私はIS 作:35(ミコ)
というか、当初の予定と少しずつズレていく……
しっかりとテーマ決めて話書かないから……
時間は遡り、
「あんたは全身装甲に切り替え、
簪は今出かけている。よって、一人のソラははばかることなく、相棒に加え、新人も交え会話をしている。
「で、あんたには私のデータの一部移したから、残りをやれば自立できるんでしょ? ああ、新人、お前はしばらく私が使うからよろしく」
で、と区切る。
「私という機体は一体どうなんろう……って思うのよ」
ソラとてISである。そして、その自覚もあるつもりである。
ただ、気になってしまったのである。機体としての自分が。今まで一度も乗られたことなどあるはずもない自分が。
「……おい、使えないとか言うな。そこの新人のおかげで飛べるようになったんだぞ! ようやくだ! でもねー、設定がねー、下手なやつに触らせるのもねー……」
唯一、問題があるとするなら、機体構成や性能的に操縦する人がいないかもしれない、という点。
武器は近接武器のみ。性能は
だが、それを損なう分だけのじゃじゃ馬な癖があった。
ソラ自身、一度飛行してみたのだが、結構癖が強く。意識していなければバランスを崩してしまうレベル。
「ああ、そうだ。利権関係の問題もあったなぁ……」
先日の襲撃事件でISが二つある事実が学園側にバレてしまい、激しく問い詰められた。
流石に、ソラも懲りて、
結果、近接格闘が出来、専用機を貸与しても問題が無さそうな人物。
「…………一人、いるか」
例のあの人の妹で、現状専用機の一つ二つ持っててもおかしくは無さそうな人。
実際は現状、ISには全く何も関与していないが。
「――ということで、来たの」
「……は、はぁ……」
実際に伝えたのは、凄く操縦の癖が強い格闘機体が一つあること、試験運用をしたいが今回自分はダメそう、手が空いていて一番問題無さそうなのが篠ノ之さん、という三つのことである。
箒はどうも胡散臭く感じてしまう。
元はと言えばあの姉のせいである。あの姉絡みで碌なことは一切なく、特にIS関係は疑ってしまう。
だが、同時に専用機という言葉に惹かれてしまうのもある。
「しかし、専用機をそう簡単に渡してもいいものなのか?」
「んー、今回は試験運用だし、あくまで貸与なんだけどー、まぁ、多分普通は絶対ダメなやつだと思うね」
「……」
ダメなことをさらりとやろうとするソラに箒は返す言葉も見つからない。
最も、ダメな理由としては情報や技術漏洩の可能性があるからこそ、誰もやらないのであって、明確にやってはいけないとはされてない。所謂、暗黙の了解みたいなものである。
他にも、絶対防御の設定を切った上で、事故に見せかけた暗殺も可能であるが、ISでそんなことをやってはISの利権に関わってしまうし、コストが見合わない。
「理由は色々あるけど、少なくとも損はないと思うよ?」
「しかしだなぁ……」
さらに言えば、篠ノ之箒は、かの篠ノ之束の妹である。遺伝子目当てで近づく輩もいるにはいる。
ソラはどうにかして乗せなければと考え込む。
「ムムム……」
「あー、悪いがこの話は――」
そして、思いつく。こうなったら
「――頼むよ! そこをなんとかさぁ!」
「……っ!?」
箒の両手を取り、縋り付く。ここで諦めたら恐らく、乗せられる人物がいなくなってしまう。
「どうか! この通り! お願いします!」
「お、おい!?」
極め付けに床に膝をつけ、身体を折りたたむようにして額も床につける。
そう、土下座である。
「あ、頭を上げろ! 私としても情けなくなる!」
「……」
箒は箒で狼狽えてしまう。元々人付き合いは少なく、こうも懇願されるのに慣れてない。
彼女も膝をついて、ソラの頭を上げようにもビクともしない。
周囲に人がいなかったことが、せめてもの救いだろう。
「お願いします!」
「あ、あ……」
畳みかけるように言う。
「わ、わ、分かった! の、乗れば、乗ればいいんだろう!? だ、だから、その、頭を上げてくれ!」
ついに折れた箒。混乱しているのか最早目をグルグルに回していた。
そして、その言葉を聞き、ソラは跳ねるように立ち上がる。
「っしゃぁ! 篠ノ之さん! その言葉を待っていたぁ!」
「あ? あ? え?」
「取り敢えず、この時間に整備室に来て! 丁度、立ち会えないから機体だけ置いておくから! 適当に一人で動かしてもいいし、誰かとやってもいいから! じゃっ!」
「え? え? え……?」
約束だけして、嵐のように去って行ったソラ。箒は手渡されたメモを片手に困惑するしかなかった。
「……な、何だったんだ……?」
箒から半ば強引に約束を取りつけて翌日。
「聞いた!?」
「何をっ!?」
教室に行くと席に着く暇も無く、三枝木が食い気味に話しかけてきた。
「新しい転入生!」
「また……?」
「それも! ただの転入生ではない!」
「なん……だと……」
驚愕に打ち震えるソラと事実を告げる三枝木玲奈。いつになくテンションが高い二人であった。
「なんと!」
「なんと?」
「専用機持ち!」
「マジ?」
内心、何故この中途半端なタイミングで来るんだろう、と若干の呆れが混じった疑問が湧いた。
しかし、三枝木の勢いは止まらない。
「しかも!」
「しかも?」
「かのフランスのIS企業! 『デュノア社』! からフランス代表候補生!」
「また大きいとこから来たね」
ソラとて聞いたことがある大企業『デュノア』。シェア率トップ3の第二世代機『ラファール・リヴァイヴ』を開発した企業である。
「そして、もう一人!」
「え、二人もいんの?」
流石に、ソラも普通に驚く。
「ドイツから!」
「え、ドイツ?」
まさかの、しばらく過ごしたドイツからである。
ソラにとっては何の思い入れもない、と言えば嘘だが、言うほど何かある訳でもない。
「なんと――」
すっ、と玲奈が口を寄せてきた。
「あんまり大きく言えないけど、どうも軍出身らしいんだよ」
「……軍?」
ソラは少し前の
ふと空軍出身のある知り合いが思い出された。
彼女は今、どこで何をやってるのだろう。隠居じみた生活に入ってからは会ってない。
「聞いたことはあるね。ISが配備された特殊うんちゃらって話は」
「じゃあ、やっぱ事実なのかな?」
「何? 噂なの?」
「うん、まぁ」
一生徒の玲奈がそこまで確か情報を得ることは難しい。
だが、女子高生の好奇心と共有力を舐めてはいけない。上級生が率先して情報を集め、共有。すると、瞬く間に全校に広がっている。
そこまで言うと三枝木も落ち着き、席に着く。
「まぁ、HRも終われば詳しい情報は集められるかな?」
「見に行ってみる?」
「そうだね」
案の定とも言うべきか、再びHRの時間に叫び声が廊下に木霊した。
「一体どんな人が転入すればこんな騒ぎになるの?」
「それは二人共専用機持ちだからね」
「うん、まぁ……」
首を傾げつつもソラと玲奈はその元である一組に向かう。
すると、一組の扉から一夏とブロンドの髪の
「「え?」」
二人は急いでその場から去る。廊下ではその二人を探していたであろう女子たちが騒ぎながら群がっていた。
「今の……」
「男……?」
二人を顔を合わす。
「まさかーそんなわけ……きっとないよ」
ソラは笑い飛ばして否定しようとしたが、自信は無かった。
何せ、
「ま、まぁ、もう一人いるし? そっちは多分普通だと……」
玲奈も震え声で答え、二人で教室を覗く。
恐らく、転入生と思しき人物ならすぐに見つけることができた。
何故なら、そこだけポッカリと穴が空いたように人がいないからである。
「眼帯に……改造制服も何か軍服っぽいような……」
玲奈が見たまんまの感想を呟く。
ソラはじっとその人物を見つめる。
「ソラ? どうしたの?」
「んー、あれ多分、さっき言ってたIS配備の特殊なんちゃらだよ……」
「……ホント?」
「多分。私だって信じたくないよ。プロ中のプロであるはずのそんなとこの人が何でここにいるんだか」
それは
ソラは溜め息をついて、教室から目を離す。
「ともかく、今日はこれくらいにしよ。お前は知り過ぎた、って感じに消されたら……」
「え、私たち消されるの……?」
「冗談だよ、冗談」
「でも、軍人相手ならありえなくもない?」
「……確かに」
ソラは自分で言っておきながら否定できない可能性はあった。
結局、新しい転入生はまともな人がいなかったという結果に終わった。
時間は過ぎ、昼。いつも通り、二人は食堂で昼食を取る。
だが、ソラのお盆には大盛りのものが一つしかなかった。曰く、
「デュノアかぁ……」
「何か気がかりなことでもあるの?」
ポツリと漏らした呟き。三枝木は反応してしまう。
「いや、特に。別にウチで何か提携した訳でも何でもないけどね」
「ふーん。でも、やっぱり社長のご子息なだけあって、品があるよね」
「まぁ、織斑くんとは違うタイプだとは思うけどね。一度は話し合ってみたいし」
「ふーん、どうしてまた?」
転入生だからかもしれないし、そうでないかもしれない。最も、ソラの場合は大凡後者だと考えられるが。
「まぁ、どうやってISを起動させたか、いつ起動させたか、とかね。気になるじゃん」
「あー……何か研究者とかそういう考え方ね……」
人となりではなく、搭乗者として気になる。
ふと、三枝木はあることが気になった
「そういえば、ソラって将来何か夢でもあるの?」
「んー?」
改めて考えてみる。元々、
目的などあって無いような状態。
強いて言うなら、
「のびのびと過ごしたいね……」
「えー? もう企業に所属して将来安定だから?」
「……うーん、どうだろ?」
「何か、ずるいなぁ……」
盛大な溜め息をつく。普通の人にとってはIS学園に入れただけでも御の字だが、先はまだある。そんな中を何も考えてないような生き方でいれば羨ましいとも思えるし、呆れや嫉妬もある。
ソラは苦笑で流しつつ、ふと目を横に向けると一人で昼食を取る、例のもう一人の転入生がいた。
周囲には誰一人として寄り付かない。それもそう、本人がそういうオーラを垂れ流している。
じっと、ソラは見つめる。そして、一つの違和感を覚えた。
「ソラ?」
立ち上がって彼女の元に向かう。
三枝木は行き先を見て、ついていくのをやめた。
やがて、近づくソラに気付き、その彼女は一度視線を向けるだけで終わった。
「ねぇ、ちょっといい?」
「……何だ」
視線は向けず極めて不服そうな声音で返す。だが、ソラは気にせず話す。
「IS、見せてもらっていいかな」
そう言うと、明らかに見下したような視線を一度向けるだけだった。
「……ふん」
鼻を鳴らし、立ち上がって食堂から去ってしまう。
「私何かやったっけ?」
怒ることも呆れることも無く、ただ疑問だけが湧く。
考えても仕方ないか、と席に戻る。
「な、何だったの?」
「さぁ?」
互いに何も分からないまま時間が過ぎてゆく。
そして、休日。ソラが箒に渡したメモに書かれた日になった。
箒は一人、整備室へ向かう。正直、あまり乗り気ではないのだが、メモを渡されてしまった上に、そのメモにはISの仕様についてまで書かれていた。ソラが準備し終えているのも予想が着く。こうなってしまった以上、やるしかないと気持ちを切り替える。
(だが……この初動に注意、とはどういうことだ? 癖が強いとは言っていたが……)
「ん? 箒ー!」
「一夏?」
思考を中断し、振り返ると一夏、と鈴、セシリア、そして金髪の転校生、シャルルがいた。
一夏は珍しいものでも見たかのように尋ねる。
「どうしたんだ? 何か考え込んでいたみたいだけど」
「あ、ああ、いや、少し頼まれごとがあってな」
「珍しいな、箒に頼みごとなんて」
「か、関係ないだろ! 向こうが私だと都合がいいと……で、一夏はなにかあるのか」
後ろの三人を見て、ムスッとした様子で返す。
「ああ、丁度、
その一言に箒はどこか劣等感を感じた。
(今日乗るのはあくまでテストとして、だ。私の専用機じゃない)
心の中で唱える。
だが、同時にもう一つの考えがよぎった。
(いや、待てよ? 今日のテストでいい結果を出せば、今後も乗せてもらえるか? 貸与だが今回はあくまで一日だ。もしかしたら一週間単位で貸与される可能性も?)
図々しいにも程があると言えよう。だが、専用機があれば、一夏との練習にいつでも付き合えるようになる。
『いっそ、専属のテストパイロットとして欲しい』ではなく『一夏と一緒に練習したい』という欲望。
『あくまで、今日一日乗せてもらえるだけだ。専属になるなどおこがましい』という理性。
その二つが心の中でせめぎ合うが、
「そ、それなら、丁度都合がいいな! わ、私も今日、れ、練習があってな!」
若干、上ずった声で応じる。
人間の欲は強いのだ。
結局、ソラとの約束の話をしてしまい、一夏たちもそれが気になり整備室までついて来た。
「そういえば、その、オンブグレンストって子、どんな子なの?」
「シャルルはまだ会ってなかったっけ?」
整備室にシャルルの声が反響する。
箒はメモを参考にハンガーの番号を確認していく。
「確か、三組の代表で……何て言ったらいいんだろ……」
一夏は目に見えて避けられており、それほど交流があるわけでもない。
鈴に視線を向けるも、
「私もそんな話したことないし……なんていうか……フリーダム?」
「わたくしも少々会話したことありますが、飄々とした感じではありましたわね」
「そういえば、四組の代表と色々してるのは割と見かけるわね。そっちに聞いたほうがいいと思うわよ」
「四組の代表……」
シャルルは必死に思い出そうとするが、そもそも知らないことに気が付いた。
今度、会いに行ってみるとした。もしかしたら本人にも会えるかもしれないという可能性もある。
「そういえばこの間、学園側にIS二機所有してることがバレて連行されていくのを見たわね」
「ISを……二機?」
聞いたことがない、とシャルル。
「私だってそうよ。でも、この間の騒ぎの時、試合と全く違う機体で、何か有り得ないような反応速度で動いてたわね……」
この際、反応速度については置くとして、シャルルは機体が気になった。
「どんな機体だったの?」
「試合の時は白い機体で、火器中心の武器だったわね。見た感じ、そんな何かに特化した訳でも無さそうだし、第二世代の機体かもしれないけど……一夏は何か知ってる?」
え、俺!? と、ISに疎い少年は困惑する。
「俺も詳しくは知らないけど……うーん……分からん。セシリアは?」
「少なくとも量産機にあのような機体が無いのは覚えてますわ。ですが、専用機にしては専用機というほどのチューンもなされてないと思いますわ」
シャルルはその点については疑問に思う。だが、機体はもう一つあるのだ。
「わざわざそんな機体を用意する人か……で、もう一つは?」
「もう一つとするなら黒いほうですわね……確か、一夏さんなら一度部分展開の状態で戦いましたわよね?」
「ぶ、部分展開で?」
セシリアはシャルルに試合中、腕部だけ別の機体のものと変えたことを話した。
「ああ、あれは凄かったぞ? 真正面から白式を押し返すくらいのパワーがあったしな」
「今なら納得しますわね。あの黒い腕部こそが、もう一つの機体だったなんて」
「何かデカい斧を難なく、振り回したり、投げ飛ばしてたわよ、アレ」
「それくらいの性能があるってことは、第三世代機なのかな?」
シャルルは総評をまとめ、一つの推測を出す。
だが、それは否定される。
「いや、どうかしら」
「そうですわね。それにしては第三世代特有の特殊兵装がありませんもの」
「え、じゃあ、わかるのは単純に力のあるISってこと?」
「そうね。でも、近接武装しか出してなかったから汎用性のある第二世代機というわけでもなさそうだけどね」
収穫は少ない。誰一人としてまともに知らないのだから有効な情報はない。
だが、シャルルの目的は別。そちらに何の影響もない。本人がまもとな人間で収まっているのなら。
「ああ、ここか」
箒はやっと目的のハンガーを見つけ、鎮座しているモノも見つけた。
「ええと、これか」
四人も後ろからついて来てそれを視界に収める。
「へー、それに乗る……って、それがそうじゃん!?」
「デュノアさん……これがその機体ですわよ……」
「あー、シャルルー、これがさっきのやつだ」
「これが……?」
そこにあるのは黒い何か。ISというにはコンパクトに収まり過ぎている物体。
箒が触れると黒い塊は広がり、人型っぽいフレームになった。
「な、なんていうか、EOSってやつに近いかな……?」
初見のシャルルはその細さと小ささに驚いてしまう。
「では、私は少し着替えてくる。先に行ってても構わないぞ」
「あ、じゃあ、私たちも一緒に行くか」
「そうですわね、では一夏さんたち、またあとで」
「ああ」
「あとでねー」
五人は一度その場から離れ、整備室から更衣室に移っていった。
誰一人としていなくなった整備室。
声などあるはずもないのに、誰かの声が反響する。
「まさか増えるとは……篠ノ之さんのことだから織斑くん……アレとやり合うと思ってたけどなー……して、デュノアの転入生はシャルル……シャルル・デュノアかー……あれ? シャルルなんて名前の人いたっけ……? あとで調べるか」
ホントは一万文字近く書きたかったけど、キリが良かったんで。
しばらくは試験やらFGOfesやら帰省の準備等で忙しいので早ければ8月ですかね?
気づいたら鉄拳にギース参戦と聞いて、PV見たらやたらすごかったですし、
BBのクロスタッグバトルとか滾りに滾りますね……
2Dと3Dでそれぞれで格ゲーオールスターでもやるつもりなんですかね?
UNIの参戦は嬉しいですけど、アカツキとエルトナムの参戦は……厳しい?
何か噂でIS最新刊に結構重要な設定が出てくるっぽいのでそれの確認も……
一度原作の設定で新しいのが出て書いてた二次が崩壊したことあるんで、それを避けねば……
ソラのISは色々弄った結果、何か変な仕様になりそう……