少年がサカズキと出会ってから、10年の月日が流れた。
少年・・・ソレイユは18歳の逞しい青年となり、海軍本部所属の少将となっていた。
ある時、海軍本部元帥となったサカズキにソレイユは呼びだされた。
「海軍本部少将ソレイユ!只今参上いたしました!」
「来たか、早速じゃがお前にはここに行ってもらう」
そう言って、サカズキは一枚の書類を差し出した。それはソレイユのIS学園への入学願書だった。
「元帥殿、これは?」
「おまえには今から3カ月後に日本にあるIS学園に行ってもらう」
「はい!?あの・・・警備としてでありますか!?」
「いや、生徒としていってもらう」
ソレイユはキョトンとした。言うまでも無くソレイユは男である。ISなんて動かせるわけも無い。
「元帥殿!失礼を承知の上でお聞きしたいことがあります!」
「なんじゃ、言うてみい?」
許可を得たソレイユはサカズキに質問した。
「私はISを動かせません!そのような所に生徒として行っても意味が無いと思います。なにより入学させてもらえないと思うのですが?」
「そんなことか。安心せい、お前にはベガパンクに命じて作らせたISに似た兵器である「ピース」を支給することになっとる」
「ピース」その名前を聞いてソレイユは納得した。ピースとは海軍が極秘に開発していたISを基にして作られた海軍のオリジナル兵器である。以前海軍はISを導入しようと試しに2機のみ輸入した。しかしISの性能を見て、軍の上層部はISの導入を白紙にした。ISに頼るならばパシフィスタを作った方が効率が良いと考えたのである。それ以降ISはベガパンクの研究所送りとなり、ベガパンクはISの研究を命じられた。
ちなみにベガパンク曰く「この程度の物ならば子供の頃に既に設計できていた。何故このような物で世間で騒がれるのか理解不能だ」とのことである。
「ベガパンクに命じて作らせたお前の専用機じゃ。お前の悪魔の実の能力を最大限に生かせる設計にさせとる。ISなんぞにひけはとらん。更にのう、その学園にはあの篠ノ之束の妹も入学することになっとるみたいじゃ」
篠ノ之束、その名前を耳にした瞬間ソレイユの雰囲気は変わった。
「篠ノ之束の妹・・・ですか!?」
「そうじゃ、お前にはそいつを監視し、篠ノ之束がそいつに接触する機会があれば・・・む!!」
「(あの篠ノ之束が・・・)」
篠ノ之束の名前を聞いた直後から、ソレイユから殺意があふれ出した。白騎士事件によりすべてを奪われた彼にとって、ISを作り出し、白騎士事件の黒幕である篠ノ之束は殺したいほど憎い相手でしかない。
バキッ!!
「落ち着かんかい、バカタレが!」
ソレイユの篠ノ之束に対する殺意を感じたサカズキはソレイユを重圧を込めた声で怒鳴り、殴りつけた。
「し、失礼しました!!申し訳ございません」
「まあええ、お前には3カ月間のピースの訓練をしてもらう」
ソレイユの謝罪を受け取ったサカズキはそれ以上咎めることは無かった。
ソレイユは退出し、訓練場に向かった。
ソレイユが退出した後に、サカズキはひとり呟いた
「そう簡単にトラウマは拭えんか」
その日からソレイユのピースの訓練が始まった。始めは慣れないこともあってかなり苦戦したが徐々に慣れてくるとすぐにピースを乗りこなせるようになった。
ピースを乗りこなせるようになると、ソレイユは自分に与えられたこのピースという機体の異常さに驚いた。専用機とは聞いていたが、ここまで強力だとは思ってもみなかったのだ。確かに元帥は悪魔の実の能力を最大限に活かせるとは言っていたが、自分の悪魔の実の凶悪性を誰よりも知っていたソレイユは半信半疑だったのである。しかし、この機体に着けられている武装は全てソレイユの悪魔の実の力を活かしていた。ソレイユは嬉しかった。これならIS何てゴミに負けることは無いと確信したからである。
3カ月後、ソレイユはIS学園に向かった。
予告
IS学園に向かったソレイユ。そこでソレイユは両親の敵の片割れに遭遇する。
次回、IS 復讐の海兵
「復讐の標的、織斑千冬」
アイツらは必ず地獄に落とす!!