しばらくお休みしていてすみませんでした。
みなさん3連休どうお過ごしでしょうか?
私は土曜日に久しぶり帰った実家でバーベキューをして、日曜日に美術館に行きました。
そして今日は海に行く予定……だったんですが、なんやかんやでなくなってしまったのでFNS見ながら不貞てます。
そこら辺の話を1話分使って書きたいのですが、誰得だよ!って話なので、さっさと6話行っちゃいますね。
それでは6話をどうぞ!
冬華と由紀が学校を出た頃、上白家の家の横にあるガレージに1台の普通車が入る。
車から降りてきた1組の男女は上白家の門の前に立つと、懐かしそうな表情で家を見上げた。
彼らは3週間ぶりに上白家に帰って来た一姫と冬華の両親である。
「……久しぶりの我が家だな。冬華と一姫は元気にしてるかな。」
父親である春樹は帰って来た我が家を見て、久しぶりに出会う子供達の事を思い、しみじみ言うと、
「あの子達はまだ学校よ。もう少ししないと帰って来ないよ。」
と、隣にいる妻の玲奈からツッコミが入れられる。
「そういえば今日平日だったな。どうりで車の数が少ないわけだ。」
ツッコまれた春樹はおどけた表情をして右手で頭をかいた。
春樹が曜日感覚が鈍くなったのも無理はない。
何故なら彼らはこの3週間、平日も休日も関係なしに働いていたからだ。
「…………。」
頭をかいている春樹の手が止まって、その顔が神妙なものに変わった。
それを見て玲奈は、自身の両手で春樹の空いている左手を包むように握ると、
「大丈夫」
と、一言呟いた。
しばらく春樹は、握られている左手から玲奈の体温を嚙みしめるように目を瞑った後、閉まっている玄関の戸を鍵を使って開け、2人一緒に家の中に入っていった。
ーー第6話 きれつーー
帰り道を歩く冬華と由紀。
既に住宅街に入っており、家までもう少しの所まで帰っていた。
「ねぇトー君、今日の夕食なぁに?」
「ん? 今日? 今日はカレーだよ」
「やった〜、カレーだぁ♪」
「うわぁ!?」
夕食のメニューを知った由紀が嬉しさのあまり冬華に抱きつく。
「……もうユキ、急に抱き着いたら危ないっていつも言ってるじゃん」
そう言ってたしなめている冬華だが、その顔は優しく、手は由紀の頭を撫でていた。
「えへへ、ごみん」
だからか、由紀も口では謝っているがその顔は笑顔だった。
「じゃあトー君、家まで競争だよ! よーいドン!」
「あっちょっとユキ!」
冬華から離れた由紀が突然駆け出し、少し遅れて冬華も駆け出した。
足の速さでは冬華の方が上なのだが、家までの距離と最初に出遅れた分で、由紀に追いつけず、
「ゴール♪」
由紀により突然開催されたかけっこ大会は、僅差で由紀が勝利して無事閉会となった。
「ふっふっふっ、トー君まだまだだね」
由紀がすぐ後から来た冬華にドヤ顔をする。
「追いつけると思ったんだけどなぁ。ユキ、足速くなったな」
「えへへ、これがカレーの力だよ!」
「……少しだけだからね。」
「やった〜♪ トー君早く早く。」
カレーの味見の許可を貰った由紀は、待ちきれないといった感じで冬華を急かしながら、鍵のかかっている上白家の玄関の戸に手をかける。
「あっユキ、鍵ないと開かないよ。」
そんな由紀を見て、後ろにいる冬華は慌てて鞄の中から鍵を出そうとするのだが、前から聞こえてきた由紀の「あれっ?」と言う不思議がる声で顔を上げた。
「戸、開いてる……。」
その言葉と同時に由紀が戸にかけている手を動かすと、閉まっているはずの玄関の戸が手の動きに従って開いた。
「えっ!?」
その光景を見た冬華は驚いた声を出す。
それもそのはずだ。
何故なら今朝、玄関の戸を閉めたのは冬華自身であり、きちんと鍵がかかっている事も確かめている。
それなのに帰ってきたら鍵が開いていたのだ。
「と、トー君……。」
「……大丈夫。」
不安そうな表情で近づいてきた由紀を冬華は背中に隠し、警戒しながら家の中を覗くと、
「……あれ?」
玄関にはどこか見覚えのある男物と女物の靴が1足ずつ置いてあった。
「この靴って。……!」
その2足の靴を見ていると、家の奥から足音が聞こえてきた。
その足音は徐々に冬華達の方に近付いてくる。
そして、姿を現したのは、
「やぁ冬華、おかえり。」
「ユキちゃん、いらっしゃい」
「えっ! 父さん、母さん!?」
冬華と一姫の両親だった。
ーーーー
夕暮れの高校の校庭を歩く一姫と、一姫のクラスメイトである灰色の髪の丸メガネをかけた少女。
一姫は今日、その少女から『出された追試課題の問題が分からないので勉強を教えて欲しい』と頼まれたので、学校に残って勉強を教えていたのだ。
「カズ〜、疲れたよ……。」
疲労を顔に浮かべながら、少女は一姫にボヤいた。
一姫をカズとあだ名で呼んでいる所を見ると、2人の仲は良いようだ。
「弱音吐かないの。頑張ったおかげで課題全部終わったじゃない」
疲れ気味の少女を一姫は励ますと、少女は「それはそうなんだけどさ……」と、バツの悪そうに口を尖らせた。
少女に出された課題は現国のレポート3枚で、授業をある程度真剣に聞いていれば一応は解けるレベルの課題なのだが……。
やるべき事よりもやりたい事を優先してしまう性格の少女は、授業中も好きなゲームの事ばかり考えていたせいでテストの点が悪く、その結果課題を出されたのだ。
「まぁでも今日はホントにありがとね。お礼に何か奢るからどっか寄って帰らない?」
勉強を見てくれたお礼にと、少女が帰りに寄り道をする事を提案する。
「気にしないで。家に帰れば弟が作ってくれた晩御飯が待ってるし、私も教えてて楽しかったから。
またいつでも勉強見てあげるわよ♪」
そう言って一姫がイタズラっぽく微笑むと、
「ゔぅ、……しばらくは良いや。」
と、少女は苦笑いして、一姫の提案を断った。
「そう、残念ね。」
対する一姫は口ではそう呟いたが、その表情はあまり残念そうではなかった。
「じゃあ、カズ、また明日ね」
「うん、トウコ、また明日」
校門をくぐった2人はそこで別れて、それぞれの帰路に着いた。
ーーーー
「思ったより遅くなったわね……。」
住宅街まで帰ってきた一姫は、歩きながら腕時計を見て呟く。
下校時間までに終わる事が出来たとはいえ、帰宅部で生徒会にも入っていない一姫にとって放課後、学校に残る事事態が珍しく、この時間に帰るのはあまりないのだ。
「そう言えば今日はカレーだったわね。楽しみぃ♪」
上白家に辿り着いた一姫は事前に確認しておいた今日の夕飯を思い出して、玄関の戸を開けた。
『ちょっと待ってよ、そんな事いきなり言われても困るよ!』
戸を開けた瞬間、聞こえてきたのは、自分の弟である冬華の戸惑った声だった。
その声は玄関にいる一姫の元にまで届く程大きく、
「……!」
その声色で自分の弟の非常事態をいち早く察知した一姫は、玄関で靴も脱がずに廊下を走り、冬華の声が聞こえてきた居間の戸を勢いよく開けた。
中には弟の冬華と、幼馴染の由紀の他に、いつもはいない両親の姿があり、両親のすぐそばには2枚の書類が置かれていた。
その書類に書いてある文字が視界に入った瞬間、一姫は素早い動きでその書類を取った。
「な、なに……これ……。」
それは、両親の名前が書いてある異動辞令の書類と、既に必要事項が記述されてある冬華の名前が書かれた転校手続きの書類だった。
上白家の居間に重々しい静寂が包む。
7/7(木)、お気に入り数が20人を超えました。登録して下さったみなさま、ありがとうございます♪
丁度七夕の日だったので余計嬉しいです。
7/11(月)、UA数が2000人を突破しました。読んで頂いたみなさまありがとうございます♪
……突然ですが、この小説のプロローグの内容が「ご注文はうさぎですか?」と乖離している為、数日中に原作を「ご注文はうさぎですか?」から「がっこうぐらし」に変更します。
(
その為しばらくの間「ー原作カテゴリー」で「ご注文はうさぎですか?」を選択してもこの小説は読めませんが、「ご注文はうさぎですか?」のタグは付いているので「タグ検索」を使えば変わらずにご覧になる事が可能です。
急な変更申し訳ありません。