IS 復讐の海兵   作:リベンジャー

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出会い

その日も少年にとって代わり映えしない一日になるはずだった。いつものように友達と遊び、家に帰り、両親と談笑しながら夕食を食べて、後は寝るだけであった。しかし少年の日常は突如終了を告げた。

 

「白騎士事件」・・・後にこのように言われる事件により少年の日常は崩壊した。白騎士が破壊し損ねたミサイルが少年の住む町に着弾したのだ。ミサイルの爆発の衝撃により少年の家は崩壊し、両親は死んだ。少年は奇跡的に助かったが、両親が死んだと聞かされた少年は絶望した。

 

少年には更なる追い討ちが続いた。白騎士事件での被害者は0と発表されたのだ。ISという国家に利を生むものに汚点があってはならないとして、国家に隠蔽されたのである。これにより少年には一切の補助が出ることは無かった。

 

少年は五体満足で無事に退院したが、少年には行くあてが無かった。かって住んでいた街は既に無く、友人を頼ろうにも白騎士事件により全員死んでしまっていた。少年は彷徨った、あても無くただ彷徨った。運命は更に少年を苦しめた。ISのせいで世間は女尊男卑となり男は生き辛い世の中になってしまったのである。少年のような浮浪者は尚更である。少年は行く先々で迫害され続けた。

 

少年はもう限界だった。少年は衰弱し、倒れてしまった。そのような状態になっても世間は少年を助けようともしなかった。少年もすでに生きる気力など殆ど無かった。寧ろ死ねば両親や友人達の元に行けると思い、半ば死を望んでいた。

しかし、ここで少年に救いの手が差し伸べられた。

 

「おんどれ、どうしたんじゃ?しっかりせい?」

 

ある男が少年に話しかけてくれたのだ。

その言葉に少年は僅かに反応した。

 

「腹へっとんか?これでも食うか?」

 

そういって男は携帯食料と水を差し出した。

何日も食事をしていなかった少年は携帯食料と水を貪った。

少年にとって男は神様にも見えた。少年はかすかな声で泣きながら助けを求めた。

 

「・・・た・・・す・・・け・・・て・・・」

 

その言葉に男はかって存在した自分の家族に面影を重ねた。男にもかって家族が存在したが、ある理由によりいなくなっていた。

 

「行くとこ無いんか?」

男の問いに少年はコクリと頷いた。

「じゃあ、ワシと一緒に来るか?」

少年は泣きながら頷いた。

「じゃあ、行くぞ」

 

男は少年を部下に命じてタンカに乗せると、自身の軍艦に乗せ海軍本部へと運んだ。

これが少年と海軍大将「サカズキ」との出会いであった。

この出会いが世界にどのような影響をもたらすかはまだ定かではない。


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