今年もどうか宜しくお願い致します。
SSを書き始めてもうじき一年となろうとしております故に、初心に帰って戦闘に力を入れようと思った…………のですが主人公が暴走しすぎてどうすればいいのかorz
という訳で新年になったから特に変わるという訳ではありませんが地道に頑張って行きたいと思いますので改めてよろしくお願い致します。
人類史上最凶最悪の大量破壊兵器-水素爆弾-
大戦時に使用された原子爆弾の数百倍から数千倍とも言われる破壊力の前には通常兵器をものともしない艦娘、深海棲艦でさえ容易く蒸発させる事の出来る人類が艦娘以外で唯一対抗できる手段である。
艦娘の登場により使われる事は無くなったがそれでも過去に姫級を数体まとめて消滅させた実績すらある兵器なのだ。
その爆心地で生き残れる生命など普通なら存在する筈が無い…………そう、
「チッ……次ハテメェダ……覚悟シロ」
だが、海上に浮かぶ門長という男は過去二回も水爆の衝撃に耐えている。
一度目は全身が千切れ飛ぶ寸前の瀕死状態であったが何とか一命を取り留め、二度目となる今さっきに至っては背後の異形の半分は失ったものの本体に至っては両手に持った連装砲と共にほぼ無傷という状態である。
「アッハッハ!ダケド一発凌イダダケデ調子ニ乗ルナヨナッ」
門長を観察していた深海棲艦、ソロモンは予想以上に損害の少ない門長に驚きつつも未だ余裕の表情を崩さずに背部のコンテナから二つハッチを開き
しかし、そこに狙い済ましたかのように放たれた砲弾が誘導噴進砲の進行を阻害する。
「ナァッ!?グゥアァッ!!」
「ナンドモ同じ手ヲ食ラウカヨ」
砲弾が直撃した弾頭は衝撃とその熱量により火薬を発火させ激しい光が今度はソロモンを包む。
空を覆うほどのキノコ雲の中にソロモンの声は聞こえてこないが、門長は雲が薄くなるのを待たずにその中心へ主砲を撃ち続ける。
「オイ、マダ生キテンダろ」
「…………ハッ!ヤルジャンカテメェ!!」
反撃の機を窺っていたソロモンは門長が油断しないと見るや否や後ろへと飛び退き誘導噴進砲を構える。
しかし先程までの核熱兵器では無く通常の弾頭を使用する。
ぶっ飛んだ性能を持つソロモンでさえ何度も受けては無事では済まない代物なのだ。
既に二発の水爆を受け全身から蒼白い体液を撒き散らし、コンテナも半数は吹き飛んでしまっている。
と言ってももし人類がそれを使おうとした所で先程奴がやった様に撃ち落とせば何も問題はない。
だからこそ目の前の男が何故水爆受けて平然としているのかが分からないのだ。
もう一、ニ度直撃させれば分からないが今の奴に普通に撃っても当たらない事は既にソロモンも十二分に理解している。
それ故に今使える通常の弾頭百門に核熱弾頭を紛れさせ一斉射したのだ。
「下ラネェ……オチろッ!」
二百を超える誘導噴進砲が門長に襲いかかるが、門長はただ苛立たしげに空を睨みつけ両腕の連装砲から砲弾を弾き出す。
誘導噴進砲へ一直線に飛んでいった四発の砲弾は上空で炸裂し、幾万もの子弾が誘導噴進砲を貫き空は一瞬で爆炎に呑まれた。
核熱弾頭も例に漏れず門長の所へ辿り着く前に爆炎に散っていった。
「ハ、ハハッ。私ラミタイナ化ケ物ガ他ニモイルナンテネ……ナァアンタ、コッチ側ニ来ル気ハナイカ?」
「ア"ア"?俺ガテメェラノ仲間ニナルト思っテンノカ?」
「別ニ仲間ジャナイサ、私ラミタイニコノ世界ニ恒久的ナ
「……イイゼ、ソッチにイッテヤルヨ」
「フフ、ナラバ色々話シテオカナイトネ。無線ジャ傍受サレルカモ知レナイシコッチニキテヨ」
門長はソロモンの言う通りに近付き始める。
二人の距離は徐々に無くなっていき、やがて一息で手が届く位置にまでなった。
するとここまで終始笑顔の表情を見せていたソロモンが突如醜く歪む。
そしてソロモンは核熱弾頭の誘導噴進砲が格納されている全三十門のハッチを開放した。
「ククッ、ヤット隙ヲ見セタナ化ケ物。コノ距離ナラ避ケルコトハデキナイダロ」
「死ネ、深海棲艦」
「アア、ダガソレヲスレバオマエモ助カラナイゾ」
ソロモンは門長からの攻撃を抑止しつつも自分が助かる道を見つけ出すためにその頭脳を高速回転させていた。
しかし、ソロモンは致命的な勘違いをしていた。
それは門長に話が通じる状態であった為、少なからす躊躇が生まれると思っていた事である。
だが、たまたま噛み合っていたようにソロモンが感じただけで平時でさえ人の話を聞かない事が稀に良くある門長が怒りに我を忘れいるのだ。
つまり、元より仲間になる気が無いどころかソロモンの発言によってその怒りを助長させていただけであった。
「エ……ナッ!?マサカッ!!」
ソロモンが撃つのを躊躇させたと思い生きる道を考えようとした直後、門長の主砲はコンテナを貫通していた。
そして格納庫内部で核熱弾頭の一つが暴発した次の刹那、一斉に誘爆を起こし周囲は瞬く間に光と爆炎に飲み込まれそこにあった海水諸共全てを蒸発させた。
やがて煙の晴れたその場所には二人の姿はなかった。
今回はちょっと書き方が違いますが多分次からは戻るかもしれないですねw
……戦闘描写を勉強しなければ。