遊戯王ARC-V 風纏いの振り子   作:瑞田高光

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幻想決闘録-7がこのデュエルの始まりです。
ですので、幻想決闘録-7からお読みくださいませ。


幻想決闘録-8

「俺のターン、ドロー!」

 

 相手の手札に星戦が残ったまま……いつでも除去が飛ばせるぞという圧力……でも、そんな圧力にも俺は楽しさを感じて笑顔になってしまう。でも、相手の目はどこか勝利を狙いに行く、そんな風に感じ取れたのは多分気のせいじゃない。それでも俺は、このデュエルの楽しさをとことん追い求める。だからこそ、さっき引いたモンスターカードを召喚する。

 

「“召喚僧サモンプリースト”を召喚! 召喚時コイツは守備表示になる!」

 

 本当なら魔法カードを使って色々するべきなんだろうが、コストにするには惜しい。だからここはそのままフィールドに残っているモンスターと共に素材に使用する。

 

「サモンプリーストとバブルマンでオーバーレイ!

 

2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!

 

空虚を撃ち抜け、“鳥銃士カステル”!」

 

鳥銃士カステルATK2000

 

 ここで星戦は打ってこず、か。ならやれるだけやろう!

 

「カステルのエクシーズ素材を2つ使用しペンデュラムゾーンにセッティングされているセフィラツバーンを対象に発動!! ツバーンをデッキに戻すよ!」

 

青:竜星因士―セフィラツバーン:スケール1

        ↓

青:なし

 

 ここでも使用してこずスケール1は消えた。とりあえず7を削るよりはいいかと思ったけど……どうだろうね。

 

「やっぱりやるね。虚を突かれたよ」

 

 剣君の口元が緩んでくるのが見えた。楽しさを感じているんだろうけど、それ以上に楽しんでるのは俺だからね?

 

「ふふ、まだまだ楽しむからね? バトルフェイズ!」

 

 うーん、攻撃できるのは闇鬼だけなんだよなぁ、カステルは守備表示の方が良かったかな? まぁ、今更かな。んで、攻撃をするにしてもペンデュラムモンスターを攻撃するのは少し気が引ける。だからこそ、闇鬼の効果が光る。

 

「闇鬼は直接攻撃が可能だ。その代わり、ダメージは半分になるけどね。闇鬼で直接攻撃!」

 

剣LP6400→5000

 

 これでライフ差はまた縮まった。と言っても俺のライフはアライブのコストとして自分で削ったものだけ。結構このデッキはライフコストを必要とするカードが多いから少し悩みどころだけどね。

 

「俺はカードを1枚伏せてバブルマンを特殊召喚してターンエンド」

 

 

勝太LP4000

手札0

M・HERO闇鬼ATK2800

鳥銃士カステルATK2000

E・HEROバブルマンDEF1200

伏せカード

伏せカード

 

 

「ドロー。星因子デネブ召喚。その効果でデッキから竜星因子―セフィラツバーンを手札に」

 

 うーん、すぐ回収されたか……そういうのないと踏んだんだが……

 

「デネブとセフィラツバーンでオーバーレイ!

 

“煉獄の騎士ヴァトライムス”エクシーズ召喚!」

 

煉獄の騎士ヴァトライムスATK2600 ORU2

 

 ヴァトライムス……止める事は出来るけど……ここはまだいいかな。今は闇属性になってるからあれだけど

 

「セフィラの神託のエクシーズ効果によって、1枚ドローして手札の“クリアクリボー”を捨てる。さらに手札とORU1つを使い、煉獄の騎士ヴァトライムスの効果発動」

 

 やっぱり来た。ここで来るとしたらトライヴェール辺りかな。それだけは避けておきたい。きっと展開できる手段があるはず。

 

「このモンスターにエクストラデッキのテラナイトエクシーズモンスターを重ね、エクシーズ召喚扱いで特殊召喚する」

 

 こんな楽しいデュエルをこれで終わらせるなんて、そんなことはさせない。もっと、もっと楽しもう、このデュエル!

 

「リバースカードオープン、カウンター罠発動。ライフを1500支払い、“神の通告”! 効果を無効にして破壊!」

 

 天空から落ちた雷によりヴァトライムスの効果は無効化しその場から姿を消した。さぁ、まだまだこのデュエル、楽しもうぜ、剣君!!

 

「ペンデュラムゾーンに竜星因子―セフィラツバーンをセッティング! ペンデュラムゾーンに2枚のセフィラが揃っていることで、罠、セフィラの星戦を手札から発動。僕のセフィラシウゴと君の闇鬼を破壊する」

 

青:竜星因士―セフィラツバーン:スケール1

 

 まぁ、そう来るよなぁ! ここは仕方ない。使わされた形だけど、使うしかないかな。

 

「リバースカード、オープン! “フォーム・チェンジ”で闇鬼を変身!」

 

 残念ながらカミカゼはすでに既に使い切ってるし、ダイアンは違うはず……光牙はエクストラデッキにいない……ここはこれしかない……!

 

「変身召喚! M・HEROアシッド!」

 

M・HEROアシッドATK2600

 

 これでシウゴのみが破壊される。それだけじゃない……

 

「アシッドの効果! 相手の場の魔法・罠カードを破壊する!」

 

 墓地リソースと伏せカードを除去。これだけでも十分だけど、どうなるかな?

 

「来たっ!」

 

 どうやら、アシッドを待たれていたようだけど……効果は止められない……!

 

「墓地のセフィラの神意を除外することで、セフィラは破壊を無効にする」

 

 これは仕方ない。でも、墓地リソースを削るだけでも十分の働きだ。

 

「破壊された2枚の“運命の発掘”は、墓地の運命の発掘の数1枚につき1枚ドローする。その効果により、合計4枚ドロー。そしてセフィラシウゴが破壊されたことで最後のセフィラの神意をサーチ。発動して“宝竜星―セフィラフウシ”をサーチ」

 

 正直これはしてやられた……やっぱりデュエルはこういう不確定要素があるからこそ楽しいってもんだ!

 

「いくよ、ペンデュラム召喚! 手札の“イェシャドール―セフィラナーガ”と宝竜星―セフィラフウシ、エクストラデッキから秘竜星―セフィラシウゴと剣聖の影霊衣―セフィラセイバー!」

 

 拳を突き出した剣君のペンデュラム召喚によりフィールドが埋まる……それにフウシの効果は……!

 

「ペンデュラム召喚されたセフィラフウシの効果でセフィラセイバーにチューナーを与える。秘竜星―セフィラフウシとイェシャドール―セフィラナーガに、剣聖の影霊衣―セフィラセイバーをチューニング! シンクロ召喚! 溶けない氷の覇者、“氷結界の龍トリシューラ”!」

 

 やっぱりシンクロ召喚……そして出てきたのがトリシューラ……手札こそ被害はないけども……

 

「トリシューラの効果発動。シンクロ召喚されたとき、相手の手札・フィールド・墓地のカードを1枚ずつ除外する。くらえっ!」

 

 アシッドと墓地のシャドー・ミストが除外される。複数枚入れているアシッドはともかく、シャドー・ミストは痛いな。色々詰め込む過程で1枚だけにしてたから痛い……

 

「墓地の冥王竜ヴァンダルギオンと星因士アルタイルを除外して“混沌帝龍―終焉の使者”を特殊召喚。バトルフェイズだ。混沌帝龍でカステルを、トリシューラでバブルマンを攻撃」

 

 たった1000のダメージだけど、元々ライフコストで5500も使っていたからそれだけで残りライフが1500を刻む。5000まで削ったけど結局3倍以上に広がってしまった。

 

「手札を2枚伏せてターンエンド。僕だって、まだまだ負けないよ」

 

 

剣LP5000

手札0

混沌帝龍―終焉の使者ATK3000

秘竜星―セフィラシウゴDEF2600

氷結界の龍トリシューラATK2700

伏せカード

伏せカード

 

フィールド魔法

セフィラの神託

 

竜星因士―セフィラツバーン:スケール1

覚星輝士―セフィラビュート:スケール7

 

 

「っははは! やっぱデュエルは楽しいな!」

 

ターンエンドの声を聴くと、思わず笑ってしまう。おっと、何やら怪訝そうに見られてしまった。黒霧にまで……いけないいけない、俺のデュエルを初めて見る人にはいつも不思議な表情をされるんだよな。でも、俺のデュエルへの楽しさは俺の笑顔の源だ。

 

「いやぁ、そうだろう?そっちの場には攻撃力3000の混沌帝龍、攻撃力2700のトリシューラ、スケールも1~7としっかり残っていて守備力2600のセフィラシウゴもいれば伏せカードで防御も安全だ。対して俺は手札もフィールドも0のまっさら、墓地発動もない……ライフ差も5000と1500と俺は一撃で吹き飛ぶライフ……これほど楽しく、心揺さぶられる状況……そうそうないだろう?」

 

「9枚」

 

 9枚、か。そう考えるのもありだね、でも俺が狙っているのはたった1種類のカード。勿論、それが引けるとは限らないし、引けない可能性の方が高い。でも、その方が燃えるし、何より楽しい。

 

「来るの? ううん、君なら引ける」

 

 こんなに楽しいデュエルを終わらせるわけにはいかない。だからこそ、俺はこの一番上のカードを引く。それが、俺の考えているカードであると信じているからこそ。

 

「さぁ、楽しいデュエルはこれからも続く!! ドロー!」

 

 引いたカードを確認すると……自分が考えていた中で最良のカードが引けた。それに今までより一層笑顔になれる。

 

「手札がこのカードのみの場合、特殊召喚できる。来てくれ、“E・HEROバブルマン”!!」

 

E・HEROバブルマンDEF1200

 

 手札とフィールドが何もない、その状況はコイツが一番輝く最高の環境!

 

「コイツ以外に手札とフィールドに何も存在しないとき、デッキからカードを2枚ドローする!」

 

 新たに手札に加わった2枚を確認してみると罠カードと魔法カード。それらはどちらもこの場に相応しいものだった。まだ、この楽しいデュエルを終わらせてはならない。だからこそ、戦いは続く。

 

「魔法カード、“貪欲な壺”を墓地のカミカゼ、ダーク・ロウ、カステル、エアーマン、バブルマンを対象に発動! これらをデッキ、エクストラデッキに戻して2枚ドローする!」

 

 墓地の必要なカードを選択して戻し、シャッフル。そして新しく引いたカードはモンスターカードとこのデッキになくてはならない速攻魔法カード。より一層最高の引きに俺の楽しむ気持ちはMAXを通り越して常に高ぶっている状態だ。

 

「2枚目のマスク・チェンジを発動し、バブルマンを変身!」

 

 このデッキには上限まで積んでいるまだ仕事はあるぞ!

 

「M・HEROアシッドに変身召喚!」

 

M・HEROアシッドATK2600

 

 まず気にするべきは伏せカード。それをどうにかしない限りはこちらも考えが浮かばない。だからこそ……

 

「伏せカード、破壊させてもらうよ! アシッドの効果発動!!」

 

 さぁ、剣君はどう来る!

 

「カウンター罠“セフィラの神撃”。エクストラデッキのイェシャドール―セフィラナーガを除外して、カード効果を無効にする」

 

 そう無効にしてくるか。やっぱり面白いな!

 

「E・HERO エアーマンを召喚! エアーマンの第2のサーチ効果を宣言」

 

E・HERO エアーマンATK1800

 

 でも、こっちに使われなくてよかったな。今回はバブルマンよりもこっちの方が良さそうだ。

 

「<E・HERO オネスティ・ネオス>をサーチ。手札を1枚伏せてターンを終了」

 

 

勝太LP1500

手札1(E・HERO オネスティ・ネオス)

E・HERO エアーマンATK1800

伏せカード

 

 

 シンプルな最低限の防御手段。それでも、十二分に楽しめる。さぁ、どう来る……?


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