IS 復讐の海兵   作:リベンジャー

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あるソシャゲにはまってずっとそれをしてしまってました

完全にトレーナーになってました。

今年はもう残り少ないですが頑張って書きます。


タンジェントの提案。打倒織斑一夏

ひとしきり泣いた後、鈴音はミルクティーを一口飲んだ後に力なく笑った。

 

「ハハッ・・・私この学園に編入した理由に、あいつがいるからっていうのがあったんです。でも、こんな事になっちゃって・・・これからどうしようかな・・・」

「鳳さ「貴方はこのままで良いんですか?」タンジェント!?」

 

顔を俯かせてしまった鈴になんとか慰めの言葉をかけようとしたソレイユを遮ってタンジェントは鈴音に問いかけた。普段お道化ている時と違い、その表情は真剣そのものであった。

 

「長年の思いがこのような形で終わって良いんですか?」

「そ、それは・・・」

「もしこのまま何もせずにいたならば、貴方はきっと後悔し続けますよ。やらなかった後悔は一生ついて回りますが、やった後悔ならば結果はどうであれ貴方も吹っ切れることでしょう」

「・・・・・・・・」

 

タンジェントの言葉を鈴は何も言うことなく黙って聴いていた。

 

「部外者である私が差し出がましい事を言ってしまい申し訳ありません。ですが悩んでいる貴方を見て言わずにはいられませんでした」

「いえ、ありがとうございます・・・おかげでどうするか決まりました」

 

顔を上げた鈴の顔は先程の弱弱しい笑顔ではなく、決意を込めた力ある顔になっていた。

 

「私は・・・もう一度あいつにハッキリと自分の思いを告げます。どんな結果になろうともかまいません。後悔し続けるよりずっとマシです」

 

鈴の決意を聞いたソレイユは微笑を浮かべ、タンジェントも満足そうに頷いた。そこでタンジェントは更に鈴に問いかけた。

 

「鳳さん。貴方のその決意立派だと思います。ところで先程、織斑を殴ったと言っていましたが、それで貴方の気は晴れましたか?」

「え?それは・・・実を言うとあんまり・・・」

 

鈴は少し言いづらそうに答えた。さっきは悲しさと悔しさで忘れていたが、長年の思いに対して酷い解釈していた織斑に対して怒りも持っていたのである。それを一発殴っただけで無かった事には流石に出来なかった。

 

「それはそうでしょうね。ですがもう一度殴りに行ったりするのはいけませんよ。それは立派な暴行罪です」

「そ、そうですよね。でも・・・」

「そこで私から2つ提案があります。今朝、クラスの女どもが話していたのが聞こえたのですが、近日中にクラス対抗戦というものがあるそうです。そこで織斑一夏を徹底的に叩きのめしましょう。試合中ならどんなに殴ろうが、蹴ろうが遣り過ぎなければ合法です。目指せ、打倒織斑一夏」

「タンジェント・・・俺達海兵が言っていい事じゃないぞ、それは」

「おっと。失礼しました」

 

タンジェントの言葉に内心少し引きながらも、鈴はその提案は悪くないと考えていた。試合で正々堂々一夏を倒す。確かにそうすれば鬱憤も晴れるし、自分の強さを学校中にアピールすることも出来る。正に一石二鳥の提案である。

 

「タンジェントさん、ご提案ありがとうございます。その提案採用させてください」

「ニャハニャハニャハ、お礼を言うのはまだ早いですよ。まだもう一つの提案があります。クラス対抗戦までまだ何日かありますよね。その間に私とソレイユさんが貴方のコーチを務めさせていただけませんか。一緒に打倒、織斑一夏を目指しましょう。良いですよねソレイユさん?」

「ああ、別にいいぞ」

「え・・・えええええええーーーーーーー!!!!?」

 

タンジェントの突然の爆弾発言に鈴音は思わず大声を出して驚いてしまった。まさかクラスが違う人間とそのボディガードが本来なら敵対関係にある自分のコーチをしようというのだ。普通ならどう考えてもあり得ないだろう。

 

「おやおや、どうしました。いきなり大声をだして」

「だ、だって、私は2組の生徒なんですよ!?本来なら敵同士なんです、なのにそんな私のコーチをするだなんて、どう考えてもおかしいでしょう!?」

「ニャハニャハニャハ、そんな事ですか?別に、ソレイユさんと私はあのクラスでは浮いた存在ですし、極一部の生徒達を除いて親しい訳でもありません。そんな私達が今更何をしようと評価は変わりません」

「その通り、そもそもあんな奴らに俺達が何をしようが文句を言われる筋合いは無いしな。俺達より強い奴のいう事なら聞くがな」

「そ、そうですか」

 

二人の余りの自由さに鈴音肩透かしを食らっていた。海兵と聞いていたので、厳格で規則に厳しいのだろうと想像していたのだが、今日の会話からそんなものは殆ど感じられず、むしろある種の自由人とすら思ってしまった。最もその考えは後日吹っ飛んでしまうのだが。

 

「それでは鳳さん。私たちはもう行きますので一晩ゆっくり考えてください。もしコーチを受けるのならば、貴女の上司に許可を得ることも忘れずに。許可を受けておくというのは大事な事ですからね」

「は、はい。分かりました・・・」

「じゃあな、鳳さん」

 

ソレイユとタンジェントは去っていき、後には鈴音一人残された。鈴音はいきなりの展開に頭と気持ちが付いていかず、しばらくの間そこで立ちっぱなしだったが、気を取り直すと、直ぐに自分の部屋に戻った。勿論上司に許可を貰う為に。

 

 

帰りの軍艦の中でソレイユとタンジェントは先程の事について話していた。

 

「しかし、凄い事を言ったもんだな。別のクラスの代表のコーチを打診するだなんて」

「ニャハニャハニャハ、流石に可哀そうに思いましてね。どうせなら完膚無きまでに叩きのめさせて上げたいと思いまして。それにソレイユさんも私だけが相手するより、別の相手がいた方が良いと思いまして」

「成程な。俺の為でもあるって事か。しかし、鳳さんコーチを受けるかな?」

「ニャハニャハニャハ、彼女は受けますよ、必ず」

 

ソレイユの疑問にタンジェントは間髪入れずに断言した。タンジェントは分かっていた。間違いなく彼女・・・鳳鈴音はコーチを受けるだろうという事を。

 

「ずいぶん自信あるな、何か確信でもあるのか?」

「ええ、ありますとも。私がコーチの打診をしたとき、彼女の声には驚きと喜びを感じられました。恐らくですが、我々海兵の強さを彼女は知っています。そんな私達のコーチを受ければ間違いなく強くなれると彼女は思ったのでしょう。なかなか見所がある娘ですね。向上心があることは良い事です。ニャハニャハニャハ」

「流石の鋭さだな。それにしても今まで馬鹿だ馬鹿だとは思ってたがここまで馬鹿だとは思わなかったぜ、あの愚夏者は」

「その事に関しては激しく同意します。どうやったらあんな勘違いが出来るんでしょうね」

 

織斑一夏の馬鹿さ加減をあきれながら、ソレイユ達は帰りの岐路についたのだった・

 

 

ところ変わって、夜の11時頃更識家で一人の少女がパソコンで何かを調べていた

「うーん、何も出てこないわね。ネットでは無理か」

 

更識楯無はソレイユの事について調べていた。以前のクラス代表決定戦で見せた圧倒的な力を疑問視して、それからいろいろ調べていたのである。しかし成果は全く上がらなかった。

 

「どこを探しても全く情報が無いなんて・・・どこまで秘密主義なんだかあの国は。やっぱり本人に直接接触、若しくは基地に間者を」

 

楯無がそのような事を考えていると、部屋の外からノックの音が鳴り響いた。

 

「楯無、こんな時間まで何をしているんだ?」

「あ、お父様。いえ、今度学園に来たソレイユって海軍少将の事を調べていまして」

 

楯無のその言葉を聞いた父親は顔を一気に蒼褪めさせた。

 

「ソレイユ少将の事をだと・・・すぐに辞めろ!!」

「お、お父様!?」

 

父親はいきなり部屋に入ってきて、楯無の肩をつかんで怒鳴りつけた。

「お、お父様、どうしたのですか?」

「いいか、あの国、特にソレイユ少将の事は詮索するな。分かったな!これは更識の前トップとしてでは無く父親としての命令だ、いいな」

 

父親はそれだけ言うと部屋から出て行った。父親のいきなりの豹変に更識は茫然としていた。

 

「何なの・・・ソレイユ少将に、いったいどんな秘密があるっていうの」

 

父親のいきなりの豹変、この事は楯無の興味を益々引かせるものとなってしまった。その事が自分の首を絞める結果になる事とは思わず。

 

 

翌日、IS学園にソレイユとタンジェントが登校してくると、すぐに鈴音が近づいてきて、頭を下げた。

 

「ソレイユ少将、タンジェントさん。昨日の話是非お願いします。上司の許可ももらってまいりました」

「その言葉待っていましたよ、ともに打倒織斑一夏を目指しましょう」

 

タンジェントは鈴音に握手を求め、鈴音もそれに応じた。その後、ソレイユとも鈴音は握手をした。

ここに打倒織斑一夏を目指す師弟関係が誕生したのだった。




打倒織斑一夏を目指しての特訓を開始する鈴音とソレイユ達

ソレイユと鈴音はタンジェントの提案で模擬戦を行う

その模擬戦でソレイユとの格の差を鈴音を痛感する

次回、IS 復讐の海兵
「模擬戦開始、ソレイユVS鳳鈴音」
アイツらは必ず地獄に落とす!!

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