居酒屋で愚痴を聞くだけの簡単なお仕事です   作:黒ウサギ

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第2話

 

 

 

 

 あの後取っ組み合いが始まるかと思ったが全面的に俺が悪いので代金を俺が持つ事で許してもらった。俺は悪くない(キリッ とか言ったけど冷静になると傷害でタイーホされてもおかしくなかったわけですし・・・・・・

 急に殴られた理由について物凄く聞かれたが何とか誤魔化して早めに切り上げてもらった。

 

「でもしょうがないと思う。急に島村さんにちゃんみお、渋凛の名前出てきたら誰だってグーパンする。ガンジーだってグーパンするはず」

 

 

 何を隠そうこの私神楽は二度目の人生を満喫しているのである。Pを殴ったのも前世で

 

 

 『アイドルマスターシンデレラガールズ』

 

 

という名前のソーシャルゲームがあり。その登場人物が今現実にいるのだ。これでテンションがあがらないわけないじゃないですかやだー

 いやしかしどうりでどっかで見た事ある人たちがいるわけだよ。今度あの婦警さんに出会ったら終始ニヤニヤしっぱなしな自信があるぞ。

 

「Be Coolだ落ち着こう。」

 

 そう落ち着こう、今日だって店は開くんだ。まずは食材を仕入れに行かなければなるまいて・・・・・・。余談だが現在両親は休暇を取ってベガスに行っている。まぁこっちも自由に過ごせるから別にいいんだけどさ・・・・・・

 

 

 

「さて・・・・・・煮込むものも煮込んだし後は買い物かなー」

 

 今日は土曜日。子供連れのランチタイムのお客さんの入りが少し多くなる日なのでメインはカレー。子供=カレーという安直な発想なわけがない。ハンバーグも作ろうとか考えているわけがない。

 

「とりあえず買い物に行かないといけませんねっと」

 

 火の元を確認し財布片手に店を出る。戸締りOK

 

「もしかしたらこの通りにも知ってる人がいるのかもしれんなー」

 

 などと考える。おっと、今は食材を買いに来たんだキョロキョロ辺りを見回してる場合ではない。買い物をして早く帰らないと調理の時間がなくなってしまう

 

「渋凛迎えにきたよー!」

 

「ふぁっ!?」

 

 グギリと首が鳴ってはいけない音を出した気がするけどそんなことは正直どうでもいい!渋凛!?まじ渋凛!?痛みにこらえながら声のする方を見ると『花屋』がありそこから見慣れた・・・・・、・というのは可笑しな表現かもしれないけど間違いなく彼女が出てきた

 

「未央・・・・・・少しは声量下げようか。ハナコびっくりして怯えちゃってるから・・・・・・」

 

「いやーごめんねー、でもでも!今日から私たちアイドルデビューだよ?テンション上がらないわけないってー!」

 

 バシバシと『渋谷 凛』の背中を叩きながら嬉しそうに笑う『本田 未央』。叩かれるたびに「痛い、痛い」と声を漏らしているのだが聞こえていない様子

 

「ちゃんみお叩きすぎじゃないかな・・・・・・しぶりんそのままアームロックかけそうな雰囲気なんだけど・・・・・・」

 

『アイドルってのはね、誰にも邪魔されず自由でなんというか救われてなきゃだめなんだよ?』

 

 とか言ってるのを想像したけど自分でも何を考えているのかさっぱりだった。疲れてんのかなぁ・・・・・・

 

「さぁいくよ渋凛!うづきんが私たちを待っている!」

 

「うづきんって・・・・・・。わかったから腕引っ張らないで痛いからっ」

 

 電信柱の影から二人が去っていくのを見届けてからふぅと息を漏らす。飛び出さなかった自分を褒めてあげたいです。さぁ買い物して帰んべ!

 尚、買い物中終始笑顔で過ごしていた為に軽く引かれていた模様

 

 

 

 

 

 

 

「ひき肉買ったしー、卵は明後日届くって言ってたし・・・・・・野菜もまだ大丈夫・・・・・・。これで大丈夫かな?」

 

 買い物も無事に終わらせ帰路に着く。片手には道中で喉が渇いたのでコーラを持ちながら。ランチメニューはカレーで固定するとして・・・・・・子供でも食べられるようにキャロットライスでも作るか?大人にはレーズン入れたやつ出すとして・・・・・・。小さいハンバーグも一緒に出せばいいかもなー。と思考しながらコーラを飲む。バニラコーラとか昔あったけど飲んだ事ないんだよなー

 

「私達アイドルなんだねー。私まだあんまり実感湧かないんだー」

 

「私も。まだレッスンぐらいしかやらないみたいだし。アイドルらしい仕事するまでは何て言えばいいんだろ・・・・・・、候補生?」

 

「ぐぬぬ・・・・・・甘い、バニラエッセンスよりも甘いよ二人とも!」

 

「未央、バニラエッセンスは舐めると苦いよ?」

 

「・・・・・・それほんと?」

 

「人工的に作られた物はエタノールとか水で溶かしてあるから苦味がある。んで逆に天然のバニラビーンズをお酒に漬け込んでできるバニラエキストラクトは舐めると甘いわけ。市販の舐めてたら痛い目見るぞー」

 

「おー、物知りー!・・・・・・どちら様で?」

 

 思わず声をかけてしまった俺は悪くはないけど不審者だと思う。女子高生の会話に突如薀蓄を語るお兄さんが参加するとか通報もんだわ・・・・・・

 

「あ、いえ、その・・・・・・不審者とかじゃないんです。珍しい会話してたからちょっと知識を披露したくなっただけなんです。決して下心とかあったわけじゃないんで通報とかは止めてもらえると凄く嬉しいですハイ・・・・・・」

 

「うわ・・・・・・足が震えすぎて何本にも見える・・・・・・」

 

「・・・・・・別に通報とかはするつもりはありませんけど」

 

「もう遅いと思うなー・・・・・・なんて?」

 

 え、それってどういうこt「ちょっとお姉さんとお話してみよっか♪」

 

 神様?休暇取っ手ベガス行ってるよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの後Pが来てくれことにより俺の無実が証明された。ちらちらとPが婦警さんを見ていた様な気がするけどきっと気のせいだろう。尚ランチタイムは逃した模様。お客さんまじごめんなさい・・・・・・

 

 

 

 

 

「そんなことあったんですねー」

 

 ビール片手に守銭奴が笑う

 

「今だから笑い話で話せるかもしれんけどさ、あの時一瞬で囚人服着た自分の姿想像できて心臓止まるかと思ったわ・・・・・・」

 

「俺も凛達から電話着たから何事かと思って急いで向かってみれば・・・・・・、婦警さんに説教くらってるお前がいるし。何がなんだかわからんかったよ」

 

 枝豆の身を皿に移して食べているPも笑う。というかもう凛って呼び捨てにしてんのね。お兄さん涙でてきそう。そんなことを笑いながら話しているとふと疑問に思ったので聞いてみる事に

 

「俺とPが知り合いってわかってさ、あの子達なんか言ってた?」

 

「・・・・・・聞きたい?」

 

 もったいぶる程高評価でもあったのだろうか?若干期待しながら返事を待つ

 

「『いきなり薀蓄を話し出す居酒屋のお兄さん・・・・・・』だってさ・・・・・・」

 

 つまり変質者ってことですねわかります。第一印象が変質者スタートみたいです。




キャラの口調とか呼び名とか色々違和感あるかもしれません。そこはほんともうごめんなさい・・・・・・
料理についてはあまり触れないであげてください。説明するの苦手なんです!

Pについてですが『Pヘッド』を想像しながら読んでいただくといいかもしれません。

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