居酒屋で愚痴を聞くだけの簡単なお仕事です   作:黒ウサギ

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単発3回引いたら杏来たよ!SSRだよ!
クール寄越せよ頼むから。蘭子欲しいんじゃ…
次回はウサミンパワーを発揮して行きます!多分はやみんパワーとしゅうちゃんパワーとダークパワーが出てきます

ちなみに、今回の設定は周子ちゃんがバイトやめてから少し立った頃。楓さんルート入る前の時間からスタートです


全力で神楽を強化してみた(嘘)

「神楽の昔話?」

 

「また、珍しい話を聞きたがる人がいるんですねぇ…」

 

俺とちひろさんの共通の友人であり、居酒屋をほとんど1人で切り盛りしているバカ。

そんな彼の過去を知りたいと言い出したのは、彼の居酒屋で働いていたのをスカウトして、見事4代目シンデレラに選ばれた塩見周子

 

「そっそー。今思えば私何もゆーとさんの事知らんのよねーん」

 

何も知らない人と同居してたとか凄いよねー私。

なんて笑いながら彼女は訪ねてきた。

 

「あら、面白そうな話してるのね。私にも聞かせて貰えるかしら」

 

と、参加してきたのが速水奏。通称『キス魔』と言っても実際にキスをした事は無いらしい。アピールだけの可愛い子供だ。

 

「何故かしら、物凄く不本意な評価をされた気がするわ」

 

「きのせいきのせい」

 

誤魔化しながらタケノコのサトシを摘みながら考える。勝手に話してビール値上げとかにならんかなと。下手に怒らせてしまえばビールだけではなく枝豆や焼き鳥まで値上がりしてしまう。ちひろさんにドリンク代という名のカツアゲをされている身分で、値上がりは致命的だ。

 

「まぁいいじゃないですか。減るものでもないですし。寧ろここで悠人さんの好感度を稼いでおけば、得になるかもしれませんよ!」

 

この事務員欲望がダダ漏れである。しかしながら、彼女を言うことも一理ある。もしかしたらサーバー飲み切ってもいいよなんて言われるかもしれない。

 

「闇に飲まれよ!」

 

「やみのまー」

 

「ふふ、闇に飲まれよ」

 

蘭子が仕事から帰ってきた。

相変わらず熊本弁(亜種)を喋りながら、奏と周子と会話してるのだから凄いと思う。

 

「ふむ、異界の食を探求せし者の記憶、とな…。」

 

「そゆことーん。何なにーらんちゃんも興味深々なのー?」

 

ぬふふと笑う周子にその顔はアイドルとしてどうなのかと疑問に思う。

 

「いいじゃない、プロデューサー。私達も秘密にするし、何よりバレなきゃ良いのよ」

 

はやみん男前である。

 

「んー誰にも言うなよ?」

 

昔話をするのは初めてだが、この際良いかと思い話し出す。

 

神楽とちひろさんとは幼馴染みって奴でさ、昔から何をするのも一緒だったんだ。

小学校、中学校、高校、大学。全部一緒。

に、なるかと思ってたらアイツ「ちょっと神の舌昇天させてくる」なんて言い出して遠月学園行くって言い出したのよ。遠月しってる?あの超名門料理学校。世界中に有名な料理人を輩出してるあそこ。流石に知ってるか。アイツ昔から料理上手でさ、ちひろさんと二人してよく作って貰ってたなぁ…

あぁ、それでだ。神楽は普通に試験受かって、普通に首位取って、神の舌昇天させまくってた。以上

 

「え、終わり?」

 

「何か凄い過程を飛ばされた気がするのだけど…」

 

「闇は深い…(何かあったんですか?)」

 

察しが良い事この上ない。

何せあいつの遠月の話を語るとしたら文字数どれだけ必要になるのか分かったもんじゃない。神様(黒ウサギ)だって大体そこまで考えてはいないのだ。

 

「じゃあさじゃあさ、なんでゆーとさん居酒屋なんてやってんの?そんだけ凄いことして来たんだったら色んな所から引く手数多でしょ?」

 

と、周子がもっともな疑問を抱く。

 

「そうね…。確かにそれなら大学に行く必要も無いし、料理人として有名になってても可笑しく無い…」

 

「彼に何の罪が…(何か理由があるんですか?)」

 

理由はあるにはあるんだけど、割とその道の人からすれば巫山戯てる理由なんだよな…

 

「神楽の料理、3人とも食べたことある?」

 

「私は同居中に毎日頂いてましたーん」

 

「私は…無いわね」

 

「禁断の果実…(私もです…)」

 

なるほど

 

「神楽の料理って、本気出すと人が死ぬんだよ」

 

「「「は?」」」

 

うん、正しい反応だ。普通そうなるよね。

 

「焼きたてじゃ、このパン!って、漫画知ってる?知ってるんだ、まぁその中に食べたら天国行っちゃうパンが出てくるんだけど、大体同じ」

 

「それと、居酒屋の何処に関係が…?」

 

「つまりだ、アイツ大学行くことで料理の腕を落とした訳だ。まぁそれでも美味しいから本気でアイツ天才だと思うよ…」

 

今でも忘れない。本気の料理を食わせてやるとホイホイついて行き、島村スマイルダブルピースを晒したちひろさんを。

 

「何て言うか、想像付かないわね…」

 

「周子ちゃんも。あんだけ美味しく料理が本気じゃないってのが意味わかんなーい」

 

と言いながらソファに足を投げ出して横になる周子。晒された素足が何とも眩しい。

 

「た、大変な事になりました…」

 

「どうした蘭子、日本語なんて喋り出して!?」

 

いきなり日本語を使い始めた蘭子に、事務所にいる一同が慌て始める。

 

「えっと…明日パパとママが此処に来るじゃないですか…」

 

確か、娘の仕事風景が見たいとの事で蘭子のご両親が事務所に来る事になっている。が、それが何か関係が有るのだろうか…

 

「ママが美味しいお店ないかって聞いてきて、私思わず神楽さんのお店紹介しちゃって…」

 

なるほど、蘭子はさっきの話で両親が死んでしまうと考えたのか。安心させるためにも、頭を撫でて優しく言葉をかける

 

「なーに、何もなければ普通の美味い飯を出す居酒屋なんだ。そう簡単に死人なんて出やしな「プロデューサー大変!悠人さんのお店で事件が!」い…とは言ってない」

 

「プロデューサー!?」

 

なんか、フラグ建てちゃった★と舌を出しながら蘭子に謝るが、マジ泣きしそうである。

事務所に入ってきた楓さんの話を聞きながら、俺は神楽のお店に向かった

 

(アイツ本気出して料理するとか、何あったんだ…)

 

そんな疑問を抱きながら。

 

 

 

 

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誰か説明してくれ。何で目の前の銀髪赤目のナイスガイはこちらを睨み続けて来るのか。

どっかで見た事のある顔立ちをした2人組のお客さんが来店してきて、注文通りに料理を出した。うん、何も間違って出してないし、ミスも無い。その証拠に奥様の方は顔をトロトロにふやけさせながら料理を味わっている。

 

「えっと、何か料理に問題でも…?」

 

恐る恐ると紳士さんに声をかける。と言ってもさっきも同じ言葉をかけたのだが、無視された。心折れる…

 

「この…料理だか…」

 

と、やっとご返事を頂いた。何かなとビクビクしながら聞いていると

 

「御主人の腕なら…、もっと美味い物を出せるのでは…?」

 

おう…神楽驚いた。

確かに今出してる料理は全力で作ったものでは無い。それでも、他に店には劣らない味であると思っているし、お客さんにも満足して貰えると考えている。

そもそも、薙切の系譜を唸らせた料理が不味いとは思えない

 

「叶うのならば、今御主人が出せる一番の料理を頂きたい」

 

と、言われてしまい本気で悩む。全力を出すのは構わない事なのだが、死人が出るのは望ましくない。少し譲って死なないとしても、脱げる。

 

(こんなナイスガイ脱がす趣味無いんですけど…)

 

「んー美味い…。店長さん、取り敢えず作って上げてよーこの人頑固だからさ、出してくれる迄何も食べないと思うよん?」

 

面倒くせぇなナイスガイ。

奥様からの言葉に、どうにでもなれと新たに出し巻きを作る

 

「あら…人が変わったみたいに作るのね…」

 

「ふむ…」

 

纏う雰囲気を一変させ、何も考えずに料理を作る。

 

「お待たせしました、自慢の出し巻きですっと」

 

黄金に輝くそれを、2人はどんな気持ちで見ているのか。目が釘付けになっている2人はを見て、こっそりと店内でお酒を飲んでいた楓さんにPを呼んできてもらう。

箸を咥えて何故ですかと首を傾げるのは可愛いのでやめてもらいたい。

 

「ボトルサービスしますよ?」

 

そう告げたら風を残して消え去った。

 

-パァン!

 

という音に振り向くと、ナイスガイが脱げていた。正直驚いた、まさか死なないとは思わなかった。とは言っても褌1丁なのでそれはそれでアウト。

 

「…素晴らしい味だ。出し巻きが、こんな素晴らしい物だとは思わなかった…」

 

「あんた…服が…」

 

隣の奥様はそんな旦那の姿を見て食べるのを諦めていた。流石に脱ぎたくは無いだろうしね!

 

「パパ、ママ!」

 

と、蘭子にちゃんが入ってきて…ん?

 

「蘭子ママとパパ?」

 

「私が蘭子ママ、この人がパパ」

 

「oh……」

 

なんてこったいと頭を抱えた。

なるほど、面影がある。褌姿じゃない時に隣に並んで欲しかった。

 

「パパ…何、その格好…」

 

「おぉ、蘭子か。お前も食べて見なさい、新しい世界が見えるぞ」

 

「へ、変態っ!」

 

蘭子パパが膝から崩れ落ちた。

それと同時にP達が店内に入ってきて、カオスが加速する。

 

「らんちゃんパパ褌派なんだ…」

 

「それよりも、褌一枚だけなのに優雅なのが凄いわね…」

 

「らーんこ!しばらく見ないうちに綺麗になって!」

 

「神楽、そろそろ早苗さん来るんだけど、これやばくね?」

 

そういう事は早く言え。急いで隠すものを取りに1度部屋に戻る。適当にサイズが合いそうな服を持ってお店に戻ると

 

「話は署で聞くわ…」

 

「紳士たるもの、何時如何なる時も優雅たれ。それが神崎の家訓だ…」

 

時既に遅し、さらば蘭子パパとなった。

 

 

 

 

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あの後、何とか早苗さんを説得して蘭子パパの変態は取り下げられた。

無事に親子の再開を終わらせて、それらを見届けた346の人達は呑気に飲んでいた楓さんと共に帰っていった。

 

「んー、もう少しだけ料理の質を上げるべきか…」

 

脱ぐか脱がないかのギリギリのラインで作れば大丈夫であろう。今後はもう少しレベルを上げて作ろう。

そんな風に考えていると、ガラりとお店の扉が開いた。

 

「いらっしゃーってナナさん?」

 

「………」

 

トレードマークのウサミミをしおらせて、風呂敷を抱えてナナさんが入ってきた。というかベソナナ状態である。何があったのか不思議に思うが、取り敢えず席に座らせてビールを差し出す。これは子供用ビールだからアルコールなんて無いですはい。

 

「悠人さん、ナナを、ここで働かせてくれませんか…」

 

「ん?ん?」

 

どういうことだってばよ?

 

「何かあったんすか?」

 

「ナナの…ナナのお家が…ウサミン星が…」

 

-全焼しました…

 

誰か衛生兵呼んできてくれ。




てなわけで、ウサミン編始まるよーん★
始まる前に神楽を無駄に強化していく。そんな自由も許されるのがこの作品。
タケノコのサトシはわざとです。誤字ではありません★

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