マシュマロ型提督   作:gromwell

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つらつら書いてたらなかなか終わらなかったのです。


第十三話『大和とお餅とお腹』

 フタサンマルマル。すっかり消灯時間を過ぎた宿舎にはまだ明かりが煌々と灯っている。

 

 今日は大晦日。特別に麻守は、夜間警備の担当以外の夜更かしを許可していた。

 

 もっとも、いくら正月を迎えるにしても、何にもない小さな島の鎮守府である。

 

 除夜の鐘なんてものはないし、参拝できる神社もない。なので、日付が変われば初詣代わりに執務室に設えられた神棚を拝む程度である。

 

 そう、昨年までは。

 

「あの、これはいったいどういう……」

 

 工廠でひどく困惑している大和の目の前には、注連縄やら鏡餅やら蜜柑やらで飾りつけられた彼女の艤装が鎮座していた。各種正月飾りでデコレーションされた艤装は巨大さを増して大迫力である。

 

 その周辺では妖精さんたちが餅をついたり丸めたり、酒盛りしたりと好き勝手に過ごしている。

 

 因みに、酒の肴にとスルメを炙っていた妖精もいるにはいたのだが、艤装に臭いが移るのを嫌った大和が早々に制止していた。当然スルメは没収。最終的に大和のお腹に収まった。

 

「せっかくなので大和の艤装を神社に見たててみようという事になりましてな」

 

 主犯の麻守がそういってパイプ椅子に腰を下ろしたまま、大きく背伸びをした。どうやら妖精さんと一緒になって大和の艤装の飾り付けをやったらしい。

 

 大和ホテルならぬ、大和神社である。

 

 巨大な三連装砲などが目に付く、やけに物々しい神社であるが、戦果という意味では御利益がありそうだ。

 

「これだと、いざという時に出撃出来ませんよ?」

 

 麻守の隣で同じくパイプ椅子に腰掛けたまま、頬に人差し指を当てながら大和は首を傾げた。

 

 もっと他に気にするところがある気もするが。

 

「正月くらい、深海棲艦の連中も休むのではないですかな」

 

 そう冗談めかして麻守は笑った。

 

「そう願いたいものですね」

 

 大和の微笑みがこぼれた。

 

「ところで提督、来年の抱負などお聞きしても?」

 

 来年の抱負とはまた、真面目な大和らしい質問である。

 

 うーんと麻守は考えた。この男、年末の忙しさにかまけて、先のことなど何にも考えていなかった。当然、来年の抱負など全く白紙。

 

(ここは素直に何にも考えていなかったと白状すべきですかな)

 

 しかし、麻守にもちょびっとは意地やら提督としての見栄を張りたい気持ちもある。なので麻守は思いついた事を言ってみた。

 

「そうですな、来年こそは……」

 

「来年こそは?」

 

 重たい口を開いた麻守を、じっと大和の瞳が見詰めている。

 

「来年こそは、愛宕に年末の大掃除をやらせる……とか?」

 

 なぜそこで疑問形になったのか。そして何でそんな割とどうでもいい内容なのか。

 

「いえ、確かに愛宕は大掃除から逃亡しましたけれど……」

 

 もちろん、大掃除をサボタージュした分、愛宕はきちんと他の仕事を代わりにやっている。保存期間の過ぎた書類や溜め込んだ書き損じの書類やらの焼却処分である。

 

「書類を燃やした火で、干し芋をちゃっかり炙っていたのは少々面食らいましたな」

 

「皆さんの分まで用意してましたしね」

 

 どうせなら皆を巻き込んでしまえという辺り、なんとも愛宕らしい。

 

 喜んで干し芋を食べる雪風に毒気を抜かれて、なし崩しに許される事まで、恐らくは計算済みだったのだろう。まあ、高雄にはこってり絞られたらしいが。

 

「それで、提督の抱負はお聞かせくださらないのですか?」

 

 流石に大和もこの程度では誤魔化されてはくれなかった。

 

「まあ、こういうのは無言実行するに限るということで」

 

 どうもそういうのを言葉にするのは照れくさい麻守なのだ。

 

 願いや目標というのは、胸に秘めておくもの。そうして、その実現に向けて努力し、歩みを続けるべきものだと麻守は固く信じている。

 

 もちろん、恥ずかしいのでそんな信条は言葉にはしない。こうみえて、妙にシャイな男なのである。

 

「そういう大和はどうなのですかな?」

 

 仕返しとばかりに麻守は訊いた。偽りだったとはいえ、麻守も答えたのだ。だから、こちらも聞かねば損である。

 

「大和の抱負ですか?」

 

 そうですねぇ……と、ちょっと考えて、悪戯っぽい笑みを浮かべた大和が口を開いた。

 

「来年こそは栗田ターンを──むぐ……!?」

 

 大和の口を麻守の手のひらが塞いだ。

 

「むぐぐー?」

 

 何やら言っている大和の目を覗き込んで、瞳を潤ませた麻守は静かに首を横に振った。

 

「それ以上は言ってはいけませんぞ」

 

 自虐ネタは、聞いた人も言った本人も不幸にするだけなのである。それがもたらすのは笑顔ではなく、ただの嘲笑にすぎないのだから。

 

「ふぇいほぉふ……」

 

 麻守に口を塞がれたままの大和がこれまた潤んだ瞳で麻守を見つめ返す。

 

 麻守が言わんとする事はちゃんと大和の胸に届いたようだ。

 

 そんな二人は、工廠入り口の扉が開いた事に気づかない。

 

「あ、あの……提督?」

 

 そんな声に麻守が振り返ってみれば、そこには唖然と立ちすくむ久蘇大尉の姿があった。

 

「む?」

 

 ふと我に返った麻守が冷静に、客観的に今の状況を確認する。

 

 盛大に飾り付けられた大和の艤装の前で、大和に覆い被さるようにして彼女の口を手で塞いでいる麻守。

 

 これは、事案発生と判断されかねない。

 

「久蘇大尉、これはですな……」

 

 麻守が何か言い訳しようとした矢先、突然久蘇大尉が大声を張り上げた。

 

「麻守提督!」

 

「は、はい!?」

 

 びっくりして麻守の声が裏返る。ついでに大和の口から手が離れた。

 

「お邪魔してしまい申し訳ありませんでした!!」

 

 深々と頭を下げる久蘇大尉。

 

「あ、え、ええ?」

 

 あたふたして挙動不審な麻守。

 

「あ、大尉いらしてたんですね。……あれ?」

 

 ようやく我に返った大和が見たものは深々と頭を下げる久蘇大尉と、彼の前で右往左往している麻守の姿であった。

 

 

 

「「申し訳ありませんでした!」」

 

 二人の男の謝罪の声が、執務室に響いた。

 

 麻守は口を塞ぐという非礼を犯した事を、土下座という形で大和へ謝罪していた。

 

 そして、もう一方の久蘇大尉は先ほど二人が工廠でイチャラブしてたのを邪魔したと思い謝罪していた。なのだが、麻守と大和の説明でそれが勘違いと知り、二人に対しての非礼を詫びるため、これまた土下座をしていた。

 

 そのため、執務室はソファーに座る大和に向かって土下座する麻守に向かって土下座する久蘇大尉という、訳の分からない光景が広がっていた。なので大和は現在、土下座する二人に対して丁字不利である。

 

「あの、お二人とも、頭をあげてください。大和は大丈夫ですから!」

 

 先ほどから、大和が金剛型戦艦四姉妹の三女の台詞を吐きながら、この状況を打開しようと頑張っている。

 

 しかしながら、状況は一向に好転する気配はなく、だんだんと大和は大丈夫ではなくなってきていた。おもに精神的に。

 

 そんななか、執務室のドアがノックされ、ガチャリと開いた。

 

「提督、そろそろ餅米が蒸しあがる頃合いだぞ」

 

 ひょいと顔を出したのは、当鎮守府の守護神、長門であった。

 

「……何なのだ、これは?」

 

 執務室で展開される、男二人の土下座姿に呆れた様子のビッグセブン。まさか年も変わろうというこんな時間に、こんな状況に遭遇するとは夢にも思っていなかった。

 

「何か知らんが、大和が困っているだろう。全く、悪戯はハロウィンの時だけにしろ」

 

 麻守と久蘇の襟をひっ掴んで立ち上がらせる頼もしい長門の姿に、若干ときめく大和であった。

 

 はてさて、慌ただしくも場所は移って第二宿舎入り口前。

 

 そこには大きな丸太をくり抜いたような臼と、木製のハンマーっぽい物体である杵が用意されていた。

 

 屋外用のテーブルのうえに設置されたガスコンロに乗っかった鍋が、どっかりと自己主張している隣では、大根とおろし器におろし金、醤油や砂糖などなどが並んでいる。

 

 ちょうど日付が変わる五分前。そこに内地近海鎮守府の面々が大集合していた。ちなみにこれから行われる行事は参加は希望者のみで、寝ていたい奴は参加せずに寝ていても構わないのである。というか、夜間警備担当まで参加していていいのだろうか。

 

「皆、揃っているな」

 

 ちょっとした広場になっているそこに集まった面々を、独り離れた場所から艤装を展開した長門が見渡した。

 

 そこには麻守と久蘇を含めた全員の顔が見てとれた。ならばと長門が言葉を続ける。夜間警備担当が混じっていても気にしていないご様子。

 

「皆、今年はご苦労だった。幸いにして当鎮守府から轟沈した者もおらず、また当海域での友軍の轟沈も許さなかった。これは偏に、皆の尽力あってこその戦果である」

 

 言葉を切った長門が麻守をチラリと見る。その視線の先で麻守も頷いた。

 

「だがしかし!その戦果に驕る事なく、来年もまた各員の一層の努力を望む」

 

 長門の主砲、四十一センチ連装砲の基部が海の方へと砲身を向ける。そして、日付が変わったその瞬間、最大仰角の砲身から空砲が放たれた。

 

 それは新年の到来を祝う祝砲であり、これから起こる行事の開始を告げる砲声であった。

 

 ニヤリと獰猛な笑みを浮かべた長門が宣言する。

 

「あけましておめでとう。では、恒例の新年餅つき大会を開始する!全艦、この長門に続けぇ!!」

 

 長門の号令のもと、皆が一斉に動き出した。

 

 愛宕と高雄が蒸籠で蒸らした餅米をゴロンと臼に投入。

 

 間髪入れずに、湯で湿らせた杵を手にした長門と麻守が杵同士で餅米を挟み込み押し付け、こねるようにして餅米の粒を潰していく。

 

 ある程度それが済むと、文字どおり餅をつき始めるのだ。

 

 時折、湯に杵の先端を浸しながら、臼を挟み込むように陣取った長門と麻守が餅米で構成された白い塊へ向けて杵を振り下ろす。交互に、ぺったんぺったん。

 

 その間にも次の餅米を蒸し上げるべく金剛と陸奥が慌ただしく動き回り、赤城と加賀の一航戦二人組は、もうひとつ屋外用のテーブルを引っ張り出して片栗粉をぶちまけた。

 

 また、別のテーブルでは雪風が大根をおろし器のハンドルをクルクル回して大根おろしを量産していた。

 

 その隣では、北上が鍋の中身をお玉でかき混ぜながら「とろみはこのくらいかなー」とか呟いた。

 

 そうして大和はといえば、麻守の指示で食堂の調理場からどんぶりといって差し支えない大きなお椀を運んでいた。ちなみに調理場では大井が鍋で何か煮込んでいる様子だった。

 

「ここに置いておきますね」

 

 そう久蘇大尉に声をかけて、大和はテーブルの空いたスペースに人数分のお椀を並べて置いた。

 

 久蘇大尉は片栗粉がぶちまけられたテーブルで一航戦コンビと並んで待機中だ。

 

 そうこうしていると、餅つきもいよいよ仕上げに取りかかる様子。長門が杵を振るう脇で屈んだ麻守が手を伸ばし、餅をこねる。

 

 あのメタボリックなボディからは想像出来ない素早さで手を伸ばすと餅をひっくり返したり、また一部を掴んで中央部分までびろーんと伸ばしたり。

 

 長門が杵を振り上げて、そして振り下ろす僅かな間に麻守は臼のなかで誕生しつつある餅を操っている。

 

 粒が残らないよう仕上げるこの作業で麻守と長門の関係の深さが見える。

 

 阿吽の呼吸で行われるそれは、長年連れ添った夫婦のようにも見えたのだ。

 

 大和が半ばぼんやりとそれを見ているうちに、つき終えた餅を麻守が抱えるように持ち上げ、テーブルに駆け寄る。

 

 テーブルに並んだどんぶりほどの大きさのお椀に、右手の親指と人差し指で作った輪っかで絞るように千切ったつきたてのお餅を次々と投げ入れていく。

 

 お椀全てに餅を投入し終えた麻守が次に一航戦コンビと久蘇大尉が待ち構えるテーブルへ移動した。

 

「一航戦・赤城、いただ……丸めます!」

 

「赤城さん、いま……」

 

「丸めます!!」

 

 本音が漏れかけるも、何とかごまかした赤城へジロリとジト目を向ける加賀。例え赤城相手でもつきたてのお餅のつまみ食いは見逃せない加賀だった。

 

 麻守が千切っては投げるお餅を赤城と加賀が慣れた手つきでまあるく丸めて、片栗粉で白く染まったプラスチック製のばんじゅうに並べていく。

 

 その横では危なっかしい手つきの久蘇大尉が片栗粉にまみれて熱さに苦戦しながら餅を丸めている。

 

「これはまた、すごく熱いですね」

 

「つきたてですからね。冷めてしまってはもったいないです」

 

「赤城さん、それは保存用でいま食べる分ではないのだけど」

 

 あれやこれや雑談しながらもあっという間に餅を丸め終わってしまった。

 

「ふむ、次の分が蒸し上がるまで休憩にしますかな」

 

 餅を千切り終えた麻守がよいこらしょとお椀の並ぶテーブルへと向かった。

 

 北上が餅の入ったお椀に鍋の中の汁物を注いでくれたそれは、どう見ても雑煮である。

 

 つきたてホヤホヤなお餅にぶっかけるため、出汁と醤油で味付けされた汁は少し濃いめで、葛粉でとろみがつけてある。具材は細切りのスルメと昆布。

 

 何故この具材のチョイスなのか?それは悪いことはするめぇ、よろこんぶ。ただの駄洒落である。

 

 ともあれ、寒空の下でふーふーしながら口にするそれは格別の味わいで、艦娘みんなが頬を弛ませている。

 

 少し大きめに千切られた餅に、はふはふと苦戦しつつ奮闘する麻守の横で、大和が同じく餅を相手にはふはふしていた。

 

 何気なく二人の視線が合う。見つめ合いながらはふはふと餅を食う。麻守と大和が雑煮を食べ終えるまでそれは続いたのだった。

 

「提督は毎年こんな事を?」

 

 食後の熱いお茶を注いだ湯のみを手に、大和はそう麻守に訊いた。

 

「そうですな、この鎮守府が出来てからは欠かさず」

 

 お茶を啜りながら麻守はそう答えた。それを聞いて、大和は首を傾げた。

 

「お餅などは輸送船が運んで来てくれるのでは?」

 

 わざわざ手間をかけて餅をつく意味などあるのだろうか?その必要があるのだろうか?大和が言いたいのは、そういう事である。

 

「まあ、そうなんですが……」

 

 けれどもと麻守は言った。目の前の光景を慈しむように見つめながら、目を離さないままで。

 

「自分たちでついた餅は美味いでしょう」

 

 冗談かと思う事を真顔で言った。

 

「それに、輸送船の運んで来た餅ではこんな光景は拝めませんからな」

 

 麻守の視線の先では、なんやかんやと騒がしくも楽しげに雑煮を食べる艦娘たちの姿がある。長門などはお椀片手に身振り手振りで、雪風や食いしん坊の食う母コンビに餅つきのコツを教えている。

 

「……どれもこれも良い笑顔ですな」

 

 なんだか縁側でまったり微睡むご老人のような雰囲気を漂わせた麻守が呟いた。

 

「……大和にはわかりません」

 

 これがどういった意図で行われているのか。何を目的にしてやっているのか。何の成果があるのか。

 

「楽しいから。それではいけませんかな?」

 

「楽しいから?それだけの理由で?」

 

 頭上に幾つもの?マークを浮かべる大和を優しい眼差しで麻守は見つめる。遠く遠く、懐かしい記憶を手繰り寄せながら。

 

 同時期に艦娘を指揮する提督となった他の四人は佐世保や横須賀といった内地の鎮守府に着任した。けれども麻守だけは、この内地というには遠く、外地というには近い、この内地近海鎮守府への着任だった。

 

 ここは防衛の拠点とするにはあまりに貧弱で、物資の集積地にするには小さ過ぎた。

 

 着任はしたものの、どうしようかと途方に暮れる麻守に向かって、あのクールな初期艦は問いかけた。

 

『アンタは此処をどんな鎮守府にしたいの?』

 

 嗚呼、あの時自分はなんと答えただろうか。

 

 これから苦しい戦いに身を投じるであろう彼女たちを想う。せめて隣に立つこの少女の為に、無力な自分に出来ることは何なのか。

 

 たったひとつ、祈りにも似た願いを込めて、その言葉を口にした。

 

「海が悲哀で満たされるならば、せめて此処は笑顔溢れる場所にしたい」

 

 ふと気が付けば、なにやら驚いた顔で大和が麻守の顔を見つめていた。どうやら声に出してしまっていたようだ。

 

 どうにも、あの強気で厳しい初期艦が絡むと調子の狂う麻守である。

 

「まあ、そういう事ですな」

 

 照れくさそうにポリポリと頬を掻いて麻守はぶっきらぼうに言った。

 

「それが、提督の……」

 

 少しだけ、大和は笑ったようだった。困ったようなそんな微笑み。

 

「やっぱり、大和にはわかりません」

 

 けれど、そういう大和の表情はいつにも増して真剣な面持ちだった。

 

「でも、私はそれを……。そんな場所を守りたい。守り抜きたいと思います」

 

 かつて、大和という艦が守れなかったものを、その願いを、艦娘として守りたい。今度こそは、絶対に。

 

「でも、そうですね。その前に」

 

 大和の手が不意に麻守のお腹に伸びた。ふにふにふよふよとつきたてのお餅みたいな麻守のお腹を弄んでいる。

 

「まずは腹ごしらえですね!」

 

 キラキラ眩しい大和の笑顔の先には、大きな鍋を運ぶ大井の姿があった。何か探している様子である。

 

「ちょっと!お汁粉に入れるお餅はどこですか!?」

 

 そういえば、大井にはお汁粉の仕込みをお願いしていたのだった。

 

 よく見れば、金剛が七輪を引っ張り出して餅を焼く用意をしていて、その隣では雪風は醤油に砂糖をぶちこんだ小皿を持ってそわそわしていた。

 

 これはヤバいと麻守が焦り出す。

 

「これは急がないと叱られてしまいますな」

 

 ちょうど餅米の次発装填も済んだ模様。

 

「せっかくのお汁粉です。冷めないうちにお餅を用意しなくては」

 

 やる気満々の大和の背中を麻守がポンと叩いた。

 

「お願い出来ますかな?」

 

 その言葉に澄んだ瞳で大和は答えた。

 

「お任せください。戦艦大和、推して参ります!」




次回は金剛さんメインな予定。これで麻守鎮守府の艦娘は一巡するかしら。誰か忘れているような?

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