やはり俺の戦車道は間違っている。【完結済み】   作:ボッチボール

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次回は多分、俺ガイル原作の生徒会編とほぼ似たような展開になると思います、他に方々も思い付かないので。
なので本当は麻子さんをあっさり加入させようかと思いましたけど八幡とも絡ませたかったので。

そろそろガルパン原作でいう三話目の終わり付近ですし、ありがたい事にお気に入りもたくさん頂けてる記念にたまにはオリジナルで1話書いてみようかな…、八幡とあんこうメンバーの誰かとかで。
んー…、でもオリジナル話しに需要ってあるのかしら?


残念ながら、仕事というものはどこまでいっても付いて回る。

「みんなグッジョブ!ベーリーナイス!初めてでこれだけガンガン動かせれば上出来よ!!」

 

戻って来た俺達を集めた蝶野教官の第一声がこれである、正直、この人のキャラがいまだにイマイチ掴めない、ルーさんなの?

 

「特にAチーム、そしてEチーム、両チーム共に素晴らしい戦車戦を見せてくれたわ、それで比企谷君?」

 

「え?あ、はい?」

 

突然話を振られてついテンパってしまう、ぼっちは日頃話し掛けられること事態が少ないのでこういう時、まず答えるのはこの「あ、はい?」になってしまうのだ。

 

「まだ…戦車道の事は嫌い?」

 

「………」

 

あー、やっぱり覚えてますよね、そこら辺、戦車道連盟の人間としては当然といえるが。

 

一呼吸おいて言葉を探す、とはいえ、俺の答えなんて初めから決まっているのだ。

 

「嫌いですよ」

 

人の考えなんて簡単には変わらない、俺の出した結論は変えない、何故ならばこの気持ちに嘘はないのだから。

 

「比企谷君…」

 

そんな顔をするな西住、なんだかんだといっても戦車道をやっていたお前は何より魅力的で輝いていた。

 

「…でも、まぁその、戦争ごっことか、戦車を馬鹿にしてるとか、そういうのとは、違う、かな」

 

…なんだよ?なんで皆そんな驚いた顔して俺のこと見てくんの?恥ずかしいんだけど。

 

「その…、生意気言ってすいませんでした」

 

蝶野教官に頭を下げる、つーか見ないで!人が謝ってる所とかそんなに見たい訳!?恥ずかしいんですけど!!

 

「比企谷って捻くれてるね…」

 

「まぁ、比企谷殿らしいと言えばらしいですが…」

 

「あはは…、うん、比企谷君らしいね」

 

そこっ!外野うるさいよ!!

 

「ふふっ、皆あとは各々戦車訓練に励むように、何かあったら連絡ちょうだいね、比企谷君ももちろん、大歓迎よ」

 

「うす…」

 

俺の返答に納得がいったのかどうかわからないが、蝶野教官は優しく微笑んでくれた、多分連絡する事はないと思うけどね。

 

「それでは、本日の戦車訓練を終了します、一同、礼!!」

 

「ありがとうございました!!」

「…ました」

 

まるで嵐のように現れた教官は嵐のように去っていった、こうして彼女達のゼロから始める戦車道生活のいきなりの実戦は幕を閉じたのである。

 

ーーー

 

ーー

 

 

この大洗学園の設備は中々に豪華である。

 

特に風呂場はあんこうの形をしたお湯出しの装置による大浴場があり、それがもう、とんでもなくデカい。

 

一人用の泡風呂も設置されており、おおよそ学園の風呂場とは思えない、まぁ俺は風呂は一人でゆったり入る派なんで滅多に使わんけど。

 

つかリア充達って何で風呂とか一緒に入りたがるの?風呂場で裸同士ではしゃいじゃってホモなの?怖ッ!?恐ろしいから今後一切リア充には近寄らないようにしよう。

 

なので俺は基本的に学園内で汗を流そうとするなら個別のシャワー室で済ませる、家風呂最高、本とかも読めるしな。

 

さすがに今日は戦車戦で撃破された事もあって身体の方もボロボロだ、帰る前にシャワーを浴びるべきだろう。

 

「比企谷、少し良いか?」

 

「…げっ!!」

 

そう思っていると河嶋さんに声をかけられてしまった。

 

「人の顔を見るなり、げっ…、とは何だ!!」

 

いや、だってこれ、絶対仕事押し付けられる流れじゃないですか?

 

「まぁいい、今回の戦車訓練の後片付けが残っているんで少し手伝ってくれ」

 

「…はぁ」

 

予想可能回避不可能とはよくいったもので、結局俺がシャワーを浴びれたのはその更に後になった、素直にさっさと帰れば良かった。

 

「…ん?」

 

シャワーを浴び終え、自転車で帰ろうかと校門の前にいくとちょうど西住達四人が集まっていた。

 

「…あ、比企谷さん、私、砲手に決まりました!!」

 

五十鈴が俺に気付いたのか、近寄ってくるなりそう報告してくる、彼女達も風呂に入っていたのか、まだ渇ききってない五十鈴のしっとりと濡れた黒髪が少し艶かしい。

 

「お、おう、それはよかったな」

 

よかったよかった、うん、だから早く離れてね。

 

「私は装填手です!これでも日頃から装填の為に鍛えてるんですよ、五十鈴殿をしっかりとサポートします!!」

 

装填手は秋山か、まぁ元々戦車に詳しいこいつならどこをやらせてもそれなりになんとかやりそうだが。

 

言うまでもなく、装填手がしっかりと機能してなければ戦車は砲撃が出来ない、砲手同様、戦車の攻撃力の要になるポジションだ。

 

「私は通信手だよ!凄いでしょ!!」

 

「あぁ、いいんじゃない?お前メールとか打つの超早そうだし、無線飛ばすよりメールのが速いまでありそうだし」

 

「えへへー、だよね!!」

 

いや、皮肉言ったつもりなんだけどこれ絶対気付いてないっぽいなこいつ。

 

「そして…その、実は!私が車長!!…です」

 

「いや、それはもう知ってる」

 

「ええっ!?」

 

いや、何でそこで西住の方が驚いてんの?むしろ他に誰が居るのってくらいなんだけど。

 

「車長が西住、通信手が武部、装填手を秋山、砲手を五十鈴、んで操縦手の冷泉って訳か」

 

まぁバランスを考えても妥当な所だな、むしろ他に選択肢はないだろう、…そういえば冷泉は居ないのか。

 

「…ん、どーした?」

 

冷泉の名前を出した瞬間、四人の表情が一気に暗くなった。

 

「その…、麻子さんには断られちゃって…」

 

「もう書道を選択しているから、戦車道はやらないと」

 

「え?あー…そうなの?」

 

てっきりあのままなし崩し的にいつの間にか戦車道に参加するもんだと思ってた、つーかそんな流れじゃないのね。

 

「あぁ!せっかくあの運転はお見事だったのに〜!!」

 

「もう麻子ったら…、むー!!」

 

「いや、だったらポジション変えなきゃなんねーだろ、さすがに操縦手無しはない」

 

説明の必要すらないだろうが、操縦手不在では戦車自体が動かない、砲撃も何もない、車長以上に必須なポジションだ。

 

「うん、そうなんだけどね…、でも、私は麻子さんとも一緒に戦車道、やりたいなって」

 

「でも本人がやらないって言ってるのを無理にやらせる訳にも…」

 

あー…、うん、ちょっと耳が痛いなぁ、西住をチラッと見ると曖昧な表情をしながらも軽く微笑んでいた、天使かよ。

 

「だったらうちに引き抜こうか?冷泉ちゃん」

 

「…げっ、会長」

 

またこの人は神出鬼没に俺の背後に現れてくれる、さっきの河嶋さんといい、タイミング良すぎない?もしかして俺に発信器とか付けてないよねこの人達。

 

「えと…、会長、引き抜くっていうのは?」

 

「冷泉ちゃんって、最後Ⅳ号操縦してた子でしょ?うん、是非ともうちに欲しいねぇ」

 

「でも、私達は一度冷泉さんに断られてしまってます」

 

「まー、そこは何とかするでしょ、比企谷ちゃんが」

 

「…はい?」

 

え?やだ、何それ初耳。

 

「出来る?比企谷ちゃん?」

 

会長はにっこり微笑んでるがなんかもう、出来ないとは言わせない、と目が語ってるようだ、うちの生徒会、ブラック過ぎんだろ。

 

西住に続いてまた勧誘させるつもりなのかよ、俺ってそんな敏腕プロデューサーだったわけ?

 

このままいくと目付きの悪いプロデューサーとしてシンデレラっぽいガール達のアイドルグループ結成しちゃうまであるぞ。

 

「比企谷が勧誘って…、ちょっと、またみぽりんの時みたいに変な事言い出すんじゃないでしょうね!!」

 

「…?何の話ですか?」

 

武部の言葉に秋山が首を傾げてる所を見ると西住勧誘の際の生徒会での一件は知らないのか…、武部に言いふらすイメージはなかったが、ちょっと意外だ。

 

「いえ…なんでも、ですが比企谷さん?」

 

…そんで俺を見る五十鈴の視線が凄く冷たいんだけど、五十鈴って普段は天然なお嬢様って感じだけどこういう時はお嬢様ってよりお嬢って感じだな。

 

「比企谷君、あの…、無茶な事はしない、よね?」

 

当の被害者でもあった西住も心配した様子で俺の事を見てくる、つーかまだ冷泉を勧誘する話を受けるかどうかも決めてないのに。

 

「無茶も何も…、今回は楽勝だ」

 

だが、まぁ…いいか、何でって?今回の依頼はぶっちゃけ楽勝だからだ。

 

西住の勧誘とか戦車探せとか乗り込んで隊長やれとか、そんなもんに比べてイージーすぎる。

 

「冷泉殿に戦車道を受けてもらう方法があるんですか?」

 

「ある、つーか何で誰も気付かないんだよ」

 

「なんかよくわかんないけど、麻子に何かあったら私、本気で怒るからね!!」

 

冷泉と幼馴染だという武部が少し怒った顔をして俺を指差してきた。

 

「安心しろ、今回に限っていえばお互いにウィンウィンなビジネスライクにおけるシナジー効果抜群のフラッシュアイディアだから」

 

「比企谷…ちょっと何言ってるのかわかんないんだけどその手の動きは気持ち悪いよ」

 

「ろくろでも回してるんでしょうか…?」

 

…はっ!?なんだか知らんけど身体が勝手に、もしかして何かに取り憑かれでもしたんじゃないの?

 

「あー、コホンッ、まぁ今回は本当に楽勝だ、まぁ一応武部、あと会長にもちょっと手伝ってもらいますが」

 

「それで麻子がちゃんと戦車道やるなら…、いいけど」

 

「何かわからんけど私はいーよ」

 

さて、二人の協力も得たし、あとは…風紀委員の方か、これはちょっと面倒だろうが、まぁ会長の許しが出てるし、なんとでもなる。

 

「…比企谷君、本当に大丈夫なの?」

 

「心配すんな、西住も冷泉が動かしたⅣ号を指揮したいだろ?」

 

「…うん、冷泉さん、初めて戦車操縦したとは思えなかった」

 

冷泉のあの操縦技術なら、西住の戦闘指揮にだってついていけるだろう、鬼に金棒、虎に翼だ。

 

「それに…まぁ、俺も少しはそれを見てみたいしな」

 

…明日には決着をつけるか。

 

「しかし今回は比企谷ちゃんもやけに協力的だね」

 

「…気のせいですよ、気のせい」

 

個人的に授業中に堂々とサボって寝ている冷泉に俺と同じく、楽しい戦車道社畜ライフを味合わせたい、とは思ってませんよ、ほんと。


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