鬼と骨 オーバーロード   作:たる・とり

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入院とPCが破損してしており暫く書くことができない状況になったあと、さっぱり掛けなくなってしまって1年以上空白が空いてしましました。
つい先日最新巻を読み創作意欲とかが戻ってきたので書かせて頂きました。

何分久しぶりなので依然の話との矛盾や誤字脱字があるかとは思いますがご了承ください。


第参話--出会--

4日目朝

日が昇り空が白み始めた頃、兵士達は馬達の手入れと朝の支度を始めた。兵士達の音に気が付き、朝の支度を手伝い出発の準備も同時に進めていった。

神楽達はというと、宵月がいくら揺すっても起きない神楽の、指にリングオブサステナンを嵌めて無理矢理覚醒状態にさせて、朝の支度を初めていた。

{最近、宵月達の私への対応が悪い、と言うか杜撰な気がする。}

近くの川から汲んできた水で顔を洗いながら1人子供達からの扱いに不満に感じていた。

 

起床してから2時間ほど経ち軽い朝食と出発の準備を済ませ、一行はエ・ランテルへと向かっていった。

エ・ランテルへと向かう道中、3時間ほど街道を進んでいくとゴブリンの10匹程の小規模な集団に2回ほど遭遇したが、戦士団は5人でこれを撃退していた。

戦闘が終わった際、戦士団の一人がゴブリンの死骸に近寄り、耳を剥ぎ取っていた。

神楽は不思議に思い、副長にそのことを聞くことにした。

「テオさん、あの人はゴブリンの死骸の耳を切り取って何をしているのですか?」

「ああ、御存じないですか。あれはモンスターなどを倒した証として町の組合に持ち込むとそのモンスターに応じて、報奨金が支払われるのですよ。」

話を詳しく聞いていくと、どうやら王家のラナー王女が、治安維持と冒険者への資金援助を兼ねて施策を数年前に行ったらしい。さりげなく、王女の話ついでに国内情勢についても聞いてみる。

国王直属戦士団副長ともなれば一般市民の知らない情報も聞ける、最悪聞けなければこっそり魔法を使ってでも聞き出しておいて損はないだろう。

 

しばらく話し込んだ後、神楽は副長の後ろで馬に揺られながら、今後の事を考えていた。

王国に戦士団または、王宮に務める。これは将来的に不安要素しかない。魔術を軽んじ、帝国に毎年戦争というなの小競り合いを強いられているのに、貴族は足の引っ張り合いと派閥争いで国は2つに分かれている。

帝国に士官する。今までの戦士団のレベルを考えれば一気に将軍クラスまで上がれるかもしれない。そうなれば給金という安定した収入を得られる。

しかし帝国の現皇帝は鮮血帝と呼ばれ、多くの貴族を粛清して力を強めているらしい。もし現皇帝といざこざが発生した場合、帝国全てを相手にすることになると厄介だ。

法国、今の所選択肢としてありえない。宗教国家という事に加えて人間種至上主義なので問題が起こる未来しか見えない。同じように聖王国も宗教色が強い為、除外。

竜王国はこの世界の脅威をある程度把握したらいいかもしれない。どうやらビーストマンの国に攻められ都市が陥落するほど困窮してるとの事なので一旗揚げるには、ちょうどいいだろう。

アークランド評議国やその他の亜人国家は現状論外。

評議国は情報がまったく入ってこない、国の最高意思決定機関の評議会のメンバーにドラゴンがいるっていうことだけ。

亜人国家はどれも粗野で人間種を食料ないし奴隷としか思ってないので論外。

とりあえずは王国で冒険者として情報収集と資金を稼ぎながら今後の身の振り方を決めようと考えていると今度はオーガが混じっているゴブリンの集団が前方に潜んでいると兵士の一人が見つけた。

なんとか迂回してやり過ごし、近くの水辺で一時休憩と食事を取りながら副長から遭遇していれば多数の死者がでていたと話を聞いた。

たかがゴブリンとオークの、それも50匹ほどの群れで国直属の戦士団が5人とは言え、これに手こずるというのはどういうことだろう。

単に戦士団のレベルが低いのかそれともモンスターが私が知っているモンスターとはレベルが違うのだろうか。

この世界での人類側の戦闘力とモンスターの戦闘力を確認をしないと今後の行動に直結するのでなんとかしないとと考えていると副長が他の戦士団を集めて今後の行程を確認していた。

エ・ランテルには夕方は到着する見込みだというがどうにもモンスターの動きが活発的すぎる為、もしかしたらもう一日かかるかもということだった。

通常であれば街道沿いは重点的にモンスターを狩っているため、遭遇しても一度あるかどうか。しかし今回は遭遇回数に数も異常なのでエ・ランテルに到着したら、冒険者組合なりに調査依頼しなければとも話していた。

次にまたモンスターと遭遇することになれば、こっそりとモンスター達との戦闘にちょっかいを出して両者の戦闘力を把握してみようと考えていたが、そこから道中、遭遇することなく日が落ちきる前にエ・ランテルへと到着した。

 

村人達は一度、戦士団の提供した宿泊施設で寝泊りをして、教会を経由して新しい村へと移住するそうだ。

二人は戦士団からフード付きのマント(襤褸切れに近いが異国の衣装で目立つので借りて)と冒険者ギルドの場所を聞き、そのまま登録する手続きをしていったが・・・

「まさか言葉は通じるのに、文字が読めないなんて・・・・」

「ええ、それにまさか神楽様が最下位の(カッパー)からの開始だなんて・・」

「それはしょうがないでしょう?そういうルールなんですから」

そう、冒険者登録に必要な書類に記されていた文字が二人とも一切読めなかったのである。

王国では識字率はそこまで高くない為、読み書きができない人間もかなりの数いるらしく、受付では代筆サービスもあり何とか登録まで行けたのだが――

「ええ、それにまさか神楽様が最下位の(カッパー)からの開始だなんて・・」

「それはしょうがないでしょう?そういうルールなんですから」

冒険者ギルドのルールとしてどれだけ実力があろうとも最初は最下位の(カッパー)からのスタートとなりランクによって受けられる依頼が変わってくると説明を受けた。

「まあこつこつやっていきましょ♪それが冒険ってものだからね」

「はぁ・・・無茶だけはやめて下さいね?もしも神楽様に何かあれば・・・・」

今回冒険者として登録したのは神楽だけ、というか神楽が宵月には冒険者とは別に一般に溶け込んで情報収集にあたって欲しい・・・

・・・という建前で一人でのびのびと冒険者ライフを送りたいが為に押し切った為である。

「さぁさぁ・・・!どの依頼受けようかなー・・・って読めないじゃない・・」

「受付に聞いてなにか見繕ってきましょうか?」

「もしかして新人さん?何か困ってるの?」

二人で依頼を張り出している掲示板の前で話ていると後ろから皮鎧を身に着けた若い女性から声を掛けられる。

「ええ、今日登録したばかりなのですけどちょっと文字が読めなくて・・・私は神楽、こっちは付き添いの宵月です」

「そういう事ね、宜しくねカグラにヨイツキさん、私はブリタ、(アイアン)クラスだからなんでも聞いてちょうだい」

「ありがとうございます、ブリタさん。どうぞお手柔らかにお願いします。」

神楽と宵月はブリタに握手を交わしながら挨拶をしていく。

「依頼を受けたいけど文字が読めないと、どんな依頼を受けたいとかあるの?」

「ええ、そうなのですよ。できれば討伐系の依頼があればいいのですが・・なにかありますかね?」

「んー・・・(カッパー)だとまともな討伐依頼はないわね、(カッパー)への依頼は雑用が大半だから」

「うぅ・・・そうですか・・・」

せっかく冒険ができると思った矢先に出鼻を挫かれ、しょんぼりとする神楽をみてブリタは

「じゃあさ、私達の手伝いをしない?」

「お手伝い・・ですか?一体どんなことを?」

「特に依頼はなくてもモンスターを狩れば報酬が出ることは知ってるわよね?さっきギルドから街道の情勢が不安定だってお知らせもあったから見回りがてら適当に回ってモンスターを倒せば金が貰えるのよ

 冒険者になるくらいだから多少は心得くらいあるのでしょう?」

「ええ、多少は」

「なら明日朝から私達のチームも出発するから付いてきなさいよ、戦闘はこっちで基本やるから荷物持ちになっちゃうけど」

「はいっ先輩よろしくお願いしますね♪」

「せっ先輩ってそんな・・!ま、まぁ私に任せない!」

先輩と呼ばれて嬉しいのか無駄に張り切るブリタををあれよあれよと持ち上げ夕食を奢らせ、ついでに過去のおとぎ話や伝説、アダマンタイト級冒険者の活躍等を聞き出していた。

「それじゃあ第三位階の魔法が使えればそれなりに需要があると・・・」 

「ええ、そうね第三位階使えるなら白銀(プラチナ)級位狙えるじゃない?貴方、魔法詠唱者(マジックキャスター)なの?」

「ええ、そうですね第三位階なら使えますよ」

「凄いじゃない!前いた所でも冒険者やってたの?」

「いえ、遺跡とかの調査がメインで・・・・」

ブリタからの質問は適当に流しながら神楽は昼間に聞いた副長とブリタの話を擦り合わせながら考えをまとめていく(想像以上にレベルが低い・・・第三位階なんてビギナー位しか使わないのに・・・でも副長からの話とも一致するし、このブリタが嘘をつけるようには見えないし・・・)

暫く話し込み明日の待ち合わせの約束の場所と時間を決めてブリタと別れ、戦士団が借りた宿舎に戻る。

「さて、ようやく冒険らしくなってきたわね!」

「神楽様、くれぐれも・・・」

「わかっているわよ、無茶はしないわ宵月。貴方も方も気をつけてね?」

「この命に代えても」

「だから自分の身を大事にしなさいって!もう・・・」

ドタバタと漫才のように騒ぎ、隣から怒られるまで続き夜は更けていく

 

その頃ナザリック一行は・・・

 

 

 「ドミニオン・オーソリティーィィ!」

「ま…まっ、待って欲しいアインズウールゴウン殿…いや、様!!命を助けて下さるなら…望む額を用意致しま…」

「確かこう言っていたな。 無駄な足掻きを止め、そこで大人しく横になれ。せめてもの情けに苦痛なく殺してやると」

「うわぁぁぁぁああ!!!」

ニグンの悲鳴とアインズ無双が行われていた。

 




10月26日 
第弐話 第参話 誤字修正を行いました。
高機動とうもろこし様ありがとうございます。

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