遊戯王ARC-V 風纏いの振り子   作:瑞田高光

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とりあえずプロローグ7話目です。

この次でプロローグも終わりなのでこのプロローグ間で使用していた禁止制限をプロローグの1話目に乗せようと思います。


プロローグ7

『さぁ! いよいよ決勝戦です! 勝っても負けても……これがラストバトル! その決勝戦に駒を進めたのは……この2名! まずは、アクションデュエルの創始者、榊遊勝の長兄であり、アクションデュエルを用いられる今大会の優勝候補の一角! 榊遊牙! ……対するはっ……これまですべての試合を相手ターンキルしてきたチェーンバーンの申し子! チェーンスクール塾長の一人息子……火野 鉄鎖(ひの てっさ)! 何と、奇しくも有名塾の塾長の息子たちによる決勝戦となりました! それでは、参りましょう! アクションフィールド、オン! 選ばれたのは……ここ! “鏡の迷宮”!』

 

 MCの熱の入りようとはうってかわって、出現したのは鏡・鏡・鏡。辺り一面が鏡で覆われているドーム。そして、そのドームの中央にこれまた鏡で出来ている高台。そして、その下をまるで迷路を作るが如く鏡の壁が配置されていく。ここは比較的Aマジックが多く配置されている。それも、バーン系を防ぐものが案外多い。これは若干こっち有利かな?

 

『お互いに姿は見えないだろうけど参ります!』

 

「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」

 

「……」

 

 何か言えよっ! ……俺が言うしかないか。

 

「……モンスターと共に地を蹴り宙を舞い! フィールド内を駆け巡る!」

 

 

『見よ、これぞデュエルの最終進化系! アクショーン!』

 

「デュエル!」

「デュエル……」

 

YUGA LP4000 先攻vs後攻 LP4000 TSSA

 

 よっし、先攻取れた!

 

「俺は“魔導召喚士テンペル”を召喚!」

 

魔導召喚士テンペルATK1300

 

「そして“グリモの魔導書”を発動。デッキから“ヒュグロの魔導書”をサーチ。そしてテンペルのモンスター効果!コイツをリリースし……デッキより現れよ、“魔導法士ジュノン”!」

 

魔導法士ジュノンATK2500

 

「俺はカードを2枚セット。ターンエンド」

 

 俺は、ターンを明け渡すと同時にジュノンにも手伝ってもらいながらAカード探しを始めた。

 

「にしても、ここはどこが壁なのかさっぱり分からねぇ……四方全てが鏡に見える……」

 

「俺のターン、ドロー……」

 

 ……それにしても、やたらと冷静だな…………と言うよりも覇気がない、と言うかな……?

 

「……“デスメテオ”、発動」

 

「ファッ!? ちょ、ま……それきっつい……!」

 

 慌てて辺りを探すも、Aカードが見付かる筈もなく、その間にも俺の元に隕石が降ってくる……!

 

遊牙LP4000→3000

 

「っつつ……やろぉ、いきなりなんつーもんぶっぱなして来やがるんだ……」

 

 にしても、そろそろヤバいかもな。下手したらあのコンボが来るかも知れねぇ。残りライフ的に……

 

「……モンスターとカードをセット、終了」

 

 えっと、相手の陣形は……うわぁ、ガン伏せか…………うん、伏せカードが何となく予想できてしまうかな。ついでに伏せモンスターも何となく分かる気がする。とりあえず……言えることは…………

 

「このままで終わってたまるかってんだ! ドロー!」

 

 お、Aカード見付けた! ……よし、これなら!

 

「リバースカード“ギフトカード”。更にチェーンして“シモッチの副作用”発動」

 

『で、出たぁ!! 鉄鎖選手の必殺コンボォ!! これまですべての試合を決めてきた鉄鎖選手のこのコンボは決勝戦でも決まるのかぁ!?』

 

 フラグ建築あざっす!

 

「させねぇって! Aマジック“騙し鏡”! 相手の罠の効果を無効にして破壊する!」

 

騙し鏡

Aマジック

相手の発動した罠カードを無効にして破壊する。

 

「っ……!? 速攻魔法、“連鎖爆撃”! チェーン4で発動したから1600のダメージだ!」

 

LP3000→1400

 

「だが、シモッチの副作用がなくなったことにより、ギフトカードの効果で俺は3000回復する」

 

LP1400→4400

 

『おおっとぉ! Aマジックを利用してコンボを粉砕! 流石は榊遊勝の息子だぁ!!』

 

「…………貴様、絶対にぶっ倒す!」

 

 あれ、なんか逆鱗に触れちゃった?

 

「なぜ……なぜ俺に満足にデュエルをさせない!」

 

 いや、あからさまに俺負けちゃうからね!? 貴方に満足させたら! ……でも、まぁ

 

「俺は父さんみたいなデュエルは出来ない。でも……俺はピンチだろうと笑顔を絶やさない……そんなデュエルを続ける!」

 

「ハアッ!? お前、何を言って……」

 

「俺のドローフェイズ中だったな。続けるぞ!」

 

「……ふん、俺は今のところは何もしねぇよ」

 

 さて、手札はヒュグロを加えた3枚だけ……でも、魔導を組み合わせた他にも…………色々入れてるんだぜ? それに、アレも…………な。今回はひっじょーにデッキが回るか心配だけど……やるっきゃない。

 

「メインフェイズ1! 俺は伏せていた永続魔法“魔法族の結界”を発動。そして“見習い魔術師”を召喚して魔法族の結界に魔力カウンターを1個乗せる。そして“魔力掌握”を発動し、魔力カウンターを結界に1つ乗せ、デッキから魔力掌握を手札に加え、ヒュグロを見習い魔術師に対して発動。攻撃力を1000上げる」

 

見習い魔術師ATK400→1400

 

魔法族の結界

魔力カウンター0→1→2

 

 さて、あのセットモンスター……俺の勘が正しいならアイツだと思う。まぁ、違ってる可能性もあるけど…………それでも!

 

「バトル! ジュノンでセットモンスターを攻撃! この瞬間! 伏せていた罠“マジシャンズ・サークル”を発動! 互いにデッキから攻撃力2000以下の魔法使いを攻撃表示で特殊召喚する。俺はデッキから攻撃力1700の“マジカル・コンダクター”を特殊召喚!」

 

「……俺はデッキから攻撃力400の“お注射天使リリー”を特殊召喚だ」

 

 おっと、そいつを入れているのか。まぁ、LPの都合上1回しか効果を使えないけど……こいつを狙うよりはセットモンスターでも狙った方が良い気はするから……

 

「バトルは続行。ジュノンで引き続きセットモンスターを攻撃!」

 

???→メカウサーDEF100

 

 おっと、遊矢も一時期使っていたお手軽バーン兎だったのか。EMが揃ってないときに買ってやったんだっけ……

 

「“メカウサー”のリバース効果発動! ジュノンを選択し、そのコントローラーに500のダメージを与え、デッキより新たなメカウサーをセットする!」

 

遊牙LP4400→3900

 

 バーンダメージとしては微細だけど、こういうのが積もるとヤバいんだよな……ま、これで怯むような人間じゃねーんだよ、俺はさ!

 

「見習い魔術師でメカウサーへ攻撃っ!」

 

「メカウサーの効果によりジュノンを選択してまたメカウサーをセット」

 

遊牙LP3900→3400

 

「ヒュグロの更なる効果によりデッキからグリモをサーチ。マジカル・コンダクターでメカウサーを攻撃!」

 

「メカウサーの効果でジュノンを選択……」

 

遊牙LP3400→2900

 

 とりあえずのところはこんなものかな? ライフは……ちょっと心許ないか。相手の引きによるかな?

 

「俺はこのままターンエンド」

 

 にしても、伏せカードは使わせられなかったか……これがどう影響するか……

 

「俺のターン、ドロー……モンスターをセットし、ターンエンド」

 

 ん? 特に何もアクションを起こさずモンスターを伏せただけか……今度はどのモンスターだ?

 

「……俺のターン、ドロー!」

 

 ……手札は4枚。キーカードは無し……いや、あれがある、けど……本当に使うべきか……?

 

 

 

 

 

 

『遊牙兄! 僕、やっぱりあれ使って勝つ遊牙兄が見たい!』

 

『遊牙兄に絶対に勝ってほしい!』

 

『勝ったら、僕からプレゼントあげる!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……よし、あれを使おう。勝って、遊矢の笑顔が見たい。というか、笑顔にしてみせる。

 

「俺は魔力掌握を発動! 魔法族の結界にカウンターを乗せる! さらにマジカルコンダクターの効果によりデッキより新たな見習い魔術師を特殊召喚し、魔法族の結界に4つ目のカウンターを乗せる! そしてこの時、魔法族の結界の更なる効果! このカードと魔法使い族……見習い魔術師を墓地に送り、このカードに乗っていた魔力カウンター数だけドローできる! よって、デッキより4枚ドロー!」

 

手札4→8

 

 ……ダメ、だ。この手札じゃあ…………いや、まだだ。まだチャンスはある。あのセットモンスター……あれが予想通りなら……

 

「……俺は手札を4枚セット。そしてバトルフェイズ!」

 

「バトルフェイズ開始時、Aマジック、“鏡の大迷宮”。バトルフェイズ中、相手のモンスターの攻撃力を0にする」

 

っと……それは流石に無理だな……

 

「しゃーねぇ。俺は見習い魔術師を守備表示に、更にモンスターをセットしてターンを終えるぜ」

 

「……俺のターン、ドロー」

 

 さて……どう出てくるか…………

 

「……“流転の宝札”を発動。デッキより2枚ドロー……」

 

 ん……? 流転の宝札……って言うと確か2枚ドローして、ターン終了時に手札を1枚墓地に送らないと3000ダメージ…………だっけか? まぁ、デメリットは無いような物だしなぁ……

 

流転の宝札 通常魔法(オリジナル調整ver.)

手札がこのカードのみの場合にのみ発動出来る。

自分のデッキから2枚ドローする。このカードの効果でドローしたターンのエンドフェイズ時に手札を1枚捨てる。この効果で手札を捨てなかった場合、自分に3000のダメージを与える。

 

「……カードを2枚セット。セットモンスター“メタモルポッド”を反転召喚」

 

 やっぱりか! まぁ、あの今伏せたカードが何なのか……って所だろうが…………あの序盤に伏せられたカードが何なのか……その辺がまだ分からねぇな…………

 

鉄鎖

手札0→5

 

遊牙

手札3→0→5

 

「っと、良いねぇ。この手札なら……後は…………」

 

 

 俺が手札を見て思案していると、鉄鎖は【最初に伏せていたカードを発動した】。

 

「伏せていた“ハーピィの羽根箒”発動……相手フィールドの魔法・罠を破壊する」

 

 ……はぁ!? 今までずっと使ってこなかったのか!? ……仕方ない、か。

 

「リバースカード、オープン! カウンター罠“神の宣告”! ライフの半分と引き換えに破壊効果を無効に!」

 

LP2900→1450

 

 正直、ブラフで使う気は無かったんだが……仕方ない、か

 

「……メタモルポッドをリリースして、アドバンスセット。伏せていたリバースカード“レインボー・ライフ”を手札を1枚墓地に送り発動。そして墓地に送った代償の宝札の効果で2枚ドロー。そしてエンドフェイズに流転の宝札の処理は墓地に送らない(よし、ファイヤー・トルーパーが来た。次のターンが来れば勝利が確定する。今伏せカードもディメンジョン・ウォールと魔法の筒……攻撃してくるならそれでお仕舞いだ!)」

 

 ……なるほど、これは考えたな。本来受ける3000のダメージを1枚手札をコストにして2ドローと3000のライフゲイン…………ただの厄介なコンボです、どうもありがとうございました。

 

鉄鎖LP4000→7000

 

『鉄鎖選手、ここで大きくライフを回復ぅ!! しかも失ったアドバンテージを大幅に回復し、これはかなり勝利に近付いたのでは無いでしょうかぁ!!』

 

 あ、MC居たんだったな……にしても、これは確かにMCの言う通りに面倒な布陣だな…………まぁ、勝つ気しか無いけどな!


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