ご注文はうさぎですか? 下宿人は男の娘!?   作:ミツフミ

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冬華「……1?」

はい。第10話 かんげい“1”です。
これからはとある理由から123を使って話を進めて行こうと思います。

冬華「とある理由って?」

それは第1章からあとがきで始めているあのコーナーを目立たせる為です。
まぁ、回数は激減するので目立つかどうかは分かりませんが……。
とりあえず楽しんで頂けたら幸いです。
それでは本編スタート



かんげい1

「フワフワ〜♪」

 ラビットハウスに由紀の嬉しそうな声が響く。

 

 

 今、コーヒーを飲み終えた由紀が、チノに許可を貰ってティッピーの毛並みを堪能しているのだ。

 

 由紀の撫で方は上手く撫でられてるティッピーも気持ちよさそうだった。

 

「良かったね、ユキ。」

「うん♪」

 

 それを横で見ていた冬華が声をかけると、由紀は嬉しそうに返事する。

 

 

ーーーー

 

「?」

 

 しばらくした後、冬華が何かの視線に気が付き顔を上げる。

 

 冬華が感じた視線の正体、それはティッピーを撫でている由紀を羨ましそうに見つめているココアの姿だった。

 

 

(……? この店員さん、どうしたんだろう?)

 

 そんなココアを冬華は不思議そうに見つめ返していると、

 

「? ……! ココアさん、ティッピーをもふもふ出来ないからって、お客さんをそんな目で見つめないで下さい!」

 

 冬華の視線を追ったチノが由紀を羨ましそうに見ているココアに気付き、ココアを注意する。

 

 しかし、注意されたココアは、

 

「えー、私もティッピーをもふもふしたいもん!」

 

 と、駄々をこね始めた。

 

 

 年齢的にはココアの方が上なのだが、駄々をこねているココアは、窘めているチノより幼く見え、そんな2人のやり取りを見ていた冬華はココアかチノ、どちらが年上なのか一瞬分からなくなってしまった。

 

 

ーー第10話 かんげい1ーー

 

 

 

「ウサギを撫でさせていただいてありがとう。ティッピー、すっごく気持ち良かったよ。」

 

 しばらくしてティッピーの毛並を堪能した由紀がティッピーをチノ(の掌の上)に返す。

 

「いえ、こちらこそ。ティッピーも気持ち良さそうでしたし。良かったですね、ティッピー。」

 

 そう言ってチノがティッピーに優しく微笑むと、ティッピーはチノの掌から頭の上にジャンプで移動する。

 

 ティッピーの特等席はチノの頭の上なのだ。

 

 

 

 

「……そう言えばお2人ともキャリーバックを持っていますが、この街には旅行で来られたのですか?」

 

 冬華がおかわりのコーヒーを、由紀がサイドメニューのショートケーキを頼んでそれが運ばれて来た頃、冬華と由紀の横にあるキャリーバックが気になったチノが2人に質問する。

 

 

「いいえ、引っ越して来たんです。僕ら、この春からこの街の高校に通う事になって、今ホームステイ先の家に行く途中なんですよ。」

 

 チノの質問にキリマンジャロが入ったカップを置いた冬華が事情を説明する。

 

「そうだったんですか。」

 

 

 

「そういえばトー君、下宿先の家の名前ってなんだったっけ?」

 

「ん? 天々座さんって人の家だよ。」

 

「「!!?」」

 

 冬華が何気なしに答えた由紀の質問に、チノとリゼの動きが止まる。

 

 

「? どうかしたんですか?」

 

 2人のその突然の行動に疑問を感じた冬華は、何故か驚いているチノとリゼに聞く。

 

 

「……えっと、すみませんが、そのテテザさんの家が記した地図か何かあったら見せて頂けませんか?」

 

「? 地図ならここにあるよ。」

 

 チノの質問に疑問を覚えながらも、由紀は鞄の中にしまった地図を取り出し、カウンターの上に広げてみせた。

 

 

「……うちだ。」

「……え?」「?」

 

 地図を見たリゼが呟くと、冬華はポカンとした顔をして、由紀は頭の上に?マークを浮かべる。

 

 

 

「だからここ、うちの家だ!」

「「……へ!?」」

 

 もう一度、さっきより大きな声で呟いたリゼの言葉に冬華と由紀は同時に声を出す。

 

 

 

「えっ、じゃああなたが天々座 理世さん……なの?」

「そうだ。じゃあお前達が上白 冬華と丈槍 由紀なのか?」

「ハイ、そうです。……凄い偶然ですね。偶々休憩がてら入ったお店にこれから御厄介になる家の人が働いているなんて……」

「偶然を通り越して運命だよ!」

 

 冬華の言葉を遮って突然立ち上がった由紀がリゼの両手を握ってそう叫ぶ。

 

 

(いきなり運命感じられた!?)

 対するリゼは突然の事で着いていけず、

 

(昨日のココアさんみたいな事言ってる……。)

 チノは昨日のココアと似たような事を言う由紀に、(なんだこの客)と、怪しいものを見る視線を送った。

 

 

「リゼちゃん、このお客さんと知り合いなの?」

 

 話の流れに唯一着いて行けてないココアがきょとんとした顔をしてリゼに問いかける。

 

「あ、あぁ。チノには言ったけどそういえばココアにはまだ言ってなかったな。

 紹介するよ、2人は今日から私の所でホームステイする事になった、」

「上白 冬華です」

「丈槍 由紀だよ」

 

 

「で、こっちはこのラビットハウスで一緒に働いてる、」

「香風 智乃です」

「保登 心愛だよ」

 

 

「チノはこのラビットハウスの代理オーナーなんだ。」

「代理オーナー!? すごーい!!」

「だね。チノちゃん小さいのに偉いよ。」

 

 リゼからチノの説明を受けた由紀と冬華は共にチノを褒める。

 

 ……冬華はチノの頭を撫でるオプション付きで。

 

 

「……!/// あ、あのトウカさん、これは……?///」

 

 その頭を撫でる動作があまりにも自然だったため、自分が撫でられてる事に気付かなかったチノだったが、自身の状況を理解すると、顔を真っ赤にした。

 

 

「ん? あぁ、いつもユキにするからつい癖でね。……ごめん、嫌だよね。」

 

 そんなチノの表情が怒っている事と勘違いした冬華はチノに謝ってから頭から手を離す。

 

 その時にチノが小さく「別に嫌ではなかったです。」と呟いたが、その音はココアの「リゼちゃん、次は私を紹介して。」という声にかき消されて誰の耳にも届かなかった。

 

 

「分かった分かった……。えっと、ココアは春からこの街の高校に通う事になって昨日この街に来たんだ。ちなみにホームステイ先はここだぞ。」

「そうなんだ。じゃあ下宿人同士よろしくね♪」

 

 リゼからココアの説明を受けた由紀がココアにひまわりのような笑顔を送ると、

 

「うん、よろしく♪」

 

 ココアもひまわりのような笑顔を返す。

 

 そんな2人を見たリゼと冬華は、

((なんか2人ってよく似てるな。))

 と感じた。

 

 

 

「それにしても昨日の今日で、もうアルバイトを始めてるなんて凄いですね。」

「それは、私が通う学校の方針で“ホームステイ先の家でお手伝いをしなさい”って規則があるから手伝っているの。

でもその規則が無くても、こういうお店で働いてみたかったんだ。」

「そうなんですか。制服、よく似合ってますよ♪」

 

 冬華は笑顔でココアを褒める。

 ココアが着ているピンク色の制服はココアによく似合っていたからだ。

 

「ありがとう//」

 

 そして褒められたココアは若干顔を赤らめながら笑顔で礼を言った。

 

 




祝10話!
いつも小説を読んで下さってる皆様のおかげでここまで続ける事が出来ました。
ありがとうございます!!
これからも頑張って小説を書いて行くので応援よろしくお願いします。


小説ですが、11話は、かんげい1となりまだまだアニメ1話の内容が続きます。
もう少しお付き合いお願いします。

それでは次回もお楽しみに!


8/2(火)
お気に入り数が40人を突破しました。ありがとうございます♪

8/3(水)
UA数が4000突破しました。いつも読んで頂きありがとうございます。

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