遊戯王ARC-V 風纏いの振り子   作:瑞田高光

71 / 74
幻想決闘録-7から8,9と続くの続きです。

まだ始まりを読んでない方は幻想決闘録-7まで戻ってから1話ずつお読みくださいませ








正直一度に投稿してるから前書きのネタが尽きてきた今日この頃(苦悶)


幻想決闘録-10

「僕のターン」

 

 俺はさっきのターンで一切動けなかったけど……剣君はどうなんだ?

 

「星因子デネブを召喚。その効果でデッキから星因子アルタイルを手札に。そして――」

 

 1ターン目にも見たこの展開。でも、その時と違うのは剣君が振り返り気味に見上げている二本の光の柱の存在。

 

「光の希望と神託よ。今交差して光の翼を導け、ペンデュラム召喚! 手札から星因子アルタイル! “星因子ウヌク”!」

 

 今度出てきたのは純粋な星因子たち。その効果はどれも地味に厄介だ。

 

「テラナイトの特殊召喚時効果発動。アルタイルの効果でまず煉獄の輝士ヴァトライムスを守備表示で特殊召喚。ウヌクの効果でデッキの星因子プロキオンを墓地へ。レベル4モンスター3体、星因子デネブ、アルタイル、ウヌクでエクシーズ召喚! 星輝士デルタテロス!」

 

星輝士デルタテロスATK2500

 

 デルタテロス……これで召喚や特殊召喚成功時に対して魔法・罠カードを撃つ事が出来ない……けど、それより厄介なのは除去。一番破壊されて困るのは2枚もある。どれを破壊してくるのか……ドキドキしてくるし、楽しい。

 

「ORU1つを使うことで、フィールドのカードを1枚破壊する。僕が狙うのは、その伏せカードだ!」

 

 選ばれたそのカード。それは……俺にとっての大当たりだった。

 

「選択されたこれだけど……効果にチェーンしてリバースカード、オープン! “貪欲な瓶”! 墓地の魔力の泉、貪欲な壺、戦士の生還、マスク・チェンジ、マスク・チャージを選択して発動。これらをデッキに戻してシャッフルし1枚ドロー!」

 

 カードを吐き出すアクションを起こした貪欲な瓶はそのままデルタテロスによって破壊された。

 

「さぁ、もっと楽しもうよ、剣君。ここで終わるなんて当然勿体ないでしょ?」

 

 やっぱり剣君とのデュエルは楽しい。もっともっと、ずっと楽しみたい……!

 

「当然! まだまだ続けるよ!」

 

 笑う剣君の様子は本当に心から楽しそうだった。ほんっとうに良いデュエルだよ。剣君!

 

「バトル! デルタテロスでセットモンスターに攻撃!」

 

???→幻影の魔術士DEF700

 

 一切躊躇いのない攻撃はセットしていたモンスターカードがひっくり返って姿を現した自身を護るポーズを取っていた魔術士をいともたやすく切り裂かれた。でも、これで終わるはずがない。

 

「戦闘で破壊され墓地に送られた“幻影の魔術士”の効果発動! デッキから攻撃力1000以下のHEROを呼び出す!」

 

 このデッキでは意外と呼び出す手段が多いからね、1枚だけの採用でも意外と使い勝手は良い。

 

「E・HERO シャドー・ミストを特殊召喚!」

 

E・HERO シャドー・ミストDEF1500

 

「シャドー・ミストの効果でデッキからマスク・チェンジをサーチ!」

 

 さて、これでまた考えれる内容の幅が増えた! ここからも楽しむ!!

 

「ならバトルを終了。ヴァトライムス1体でエクシーズ・チェンジ! 召喚、“星輝士セイクリッド・ダイヤ”!」

 

 っと、これはキツいな……

 

「ターンエンド。セイクリッド・ダイヤがORUを持っている限り、お互いのデッキからカードを墓地へ送れず、墓地から手札に戻るカードは除外される」

 

 

剣LP3200

手札1

星輝士デルタテロスATK2500ORU1

秘竜星―セフィラシウゴDEF2600

星輝士セイクリッド・ダイヤATK2700ORU1

伏せカード

 

フィールド魔法

セフィラの神託

 

竜星因士―セフィラツバーン:スケール1

覚星輝士―セフィラビュート:スケール7

 

 

 地味に墓地回収と墓地肥やしが封じられたのはつらい。一応頼らずにできるけど、まだ少し心許ない。

 

「俺のターンだ、ドロー!」

 

 ドローカードは……あ、そうか。墓地回収と言っても手札に直接戻さなければいいのか。と言っても引けるかは不明だけど。

 

「俺はさっき戻した貪欲な壺を発動、増殖するG、サイレント・アングラー、エアーマン、サモンプリースト、アシッドを対象に発動、デッキに戻して2枚ドロー!」

 

 うん、本当に引けるとは思わなかった……となればサーチよりも……

 

「エアーマンを召喚! 第一の効果の発動を宣言! 伏せカードを破壊するよ!」

 

 ここは魔法・罠除去効果優先かな。伏せカードが無ければ動きやすくなる。

 

「この伏せカードは神聖なる因子、発動だ。デルタテロスをリリースしてエアーマンを無効、破壊する。さらに1枚ドロー」

 

 おっとと、それだったか。でも逆に考えればこれで伏せカードを警戒する必要がなくなったかな。

 

「墓地へ送られたデルタテロスの効果発動。デッキから星因子アルタイルを特殊召喚。その効果で星因子デネブを墓地から特殊召喚」

 

星因子アルタイルDEF1300

星因子デネブDEF1000

 

 2体は守備表示。そしてデネブの効果でセフィラツバーンが手札に加わった。

 

「まだまだ。僕は崩されないよ」

 

 中々崩せない剣君の防御布陣。それでも……確実に打てる手を打っていく!

 

「伏せていた“リビングデッドの呼び声”を発動! 蘇れ、エアーマン!」

 

E・HEROエアーマンATK1800

 

 伏せカードの心配もないし、ここは!

 

「エアーマンの第2の効果発動! デッキからバブルマンをサーチ!」

 

 次に打つ手はもう決めている。

 

「マスク・チェンジをシャドー・ミストを対象に発動し変身! M・HERO闇鬼へ変身召喚!」

 

M・HERO闇鬼ATK2800

 

 もうシャドー・ミストの効果は使わなくて良いかな。このターンで場を出来る限り一掃する!

 

「シャドー・ミストの効果は使わない! バトル! 闇鬼でセイクリッド・ダイヤを、エアーマンでデネブをそれぞれ攻撃!」

 

剣LP3200→3100

 

 攻撃は……手札誘発などもなくどちらも通る。これなら……

 

「闇鬼の効果でデッキからマスク・チェンジをサーチ、そしてエアーマンを対象にそのまま発動! エアーマンを変身! M・HEROカミカゼへ変身召喚!!」

 

M・HEROカミカゼATK2700

 

「バトルフェイズ中につき攻撃続行! カミカゼでアルタイルに攻撃!」

 

 ダメージは通らないけど、それでも戦闘で墓地に送る効果が重要!

 

「カミカゼの効果で1枚ドロー!」

 

 引いたのは……よし! 防御札! ならもうこれを伏せない手はない!

 

「カードを2枚セット、これでターンエンド!」

 

 

勝太LP1500

手札3(E・HERO オネスティ・ネオス/バブルマン/???)

M・HEROカミカゼATK2700

M・HERO闇鬼ATK2800

リビングデッドの呼び声(不在)

伏せカード

伏せカード

 

 

 シウゴは残している。破壊してもすぐ戻ってくるからというだけだが、それでもサーチ効果が使われないだけで十分だ。

 

「僕のターンドロー。竜星因子―セフィラツバーン召喚」

 

 ツバーン……確か召喚時効果でセフィラを破壊出来たな。だとしたら……

 

「ライフを半分支払ってカウンター罠“神の宣告”を発動! その召喚を無効に!」

 

LP1500→750

 

 ここで止める。シウゴを対象にされたらたまったもんじゃない。

 

「だったらペンデュラム召喚だ。手札から“星因士カペラ”と“星因士シリウス”」

 

星因士シリウスATK1600

星因士カペラDEF2000

 

「シリウスの効果で墓地の星輝士デルタテロス、星輝士トライヴェール、煉獄の輝士ヴァトライムス、星輝士セイクリッドダイヤ、星因士アルタイルをデッキに戻して1枚ドロー」

 

 ここは伏せカードを温存か……いや、少しでも相手のできることを削る事はしよう。レベル4モンスターを1体でも減らせばそれはエクシーズを妨害できるし、何か別の手段で伏せカードを削られる方がこちらとしては嫌だから、早々に使っておくに越したことはない!

 

「リバースカード、オープン! “奈落の落とし穴”! シリウスを破壊し、除外!」

 

 とりあえず、これで伏せカードは使いきった。さぁ、展開してくるのか……するなら、俺は全力をもって相手しよう!! より一層楽しんで勝つのは俺だ!

 

「シリウスの鼓動は止められない! ドロー!」

 

 効果を止めることは確かにかなわない。でも、そのドローからどう来るのか……楽しみだ。

 

「“緊急テレポート”発動。デッキからレベル3以下のサイキック族を特殊召喚する」

 

 流石に特殊召喚までは防げない。防げないけど、どこまで来るのか……それが楽しみで仕方ない……だからこそ

 

「手札の増殖するGの効果発動! そっちの特殊召喚に応じて1枚ドローするぞ!」

 

 これでどこまで来るのか、それとも萎縮するのか……どっちだ?

 

「そっちがその気なら、こっちだって。星因子カペラと竜剣士マスターPでオーバーレイ。“ダイガスタ・エメラル”をエクシーズ召喚」

 

ダイガスタ・エメラルATK1800 ORU2

 

「ORU1つを使って効果発動」

 

 ダイガスタ・エメラルの墓地回収効果で混沌帝龍、プラスタートル、ガイアペライオがデッキとエクストラデッキにそれぞれ戻り、剣君の手札が1枚増えた。すると、広げた手のひらを突き出してきた。どうやら、全力で展開をしてくるらしい。

 

「シンクロモンスター爆竜剣士イグニスターPとエクシーズモンスターダイガスタ・エメラルを墓地へ送り、“旧神ヌトス”を特殊召喚。さらに貪欲な壺を発動、精霊獣使いウィンダ、竜剣士マスターP、星因士デネブ、爆竜剣士イグニスターP、ダイガスタ・エメラルを戻して2枚ドロー。続けて“ソウル・チャージ”発動。星因士アルタイル、星因士デネブ、星因士ウヌクを特殊召喚。デッキの竜星因士―セフィラツバーンを墓地へ、デッキの星因士シリウスを手札に、墓地の竜星因士―セフィラツバーンを特殊召喚」

 

LP3100→100

 

 たった1枚であっという間に場を埋める展開スピード……こればかりは流石テラナイトとでも言うべきなのだろう。バトルが行われないからこそ、自分のライフが無くなる可能性はない。少しだけ安堵する。

 

「竜星因子―セフィラツバーンと星因子ウヌクをオーバーレイ。エクシーズ召喚。“武神帝ツクヨミ”」

 

武神帝ツクヨミDEF2300

 

 ツクヨミは守備表示……まぁ、ライフが100しかないから仕方ないかな。

 

「旧神ヌトスは手札からレベル4モンスターを1ターンに1度特殊召喚させられる。“オルシャドール―セフィラルーツ”を特殊召喚。オルシャドール―セフィラルーツ、星因士デネブ、旧神ヌトスで“武神姫アマテラス”をエクシーズ召喚」

 

武神姫アマテラスDEF2500

 

「アマテラスの効果発動。除外されているレベル4以下のモンスター、星因士シリウスを特殊召喚。今度は星因子アルタイルとシリウスの2体でオーバーレイ。煉獄の騎士ヴァトライムス」

 

 再びその姿を現したヴァトライムス。さっきはリセットを警戒してたけど、今回は状況が違う。

 

「ORUと手札1枚コストにすることでヴァトライムスの効果起動。星輝士デルタテロスにエクシーズ・チェンジ。武神帝ツクヨミの効果発動。ORU1を使い、手札全てを捨てて2枚ドローデルタテロスの効果発動。煉獄の騎士ヴァトライムスを取り除きM・HERO闇鬼を破壊」

 

星輝士デルタテロスDEF2100

 

 これで俺の場がまた空になる。さっきと違うのは手札が潤沢にある、と言う事だろう。

 

「ツクヨミとデルタテロスのORUを代償に“エクシーズ・ギフト”発動。2枚ドロー。ヴァトライムスが墓地へ送った“シャッフル・リボーン”を除外、効果を発動。フィールドのカード、セフィラの神託をデッキに戻して1枚ドロー」

 

 ここで剣君の手が止まる。恐らくこれでほぼ打ち止めになるから考えているのかもしれない。

 

「“ミラクル・シンクロ・フュージョン”を発動。墓地の氷結界の龍トリシューラと星因士カペラを除外融合。凍てつく調和の波動を解放せよ、融合召喚! “波動竜騎士ドラゴエクィテス”!」

 

波動竜騎士ドラゴエクィテスDEF2300

 

 竜騎士の槍が振り回されたかと思うと冷たい風が少し届いた気がした。今のは一体……?

 

「カードを3枚伏せてターンエンド」

 

剣LP100

手札0

武神帝ツクヨミDEF2300

武神姫アマテラスDEF2500

星輝士デルタテロスDEF2100

波動竜騎士ドラゴエクィテスDEF2000

伏せカード

伏せカード

伏せカード

 

竜星因士―セフィラツバーン:スケール1

 

 守備力はどれも2000超え。これはオネスティ・ネオスの効果があるから突破は可能。問題は3枚ある伏せカード。一応対応可能な手札ではあるけれど、この次のターンではどうしても決めきれなさそう。

 

 

「来てよコナミ! 僕は負けない! デュエルにも、自分にも君にも!」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。