IS 復讐の海兵   作:リベンジャー

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まずは最初に・・・すいませんでした!!

最期に投稿した日から気づけば半年以上たってしまっているという有様に我ながら自己嫌悪です。

まさか戦闘描写があんなに難しいものとは思いませんでした。

待ってていただいている読者の皆様の為にも何とか仕上げることができました。




ソレイユVS織斑一夏

「ふぅーようやく着きましたか。やれやれ、此処まで遠かったですね」

 

略装の上から海軍のコートを羽織った男がIS学園の前に立っていた。男はカバンから書類を取り出し、目を通し始めた。

 

「えーーーと、学園長室は・・・と」

 

男が書類に目を通していると、教員の一人が男を見つけ近寄ってきた。

 

「そこのアンタ、ここで何をしてんのよ!ここは私達のような選ばれた女性が神聖なるISを学ぶための場所よ!アンタみたいな下等な男が近づいて良い場所じゃないのよ!」

 

その教員は典型的な女尊男卑主義者であった。ISというオモチャのせいでこのような下等な牝は増える一方である。

 

「いえ、私はここの学園長に用が有って来まして・・・」

「はあ、何嘘言ってんのよ!男風情が!いいからさっさと消えなさいよ!さもないと・・・」

 

グシャッ!

 

牝は最後まで言葉を発する事が出来なかった。男が牝の首を掴み、握り潰したからである。男は死んだ牝に向かって一言だけ呟いた。

 

「五月蝿いですね。殺しましたよ」

 

男はそう言うと、牝の遺体を海に投げ捨て、再び書類に目を通し始めた。

 

「さて、五月蝿いのも居なくなりましたし、学園長室は・・・こちらですね」

 

男は学園長室に向かって行った。

 

 

 

 

同じ頃、セシリアの命は風前の灯火であった。

 

「(・・・・いや・・・・こないで・・・・)」

 

ソレイユにボロボロにされ、蹴り上げられたセシリアは迫りくる太陽から逃れようと必死だった。しかしISは既に大破しており、空中では動くことも出来なかった。悲鳴を上げようにも喉を潰されてしまっており、セシリアは自分に迫りくる太陽を見ながら死にたくないと思う事しかできなかった。

 

「(・・・・助けて・・・・死にたくない)」

 

太陽がセシリアを飲み込むまであと約5メートル。

 

その時だった。

 

「辞めろーーーーー!!」

 

突然アリーナの入り口から声が響き、ISをまとった織斑一夏が飛び出してきた。そしてそのままセシリアを助け出すと、ソレイユの前に降り立った。

 

「お前・・・なんでこんなことをした!!」

 

織斑はボロボロのセシリアを抱えながらソレイユに怒鳴った。顔は怒りで赤く染まっており、目は鋭くソレイユを睨みつけていた。

 

「こんなこと?これは試合だぞ。何を言ってるんだお前は?」

「それでもセシリアは女の子なんだぞ!女の子にこんな事して良いと思ってんのかよ!?」

「・・・フッ、ハハハハハハ!」

「なにが可笑しいんだよ!!」

「俺はその女尊男卑主義者を女以前に人間だとは思っていない」

「なんだと!」

 

ソレイユの言葉に織斑はいきり立ったがソレイユは冷静だった。

 

「ここで口論するのも良いが、その前にお前が抱えているそのゴミを向こうに持っていったらどうだ。邪魔になるし、早く医者に見せた方が良いんじゃないか」

 

「くっ、逃げんじゃねえぞ!」

 

織斑は腐れ貴族を抱えて、入り口に向かって行き、ソレイユはアリーナに座って待つことにした。周囲を見れば喧騒が絶えない。殆どがソレイユへの罵詈雑言である。ソレイユの圧倒的な力。容赦の無い性格。女尊男卑主義者にしてみれば脅威でしかないのだから当然と言えば当然である。

 

「(うるさいな。吠える事しかできない雑魚共が)」

 

ソレイユ自身は全く意に介していなかったが。

 

ソレイユがしばらく待っていると、織斑がやって来た。相変わらず顔には怒りが現れていた。

 

「来たか。さっきの話の続きだが、さっきのセシリア・オルコットを始めとした女尊男卑主義者は俺たち男のことをそもそも人間だとは思っていない。家畜か奴隷扱いもいい所だ。そんな奴らを何故此方だけが人間扱いしなければいけない。ゴミと呼ぶのが相応しい!俺にとって女尊男卑主義者は等しくゴミだ!ゴミにはゴミのように焼却処分されるのがお似合いだ!」

 

ソレイユの言葉に馬夏は猛然と言い返した。

 

「違う!そんなの間違ってる!」

「じゃあお前は今も女尊男卑主義者のせいで苦しんでいる男達が何人いるか知っているのか!?」

「そ、それは・・・」

 

織斑は言いよどんだ。

 

「知らないようだな、そんなことも知らないでよくあんな大口を叩けるものだな!」

ソレイユは織斑を指差して怒鳴った。

 

「いいか!ISが開発され、女性優遇の風潮が出来、女尊男卑主義者どもがのさばり始め、女権団体などという屑どもが幅をきかせて以来この日本という国だけで見ても100万人もの男達が逮捕された。俺の出身国を除いた世界的規模で見れば、1億人以上だ。それも殆どが女尊男卑主義者どもによる冤罪!荷物を持て、代金を代わりに払えといった理不尽な命令を拒否しただけで警察を呼ばれでっちあげの罪をなすりつけられ、人生を壊される。こんな奴らを屑と呼ばずして何と呼ぶんだ!」

「それでも女性に手を挙げるなんて駄目だ!」

「ほお、じゃあ聞くが、今も苦しみ続けている男達はどうすればいいんだ?」

「それは・・・」

「まさか、男なんだから女どもに何をされても耐えろとは言わないよな」

「・・・・」

「どうした!?早く、答えろ!」

「・・・・うおおおおおおおお!!!」

 

ソレイユが織斑の答えを待っていると織斑がいきなり切りかかって来た。単調な攻撃なので避けるのは容易かったが。

 

「いきなり何をする!?」

「うるせえ!駄目なものは駄目なんだ!」

「・・・餓鬼が!」

 

ソレイユの問いに明確な答えが出来なかったのだろう。織斑はソレイユに対して力づくという最悪の答えをだした。

 

「おまえがその気ならこちらも容赦せん・・・天狗(てんごう)!」

「グアッ!」

 

ソレイユは強烈な掌底を放ち織斑を突き飛ばした。覇気を込めていないので本体に大したダメージは与えられなかったが、SEはかなり減った。

 

「嵐脚!」

 

織斑と距離を取ったソレイユは足を大きく振り衝撃波を発生させ、それを馬夏に向けて放った。

 

「ぐっ!飛び道具なんて汚ねえぞ!」

 

織斑はかろうじてそれを躱したが、またも可笑しなことを言い出した。

 

「汚い?どこかだ?」

「こっちはこの雪片二型しか武器がねえんだぞ!男なら同じように剣で勝負すべきだ!それなのに飛び道具を使うなんて卑怯じゃないか!」

「こっちがどんな攻撃をしようがこっちの勝手だ。遠距離武器を持って無いのが悪い」

 

ソレイユの反論は至極真っ当な物であった。しかし織斑には通じなかった。

 

「この卑怯者がーーーー!!」

 

織斑はそう叫ぶとまたもや突っ込んできた。

 

「(こいつはどうやら自分の物差しでしか物事を測れ無いようだな。こんな馬鹿には何を言っても無駄だな)」

 

ソレイユはそう思いながら、相も変わらず突っ込んできた織斑に対して強烈なカウンターキックを放ち、織斑を吹っ飛ばした。織斑はアリーナの壁に激突した。

 

ドカーーーーン!!

 

「ぐうぅ」

「(弱いな。まださっきの腐れ貴族の方が骨があった。つまらん・・・ん?)」

 

織斑が吹っ飛んだ先を見てみると、織斑のISに異変が現れた。

 

「(あれは・・・成程な。どうやらあのガラクタは一次移行も済んで無かったらしいな。どうりで手ごたえが無さすぎると思ったよ)」

 

ソレイユが一人考えていると織斑が得意げな顔でこちらに寄って来た。

 

「ようやく一次移行が済んだぜ。もう、お前みたいな卑怯な奴に遅れはとらねえ!」

「ほう!それは楽しみだな。さっきまで俺に簡単に吹き飛ばされてた奴がどこまでやれるか見せてもらおう。ま、せいぜい暇潰しにしかならんだろうがな」

「うるせえ!これで俺は本当に手に入れたんだ。千冬姉のような力を!皆を守れる力を!」

「守る・・・ハッハッハッハッハッハ!」

「何が可笑しい!!」

「いや、何とも薄っぺらい信念だと思ってな」

「何だと!」

「そうだろう!守るなどと偉そうな事を言っておきながらISのような世界中の一部を除いた男達を不幸に陥れている物に乗っている。そんな物に乗って守るも何もないだろう。少なくとも男達はISに乗っている奴なんかに守られたくは無いだろうよ!」

「うるせえ!じゃあ、お前はどうなんだよ!!」

「俺は任務の時にはこれは使っていない。そもそも我が国では軍事採用されてすらいない。このような物が無くても我が国の海兵は強いからな」

「嘘つくんじゃねえ――!!」

 

ソレイユの安い挑発に織斑は簡単に乗って来た。前と同じように突っ込んでくる。

ソレイユはラー(ピース)の腰に装着されている剣を片手に取り構えた。

 

「折角だ。相手してやろう」

「うおおおおお!!」

 

ガキィン!!

 

二人の剣は互いに相手の剣に防がれ、そのまま鍔迫り合った。

 

「ッチ!だったら!」

 

織斑は鍔迫り合っている剣を再度構え直し、ソレイユに切りかかって行った。

 

「うおーーーーー!くたばりやがれ!!」

 

勢いを込めて剣を振るう織斑であったが、攻撃は全てソレイユに防がれてしまっていた。おまけに織斑は両手で剣を持って振るっていたが、ソレイユは片手のみの剣で防いでいた。

 

「くっ!この、この、この、この!」

馬夏は一生懸命に剣を振るうが

「(移行してもこの程度か・・・・つまらん。もういい)」

 

織斑の実力に見切りをつけたソレイユは、早々にこの茶番を終わらせることにした。

 

「てめえに一つ礼儀を教えてやる。俺は最初に2.3歳年上だと言ったよな」

「それがどうした!」

「目上の人を呼ぶ時には「さん」を付けるもんだ。従って俺を呼ぶ時にはな・・・」

「ソレイユさんだ!」

 

ソレイユは織斑の顔面目がけて強烈な覇気の籠ったパンチを放った。パンチは馬夏の顔面を捉え、馬夏は吹き飛んだ。

 

「う・・・痛ぇええええ!何でだよ!何でISを着てるのに痛いんだよ!!」

「さあな」

「ううぅぅぅ~・・・これもお前のイカサマだな!そうなんだろう!!」

「俺はイカサマなんかやってねえよ!」

 

ソレイユは更に覇気を込めた蹴りを織斑にくらわせた。織斑のISは所処にヒビが入り始めたり、欠けた部分が目立ち始めた。

 

「ち、ちくひょーーー!喰らえーーーー零落白夜!」

 

織斑はまた闇雲に突っ込んできた。もう半分ヤケクソなのだろう。

 

そんな織斑をソレイユは冷めた目で見ていた。

 

「(馬鹿が。戦いは冷静さを失った時点で負けだ)」

 

ソレイユは突っ込んでくる織斑に対して指パッチンを鳴らした。

 

「アグニ!」

 

・・・ドカーーーン!!!

 

その瞬間、織斑を爆発が襲った。ソレイユがヨウヨウの実の力で爆発を起こしたのだ。

 

「な、何が・・・ゴホッ!」

「そら、お代わりやるぞ!」

 

パチン、パチン、パチン

 

ドカン!ドカン!ドカーーーン!!

 

「ゴッ!・・・ホッ!・・・カハッ・・・」

 

織斑は息も絶え絶えだった。あれだけ爆発を受けたら当然である。見ればSEもほぼ無くなりかけている。

 

「こ、こうなったら・・・一か・・・八か・・・だ!!」

 

織斑が空に向かって上昇していく。上空から先程不発に終わった技を繰り出すつもりである。

 

「(空から決めることで威力を上げるつもりか・・・ならば!)

 

「来い!貴様の攻撃などくだらない信念と共に粉砕してやる!」

 

そう言うとソレイユは両手にヨウヨウの実の力を集中させた。手は赤くなりまるで小さな太陽の様である。

そしてラーのブースト機能で織斑に向かって行った。

 

(作者からのお願い:ここから先はドヴォルザークの「新世界」をかけてもらえると嬉しいです)

 

「ヨウヨウのーーー!!!!」

 

「零落白夜―――!!」

 

「大嵐(ストーーーーーーーム)!!!!!」

 

突進してきた織斑に対し、ソレイユはパンチを繰り出した。ソレイユのパンチは織斑の武器である雪片弐型に当たった。その瞬間、ソレイユの右腕は爆発した。無論爆発による衝撃は織斑を直撃した。

 

「グワーーーー!!」

 

「うおーーー!!まだまだーーー!!」

 

何と爆風の中から爆発したはずの右腕が戻っているソレイユが織斑に向かって行った。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

ソレイユは吹き飛ぶ織斑を追撃し、織斑を更に殴打し続けた。無論殴打される度に爆発は織斑を襲った。

爆発に次ぐ爆発、言うならば「連鎖爆発」もしくは「爆発の嵐」とでもいうべきか。

この技のタネはソレイユはパンチが当たった瞬間に腕を爆破させ、直ぐにロギア特有の力により再構成し、構え直していることにある。ソレイユはこうすることによりパンチをゴム人間のように連続で何回も放っていたのである。

 

執拗な攻撃により、織斑はドンドン吹き飛ばされていきとうとうアリーナのバリアーまで吹き飛ばされた。それでもソレイユは攻撃を辞めなかった。

 

「うおー!おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!」

 

パキン・・・・パキン・・・パキン

 

何処からか何かが割れる音がし始めた。そして・・・

 

「うおりゃーーーーーー」

 

ソレイユが一際力を込めたパンチを織斑に放った瞬間にそれは起きた。

 

バキーーーーーン!!

 

何とソレイユの攻撃がバリヤーの耐久値を超えてしまい、バリヤーは壊れてしまった。織斑は壊れた個所から吹き飛んでいった。

 

そこまで行った時にようやくソレイユは攻撃を辞め、地面に降り立った。

 

その光景をある部屋から見ていた水色の髪の女生徒が呆然と呟いた。

 

「嘘でしょ・・・あのバリヤーの強度・・・どんだけあると思ってるのよ・・・」

 

その女生徒は踵を返すと部屋を出ていった。

 

「ソレイユ君・・・すこし調査してみる必要があるわね」

 

 

 




織斑一夏をブッ飛ばしたソレイユ

そんなソレイユに織斑千冬が理不尽な要求を突き付けてくる

そのときソレイユの部下の姿が!

次回、IS 復讐の海兵
「8式使い タンジェント登場」
あいつらは必ず地獄に落とす!!

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