異能者の少女は彼を救う。   作:black cat☆

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急展開ですが、気にしないでください。

それとアルスDQさん、ありがとうございます!!


彼と彼女の日常。

俺が偽の自殺をしてから一週間が経った。桜はずっと俺と一緒にいた。俺はそれが嬉しかった。俺はテレビをつける。するとニュースがやってた。そこに映っていたのは俺の家だ。

 

「あー……やっぱこうなるか」

 

俺は警察に遺書を送った。多分イジメに関してのことでニュースに取り上げられたんだろう。それを見続けると、泣き崩れている両親、虚空を見つめている小町が映った。

 

「っ…………」

 

胸が締め付けられる。小町を一人にしてしまった罪悪感で胸が痛い。両親を泣かしてしまって胸が苦しい。すると俺の背中が心地よい温もりに包まれた。

 

「大丈夫」

 

「え……」

 

「ほとぼりが冷めればまた会えるよ。けど今は休もう?今会ったら、またあなたは……」

 

「……悪いな、桜」

 

「ううん、大丈夫。それとさ、もう少しこうしてて良い?」

 

「…頼む。今離れられるとどうにかなりそうだ」

 

「了解♪」

 

ニコリと笑う彼女が眩しい。けど、見れない訳ではない。

誰かにこんなこと頼むのは初めてかもしれない。彼女の言葉は信じれる。こんなの初めてだ。彼女なら……

 

「……なぁ、桜」

 

「ん?なに?」

 

「……俺と友達になってくれないか?」

 

***

 

「……俺と友達になってくれないか?」

 

彼から発せられた言葉に胸が熱くなる。嬉しいのと少し残念と思ってしまった。どうせなら、告白してもいいのに。けど今は彼の心の傷を治してから。だから。

 

「うん、いいよ!」

 

私は、飛びっきりの笑顔で、答えるんだ。彼の為に。自分の為にも。

 

***

 

「そういえば、服とかどうする?」

 

彼女からそれを言われ、気付く。替えの服がないことに。

 

「……どうする」

 

「うーん…今出歩くと駄目だからね……せめて後一週間経てればなぁ………」

 

「ま、そこは桜がなんとかするだろ。異能を使えばいいし」

 

「当分はそれだね。けど、流石にサイズはあれだから、ほとぼりが冷めたら買いに行こ?」

 

「分かった。それと飯はどうする?」

 

「それなら大丈夫!!」

 

ポンッと色んな食材が出てくる。肉だったり魚だったり。

 

「異空間で育ててるからモーマンタイ♪」

 

「……ほんとチートだな」

 

それから風呂はどちらが最初に入るか論議して、桜が夕飯を作ってくれて感謝しきれない。だがな、桜。寝るときは別に一緒に寝なくてもいいからな!?

 

***

 

隣を見て、桜は規則正しい寝息をしている。俺は起こさないようにそっとベッドから出る。部屋からベランダに出て、深夜の街を見る。

 

「……なんで、俺は桜のことは信じれるんだろうな」

 

それが気になった。俺は特別なにもないのに彼女は俺を助けた。救ってくれた。感謝しきれない程だ。そして裏切られる心配など微塵も感じない。俺は、もしかしたら………

 

「いやいや、おかしいだろ」

 

流石にこれはない。こんなの勘違いだ。例え俺が良くても桜が駄目だ。

 

「どうしたの?」

 

後ろから声がかけられる。

 

「……いや、何でもない」

 

彼女を見るとほんの少し頬を赤く染めていた。なにか変な夢でも見たんだろうか?

 

「……ねぇ、今まで告白されそうになった時、勘違いで済まそうとしてたよね」

 

「……また記憶覗いたのか」

 

「ごめん、けど、これだけは言いたいの」

 

そう言って桜は俺に抱き着く。

 

「逃げないで。ちゃんと、受け止めよう?」

 

彼女の声はどこか悲しく聞こえた。俺は、それに応えるように、桜を抱き締める。

 

「ふぇ!?」

 

「……分かった。ありがとな、桜」

 

「……うん♪」

 

彼女だけは失いたくない。早すぎじゃないかって言われても、俺はそんなことどうでもいい。

 

俺は、桜が好きだ。

 


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