週刊投稿する気あんのかっ!って思われるでしょうが実際したいとは思っているんです!
しかし!誘惑が!使命が!多いorz
ガングートが欲しい!
あと北方水姫だけなのに資材が尽きて一時撤退を余儀なくされる。
その空き時間を利用して今回投稿に至りました。
そんな事はどうでもいい!本編だっ!!
「こちらが航巡寮です。三号室から六号室まで空いてますのでご自由にお使い下さいませ」
「サンキュー榛名、有難くお借りしマース」
ご自由にということは誰が何処を使おうと構わないと言う事か、ならば俺が選ぶ道は一つ……
「響っ!是非とも一緒の部屋に──」
「響ちゃん、三号室に行くのですっ」
「あっ、うん分かった」
「ちょっ……」
「門長さんは隣の部屋を使うといいのです」
電はそう言い残し響を連れて三号室へと入っていった。
あれ以降電に嫌われてる気がする。
わざわざ他の部屋と言わずに隣の四号室を指定したのもたまたまだとは思い難かった。
「オー……そ、それじゃあワタシは六号室を使わせてもらいマース」
金剛もそそくさと部屋に入っていった。
「あ、あの……大丈夫ですか?」
「はぁ……」
俺は軽く凹みながら榛名に応えることもなく四号室へと入った。
それから数時間、夕飯に呼ばれ腹を満たした俺らは再び部屋で待機していると小さなノックが部屋に飛び込んできた。
「門長少佐、今は大丈夫かい?」
「お、おうっ!──ってヴェールヌイの方か。空いてるぜ」
一瞬響が来てくれたのかと期待した俺はどうやら声のトーンが少し下がってしまっていたらしい。
「響違いで済まなかったね」
「いや、お前が悪いわけじゃねぇんだ。気にしないでくれ」
「そうか。君と響の間に何があったかは知らないけれど二人が上手くよう応援しているよ」
「ありがとな。んで、俺の所に来たってことは返事は決まったのか?」
「ああ、その事なんだけどね。門長少佐が良ければこれからこの後工廠に来てくれるかな、勿論長旅で疲れてるだろうし無理にとは言わないよ」
工廠にと言う事は肯定的な返答だと受け取って問題は無いか?
「それは助かるがそっちにメリットはあったのか?」
「うーん……そうだね、そしたら戦闘データも取りたいだろうし明日辺り演習に付き合ってくれないか?」
「戦闘データ?そんなんでいいのか」
「噂通りなら億は下らない情報になると思うよ。と言っても門長少佐の情報を売ろうなんて気はサラサラないから安心して欲しい。ただ好奇心旺盛な二人の閃きに協力して欲しいだけなんだ」
そんなに俺の情報が貴重なんかねぇ?
ーー海軍でも一部の人間しか知らない極秘情報の塊だからな、私だって計画の事を知ったのは改修された後だーー
なるほどな。まあ交渉が成立するならどうでもいいか。
「んじゃあ交渉成立って事でいいんだな?」
「こちらとしては問題ないね」
「おっし、そしたら早速連れてってくれ」
「助かるよ。それじゃあ案内しよう、艤装を持ってついてきて」
俺はヴェールヌイに案内され工廠へと向かった。
向こうに初めてついた時も思ったが鎮守府の構造は何処も同じらしいな。
「着いたよ、此処が工廠だ」
見慣れた工廠の扉をヴェールヌイが開くと中には出撃準備中と思われる数人の艦娘と何やら熱く語り合っている二人の艦娘の姿があった。
「やはりここは長門型の艤装を形作ってから移した方が確実性が上がるんじゃ無いですかっ!」
「でもそれだと想定外の事態に対処出来ない可能性があるわ。それよりも通常建造と同じ様に未加工の資材を用意してそれに移してからの方が安全だと思うの」
「しかし、その方法じゃあ長門さんの魂が移せる状態になる前に他の魂が入ってしまう可能性もあって確実とは行きません」
「そうねぇ、そのタイミングを見つけないと行けないわね」
「二人とも話し中に済まないがお客さんだ」
ヴェールヌイが割って入る事で二人は漸く俺の存在に気が付いたらしく、慌てて自己紹介を始めた。
「あ、これは失礼致しましたっ!私タウイタウイ泊地第六鎮守府に所属している工作艦明石と申します!」
「私は軽巡洋艦夕張、宜しくね門長さん?」
「今回門長少佐の依頼を受けてくれる二人だ、仲良く頼むよ」
「おう、門長和大だ。よろしく頼むぜ」
「うん、それじゃあ私は仕事に戻るよ。頼んだよ夕張、明石さん」
「まっかせといてよ!」
「工作艦の名にかけてやり切って見せますよ」
二人の返事に頷くとヴェールヌイは工廠を後にした。
「それでは門長さん、早速ですが艤装を出して貰えないかしら?」
「艤装?これか?」
俺は両手に持っていた五十一センチ連装砲を机の上に降ろした。
「えっと……兵装の方じゃなくて海に出る際に着けている艦橋なんかは?」
「ない、これを持ってりゃ海に出れるだろ」
「えぇ…………明石さん、これって……」
「うーん……前例が殆ど無いから自信は無いけど多分艤装の展開が出来ないのかしら」
「でもそうなるとどうやって調べるんですか?」
「そうねぇ、方法はあった筈だけど流石に覚えてないわねぇ」
何だか雲行きが怪しくなって来たな。
「どうした、もしかして出来ねぇのか?」
「あ、いえ移すこと自体は可能なのですがその為に門長さんの艤装から情報を確認する必要がありまして」
「それが出来ねぇのか」
「出来ない事は無いのですが前例が殆ど無くてやり方を覚えていないんですよ」
つまりその方法が無いと先に進めないっつう事か。
なら今日出来ることは無いな。
「なるほどな。だったら俺は部屋に戻るぜ、方法が分かったら頼むぜ」
さーて帰って寝るか。
ーーなあ、今基地に居る明石なら方法を知ってるんじゃないかーー
ああ、そういや俺の耐久とか知ってたな。
だけど連絡手段が無いだろ。
ーー私もそう思ったんだがな。よく考えたら今金剛が持っている通信機を作ったのは目の前の明石ではないか?ーー
だったらどうしたっつうんだ?
ーーいや、それなら暗号も分かってるんじゃないか?ーー
…………なるほど、聞いてみるか。
「なあ明石、前に何処にでも届く通信機を作った記憶はあるか?」
「通信機ですか?」
記憶に無いのか首を傾げている明石に対して夕張は思い出したらしく明石に耳打ちをした。
「ああっ!横須賀の明石さんが引き取っていった物ですか!」
「そうだ、それのコピーが色々あってうちの基地に居る不知火が持ってるんだが」
「コピー?はぁ、それがどうかしましたか?」
「実はそこに呉の明石もいてな、更に言うとオリジナルの通信機の一台は今金剛が持っているんだ」
「く、呉の明石さんっ!?ととと言う事は呉の明石さんとれれ連絡が取れるんですか!」
なんか以外な所で食いついたな、まあいいが。
「ああ、ただ一つ問題があってだな。こっちの通信機からじゃ暗号化されてて話が出来ないんだ」
ここまで言えば奴も察しがついたらしく眉間を押さえてブツブツ言い始めた。
「暗号かぁ……複合表はどこにあったかしら……」
「明石さん、ヴェルならもしかしたら憶えてるんじゃない?」
「いや、流石の彼女でも厳しいんじゃ。」
ためらう明石に反して夕張は既にヴェールヌイと連絡を取り始めていた。
「……うん、うん。それじゃあ待ってるわね」
通信を終えるとヴェールヌイが来るまでの間に俺の噂の真偽を知りたいと夕張にせがまれた。
俺もどんな噂が立っているのか気になっていたので承諾する事にした。
「じゃあ先ずは一番有名な噂ねっ!舞鶴第八鎮守府をたった一人で壊滅させたってのは本当なの?」
何でこいつはそんな噂がたってる奴を前に怯むことなく聞けるんだ?
事実なら完全に敵じゃねぇか。いや、それを確認しようとしてるのか?
「いや、結果的には俺のせいになるかもしれんが俺が直接潰したわけじゃねぇ」
だが、嘘を付く必要は無いので俺はありのままを述べた。
「ふ〜ん、流石に単艦で百隻を越える艦娘を相手にしたってのは無理があるわよね」
まあ、実際の所行けそうな気はするけどな。
「あ、それじゃあ素手で姫級を沈められるってのは本当?」
「姫?姫級とは殴りあった事は無いな」
長門は殴り殺した事はあったが。
「やっぱりかぁ、流石に誇張しすぎよねぇ」
所々俺のせいにされてるがどうやら俺のやった事は全て広まってる訳じゃねぇみたいだな。少し安心したぜ。
「お待たせしたね」
案外時間が経っていたらしく気が付いたらヴェールヌイが再び工廠へ戻ってきていた。
「あ、わざわざ悪いわねヴェル」
「頼んでいるのはこっちだしね、これ位どうってことないさ」
「すみませんヴェールヌイさん、以前作った通信機の複合表なのですが憶えてますか?」
「ああ、それなら憶えてるよ」
え、暗号って憶えてられるものなのか?
「流石ですねっ!では申し訳有りませんが複合表を書き出して頂けますでしょうか」
「その事だけれど。ついでに金剛さんから通信機を借りてきてるし、いまからそっちの明石さんと連絡が取れるのなら私が直接伝えようか?」
「えっ……か、可能なのですか?」
「さ、流石のヴェルにもそれは厳しいんじゃない?」
だがヴェールヌイはさも当然のように答えた。
「自分で考えた暗号だ、それ位わけないさ。門長少佐、そちらとは今連絡をとっても大丈夫かい?」
「あ、ああ。大丈夫だろうけど……恐らく不知火が持ってるから変わってもらってくれ」
「了解、それじゃあ……」
ヴェールヌイはそう言って通信機を繋ぎ始めた。
『どうしましたか金剛さん?』
相変わらず野太いオッサンの声が通信機から発せられている。
ヴェールヌイは返答する為にその小さな口を開いた……
「こдеたдыоダхочチи неダпоキнаクцеアфоウあэтすцеカотモЮр」
恐らく暗号化すれば伝わるように話しているのだろうが俺らには何を言っているのかさっぱりであった。
『明石に用事ですか、まあいいでしょう。今替わります』
結局俺は目の前に広がる異質な状況に終始飲まれていたのだった。
「あкароアлет」
『どういたしまして。私も何時かそっちに遊びに行くからその時は宜しくね』
「ゼбудカвсしфев」
「いやぁ、助かりましたヴェールヌイさん」
「ヴェルが頭良いのは知っていたけどまさかここまで凄いとはねぇ」
「そんなことは無いさ、自分で考えた暗号だから出来ただけさ」
暗号を考えただけでも充分凄ぇと思うが照れ隠しに人差し指で頬を掻くその仕草が可愛過ぎてそんな事はどうでも良くなっていた。
「さて、方法も分かりましたし直ぐに始めましょう」
「あ、時間が掛かるから門長さんは眠ってて良いわよ?」
「この前も言われたな。まあ楽だから良いけど」
それに寝ずに移動してたつけが回ってきたみたいですっげぇ寝みーんだ。
俺はカプセル型の容器に横になり目を瞑るとすぐさま意識は夢の中へと吸い込まれて行った。
次回!大演習!久々の戦闘回の予感(まあ演習ですが……
来週には上げたい(願望)