

 

あれが気のせいだったら俺の耳がやばい事になるんだが。

まあヴェールヌイが言いたくない事なら無理に聞く必要も無いしな。

先程の会話は気にしないことにして本題に入ろうとしたその時。

 

『どうした!?大丈夫かヴェールヌイ!ヴェールヌイっ!!』

 

突如悲痛な叫びを上げる男の声が部屋に響いた。

 

「〜〜っっ!」

 

「「…………」」

 

頭を抱えるヴェールヌイを前に俺達は何も声を掛けられずにいた。

 

『ヴェールヌイっ!どうした?返事をしてくれっ!』

 

「私は大丈夫だから、黙っててくれるかな()()()

 

『えっ!?あ……ごめん、またやらかしちゃった?』

 

声の主は画面の向こうから俺達の姿を確認して、自分が何をしでかしたかを理解したらしい。

 

「別に司令官が悪いわけじゃないさ、だから一旦黙っててくれないかい?」

 

「あ、はい……」

 

「門長少佐、金剛さん。悪いけどこの事は他言無用で頼めるかい?勿論ただとは言わない、修復なら司令官に何とかしてもらうし他に要望があれば出来る限り応えよう」

 

なんだか良くわからんが周りに知られたくない重要なことらしい。

となれば話は早いな。

俺は本題を切り出し秘密を守る対価として響達を此処で事が済むまで護ってもらうように頼んだ。

 

「そんな事が……わかった。けど本当にそれだけでいいのかい?狙われているなら無理せず修理した方が……」

 

「いいんだよ、んな事したらそっちがやってけなくなっちまうだろ?」

 

「それは…………」

 

「だから響達だけは絶対に護ってくれ」

 

「……ダー、彼女らは命を懸けて護ろう」

 

「頼んだ……つってもお前らも沈むんじゃねぇぞ」

 

「勿論、利根川艦隊はもう誰一人沈ませないと決めたんだ。信頼してくれていい」

 

「よし、それなら安心だな」

 

後は俺が奴らを食い止めるだけだな。

数は分からねぇが少なくとも舞鶴の時より多いのは確かだろうな。

 

ーー全員がこちらを狙ってくればまだ何とかなるだろうがーー

 

ああ、だが離島の時を考えるにその可能性は低そうだな。

俺が長門と対策を練っているとヴェールヌイから提案が一つ上がった。

 

「修理の代わりというわけでは無いけれど門長少佐さえ良ければこちらから少佐の方へ支援艦隊を出させてくれないか?」

 

「支援艦隊?いや、そっちは鎮守府の防衛をしてくれれば大丈夫だ」

 

「いや、もちろん第一艦隊と第二艦隊は鎮守府防衛に当たらせるつもりだ。それでも前線で少しでも敵戦力を削れた方が防衛もしやすいからね」

 

ふ〜む、それも一理あるか……。

 

「分かった、だが前線に出す奴には伝えといてくれ。敵艦船は撃沈しないようにな」

 

「どういう事だい?なぜ敵を沈めさせないんだい?」

 

あ〜……まぁそうくるよなぁ……。

あいつらとの契約を話すわけにもいかねぇし……つってもなぁ……。

 

「あ〜……あれだ、あいつらの中にも話せば分かる奴がいるかもしれねぇだろ?」

 

「ふ〜ん……意外に甘いんだね?」

 

流石に無理があったか?

 

ーーそれ以前に海軍で言ったら反逆罪で処刑される様な発言だからな?ーー

 

マジかよ……やっちまったか?

 

「そ。そういう訳じゃなくてな?ほ、ほら!姫級とかは喋るだろ?だからな!」

 

「ふふっ、別に誤魔化そうとしなくてもいいさ。私達も話し合える深海棲艦がいる事は知っているからね」

 

「な、なんだ……そういう事なら────」

 

「ただ、そうじゃない深海棲艦もいる。そこを見誤れば沈むのはこっちだ」

 

「ああ、勿論分かってる。だから沈めずに撃退するのは前線だけだ」

 

「了解、前衛には伝えておこう。それと哨戒機からの報告が入り次第警鐘を鳴らすからそれを合図にしてくれ」

 

「おう、助かる。じゃあそっちの準備は頼んだぜ」

 

前準備は良し、後は来るのを待つだけか……。

 

ーーしかし、気が重い戦いだなーー

 

まあ、奴らが俺を恨むのも間違いじゃねぇからな。

だからっつってこんな所でやられるつもりはねぇよ。

 

ーー当然だ、響を護るべき我々が沈むなんて事あってはならん!ーー

 

ま、そういうこった。そんじゃあ一丁暴れるとすっか!

俺は気を引き締め直すと一人波止場へと戻った。

 

 




利根「吾輩の扱いに対して異議を申し立てたいのじゃ!」

上新粉「それはね………………門長故致し方無しっ!」

利根「む、むぅ……なんじゃその謎の説得力は」

上新粉「私自身は利根さんの事が大好きなので堪忍してつかーさい」

利根「お主が好いておるのはヴェールヌイであろう」

上新粉「もち!ですが私は皆好きですよ?作中に登場してる人は特に」

利根「むぅ……はぐらかされている気もするがまあ良い。これからも精進するのだぞ?」

上新粉「この上新粉!命に変えてもこの作品だけは完結させる所存であります!!」

利根「うむ!その意気じゃ!」



Ps.ガングートさんには次回作(未定)での出演という事でご了承頂きました。

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