窓から見える空の色が徐々に変わり始めていた。
厚い雲が現れて青が隠され、風も強くなり、波が荒れ始めている。
壁際に立ったウェンディは外を眺めてぽつりと呟いた。
「天候が変わったわね。嵐が来るのかしら」
「気分が滅入るね。雨は苦手なんだ。嫌いじゃないんだけど」
彼女の私室で、菓子と紅茶が置かれたテーブルを前に座ったキリがぼやく。
部屋に迎え入れられた瞬間から手錠を外されており、今は両手が自由に使える。しかし彼はすぐに暴れ始めることはなく、気軽に菓子を指でつまんで食べていた。
作法の欠片もない仕草。それを見てウェンディは微笑むだけだ。
彼の対面へやってきて椅子へ座り、改めて会話が始められる。
「もう服は乾いた?」
「微妙ってとこかな。徐々に乾いてきてるけど完璧じゃない」
「そう。それなのに着替えないのね」
「海兵になるのはごめんだ」
「なんなら私の私服を貸しましょうか? もちろん下着付き」
「遠慮しとくよ。そんな趣味じゃないんだ」
「ふふ、そう。残念ね、似合いそうなのに」
紅茶が入ったカップを持ち上げて、傾けるウェンディの仕草には気品が伺える。
そんな彼女を見てキリは表情を曇らせた。
「手錠、外しといていいの?」
「ええ。心配はいらないわ」
「舐められたもんだよね。ボク一人程度じゃ護衛もいらないってわけだ」
「あなたを甘く見てるわけじゃないの。だけど私が強いってことも忘れないでね」
「その口ぶりじゃ違わない気もするけどね……」
苦笑したキリは布巾で手を拭き、背もたれに体を預けた。
この会話に意味はあるだろうかと考える。
あいにくまだ死ぬつもりもなければ牢獄に入れられるつもりもない。諦める気は毛頭ない。現に今も部屋のあちこちへ視線を飛ばし、隙がないかと伺っている。まだ彼女にバレた形跡はない。或いは知った上で見逃されているだけか。
本を納めた本棚は右手側背後。テーブルの上には紙ナプキン。
服は完全に乾いた訳ではないが、時間を気にしなければ能力は使える。
彼女の実力はわからない。戦って勝てるかどうかも。ただ気になるのは、若い外見ながら大佐の地位に就いていること。本部大佐というならば、以前戦ったモーガンの比ではないはず。
多少心地が変わって柔和な表情。しかしキリは油断なくウェンディを観察している。
きっかけ一つでいつでも戦える気概だった。
「あなたは、父親似? それとも母親似かしら」
「またその話……誰から生まれたとしても今更興味はない。両親は死んで、それがたとえ他殺だったとしても恨まないさ。憎んだり復讐したりなんてきりがないから」
「クールなのね。海賊にしておくのはもったいないわ」
「どうも。でも海軍には入らないよ」
「残念。それじゃあ話を変えましょうか」
脚を組み替えてウェンディが口火を切る。
キリとは対照的に彼女はリラックスしていた。警戒していない態度とも取れる。だからこそ警戒しなければならないと言える。彼女の余裕が恐怖へと繋がりそうだ。
一時も油断してはならない。そう思って体から余分な力が抜けていた。
「海賊になったのはいつ頃のこと? 昨日今日の話じゃないんでしょう」
「五歳。両親が死んだ頃、たまたまうちの村に海賊船が来た。略奪じゃなく補給のために。それが妙に気分が良い人たちで、父から海賊の話は聞かされてたし、船に忍び込んで海へ出た」
「そのまま一員になったってことね」
「最初は大反対だった。だけど船長が許してくれて、その日に海賊の仲間入り」
「それからはどこへ?」
「二年間はイーストブルー各地を旅して回った。その後はグランドラインへ。五年近く航海したけど、ある日海賊にやられて仲間は全滅。ボクだけが生き残った」
「それから一人で旅をしたの?」
「色々あった。その件に関して話す気はない」
「そう、訳アリね。悪い事でもしてたのかしら」
「さぁね。知りたかったら調べてみたら」
「そうするわ。いずれ時間をかけて、ね」
微笑んでそう言い、ウェンディは提案を受け入れる。
元より調べるつもりだった。なんとしても知りたい過去がある。彼自身はそれを知らず、おそらく知っていただろう人物は死んでしまった。ならば虱潰しに動けばいいだけ。
言われるまでもない事だった。
もし想定している通りだとしたならば、彼にも秘められた力はあるはず。
選ばれた者だけが持つ才能。覇王になる逸材なのかもしれない。
警戒心と好奇心。両方が合わさって彼に注目する結果となっていたようだ。
「グランドラインを旅していたのね。どこまで進んだ?」
「後半には辿り着いてない。前半の方々を飛び回った。色んな場所を見てる」
「例えばどんなところへ行ったの。あなたの冒険、詳しく聞かせて」
「そんな仲でもないでしょ」
「これからそうなるわ。お互いを知って」
「ずいぶん執着するんだね。真実かどうかも定かじゃないのに」
「女の勘よ。特に私のは当たるって評判。きっと仲良くなれるわ」
嘆息して肩をすくめる。やりにくい相手だ。
きっと相性は良くないのだろう。少なくとも同じ席につくのは分が悪いと思われた。
「私が海兵になったのは、おじいちゃんの背中をずっと見てきたから。今になってわかったけど意外と憧れてたのかもしれないわね。ライバルを追い続ける姿に」
「そのライバルがボクってこと?」
「そうなるかもしれないって話よ。ただあいにくあなたはここに居て、私に捕まってる。さて、これからどうなるかしら」
彼女の発言で眉間に皺が寄る。
「ボクに逃げて欲しがってる。そんなはずないよね」
「ふふ、まさか。そう聞こえたのなら謝っておくわ。不穏な行動はやめてね」
もう一口、紅茶で喉を潤してウェンディが微笑む。
わずかに姿勢を変えて話を変えることにしたらしい。
話はさらに続けられる。
「監査役は大変なの。あちこち飛び回って、長い航海を何度も繰り返して、嘘つきの将校を相手につまらない問答をして、海軍内部から疎まれる。おじいちゃんはよくやってたわ」
「そんな仕事、ボクなら耐えられそうにないな」
「そうね。私も海賊になろうかしら。……だけど、今になって監査役になってよかったと思う。意外とこれで自由に動けるのよ。それこそグランドラインからイーストブルーへ来るのだって。何しろ海兵も色々居るからね、これからいくつかの支部を回らなきゃいけないの。本当はシェルズタウンもその一つだったんだけど……本部から応援が来て手伝ってくれるらしいわ」
「へぇ。あんまり興味はないけどね」
「つまりあなたがどこに居ても追うことができる。おじいちゃんがそうだったように」
「ストーカー気質じゃん。今の内に海兵やめたら?」
「ご忠告どうも。だけどやめた方がいいのはあなたじゃないかしら。海賊やめると追われなくて済むわよ」
「さっきからそれがわからないよね。もう捕まえたのに追いかけるって言う」
「ふふ。もう少し込み入った話をしましょうか」
笑みを称えたまま、ウェンディの表情に真剣さが混じる。
途端にキリの警戒心が大きくなった。
「地理的に言って、あなたが居たのは軍艦島ね。私は今からその軍艦島に注目している将校に会いに行くの。海軍第八支部、そこに提督のネルソン・ロイヤルが居る」
「聞いたことないね。有名じゃなさそうだ」
「あら、イーストブルーでは結構有名よ。艦隊を指揮する海戦では東の海一って言われてる」
「だけど上には上が居る。グランドラインで通用するかどうかは別だ」
「厳しいわね。でも実際その通り。それにこの男、秀でているのは海戦だけでそれ以外はてんでダメ。正直私もよく海軍に残れるわねって思うくらい」
「その提督様が軍艦島に何の用?」
「千年竜伝説って知ってる? 彼はその千年竜を狙っているらしいわ」
千年竜。その話なら聞き覚えがある。絵本になるくらい有名な生物で、存在は知られながらいまだ所在地が知れず、半ば伝説的に語られる生物。
久々に耳にする生物の名に驚きは隠せない。
「あの軍艦島に千年竜が居るって?」
「それは確かではないけど、ネルソン・ロイヤルは竜の巣を探しているって話は聞いているわ。千年竜たちが集まる故郷」
「権力者ってのは何考えるかわからないね。どうせ永遠の命が欲しいとかそんな感じでしょ」
「私もそう思うわ。正義を掲げる軍隊らしくはないわね」
「それで? そんな話した理由は?」
ウェンディは笑った。反応はただそれだけだった。
「さぁ、どうしてかしら」
その笑みが怪しい物に見えてキリは口を閉ざす。
紅茶で喉を潤し、カップが空になった頃。軍艦が大きく揺れ始めた。
いつの間にか嵐が本格化してきたようだ。
奇妙な沈黙を過ごした後、ウェンディがそれを破る。
「揺れてきたわね」
「そうだね」
「雨は苦手って言ってたわね」
奇妙な空気を感じてキリが押し黙る。
そんな一瞬、強い風に煽られた雨が壁を通して音を立てているのが聞こえた。時同じくして扉がノックされる。また誰かが来たらしい。
無言の睨み合いが終わってウェンディがそちらを見た。
「どうぞ」
「失礼します」
入って来たのはまたも少尉だった。外に居たらしく全身が雨に濡れている。
背筋を伸ばして入り口に立ち、毅然とした態度で告げられる。
「大佐、見知らぬ船がこちらへ向かってきます。旗も掲げられていました……海賊です」
「マークは?」
「見覚えがありません。麦わら帽子にドクロです」
「そう」
ウェンディがキリの目を見据え、笑みが鳴りを潜める。
不思議と緊迫した空気に包まれていた。
室内の雰囲気は一気に変貌し、訪れたばかりの少尉もその事実に気付く。見つめ合っている二人は冷静な姿に見えて、その実そうは見えず、何かがおかしいと感じる。
一瞬の静寂。外で雷鳴が鳴り響いた。
再びウェンディが沈黙を破って、微塵も笑わなくなったキリに問いかける。
「ふふ。あなたの船長さんが、助けに来たのかしら?」
その言葉を聞いて沈黙が数秒間続いた。それから突如、キリはテーブルを蹴り上げる。縁を蹴られてふわりと舞ったテーブルは、乗っていた物を飛ばし、回転しながらウェンディへ迫る。
蹴った勢いを利用する彼は椅子ごと背面へ倒れ、後転から即座に背後の本棚へと跳ぶ。
少尉が懐へ手を伸ばした時、すでに彼は本棚へ納められた本に触れていた。
「なにっ、貴様――!?」
触れただけで本棚からは大量の紙が飛び出し、宙を飛んで少尉へと殺到する。直接的な攻撃力はなかっただろうが、体に纏わりついて外へ押し出され、そのまま紙が壁となって入り口を塞いでしまった。これで増援はない。ひとまず室内に二人きりの状態となる。
それからキリはウェンディへと視線を戻した。
コンマ数秒のやり取り、瞬間的に驚愕する。
菓子や紅茶が散乱する室内。テーブルと椅子がひっくり返った状況の中で、ウェンディは立っていた。全くの無傷はともかく、スーツとコートにわずかなシミさえ作らず。
蹴り飛ばしたテーブルをどう回避したのか。
移動した形跡は見られず先程と同じ場所。席を立っただけで回避はしていない。しかし彼女の背後にひっくり返ったテーブルが落ちていて、明らかに当たる軌道だった。
両手に紙を持ってキリが警戒する。
強いという言葉に嘘はない。彼女は、本部大佐に値する実力のようだ。
「ひどいわね。私の部屋がぐちゃぐちゃにされちゃった」
「どうやって避けたんだ。今のを避けたならそこには居ないはず」
「そう、紙を使う能力者だったのね。パーカーの下にあるホルスターの話は聞いていたの、紙が詰められてたって。それにあのふらつき方は不思議だったけど、なるほど、水に濡れるのが嫌いなのかしら。雨が苦手って話もあったし」
「質問に答えないなら」
キリは腕を振って両手から紙を飛ばす。
硬化したそれらは銃弾の如く宙を駆けてウェンディへ殺到し、その身を貫くはずだった。
接触の瞬間、目を見開く。
当たるはずのウェンディの体へ触れたはずだった。だがなぜか彼女の体に傷はつかず、それでいて紙は体をすり抜けていく。まるでそこに何もなかったかのように。
通り過ぎた紙はすべて反対側の壁へ突き刺さる。
能力を使えなかった訳ではない。服が濡れた状態で力が入りにくいとはいえ、確かに使えた。
当たらなかった要因は別にあって、不審な光景に気付いたキリは小さく舌打ちする。
「能力者か……!」
「ミス・ディープ。そう呼ばれてるの。知られてないなんて私もまだまだね」
すぐさまキリが本棚へ手を伸ばし、納められていたすべての本を床へ落とす。するとそれだけで能力につられ、本から離れたページが宙を舞う。
ただ紙を操るだけの能力も武器があれば使い道はある。
どうやら彼女には攻撃が当たらないようだ。ならばどれだけ避けられるかと大量の紙を動かす。
次に放たれる攻撃は言わば紙の壁。視界一杯を塞ぐ白い大群が正面から迫って、ウェンディはふむと頷き、動かない。
接触の瞬間、彼女はほんの少しだけジャンプした。
たったそれだけでやはり紙の壁は彼女の体をすり抜け、後方へ進んでいくだけ。着地も簡単に終わり、些細な仕草で乱れた髪が手で払われた。
これではっきりしたことがある。体が物体に触れていない。
おそらくは回避に適した能力であると推測できた。
「物体をすり抜ける能力……」
「正解よ。よく見てるわね」
「攻撃が当たらないってことだ。大佐の肩書は嘘じゃなかったか」
それならと、キリは紙を束ねていくつも武器を作り、それらが指の動きに合わせて地面に突き刺さる。右手がくるりと回されれば、数本の剣が一斉に動いてがりがりと床を削る。
敵を倒すための攻撃ではない。
それはもっと悪い物だ。
流石にウェンディも表情を変え、動き出そうとした瞬間に別の紙が宙を駆け、彼女へ殺到した。狙われたのは足。おそらく彼はすでに能力の性質を理解している。仕方なく彼女は跳び、能力を使わず回避する手段を取った。
その間にキリの足元がくり抜かれ、ふっと浮遊感を感じて下の一層へと降りていく。
選んだ道は逃走。それだけではない。彼は他の海兵に手を出すつもりだ。
海の上に居る以上、船を失くしては能力者であるか否かに限らず、生きてはいけない。床を削った能力でわかった。彼は船を破壊するつもりだ。
素早くウェンディも能力を利用し、床をすり抜けて下へと降りる。
着地した場所は敵船が接近しているとあって戦闘準備の真っ最中。海兵たちが慌ただしく走り回り、武器を用意する者も居れば、大砲に弾を装填する者も居て、見ようによっては混乱しているようにも見える。人数はあまりに多い。しかしキリの姿だけはすぐに見つけられた。
床をすり抜けたウェンディとは違い、彼は床を壊して現れた。
着地と同時に敵に囲まれていたのだが、それだけにどの方向へ攻撃しても敵に当たるのだ。
紙で作られた武器を四方八方へ飛ばしつつ、さらに多量の紙を使って生み出された傀儡が海兵を弾き飛ばし、船内はかつてないほどの大混乱に包まれている。肌を切り裂かれる者、紙の狼に突進されて吹き飛ばされる者、転げまわる者は少なくなかった。
その中を軽やかに移動して、敵からサーベルを奪ったキリは大砲へ目をつけている。
「これって装填した後? 迅速な行動で助かるよ」
「あ、こらっ――!」
大砲の傍に居た海兵を蹴り飛ばし、手の中から奪ったマッチを使って導火線に着火する。
直後に揺れる船内で大砲が動かないよう、固定していたロープをサーベルで切り裂く。
導火線が燃え、発射直前となった大砲は船体の揺れに従い、車輪によってその場を離れた。鈍重な音と共に動いてしまって、砲口が船内へと向けられる。
悪戯っぽく笑うキリが耳を塞ぐ姿を目にして、咄嗟にウェンディは叫んでいた。
「全員伏せなさいっ!」
直後に砲弾が発射される。
砲口が外へ出されていれば問題もなかっただろうが、轟音が響くと同時に砲弾は船内から壁を吹き飛ばし、大爆発を起こす。たった一発で軍艦に大穴が開いてしまった。
そこから大雨と高波が入り込み、慌てたキリは急ぎその場を離れる。
濡れない場所に立った後で、厳しい視線を向けてくるウェンディと視線を交わした。
「やってくれるわね……ずいぶん手慣れてるじゃない」
「一人で船壊すのって得意なんだ。能力の使い勝手がいいもんで」
「さっきより生き生きしてるわね。暴れるのが楽しい?」
「いいや。仲間が来てくれたから嬉しいんだ」
今は妙に柔らかい笑みを称えて。
明らかに目の輝きが違っていてその体から発される雰囲気も変わっている。
ウェンディは嘆息し、苦笑してやれやれと首を振った。
「残念ね。あなたとは仲良くしたかったところだけど」
「仲良くしたいんならしてもいいよ。ただしお互い立場があるんだ」
紙を手元へ呼び寄せ、蛇の傀儡を作り出した彼は、その尾にマッチで火をつける。
一方で傍には牙を持ったフクロウの傀儡が翼を動かして滞空する。
それら二体を並べられた大砲へ向かって動かしつつ、笑顔でキリが告げた。
「そっちがどう思おうとやめる気はないけどね。止めたいんなら止めてみなよ」
フクロウが素早く飛んで混乱する海兵たちの間を潜り抜け、固定された大砲のロープを切っていく。船体の動きに合わせて大砲が右往左往し始めて、地を這って密かに接近する蛇が尾を振り、次々導火線に火をつけていった。その結果、当然船内で次々砲弾が飛び出す羽目になる。
爆音と爆撃で船にいくつもの穴が開けられ、いよいよ損害が無視できないほどとなってきた。
入り込んでくる高波を受け、外へ放り出される海兵も少なくはない。
そんな状況の中でウェンディは強く歯噛みし、あからさまに動揺する部下を叱責した。
「全員、命懸けでしがみつきなさい! 海に落ちたら命はないわよ!」
「は、はいぃ!」
船の中だというのに海水を浴びて全身が濡れた。
髪を掻き上げて前を見たウェンディは、気付けばキリの姿が消えていることに気付く。また別の場所を壊すつもりか。雨を苦手としているようだが、船の中ならば自在に動けるようだ。
甘く見ていたと言わざるを得ない。何かあれば抑える気だったが想像以上だ。
悔しく思う一方、なぜかそれを嬉しがる自分も居た。
そうこなくては。いつしかそう思ってしまっている自分に驚く。
どこへ行ったか探すため、追おうと一歩を歩き出した途端、船の後方で爆音が響いた。あの位置ならばおそらく火薬庫。船の急所をよく理解している。
これでは本当に沈められかねないと足を急がせ、音の出所へ向かう。
激しく動揺する海兵たちとは違い、彼女だけは妙に落ち着いており、むしろこの状況を楽しむかのよう。笑顔でキリの姿を探し始めた。
ウェンディ、ドニーはRODから名前を取ってきたオリキャラです。
それと、タナカさんなんてウチにはいない。