iPhoneでも早くやれないですかね(憤怒)
文香ifあまり受けが良くないかもしれませんが私が満足するまで続けるよ!
多分関係ない話とか出すかもしれないけどそこはご愛嬌。
GW初日。
当然の様に美嘉ちゃんに買い物に付き合わされた。天気もいいしのんびり布団でゴロゴロと過ごすつもりでいたのだが突然ドアを開け放たれて
「美嘉のお願い聞いて欲しいな★」
なんて笑顔で言われてしまっては断ることも出来ず、今に至る。
アイドルの仕事はと尋ねれば明日から忙しくなるとのことなので、せめて初日位は羽を伸ばしたいらしい。
最近の美嘉ちゃんはこれでもかと言わんばかりに忙しくなっており、オフレコらしいがもう暫くするとCDも出すらしい。
おめでたい事この上ない。
連れて来られた先は1〇9。今日は散財すると豪語していたので荷物持ちの覚悟は出来ている。
「同じ事務所のみりあちゃんか可愛くて可愛くて!もうどうにも止まらない気持ちが溢れ出そうになるのが辛い…」
「お、おう…」
話題として近況を訪ねて見たのだが、やめておけば良かったと後悔したり。
「楓さんは美人だし歌も上手いんだけど、駄洒落がちょっとね…」
なんて裏話も聞いたりしていたら。午前があっという間に終わってしまった。
順調に増えていく荷物に戦々恐々しながら、美嘉ちゃんがお腹が空いたと言ってきたのでランチにする事に。
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私の目の前に座る悠人さんは、血のつながった家族では無い。数年前に、一緒に暮らす事になった親戚。
お婆ちゃんのお兄さんが入院する事になったと聞き、お見舞いに行って私は悠人さんに出会った。それ以前は?と聞かれれば記憶に残っていないと言うのが正しい。この時と悠人さんは、私の目には酷く脆く写った。家族がまたいなくなることに対する、全てを諦めたような眼。だからこそ、その時の悠人さんをはっきりと覚えている。
「それで、ナナさんが何かダンボール持った時に腰痛めたらしくて、グギッ!って音鳴ったんだってー」
「待ってナナさんって17歳じゃないっけ?」
「何か体勢悪かったんじゃないかな★」
今の悠人さんはあの時に比べてまだ気力が湧いている。
でも、昨日は少しだけ不安定だった。頬に紅葉を咲かせて帰ってきた悠人さんは悲しい目をしていた。私は悠人さんを傷つける人は許さない。大切な家族を、大事な人を傷つける人は絶対に…。
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ランチを終えて今度は下着が欲しいなどと爆弾発言をかましてくれた美嘉ちゃんに、渋々と言った形でついて行く。
女性物の下着売り場にいる姿を同じ学部の人に見られたら大変な事になってしまうのではないかと少々不安があったが、可愛い妹の為にも汚名を被る事も覚悟の上である。
汚名を被る事も…
「私は黒が良いと思うけど、悠人さん的には何色が良いかな★」
「あ、青かな…?」
か、覚悟の上で…
「うわー、紐パンだ紐パン!どうかな、こんなのは★」
「ま、まだ早いと思います…」
相談してくるのやめて下さい。
美嘉ちゃんが相談してくる度にその姿が想像されてしまうのだ。アイドルとして売り出せる程美嘉ちゃんは容姿が整っている。贔屓目に言っても美人であるし可愛くもある。
だからこそ、これは一種の拷問なのでは無かろうか。
そんな事を考えていたら美嘉ちゃんを見失ってしまった。
このままでは不味いのでは無かろうか。1人女性物の下着売り場に佇む男性。通報待ったなしな状況である。
慌てて美嘉ちゃんを探すために店内を動き回っていると
「えっ…?」
鷺沢文香がそこにいた。
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謝らねばならないと決意した翌日。GWだという事をすっかり忘れていた私は買い物に出ていた。
最近下着がまた小さくなった。大きくても邪魔なだけなのにこれ以上成長するのは悩み物である。
はぁ、とため息を零し目当ての下着売り場に到着する。
サイズや柄など、品揃えがいい為よく利用する場所なのだが、今日は何故だか騒がしい。
(何か、あったのでしょうか…?)
人だかりが出来ている所に視線を向けると、今話題のJKアイドル『城ヶ崎美嘉』その人がいた。
TVで見た事があるくらいで他に詳しくは知らないが、成程確かに人目を引く整った容姿である。余り他人に興味を示さない私でも素直に可愛いと思える程に。
(…だからと言って、私には関係無いですね)
と、思い下着を選ぶ事に専念する。
デサインは余り凝った物で無く、安物で行こう。今後またサイズが合わなくなったら嫌ですしね。
紺色の下着を上下手に取り、会計に向かおうとした所。
「えっ…?」
見知った男性に出会ってしまった。
見知ったと言っても顔を覚えている程度で、名前すらも知らない彼。先日衝撃的な出会いをした彼。そんな彼が下着売り場にいた。
「きゃっ…!」
慌てて手に持っていた下着を後ろに隠す。とてつもなく恥ずかしい…。
そもそも何故彼が下着売り場に?そんなことを考えていると、彼が手にしている物に目がついた。
---紐パン
あぁ、成程。
急激に冷えていく頭で一つの考えが浮上した。詰まるところ彼は紐パンを自分で履くためにここに来たのだろう。
つまり彼は…
「変態っ…」
ぞわりと何かが駆け上がる様に悪感が走り、その場から逃れる様に私は下着売り場を後にしようとした。
「ま、待って!」
その言葉と共に腕を掴まれた私は、勢いよく引っ張られる形になり
---ぽすん
と、彼の胸の中に倒れ込んでしまった。
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鷺沢さんと遭遇し、明らかに誤解をしている顔をされて、走りだそうとしたので手を掴んだら彼女は胸の中に倒れ込んで来た。
そんな状況で、何故かどちらも声を出さずに時間が過ぎていく。そう思っていたら彼女が突然震えだし、ひっくひっくと泣いている。
これに慌てた自分は、周囲からの蔑んだ目から逃れるためにも、彼女の誤解を解くためにも手を引いたまま落ち着ける場所へと駆け込んだ。
喫茶店に入り、適当に飲み物を頼み一息つく。
但しその合間に会話は無く、ひたすら無言の時間が過ぎていく。とても気まずい。
何か話題は無いものかと頭を巡らせていると、そう言えば向こうは自分の名前も知らないのではないかと今更ながらに気が付いた。
「えっと、いきなりかもしれないけど。神楽悠人です。よろしく?」
「さ、鷺沢文香です…。よ、よろしくお願いします…」
何故だろうか。彼女が怯えている気がする。
頑張れ自分、何か場を和ませるための話題を作り出すんだ!なんて思っても一向に考えが浮かばずに、また無駄に時間が過ぎていく。
「さ、先程の…」
と、思っていたら彼女から話しかけてくれた。これ幸いとどんな話題だろうが上手く返してみせると意気込んでいると
「ひ、ひもはご自身で着用されるのですか…?」
なんて、聞かれてしまった。
流石にその話題は予想外であり、テーブルに頭をぶつけてしまう。
そっかぁ…見られてたかぁ…。こいつはまずい事になったぞと先程の場面を思い出していると、彼女が持っていた紺色の下着を思い出してしまい思わず顔が熱くなってしまった。
その様子を見た彼女がやっぱりと言った顔でこちらを見ているものだから慌てて弁解する。
「あれは!えっと…妹、見たいな身内が選んだやつで!決して俺が着ける為に買った訳じゃ無いからね!」
身を乗り出して力説する俺を彼女はどうとらえたのだろうか。
「わ、分かりましたから…。少し近いです…」
朱に染まった顔で離れて下さいと小声で言われて、少し落ち着く。昨日の一件もあり、彼女との距離感がよく分からなくなってしまっているのだろうか。
「妹さん、妹さんの物ですよね。…私ったらてっきり神楽さんが趣味で着ける物だと…」
「確実にそれ変態だからね。俺変態じゃないから…」
「信じます…。何ていうか、貴方は嘘、ついてない気がしますし…」
大変ありがたい。このままでは変態のレッテルを貼られたまま大学ライフを送るハメになっていた所だ。
誤解が解けた後は、先程までの空気が嘘のように会話がスムーズに行えた。お互いの趣味の話であったり、好きな俳優の話であったり。と言っても趣味の話では彼女の本の話をこちらが殆ど聞いてただけであるし。俳優の話なんてどちらもそこまで詳しく無かった為、何何のドラマに出てた何役の人。と言った形で会話を楽しんでいた…のだが
「そう言えば、さっきアイドルの方に出会いましたね…」
「アイドルかー、意外と身近な所に居るもんなんだね」
ん、アイドル…。何か忘れているような…
「確か…城ヶ崎美嘉さん…だったかと…」
あー成程成程。美嘉ちゃんかー……
「やっべぇ…」
「?」
小首を傾げる鷺沢さんが可愛いが、今はそれどころではない。すっかり美嘉ちゃんの事を忘れていた俺は、慌てて携帯を確認する
「やっちゃった…」
そこには大量の着信履歴とメールが来ていた。
慌てて美嘉ちゃんに電話する
『悠人今どこにいるのかなー★可愛い可愛い美嘉ちゃんを放り出して何処で何をしてるのかなー★』
これはかなり怒っていらっしゃる…。
慌てて荷物と伝票を掴み、立ち上がる
「ごめん、鷺沢さん!連れを待たせてたんだった!また今度、出来れば話しよう!」
「あ、そうでしたか…。でしたら、急いだ方が良いですよ、長く待たせてたいたみたいですし…」
優しげにそう言ってくれる彼女の好意に甘えて、駆け出した。
誤解も解け、会話も出来て、少しは彼女との距離が縮まった事に頬を緩ませながら美嘉ちゃんの元に向かう。この後の事を思うと気が滅入るが、少しだけ大学が待ち遠しくなった。
デレステまだですかね(懇願)
・怯えている気がするふみふみ
可愛い!怯えていたのはこの後私はきっとえ〇同人見たいなとか考えていたからとかそんな作者の妄想。ふみふみは純愛が一番似合う。だから鬱にはしないはず。恐らくきっとめいびー