IS 復讐の海兵   作:リベンジャー

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すいません、遅くなりまして。
月一連載にしようと思っていたのに。いきなり頓挫してしまいました。


復讐の標的 織斑千冬

俺は不機嫌だった。

 

自分が配属された教室に入ってから、ずっと好奇の目に晒されているからである。

(ソレイユが帰化している国はグランドウォールという高い山脈に四方囲まれているが故に、長い間外国と交流が無かった。最近になって細々とだが他国との国交が出来てきたが、それでも他国の一般人から見れば、ソレイユのような存在は珍しいのである。おまけにソレイユの容姿は整っており(顔の中心に大きな斜め傷があるが)、女学生が興味を持っても仕方ない側面はある)

 

過去のトラウマから女性というもの全体に不信感を持つ俺からしてみれば鬱陶しいことこの上ない。

しょうがなく気分直しに持ってきていた本でも読もうとしたところ、俺に話しかける女生徒が現れた。

 

「ねーねー」

「何だ」

 

俺は話しかけて来た女生徒に警戒6割、社交辞令4割で返した。これでも昔に比べればマシになったほうだ。

 

「私は布仏本音~貴方は~?」

「俺か、俺はソレイユだ」

 

相手が女尊男卑の傾向を持って無いと分かり、とりあえず自己紹介を返した。(ソレイユは相手が女尊男卑の傾向を持っていると見なせば、完全に無視するか、実力で排除する)

 

「へ~、そ~何だ~。じゃあこれからはソーソーって呼ぶね~」

「・・・好きにしろよ」

 

俺は目の前の、布仏本音という今まで会った事が無い雰囲気を持つ女の雰囲気に押されてしまい、あだ名で呼ぶことを許可した。調子が狂いそうな相手だ。

 

「ソーソー~何してるの~」

「・・・退屈だからな。本でも読もうかと思った所だ」

「どんな本なの~?」

「「キングオブデビル」という本だ。男には面白いかもしれんが女には多分つまらんな」

「ふ~ん。でも~もう少ししたら先生が来るから~後にした方が良いよ~」

 

時計を見ると、確かにそろそろ教師が来る時間になっていた。俺は仕方なく取り出していた本を戻した。

 

「またね~ソーソー~」

 

本音はそう言って自分の席に帰って行った。

「ああ、またな」

 

俺も挨拶を返して、姿勢を戻した。

 

「(・・・変わった女だな。海兵にはあんな女はいなかったな。まあ暇つぶしにはなったな)」

 

本を読むことは出来なかったが、時間を潰すことは出来たので良しとすることにした。

 

しばらくすると、柔らかな雰囲気を持った背丈の低いの女が入ってきた。こいつが担任教師だろうと俺は思った。

 

「副担任の山田麻耶です。皆さんよろしくお願いしますね!」

 

山田先生は皆にあいさつをしたが、俺を含めて誰も返さなかった。俺は担任だと思った教師が副担だったのかと考えていたからだが。

 

「う、うぅ・・・そ、それでは皆さん自己紹介をお願いします」

 

山田先生は半泣きになりそうながらも進めた。見た目よりはガッツはあるようだ。

それから一人、一人が自己紹介を始めた。何人か終えていくと、俺と同じ男子生徒の番になった。先程からチラチラとこちらを窺ってくるので、鬱陶しいと感じていたところである。

 

「織斑一夏です!!」

 

そいつはそういうと大きく息を吸い込んだ、まだ何かいう事があるのだろうか。

 

「・・・以上です!!」

 

織斑のその言葉に周囲はズッコケた。何も言う事が考え付かなかったのだろうな。

 

バコーーーン!!

織斑の自己紹介が終わると同時に女があいつの背後に現れ、織斑を出席簿で叩いた。

 

「お前は自己紹介も出来んのか?」

「ち、千冬姉!」

「織斑先生だ!馬鹿者!!」

 

そう言うと女は更にもう一発頭にかました。軍隊かよ。

 

女は黒板の前に立ち俺達の方を向き、宣言した。

「諸君、私が織斑千冬だ。お前たちヒヨッ子を1年で使い物になるように指導するのが私の仕事だ。私の言う事を良く聞き理解しろ。出来ないものは出来るようになるまで指導してやる。逆らってもいいが、私の言う事は聞け。いいな!」

 

こいつが織斑千冬・・・・

 

周囲が千冬様だのなんだの騒ぎ始めていたが、俺はそれらの喧騒など一切耳に入っていなかった。こいつが、こいつが俺から両親、友達、故郷・・・全てを奪った元凶・・・白騎士事件の首謀者・・・俺は必死だった。心から止めどなく湧き出る殺意を押さえるのを・・・今すぐにでもあいつを殺してやりたいという衝動を・・・

 

「そういえば自己紹介が途中だったな。こいつの次の奴から言っていけ」

 

そいつの一言で自己紹介が再開された。幸いにして俺の殺意は外には出ていなかったようだ。

 

自己紹介は恙なく終わって行き、俺の番となった。ハッキリ言って面倒だがやるか。

 

「ソレイユだ。故郷はグランドウォールに囲まれた国といえば分かるだろう。そこの海軍本部で少将をしている。最初に言っとくが俺は18歳で、みんなより2,3歳上だ。好きなものは酒とギャンブル、それと鍛錬に野菜栽培。嫌いなものは女尊男卑に染まった屑どもとルールを守らない奴らだ」

俺の自己紹介が終わると同時に女共が騒ぎ始めた。鬱陶しい。

 

突然殺気を感じた俺は、即座に反応し攻撃を指2本で受け止めた。見れば織斑千冬が俺を出席簿で殴ろうとしていたようだ。ロギアの俺に覇気を込めてない攻撃は効かねえが、いきなり攻撃されては良い気分はしない。

 

「いきなり何しやがる!?」

「何だ先程の巫山戯た自己紹介は。貴様が海軍将校などであるはずがないだろう。嘘などつくな!」

 

どうやら俺の自己紹介が気に入らなかったらしい。それだけで人を殴ろうとするとは呆れる。先程の此奴の自己紹介もそうだが、此処は仮にも教育の場だろう。先ずは言って聞かせてみて、それで駄目なら叩けば良いと思うがな。

 

「嘘なんかついてねえし、巫山戯てもねえよ!」

 

織斑千冬にそう言ってやると、俺は挟んでいた出席簿を力を入れて離した。あいつは反動でよろめいていたが、尻餅を着かなかったのはブリュンヒルデといったところか。

 

「き、貴様・・・」

 

まだ何か言ってきそうな雰囲気だったので先手を打っとくことにするか。

 

「山田先生、俺は嘘などついてませんよね」

「え、ええ。確かにソレイユ君は海軍本部所属の少将です」

 

突然話を振られた山田先生は、言葉に詰まらせながらもフォローしてくれた。

 

「織斑先生、1ヶ月前の職員会議で今年は海軍将校の18歳の青年が入学する、と学園長から通達があったはずですが」

「ついでに言っとくが俺の国では18歳から飲酒に喫煙、ギャンブルもOKだ。ま、タバコは嫌いだから吸ってねえがな」

「・・・自己紹介を再開しろ」

 

山田先生のフォローと俺の言葉に奴は何も言わず、自己紹介を再開させようとした。

 

「謝罪も無しか、織斑セ、ン、セ、イ」

 

俺が挑発すると奴は睨みつけてきやがった。まあ、全くと言って良いほど怖くは無かったがな。結局奴は謝罪することは無かった。

 

その後は、特に問題は無く終わった。ったく初っ端から疲れた。

 

休み時間になったが、織斑一夏とかいう奴がしきりに話しかけて来た。面倒くさいことこの上ない。

「同じ男同士だから仲良くしよう」という事らしいが大きなお世話である。俺は仕事で此処に来ているのであってお前みたいな温室育ちなんぞと友達ごっこなんてするつもりは無い。

 

しばらく話を聞いてやっていると、篠ノ之箒という篠ノ之束の妹が織斑をつれてどこかへいってしまった。その際に終始こちらを奴は睨んでやがった。やっぱり姉が屑だと妹もゴミだ。

 

静かになったのでゆっくりしようと思ったが、今度は金髪の女が近づいてきやがる。俺に安息は無いのか。

 

「ちょっとよろしくて?」

 

一目でわかる女尊男卑主義者だ。声からしてこちらを見下していやがる。

 

「聞いてますの!?仮にもこの私、セシリア・オルコットに話し掛けられているのですからそれ相応の態度があるのではなくて!?」

 

・・・こういう手合いは無視するに限る。俺が無視していると相手はますます頭に血が昇ったのだろう。こちらを侮辱する言葉を吐くわ。代表候補性である自分は偉いだとか。偉そうにISの事を教えてやるとか言ってきやがった。まあ、全部右から左に流していたがな。

そうこうしていると休み時間終了のチャイムが鳴った。

 

「くっ、覚えていなさい!!」

 

そう捨て台詞を残して奴は席に戻って行った。

 

「2度と来るな!」

 

俺は初めて返してやった。奴はこちらをキッと睨みつけやがった。

睨みつける奴が多い学園だな。

 




屑教師の一言から始まったクラス代表決め。
周囲の女は物珍しさだけでソレイユと織斑を推薦した。
しかしそれにセシリアオルコットは異を唱えた。

次回、IS 復讐の海兵
「愚かな女尊男卑者 セシリアオルコット」
あいつらは必ず地獄に落とす!!

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