目を開けると俺はベッドで寝ていた。
「知らない天井だ……ってあれ?」
確か俺は自殺をしようとしててそれで……
「……結局、止められたか」
そんであのまま俺は彼女の言葉を信じ、眠った。彼女の言葉は信じてもいいと思えた。そして起きようとすると、俺は隣を見る。そこには俺の自殺を止めた彼女がいた。
「…………は?」
いやいや!?ちょっとこの娘なにやってるの!?
「むにゃ…八幡……抱っこ………」
そしてなんちゅう夢見とんじゃ!!俺の理性がゴリゴリ削られるっての!!
「……異能って本当にあったんだな」
いやまぁ、あれを見せられたら疑うことなんか出来ないよ。
さて、ここは俺の部屋じゃない。つまり彼女の家って言う可能性が高い。俺は不思議に思う。
「……なんで助けてくれたんだろう」
そう、そこが気になった。俺と彼女は初対面。恨まれるなら分かるが助けられることはない。起きたら聞いてみるか。てか寝顔可愛いから起こしたくない。
「けど、どうする……これだと起きるに起きれないな……」
仕方ない。罪悪感があるが起こそう。
「おい、起きろ」
起こそうとするとあら不思議!俺の腕を抱き枕のように抱きついてきた!
ってやばいやばい!!いい匂いじゃなくて理性がやばい!!
「おい、マジで起きてくれ」
ゆさゆさと揺らすと、ようやく起きた。
「ふぇ……?」
「ふぇってなんだよふぇって。そろそろ起きてくれ」
「……あ、ご、ごめん!!」
そうして離すと彼女は顔を真っ赤にした。俺も真っ赤だろうな。
「……良かった。自殺しなくて」
俺は疑問に思ったことを言った。もしかしたらなにか裏があるかもしれない。
「……なぁ、なんで俺を助けた?」
「なんでって言われても……」
彼女は言い淀む。やっぱりなにかあるに……
「……助けるのに、理由なんてある?」
「……!!」
俺は驚いた。彼女は嘘はついてないようだ。つまり彼女はその言葉どうり俺を助けた。
「え…ちょっとなんで泣いてるの!?」
彼女の言葉で気付いた。顔を濡らしてるのは涙だった。なぜ泣いてるのか。理由が分かった。
「嬉しくて…な……」
暫く、俺は泣き続けた。
***
彼の過去を見ると、彼が泣いた理由が分かった。私は嬉しかった。他の人のように泣いたり出来る彼を見て。彼が落ち着くと私は自己紹介してないことに気付いた。
「ごめん、忘れてたけど私は柊桜。よろしくね」
「比企谷八幡だ……ってもう分かってるか」
あれ、適応早くない?
「……あなたは私の力を恐れないの?」
「恐れるもなにも俺は実際に見たし、ここまでしてくれる恩人にそんなことは失礼だしな」
彼はそう言って笑う。笑顔の仮面を付けてない笑顔。私はそれにドキッとする。危うく告白しそう。
「う、うん、ありがとう」
こっちも笑うと彼もドキッとしたみたい。やられたら、やり返す。倍返しだ!
「あ、そういえばあなたこれからどうする?」
「あぁ……どうしようか……」
「……八幡、聞いてくれる?」
そう言って私は八幡が死んだことにさせてひっそり暮らそうと言うことを伝えた。私はやっぱり覚悟が足りない。けど、八幡には傷付いてほしくない。だからこれを伝える。
一通り言い終わると私は気付いた。私は泣いていた。すると彼は私の頭を撫でてきた。
「ふぇ!?」
「感謝するぜ、柊。そうしないと、俺はまた自殺しようって思ってしまった。けど柊がそれを止めてくれた。ありがとう」
「うん!」
私は思いっきり彼に抱きつく。彼は顔を真っ赤にして焦ってる。私だって恥ずかしいのに。
私は彼に許された。だから私は彼を守ろう。そして、いつか……
この気持ちを伝える。