諸事情により今回は短めです。
俺が南方の基地に流れ着いてからおよそ一週間がたった。
話せるようになり、少し動ける位まで回復した俺は陸奥からこれまでの経緯を聞いていた。
「どうやら私が大破した赤城さんをドックへ運んでいる間に貴方が戦った深海棲艦が現れたらしいの」
「なるほどな、それでそいつに基地を潰されて今に至るって訳か」
「そうね、ただ前線にいた娘達の通信では他の深海棲艦も纏めて沈めていたと言っていたわ」
「ちっ……やっぱりか。それは多分そっちの深海棲艦が本命だったんだろ」
俺の見間違えじゃなきゃ奴は確か吹雪達を助けた時にいた深海棲艦のうちの一人だったからな。
「ええっ!?じゃあ私達はついでにやられたって事なの?」
「そんなもんだな…………だが、そんな事は正直どうだっていい」
「え?」
くそっ、このタイミングで来やがるとはふざけやがって……。
奴が何の為に此処に来たのかが分かったと同時に俺は激しい焦燥に駆られ立ち上がる。
「このままじゃ不味い、すぐに帰るぞ妖精!!」
「え?まって!そんな状態で帰るつもりなのっ!?」
「そうですよ、今行っても貴方に出来る事は無いですよ?」
できる事が無いだって?だからどうしたって言うんだ!
「響達のピンチにこんな所でゆっくりなんてしてらんねぇだろうがっ!!!」
「はぁ……私は別にいいんですけどね、んじゃ腕付けちゃうんで取り敢えず横になって下さいね〜」
「急いでくれっ」
「はいはい」
妖精は気の無い返事をしながら作業に取り掛かった。
そんな中状況を把握出来ない陸奥は俺に説明ん求める。
「ちょっと、一体どういう事なのよ。あの深海棲艦を知っているの?」
「しらんっ!分かってんのはこのままじゃ響達が危ないって事だ!!」
「はい、完了ですよ。後長門型の艤装があったので付けときましたよ」
「おう、助かるぜ」
おお、中々馴染むじゃねぇか。
--これは陸奥のだが同型の艤装だからな--
「なるほどな、んじゃ行くぞ!」
「姉さん?…………ってうそっ!?本当に行くのぉ!?」
俺はすぐさま部屋を飛び出し響達のいる基地へ駆け出した。
「門長さん。永海……いえ、西野提督はそっちにいるのかしら」
西野……………………?
「いや、誰だそいつ」
「夕月ちゃん達と一緒に来た女性提督ですよ」
「ん、ああ!あのこっちについてこようとしてたアマか!」
「ついてこようと?」
「ああ、邪魔だから置いてきた」
「邪魔ってねぇ…………まあでも、ありがとう」
「ああ?何だいきなり」
陸奥はお礼を述べると徐々に近付いていき、やがて陸奥の唇が俺の右頬に触れ…………る前に上体を左へ反らし顔面を鷲掴みにし引き離した。
「……ちょっとぉ、女性の顔を鷲掴みにするのはどうかと思うわよ?」
「俺の間合いに入るお前が悪い」
陸奥の抗議を軽く流し少し後ろに放り投げる。
バランスを崩し転びそうになりながらも陸奥は何とか踏ん張っていた。
残念だったな陸奥よ、俺にそういう事をしていいのは幼き少女だけなのだ!
…………された事は無いけどな。
-はっはっは、ブレないなお前さんは-
--全くだ。だが、私の妹に手を上げるとは……覚悟は出来ているな?--
まっ待て!?俺が悪かった!悪かったから全砲門を俺に向けるのは止めてくれ!
つか、いまそれをやったら響達を助けられないだろうが!
--それぐらいわかっている。だからこれで許してやろう--
直後、俺の右腕は俺の顔面を思い切り引っぱたいた。
「ぶふぅ!?」
「ど、どうしたのよ!?いきなり両手を上げたと思ったら自分を引っぱたいたりして」
「気にするな、自身との戦いだ」
「そう……?まぁ、大丈夫なら良いけれど」
くそ……覚えてろよ。
しかし、今はそんな事考えている場合じゃないな。
「……何だか胸騒ぎがする、速度を上げるぞ」
「え、ええ。分かったわ」
頼む、間に合ってくれよ……
門長の
それにより長門の
門長に15のダメージ。
さて、ふざけるのも程々に本題に入りましょうかね。
次の展開についてとあるアンケートを活動報告にて取りたいと思いますので気が向いたら投票して頂ければ幸いです。
寝落ちしなければ6時半迄には上げるかと思います。