小町side
修学旅行の後からお兄ちゃんの様子が変です。何があったのか聞いても『お前には関係ない』って言ってくる。
あんなのお兄ちゃんらしくない。それに私は腹が立ち口論してしまった。それからある日洗濯機の中にあるお兄ちゃんの服をふと見ると、所々血がついていた。小町は分かった。お兄ちゃんがイジメを受けていることを。けどお兄ちゃんはそれを隠している。私は、お兄ちゃんをイジメている人達を許さない。だから今日こそはお兄ちゃんに謝ろう。そう思いお兄ちゃんの部屋の前に来た。少し緊張してしまう。玄関にお兄ちゃんの靴があったから帰ってきているはず。けど嫌な予感がしてしまう。私はそれを感じながらノックをする。
「お兄ちゃん、入る……よ………」
正直、入るんじゃなかったって思ってしまった。なぜなら、そこにはお兄ちゃんが首に包丁を突き立て、死んでいたから。
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今家の中に警察の方がいる。正直、小町はこれは夢だと思ってしまう。けど、お母さんやお父さんが泣き崩れている様子を見ると、本当に、お兄ちゃんが死んだことを表していた。あの時、小町がお兄ちゃんと喧嘩しなければ、あの時、お兄ちゃんに無理矢理にでも話を聞こうとしていれば、こんなことにならなかったはず。小町は、これからどうすればいいの………
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雪乃side
「もう部活来なくてもいいわ」
私は、何を言っているの?なんで、折角由比ヶ浜さんと私達の想いが通じ合ったはずなのに、なんで私はこんなことを言ってしまうの。
「……そっか」
彼のその笑顔は仮面だった。彼はそのまま、私達から離れていった。そして、彼が自殺したことを聞かされた。私は最低なことをしてしまった。どうやっても、彼はもう……私達の前には現れない。私は、これからどうすればいいの………
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平塚side
私は、一体何をしていた。彼を、比企谷を死なせてしまった。彼の精神状態を顧みず、色々と仕事をさせてしまった。こんなことなら、彼を奉仕部に入れなければ良かった。私は彼なら雪ノ下を救えると思ってしまった。だが結果はどうだ。彼はもう耐えきれず、自殺してしまった。私は、私は…………
「ちくしょう……!!!!」
私の胸が痛い。握り締めている手が痛い。だが彼が受けてきた痛みはこんなものではない。私は、分かっていたつもりだった。私は、これからどうすれば……
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由比ヶ浜side
ヒッキーが自殺してからあたしはまるで空っぽのような感覚にいた。優美子と話してても、姫菜と話してても、どこか足りない。あたしは、なんであの時、強引にでもヒッキーと一緒に帰ろうとしなかったんだろう。そうすれば、ヒッキーは死なずにすんだはず。私は、もう……耐えれない。目が霞んでくる。頬に冷たいのが伝わる。
「結衣!?大丈夫!?」
「……………ない」
「え?」
「大丈夫じゃ……ない……ヒッキー………」
あたしはとうとう泣き崩れた。二人はあたしのことを心配して近付いてくる。けど、今は一人になりたい。あたしは、もう、どうすればいいの……ヒッキー………
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彼女らからは後悔が感じる。そして彼と関わってきた人からも少なからず、後悔の念が感じる。けど、私は八幡を傷付けた奴らを許さない。彼女らがどう動くか、今はまだ監視していよう。